黒いTシャツと青い人生相談
今年1月に刊行された、いくつかの点で特徴のある人生相談。
当ブログで人生相談について触れるのは松浦理英子さんに次いで2度目となる。
帯に特徴が要約されているので全文引こう。
~36万アクセスを獲得した
無名のアメリカ人による日本人のための
最後は自分で決断することを促す
日英2ヶ国語人生相談
と、なぜか黒いTシャツ
誰かが代わりに、君の小便をしてくれるわけではない。
No one else can pass your urine fou you.
蛇足的に補足すると、
1 ウェブサイト(OutsiderVoice.com)での人生相談をまとめたものである。
まあこれは異色なんだろうか。他にもあるのかな。
2 著者チップ・エクトン氏はいかなる分野においても有名な人物ではなかった。
そして、同氏は刊行前に45歳の若さで亡くなった。
3 左頁に日本語、右頁に英語が併記されている。
英語の教材として使える。
4 人制相談から派生して黒いTシャツが作られ販売された。
Tシャツには線画のイラストと回答の中の印象的なフレーズや関連した文句が描かれている。
帯の「小便」云々は代表的なもの。アメリカ人らしい言い回しと言っていいだろうか。
質問にも特徴があるので、いくつか挙げよう。
「こびりついたうんこを落としても、心はきれいになりませんでした。」
(勤務先で強制された「トイレ掃除研修」に対する違和感の表明:電線註)
「欧米人は僕らのことを、人まね好きの猿ぐらいに思っているのではないでしょうか?
で、僕らのつくるロックなんて、所詮、猿楽にすぎないと、思っているのではないでしょうか?」
「いったいぜんたい、アメリカは中東で何がしたいのですか?」
こうした質問は「人生(身の上)相談」からは逸脱している。
グローバルな悩みというか。
もちろんメインは、進路・家庭・人間関係(恋愛やセックス含む)といった定番である。
チップ氏の答え方は、もの静かなトーンで貫かれていて、相談者に対する適度な親密さを備えている。
無名だから当然だが、成功体験をむやみに敷衍することもないし、一方何らかの(カウンセリングとか)メソッドに依拠しているわけでもない。
また、両性愛者であることも、別段回答には表立ってこない。
内容は平明で論理的であり「自分の尊厳を傷つけるのはよそう」というメッセージである。
書籍化されるまでサイトの存在を知らなかったので、どんな経緯でチップ氏が人生相談の回答者となり支持を得るに至ったか、それを私は知りたいと思う。
最後にチップ・エクトン氏のご冥福をお祈りし、気に入ったフレーズを。
「一般的にどうなのか、みたいなことは、結局、重要なことではない。」
In the end, it doesn't really matter what other people are like.
今年1月に刊行された、いくつかの点で特徴のある人生相談。
当ブログで人生相談について触れるのは松浦理英子さんに次いで2度目となる。
帯に特徴が要約されているので全文引こう。
~36万アクセスを獲得した
無名のアメリカ人による日本人のための
最後は自分で決断することを促す
日英2ヶ国語人生相談
と、なぜか黒いTシャツ
誰かが代わりに、君の小便をしてくれるわけではない。
No one else can pass your urine fou you.
蛇足的に補足すると、
1 ウェブサイト(OutsiderVoice.com)での人生相談をまとめたものである。
まあこれは異色なんだろうか。他にもあるのかな。
2 著者チップ・エクトン氏はいかなる分野においても有名な人物ではなかった。
そして、同氏は刊行前に45歳の若さで亡くなった。
3 左頁に日本語、右頁に英語が併記されている。
英語の教材として使える。
4 人制相談から派生して黒いTシャツが作られ販売された。
Tシャツには線画のイラストと回答の中の印象的なフレーズや関連した文句が描かれている。
帯の「小便」云々は代表的なもの。アメリカ人らしい言い回しと言っていいだろうか。
質問にも特徴があるので、いくつか挙げよう。
「こびりついたうんこを落としても、心はきれいになりませんでした。」
(勤務先で強制された「トイレ掃除研修」に対する違和感の表明:電線註)
「欧米人は僕らのことを、人まね好きの猿ぐらいに思っているのではないでしょうか?
で、僕らのつくるロックなんて、所詮、猿楽にすぎないと、思っているのではないでしょうか?」
「いったいぜんたい、アメリカは中東で何がしたいのですか?」
こうした質問は「人生(身の上)相談」からは逸脱している。
グローバルな悩みというか。
もちろんメインは、進路・家庭・人間関係(恋愛やセックス含む)といった定番である。
チップ氏の答え方は、もの静かなトーンで貫かれていて、相談者に対する適度な親密さを備えている。
無名だから当然だが、成功体験をむやみに敷衍することもないし、一方何らかの(カウンセリングとか)メソッドに依拠しているわけでもない。
また、両性愛者であることも、別段回答には表立ってこない。
内容は平明で論理的であり「自分の尊厳を傷つけるのはよそう」というメッセージである。
書籍化されるまでサイトの存在を知らなかったので、どんな経緯でチップ氏が人生相談の回答者となり支持を得るに至ったか、それを私は知りたいと思う。
最後にチップ・エクトン氏のご冥福をお祈りし、気に入ったフレーズを。
「一般的にどうなのか、みたいなことは、結局、重要なことではない。」
In the end, it doesn't really matter what other people are like.