「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「薔薇の香のお裾分け」

2012-05-20 11:03:35 | 和歌

   ふたたび「うつろ庵の紅薔薇」です。



 過日は、「紅白の薔薇」で、珊瑚樹越の紅薔薇を掲載したが、今回は生垣の内側の様子を皆さんにご紹介する。

 この薔薇の右側に、ごく簡単なベンチを設えてあるが、其処が虚庵居士の「棺桶ベンチ」である。甕を逆さに置き、底の上に厚い板を置き、丸竹を厚板と平行にして珊瑚樹の枝に固定して背凭れとした。ごく質素なベンチだが座り心地は抜群だ。
ベンチに坐して薔薇の香に包まれ、
44%泡盛の杯を手に陶然とする虚庵居士をご想像あれ。
  
 じじ・ばばだけが薔薇の香を愉しむのでは、余りにも「モッタイナイ」。そこで生垣の外に篭をぶら下げ、散り敷いた薔薇の花びらを篭に入れ、落書きをした小さな紙片を添えた。

 

          紙片の落書き: 薔薇の香のお裾分けです


          舞い散るもなお香しき花びらの

          こころを受けまし 御足とどめて




 道行く人びとが、代わる代わる訝しげに立ち寄り、落書きに眼を落し、篭の花びらの香を愉しんで下さる。反応もそれぞれ多様で、そんな様子を垣間見るのもまた、じじ・ばばの愉しみの一つである。