出すことのない手紙

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貧困と自殺

2021-06-29 16:18:29 | 今日の能書き

   2021年1月22日、朝日新聞アピタルの記事のタイトルは『自殺者、リーマン後以来の前年比増 小中高生は過去最多』だった。数字を見ると2020年の自殺者数は20,919人、そのうち女性が6,976人で前年より885人増加した。自分で命を絶つ、その意味を理解できるとは思わない。ただ、この数字は、どれひとつとして同じではない、それぞれに違った人生があったという意味だ。

  総務省の調査によると、2018年の非正規雇用は10年余り前と比べ350万人あまり増え、約2120万人となった。働き手に占める割合は38%と過去最高の水準にある。背景には、バブル崩壊後の雇用情勢の悪化や自民党が進めた規制緩和などがある。

  菅首相は、インタビューで自分の考えを問われたとき、「自助、共助、公助」という考えを示した。要するに、「国に頼らず、自分のことは自分で何とかしなさい。」という意味だ。マスコミも彼について「たたきあげの苦労人」とか「集団就職で上京した」とか、「苦労人」のイメージを作り上げた。おまけに「パンケーキ」が好物だという、意味不明としか言いようのないこともニュースとして流れた。「苦労人」である彼が、「自助」を強調するのは平仄があっているかもしれない。

  しかし、彼が官房長官在任中の2822日間に、内閣官房報償費(官房機密費)の「政策推進費」として使った総額は86億8,000万円であることがわかった。1日あたりに換算すると307万円で、この支出については領収書も必要ない。しかしこれはすべて税金である。彼が1日に使った307万円と、非正規雇用の2120万人の年間の収入とどちらが多いのだろう。ーーーもちろんこれは修辞上の表現であって、結論ははっきりしている。

  彼が、国民に「自助、共助、公助」と”冷たく”言い放つのは、自身の過去の行いに比べて「平仄があっているのだろうか?」ーーーもちろんこれも修辞上の表現である。結論ははっきりしている。
 





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