風のうた 小さな僕の自由な詩

楽しかったり、嬉しかったり、悲しかったりする時、伝えたい思いがあります。
そんな思いを詩に込めて

灰に焦がれて

2016-11-30 21:54:40 | 
最期まで灰に焦がれて
一度だけの光を求め
外れたレールは冷たく
所詮は運命に遊ばれただけさ
雨が降れば空気が
湿って感傷的な音にだけ反応する
なぜ人は定めに抗うのか
同じく灰に焦がれれば
救われはしないけど
魂まで消える前に笑ってられる

完成形の成功を画面の裏に
仕込まれたから
単純な細胞では死ねないらしい
開かない鍵は
決して解けない方程式の様に
始まる前に終幕を知るから
どうせ金が降り注ぐんだろう
行き過ぎた空は消え行く海辺に
キスをして死に絶えるんだから
次に降り注ぐべき灰になろうぜ

最期まで灰に焦がれて
旅はもう終着点見据えてる
答えを求めるほど幼くもないけど
手探りで息をしてきたから
ただの快楽の結果に過ぎないとしても
意味ぐらい見つけてみても良いんだろう
灰色の日は明日を笑うのさ
真実はいつも昨日に逃げこむのだから
恒久的自由に縛られて死ぬのも良い
時計の針はあとため息一つで最期を指すから









願いを先へ

2016-11-23 20:44:16 | 
深層を覗く悪魔古めかしく笑う
魂を売りに来たのに余念がないから
空を捨て降り立ったなら痛みを売りに
そんな愚かさに溶け込むままに
人物画に固着した様に心をつかむ

愚にも付かない願いを掲げる僕に
太陽の光を切り分けて
風景画が回る景色へと色を変えるから
あとはノイズだけ振りきって
綺麗なままでポケットにしまう

足場はもう最後の渚だね
笑えない事実語っても思い出は消えよう
欠片にも灯した時は手のひらを裂いて
重ねてく思い出を素直にする
焦げついた夕焼けに言葉も逃げたなら

僕は焼け付く痛みで羽根を借りて
悲しく終わる想像を抱いて
眠れぬ眠り最後にあがいて
都会の灯は誰一人知らない
望んでそのままの光を浴びたから





枯れた花束

2016-11-22 23:11:42 | 
枯れた花束最高の瞬間に
運命はいつもあざける
巡りめぐった血液の様に
腐敗が再生に先行して
飽くなき光差し込むはずなのに
頭上に降るのが雨でも構わないなんて
今だけは強がらないぜ
このステージはお前と俺の始まりだから

隠した意思を解放の時に
フザケた未来暗示して
壁に写したスライドは笑う
中間色でも夢なら見るから
願いを今日に賭けたんだろう
悲劇が手を振っていても構わないなんて
今だけは強がらないぜ
明日への一歩はお前と俺のものだから

薄く笑う自嘲の陰で
天国での再会じゃなくて
息果てるまでをつかみたいから
魂が繰り返しささやく
答えを探しに行くんだろう
終幕がすぐ来ても構わないなんて
今だけは強がらないぜ
この先の答えはお前と俺で見出すものだから

蘇りし残存の時

2016-11-22 16:21:27 | 
配給で現れし残存の女神
終わりし時間覚醒する間に
誇らしく笑っていたから
生きてる場所へ戻せ
死に耐えし場所へ戻せ
最後の時は前を見て死ぬもの
心の声は流してあざける
悲劇はツケに
何故ゆえに俺が
誰一人知る術も持てない

鼓動に不幸を呼ぶもの
何千万の悲劇で遊ぶ
悪夢に酔いしれしあの影
にじんだ明日を潰せ
死に耐えし場所は潰せ
一度目の最後は素早く逃げる
カギは無惨な夢に飲まれ
いばらのツタが張って
ありふれた余裕の無さに
今日の街はまだ死んでる

眠りは西日で覚めずに
黄昏れの夢痛みに燃えて
壊れたあちこちの残骸
すぐ側でささやいて
もう直ぐとささやいて
何度目の最後も黙って逃げる
がれきの上に築かれし街で
傷ついた声で語る
切り取られた過去の余波に
蘇りし街はまだ生かされている




迷宮

2016-11-22 01:20:22 | 
目を閉じて時を刻んだら
音のない世界へ
今は意味がないリアリティ
捨ててより深く旅立とう
目を凝らして見えないトゲは
罪深き存在の性

やがて迷宮に出会う
目覚めぬ夢に惑わされて
時の消えた背徳的果実
傍らで光は差さず
せめてこのまま
寂れずにいさせて

ため息は捨てて来たから
今日の日も失くそう
今は止められない風にさらわれ
回帰せず眠ろう
捕らわれても霞んだ枷(かせ)は
尊厳の罪深き性

気付けば迷宮に出会う
触れられぬ場所へ惑わされて
隠した心はがされて
止まった時は動かず
どうかこのまま
壊れずいさせて