今月に入ってからとても忙しく、テレビ番組のチェックがすっかり甘くなっていた。そろそろ次の記事を投稿しようと書き始めていたところ、ブログをお読みいただいている「はやぶさ」さんから「既にご存知だと思いますが」と、この番組のことをご連絡いただいた。
「いや、ご存知じゃなかったです。うっかり見逃すところでした!」
ということで急きょ告知記事を投稿させていただくことにした。はやぶささん、ありがとうございました。
このところNHKは質の高い科学教養番組をたくさん放送してくれるようになり、科学ファン、物理学ファンにとってはとてもありがたい。
今回の番組も「必見!」のうちのひとつで興奮に満ちた講義となるだろう。前もってクラウス教授の著書を読んでおきたい。翻訳されたのはこれまで数々の科学教養書を翻訳された青木薫さんだ。
NHK宇宙白熱教室
今、宇宙論に大革命が起きている!
現代宇宙論の最先端へ招待しよう!
動画を再生:1回 2回 3回 4回
《放送予定》: NHKの講義一覧ページ
NHK Eテレ 金曜 午後 11:00~11:54(2か国語放送)
6/20 第1回 入門編1:「宇宙のスケールを体感する! ~空間・時間・物質~」(詳細)(解説記事)
6/27 第2回 入門編2:「物理学者の秘密のお仕事 ~物事を大ざっぱに捉える!~」(詳細)(解説記事)
7/4 第3回 「宇宙膨張 驚異の発見 ~ダークマターへの道のり~」(詳細)(解説記事)
7/11 第4回 「そしてダークエネルギーの発見 ~私たちのみじめな最後~」(詳細)(解説記事)
《番組内容》: NHKの番組概要ページ
「宇宙白熱教室」は、ローレンス・クラウス教授が、宇宙に興味のある一般市民を対象に行った集中講義(全4回)を取り上げる。
宇宙研究はここ20年ほどの間に、過去1000年間の進歩よりも大きな発展をとげている。講義ではそうした最先端の宇宙論を紹介していくが、専門的な知識を持たない人でもその内容をきちんと“実感”しながら理解できるよう、前半の2回は「入門編」として、宇宙論の基礎をとりあげる。そして後半の2回は、宇宙の始まりから終わりまでの壮大な物語を、ダークマターやダークエネルギー、宇宙の加速膨張など、最新の研究結果をまじえながら紹介していく。
ローレンス・クラウス教授
アリゾナ州立大学にて、宇宙から生命、人類までの起源を探る「起源プロジェクト」を創設し率いる、新進気鋭の宇宙物理学者。
1995年に「宇宙の真空のエネルギーは非常に小さいがゼロではない」という奇想天外な仮説を提出。当初無視されたその説は、その後の「宇宙の平坦性の発見」、「ダークマターの発見」、「ダークエネルギーの発見」など、科学史上のエポックメイキングとなる数々の発見で裏付けられ、世界でも最も注目される物理学者の一人となった。多くのメディアにも登場し、神学者や哲学者とも論争を続け、科学の啓蒙家としても名高い。
近著「宇宙が始まる前には何があったのか?」(文藝春秋)は日米でベストセラー。他に「物理学者はマルがお好き」(ハヤカワ文庫)、「コスモス・オデッセイ 酸素原子が語る宇宙の物語」(紀伊國屋書店)など。
YouTubeにアップされているクラウス教授の動画
(Lawrence M. Krauss || A Universe from Nothing || Radcliffe Institute - YouTubeを開いて見る )
番組関連書籍:
「宇宙が始まる前には何があったのか?:ローレンス・クラウス」(Kindle版)(紹介記事)
「A Universe from Nothing: Lawrence M. Krauss」(Kindle版)
クラウス教授の著書をAmazonで検索する: 単行本(日本語) 単行本(英語) Kindle版(英語)
参考書籍:
「インフレーション宇宙論―ビッグバンの前に何が起こったのか:佐藤勝彦」
「宇宙,無からの創生―138億年の仮説はほんとうか(Newton別冊)」
関連記事:
感想:NHK宇宙白熱教室:第1回:宇宙のスケールを体感する! ~空間・時間・物質~
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/88f1e3ca688959fc0ace6e0999085521
感想:NHK宇宙白熱教室:第2回:物理学者の秘密のお仕事 ~物事を大ざっぱに捉える!~
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cd01a502be3d5f87057790cc558c9d9a
感想:NHK宇宙白熱教室:第3回:宇宙膨張 驚異の発見 ~ダークマターへの道のり~
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/e79bfbeaacfd441d3634a11ce49858d8
感想:NHK宇宙白熱教室:第4回:そしてダークエネルギーの発見 ~私たちのみじめな最後~
