風のうた 小さな僕の自由な詩

楽しかったり、嬉しかったり、悲しかったりする時、伝えたい思いがあります。
そんな思いを詩に込めて

僕らの街角

2017-03-23 06:52:59 | 
あの日君が言った言葉が舞い戻る
街に埋もれていようとしては
その小さな手を握り
ビルの合間に風が吹いたその時
あの大きな影の中に君は何を思ったのだろう
人波の行方に駅のホームに
街のいたるところで心は落ちている
高架線の下列車が通れば
せめてもの僕の言葉は途切れたまま
表情だけで君に伝えたかった事
僕は君の心を拾えているかい
二人は若すぎたから
気付かないふりをしたけれど
どんなに優しい誰かすら僕らの心を拾えない
でもそれは僕らだけの街角が
ここに残っていることと同じだから
汚れは少ない残された時間はここにいよう

薄く雪が積もった朝に
二人だけの足跡が公園に続いた
生き別れの再開みたいに
言葉もなくただ抱きしめあったよね
僕はブランコに座り
都会を嘆く流行りの歌を歌ったから
君は微笑んでは頭を撫でてくれた
そして終わりなんだという事に気付いたよ
やがてまた少し雪が降り始めて
ただ悲しみを化粧していったから
有りがちだけど僕は手を引いて
あの二人のアパートの鍵を返しに行ったね
間もなく僕はスーツに身を包んでは
街の流儀に流れ込んで行ったから
君との日々を街のどこかに落としたけれど
汚れの増えた僕らの街角は
きっと今でも青春の思い出の苦さと共にある


コメントを投稿