出すことのない手紙

出すことのない手紙を書く。宛先はまだわからない。

資本論のはなし

2007-03-31 14:51:09 | 日々平安
 学校を出て東京で就職した。会社は千代田区平河町にあり、住まいは会社が借り上げたアパートの1室だった。アパートはJR小岩の駅から歩いて20分くらいのところにあり、冬は新江戸川の橋を渡るときの風が身に沁みた。  京都の実家から引っ越すとき、荷物は親が作ってくれたスーツと本だけだった。食事はすべて外食で、給料はほとんど食費に消えた。あるとき、パチンコに負けたか何かで給料日前にお金がなくなった。(いや . . . 本文を読む

羊頭狗肉

2007-03-31 11:53:29 | 映画
  「羊頭狗肉」はいつものことで珍しくもないが、昨日のエントリーは「看板に偽りあり」になってしまった。タイトルが「ヒトラー最後の12日間」で、内容は「ダ・ヴィンチコード」だった。おまけに「最期」と書くべきところを「最後」と書いている。最近、電池切れというか息が切れるというか、スタミナがなくなってきた。ということにしておこう。  ところで、「ダ・ヴィンチコード」を見たら久しぶりに「ベン・ハー」を見た . . . 本文を読む

ヒトラー最後の12日間

2007-03-29 19:22:42 | 映画
  最近、小言じじいモードになっているなあと自分自身を反省している。いつもいつもそんなことを考えて、腹をたてているわけではない。  土曜日、久しぶりにツタヤに行った。あれこれ迷った末、「ダ・ヴィンチコード」と「ヒトラー最後の12日間」を借りた。土曜日の夜更けから見始め、見終わったとき窓の外は白んでいた。2本とも期待以上だった。(もともと期待値はそんなに高くはなかった)  「ダ・ヴィンチコード」は映 . . . 本文を読む

孫引き

2007-03-20 19:33:02 | 今日の能書き
  孫引きで申し訳ない。  何度か書いたように私は藤沢周平の小説が好きである。若州一滴文庫のエントリーで中野孝次の言葉を紹介したが、彼が藤沢周平の短編小説集『玄鳥』に解説を書いているので一部を引用する。彼も藤沢周平の愛読者のひとりである。  新渡戸稲造はその著『武士道』の中で、かっての士にとって最も重んじられたのは廉恥心であったとし、こう言っている。  ―武士の教育において守るべき第一の点は品性を . . . 本文を読む

こたえ

2007-03-16 14:10:44 | 日々平安
1 My Fair Lady 2 ビクトル・ユーゴー、「!」   「本は売れているか?」と出版社に問い合わせたら、「とてもよく売れています!」と返事が返ってきた。返事を書いた出版社の機知に軍配をあげたい。 3 当時のロシアの貴族はフランス語で会話していたから。(たぶん、間違っていたらごめん)俳優たちにフランス語を話させるほど史実に忠実に作ったため、同じ会話をロシア語で流していた。 4 評した . . . 本文を読む

あたまの体操

2007-03-15 18:27:08 | 日々平安
  時間つぶしにクイズをどうぞ。 1 (イギリス) 3月14日のエントリーはある映画のセリフを題材にしました。その映画の題名は? 2 (フランス) 短い文章を書いたひとといえば、私の場合は博物誌を書いたルナールをおもいだす。しかしもっとも短い手紙の文章といえばこれだろう。   「?」      この文章を書いたフランスの作家の名前は?また、この返事は?ちなみに、かってろこのすけさんが完璧に答 . . . 本文を読む

冷血な殺人者

2007-03-14 20:50:18 | 今日の能書き
  ”By right she should be taken out and hung for the cold-blooded murder of English tongue."   シェークスピアやミルトン、そして聖書の言葉である英語。それをひどい下町訛りで冒涜しているとして、ヒギンズ教授はイライザにそう言った。  私は同じ言葉を、7日の国会答弁で「適切に処理した」と23回繰り返した松 . . . 本文を読む

小さなデモ

2007-03-14 14:10:22 | 朝鮮と日本
  2月25日の日曜日、参加者40人弱の小さなデモに参加した。   鴨川にかかる三条大橋(東海道五十三次の終点として知られる)の河原に集合し、午後3時ころ出発した。コースは三条河原町を北上し、御池通りで左折、烏丸通り、四条通り、河原町通りを、4角形を描くように歩く。ゴールは京都市役所である。   デモを企画したのは、京都の各大学に学ぶ朝鮮人学生と日本人学生たちだ。デモの名称は「在日朝鮮人に対す . . . 本文を読む

年をとると

2007-03-13 11:13:17 | 日々平安
  年のせいかなにげないものが美しくみえる。例えば、若者らしい若者はそれだけで美しい。   今朝、交差点の赤信号で停まっていたら、ひとりの若い女性が自転車にのって信号待ちをしていた。その様子にしばし見入ってしまった。細身の黒いデニムのズボンとカーキ色のパーカー、足元は白いスニーカーで背中に黒っぽいバックパックを背負っていた。長い黒髪が風にほつれて白い小さな横顔を縁取っている。遠めには顔かたちはは . . . 本文を読む

3万円(3)

2007-03-09 17:35:19 | 日々平安
 タイトルの3万円にさしたる意味はない。タイトルを考える手間を省いたというのが実情に近い。そのうえ(1)、(2)では能のないことこのうえない。せめて團伊玖磨のように多少は智恵を働かせるべきだとは思うのだが、所詮駄文である。タイトルに凝っても仕方ない。  話は前後するが、靖国神社を出たのは昼前だった。そこから友人との待ち合わせ場所である神田の岩波ホールの前まで歩くことにした。(岩波ホールもいちどは . . . 本文を読む