Invictus

　　2009年のアメリカ映画で、監督はクリント・イーストウッド、主な俳優はモーガン・フリーマンとマット・デイモン。この顔ぶれなら駄作はないという安心感がある。劇場で見たと思うが昔のことなので確かではない。先日、久しぶりにアマゾンプライムで見た。映画のあらすじは、南アフリカ共和国の最初の黒人大統領になったネルソン・マンデラ氏の物語である。

　　彼は27年間に及ぶ獄中生活を経て1990年に釈放され、1993年にはノーベル平和賞を受賞した。1994年、南アフリカ初の全人種が参加した普通選挙の結果、大統領に就任した。彼が目指したのは白人と黒人との民族の和解で、そのための契機としたのが自国で開催される1995年の第三回ラグビーワールドカップだった。

　　彼は、南アフリカ代表のラグビーチーム「スプリングボクス」の主将フランソワ・ピナールを招いて言葉を交わし、ひとつの詩が過酷な獄中生活を支えたと伝える。その詩が「Invictus」で、ラテン語で「征服されない」、「屈服しない」を意味しているそうだ。詩の最後の2行はとても有名で引用されることも多い。例えば映画「Casablanca」（1942年）にもそのセリフがある。

　　I am the master of my fate,
　　I am the captain of my soul.
　　我が運命を決めるのは我なり
　　我が魂を制するのは我なり

　　何を置き忘れたとしても、このおもいだけはこころに深く刻まなくてはならない。