申年は騒がしくなるという言い伝えのとおりか、2016年早々から国内外で吉凶混合の出来事が相次いでいる。
それら全てについて触れてゆくのは、あまりにも作業が多くなってしまうので、個人的な嗜好から音楽に関する1件だけ抜き出して書こうと思う。
先に断わっておくが、SMAPの件でもゲス乙女の件でもないからね。
それは、亡くなったデヴィッド・ボウイのこと。 日本で万人に広く知られたのは映画『戦場のメリークリスマス』ぐらいからなのだろうけれど、自分はマーク・ボランと共にグラムロックの旗手であったデヴィッド・ボウイの姿を思い起こすと懐かしいような何ともいえない気持ちになる。
コンセプト・アルバム『ジギー・スターダスト』の中やコンサートに於いてボウイは「スターマン」、まさにキラキラと輝くロックの巨星であった。
更に「先見の人だったデビッド・ボウイ CD不況を予測、音楽を証券化 死去で注目集める意外な功績」の見出しで、昨日産経ニュースが記事にしている内容が興味深い。
ボウイはこう語っていたという。
「音楽産業の変革は10年以内に起き、誰にも止められない。 10年後に著作権は存在せず、音楽自体は水道や電気のような存在になっているだろう」
記事は以下のように続く。
《その予言は的中。 無料や定額で音楽が聴き放題となるネット配信のストリーミングサービスが急成長。 楽曲が売れない時代になった。 ボウイ債は、その時代が到来する前に確実に利益を上げた》(以上、一部抜粋)
卓越したファッションや音楽のセンスに勝るとも劣らぬ、世相を先読みする能力に長けた華麗なる才人なのであったと納得した。
逝去の報に沢山の声が著名人から寄せられた。
ポール・マッカートニーは
「彼の星は永遠に空に輝き続けるでしょう」
と悼んだ。
親日家だったデヴィッド・ボウイ。 遙かなる空から、あなたが好んだ日本の道をしかと見守っていて欲しい。 決して彼を失望させることのないように私達は歩んでゆこう。