県内では、長野県信用組合が業界に先駆けて導入している。
今朝早く、上司を駅まで送る道すがら、ラジオのCMでも流れていた。
そのとき、素朴な疑問が浮んだ。
「両手のない人はどうするのだろう?」
サービスを利用できないことは自明である。
実は私は、クレジットカードはおろかキャッシュカードも作っておらず、決まった支店の窓口で現金を
払戻すので、生体認証システムについての知識・関心は薄い。
ただ、テレビでの報道は目にする。
その文脈のほとんど全てが、カード犯罪の手口とその対抗策としてのハイテクノロジー、せいぜい
銀行や信販会社の法的責任、安全コストについてである。
知る限り、私と同様の疑問を提起した人はいない。
どうしてかは私には分らないし、私はブラックジョークをかましているわけではない。
身体的特性によって受けられないサービスなどいくらでもある。
一方で、両手を失うか、元々失われている人も、経済活動を営んでいる。
どうして議論にも上らないのか、それが不思議なだけだ。
さて…。
技術については無知だが、生体認証システムとは、ヒトの個体において一意にきまっている情報を
デジタルデータに変換して認識するものだろう。
個体識別=本人確認ということだ。
ここで留意したいのは、手のひらの静脈パターンは各個体に一意に決まっていて、それが科学的知見に基づく事実だ、ということが、生体認証の信頼性を保証するとは限らないということだ。
どこかで、デジテルデータに変換されるわけだから、改竄は可能だろう。
そして、認証システムのハードルが高くなるほど、破られた時の発見も遅れる、とは想像できないのだろうか。
手のひらの静脈パターンは、その人に固有で、それを認証したのだから間違いない、と信じるとしたら、
それはより危険ではないのだろうか。
翻って我々は、後姿や遠目で人違いをすることはあっても、人違いであるということを瞬時にして理解するではないか。
ハイテクだけに頼る仕組みは、いずれハイテクに破られる気がする。
例えば、立て続けの現金の引き出しや、今までの購入パターンとは著しく違う不自然な動きがあった
とき、本人に電話で問合せる方法は取れないのだろうか。
保守的な運用というか、ハイテクには必ずローテクとセットで運用するのだ。
この時、電話をかけて確かに本人が使ったと確認できた時、担当者が、
「なんだ、無駄な時間とコストだ。」と、虚しさを感じるのか。
「良かった、お客様の預金が無事だった。」と、喜びを感じるのか。
たとえ顧客に「大きなお世話だ。」と言われたとしても…。
ここにこそ金融機関が抱える問題の本質がある、と私は思う。
指先だ手のひらだ、瞳がいいの、ケツの穴の皺がいいの(誰もそんな事は言ってない)、そんな議論は
開発メーカーのハイテク競争に過ぎない。
だとしたら、余事なのだ。
今朝早く、上司を駅まで送る道すがら、ラジオのCMでも流れていた。
そのとき、素朴な疑問が浮んだ。
「両手のない人はどうするのだろう?」
サービスを利用できないことは自明である。
実は私は、クレジットカードはおろかキャッシュカードも作っておらず、決まった支店の窓口で現金を
払戻すので、生体認証システムについての知識・関心は薄い。
ただ、テレビでの報道は目にする。
その文脈のほとんど全てが、カード犯罪の手口とその対抗策としてのハイテクノロジー、せいぜい
銀行や信販会社の法的責任、安全コストについてである。
知る限り、私と同様の疑問を提起した人はいない。
どうしてかは私には分らないし、私はブラックジョークをかましているわけではない。
身体的特性によって受けられないサービスなどいくらでもある。
一方で、両手を失うか、元々失われている人も、経済活動を営んでいる。
どうして議論にも上らないのか、それが不思議なだけだ。
さて…。
技術については無知だが、生体認証システムとは、ヒトの個体において一意にきまっている情報を
デジタルデータに変換して認識するものだろう。
個体識別=本人確認ということだ。
ここで留意したいのは、手のひらの静脈パターンは各個体に一意に決まっていて、それが科学的知見に基づく事実だ、ということが、生体認証の信頼性を保証するとは限らないということだ。
どこかで、デジテルデータに変換されるわけだから、改竄は可能だろう。
そして、認証システムのハードルが高くなるほど、破られた時の発見も遅れる、とは想像できないのだろうか。
手のひらの静脈パターンは、その人に固有で、それを認証したのだから間違いない、と信じるとしたら、
それはより危険ではないのだろうか。
翻って我々は、後姿や遠目で人違いをすることはあっても、人違いであるということを瞬時にして理解するではないか。
ハイテクだけに頼る仕組みは、いずれハイテクに破られる気がする。
例えば、立て続けの現金の引き出しや、今までの購入パターンとは著しく違う不自然な動きがあった
とき、本人に電話で問合せる方法は取れないのだろうか。
保守的な運用というか、ハイテクには必ずローテクとセットで運用するのだ。
この時、電話をかけて確かに本人が使ったと確認できた時、担当者が、
「なんだ、無駄な時間とコストだ。」と、虚しさを感じるのか。
「良かった、お客様の預金が無事だった。」と、喜びを感じるのか。
たとえ顧客に「大きなお世話だ。」と言われたとしても…。
ここにこそ金融機関が抱える問題の本質がある、と私は思う。
指先だ手のひらだ、瞳がいいの、ケツの穴の皺がいいの(誰もそんな事は言ってない)、そんな議論は
開発メーカーのハイテク競争に過ぎない。
だとしたら、余事なのだ。