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炎のランナー

2009-05-29 00:05:22 | ★★★★★★☆☆☆☆
監督 ヒュー・ハドソン
キャスト ベン・クロス、イアン・チャールソン、イアン・ホルム、ジョン・ギールグッド、リンゼイ・アンダーソン、ナイジェル・ダヴェンポート
1981年 イギリス
ジャンル:ドラマ、スポーツ、実話

【あらすじ】
1919年、イギリスの名門ケンブリッジ大に入学した短距離選手ハロルド・エーブラハムズは、自分がユダヤ人であることを意識しながらも、貴族出身の中距離選手リンゼイ、物静かな障害物走のオーブリーらと友情を育みながら、共に陸上競技の選手としてオリンピック出場を夢見て練習に励んだ。彼にとっては走ることは偏見に勝利することであった。一方スコットランドではラグビー選手だったエリック・リデルが俊足を買われ短距離選手に転向していた。宣教師として海外での布教を夢見るエリックは、ただ神のため、信仰のために走っていた。1924年、第8回パリ・オリンピックが開催され、イギリス陸上陣は王者アメリカに戦いを挑むこととなったが……。


【感想】
この映画、以前観たのはいつだったのか覚えていませんが、そのときは「クソまじめで味気ない、面白味に欠ける映画」という印象でした。随分と久しぶりにお目にかかる機会を得ましたが、今回は登場人物達の友情やランナーとしての成功よりも宗教や人種差別に対する問題提起の側面を強く感じました。

そのため「ロッキー」のようなサクセスストーリー、熱血スポーツ映画として観てはいけません。(このタイトルではどうしてもそれを連想してしまう。)

基本的には陸上に明け暮れる青年達がオリンピックの大一番に挑む話ですが、その過程の中で、ユダヤ人であることで大学から差別を受けたり、宗教上の理由で競技が出来ないといった複雑な事情が存在することを描いています。

日本でも「宗教上の都合で○○できません」とかいう会話は一時期よく聞いた気がします。本作品が元ネタなのかは知りませんが、実際にそのような人は自分の周りにはいなかったです。少なくとも宗教上の都合でオリンピックに出れないという人は聞いた事がないだけに、あまり実感が湧いてこなかったです。今では非常に稀なケースといえるでしょう。

一方で人種差別については今でも十分実感できるテーマです。大学の職員は選手が勝ちたいという気持ちでコーチを雇ったことに対して、イギリス人の精神に反する行為としてユダヤ人の人間性を揶揄するような発言を本人の前で平気でします。ところがオリンピックで優勝してしまうと一転して「ずっと前から信じていた」などと自分も協力者だったようなことを周りに言うのです。この辺りの描写は人間社会のずるさ、汚さが良く出ていたと感心しました。

それから忘れてはいけないのはオープニングで流れているあの音楽。誰でも一度は耳にしたことがあるかと思います。これだけでも見る価値はあるかもしれません。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

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20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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