山猫狙撃隊

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セフィロスの危機

2015-03-25 | 
 仕事中に妻から電話が入った。セフィロスが座った時に「キャン」と鳴いて、その後ブルブルと震えているという。急いで帰宅すると、セフィロスはお座りの姿勢でまだ少し震えている。足を痛めたかと思って触ってみるが、特に痛い素振りは見せない。初めは病院に連れて行こうと思っていたのだが、大丈夫そうにも見えるので翌日に連れて行くことにした。この判断は後で強く後悔することになる。

 明け方、セフィロスがまた震えだす。間の悪いことに近場の夜間動物病院の診察が終わる時間。やむを得ず、かかりつけの病院の先生の携帯に電話する。緊急性は無いと思うので、診察時間に連れてきてくださいとの指示。

 診察時間が始まるのに合わせて動物病院へ。足は大丈夫だし、椎間板ヘルニアでもなさそうなので様子をみましょうということで注射して薬をもらって帰宅。この時、念の為にレントゲンを撮ってもらうべきだった。
 帰ってからセフィロスは元気そうにしていたが、夜になるとだんだんと後ろ足がもつれるようになっていった。これはどうもおかしい。明日、もう一度動物病院に連れて行こう。

 朝、セフィロスの後ろ足はすでに動かなくなっていた。明らかに椎間板ヘルニアだ。しかもグレードは最悪か、それに近い。動物病院に連れて行くと、急いで手術する必要があるとのこと。いちばん怖いのは脊髄軟化症を併発することで、これが発症するとほぼ確実に死に至る。
 MRI検査をするために別の病院へ。椎間板ヘルニアは軽めと聞いてホッとする間もなく、脊髄の炎症の範囲がとても広いと告げられる。絶望的な気分になった。
 元の病院に戻り、セフィロスを預ける。今日の夜か明日の朝に手術をする。下半身不随でもいいから、命だけは助かってほしいと祈る。

 家に帰り、病院からの電話を待つ。椎間板ヘルニアと脊髄軟化症について調べまくる。21時に電話がかかってきた。手術は明日の昼か夜に行うとのこと。そんな遅くに? さっきと話が違う。妻に電話を代わってもらい、考える。今は時間との勝負じゃないのか? 明日の朝までに手術をやってくれる病院を今から探せるか? 
 無理だ。ここは先生を信じて任せるしかない。いま急いで手術しても結果は変わらないと先生は言う。それは大丈夫という意味なのか、手遅れという意味なのか。

 翌日、電話を待つ。午前の診察時間が終わるのが13時。そこから一時間待っても連絡が無いので、待ちかねて電話してみる。すると、今から手術するとのこと。良かった、夜にはならなかった。
 ネットで得た情報によると、椎間板ヘルニアの手術は一時間程度。一時間待つ。二時間待つ。二時間半。たまりかねて電話する。ちょうどいま手術が無事に終わり、翌日の午前に面会できるとのことだった。

 これもネットで得た情報だが、椎間板ヘルニアの手術後は面会謝絶になる場合がある。絶対安静が必要だからだ。翌日に会えるのはまあ良かったと思いながら、動物病院へ。待合室で待っていると看護師がセフィロスを抱きかかえて連れてきた。

「え?」

 半ば呆然としながらセフィロスを受け取る。後ろ足は動かないが、元気そう。背中の手術跡が痛々しい。いや、そうではなくて待合室に連れてきていいのか?
 先生の話によると、手術は無事に成功。脊髄軟化症の可能性はまだ何とも言えない。リハビリが大事と言われ、安静にとは言われなかった。

 次の日から毎日動物病院へ通ってリハビリを行った。尻尾を動かしたことに喜び、足に少し力が入ったことに喜ぶ。一週間が過ぎて脊髄軟化症の恐れもほぼなくなった。そして二週間経ってようやく退院。

 ふらふらとするが、自分で歩けるくらいにまで回復していた。一番良い車椅子を買ってやろうと思っていたけど、それも必要ない。

 と、ここまでが一週間前までの出来事。今はさらに足がしっかりしてきた。どこまで回復できるかわからないが、命だけでも助かればと思っていた時に比べれば上々だ。まさか椎間板ヘルニアになるとは思っていなかったし命にかかわるとも知らなかったので、これからは充分に気をつけてやりたいと考えている。