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7d6f85eb55a4c69f3b126e300ad1e1b3
宇宙が始まる前には何があったのか?: ローレンス・クラウス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b6f36e8eedba5ee63a4f919d30a2cb20
番組告知:MIT白熱教室(物理学編)、これが物理学だ!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/66d25e29fc2c514f453a6b110150b811
番組告知:バークレー白熱教室~大統領を目指す君のためのサイエンス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/36bb14b19b9ca57d17fe60655a704615
ファインマンさんの流儀:ローレンス M.クラウス著、吉田三知世訳
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/9ec9faa4bd78881bd1986bf7773cc390
超ひも理論を疑う:ローレンス M.クラウス
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d5aefd0f455c43b62365954cd2ae601c
そうですよね。僕も宇宙論は「安易だから」敬遠していました。どんぶり勘定のような印象を持っていましたから。
結局は観測技術の進歩によるところが大きいわけですが、90年代後半以降の宇宙論の進歩には驚かされますね。
このことを知らない一般の人は、まだまだたくさんいると思いますから、このような番組が放送される意義はすごく大きいと思います。
ローレンス・クラウス博士の『宇宙が始まる前には何があったのか?』は、以前とねさんがブログで紹介されたときに読んでみました。私のような素人にも、無理なく直観的な理解に導いてくれる文章で、難解な理論の、少なくても大雑把なイメージは掴めたような気がしました。
地球から138億光年先に、底辺37万光年、等辺がそれぞれ138億光年の二等辺三角形(といってもほとんど線にしか見えないでしょうが)、その二等辺三角形の内角の和がほぼ180°であることを、宇宙マイクロ波背景放射の観測結果に基づいた精密な計測で証明し、宇宙が開かれても閉じてもいなく、平坦である(宇宙は、直行するデカルト座標的で、常識的な3次元空間である)ことを確認するところまで来たことに、大変感銘を受けます。最新の宇宙論はここまで来ているのですね。
また、そのような平坦な宇宙空間を成立させるには、物質が極端に少ないことが分かり、アインシュタインの「宇宙項」的な、我々地球の人類にはまだ正体が解らない暗黒物質や暗黒エネルギーを想定しなくてはいけないところは、シャーロック・ホームズ風に言えば「不可能を消去して、最後に残ったものが、どんなに奇妙なことであっても、それが真実となる」ということですね。「宇宙の真空のエネルギーは非常に小さいがゼロではない」というのは、常識では理解しがたいのに、大変魅力的な理論です。
我々の宇宙空間は加速しながら膨張しているので、2兆年後には我々が住む天の川銀河しか見えなくなり、その時の知的生命体はもはや宇宙の秘密を解明できなくなる。我々は非常に幸運な時期に生きているのだ、とのクラウス博士の考えも、大変神秘的かつ雄大で、この本の美しい主張のひとつです。白熱教室でもきっと語ってくれることでしょう。
クラウス先生の講義がとても楽しみです。
僕も土曜日からこの本を読み始めました。そのように深い驚きと感動が得られる本なのですね。明日からも読み進めるのが楽しみになりました。
物理学史については、他の人(素人)に説明できるだけの知識がありますが、宇宙論は僕にとっては何冊かの本でかじっただけなので、断片的には説明できる程度で、筋道を立てて話せるレベルに達していません。
この本や番組を見て、系統立てた形で学んでいきたいと思っています。
来週の金曜日が待ち遠しいです。
この間はブログ来訪ありがとうございます!
この番組については、全くチェックしてませんでした!
現在水曜日。放映はあさってですね。
間に合った♪♪
よい情報を教えていただきました~。
宇宙ネタは大好きです!
ぜひ、9歳の息子そーさんと
楽しんで見ようと思います!(^-^)
コメントいただき、ありがとうございました。
そうなのです。忙しいとついテレビ欄のチェックが甘くなってしまいますしね。僕にしてもブログの読者から教えていただき助かりました。
なにせNHKですから、僕などが宣伝しなくても多くの方がすでにご存じだと思っていましたが、告知記事を書いた甲斐がありました。番組を見た後は、感想文記事を書くつもりでいます。