瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

『何度も廻り合う』その14

2006年01月13日 23時23分44秒 | 桜トンネル(ワンピ長編)
前回の続きです】




花火が終り、集まってた観客がいっせいに動き出す。


そしてそれぞれ、泊ってるホテルへと帰って行った。




「さてと…一先ずこれで本日のショーは終了だけど…花火を観た余韻も残ってる事だし、場内軽く1周しない?」
「するか!!!ってかいいかげんにしやがれよてめェ!!!俺は疲れて眠いんだっての!!!行きてェんならてめェ1人で行きやがれ!!!!」

「行きたくないなら無理には誘わないけどさ…良いの?鍵、私が持ってんだよ?」
「……ぐっっ……!!」

「夜のテーマパークを散歩するなんて滅多に経験出来ないんだし、一緒に行こうよ、ゾロもv」
「……こっちの足許見やがって…魔女がっっ…!!」




ガイド役のナミを先頭に、俺達は夜の街の散歩にくり出した。



花火会場の『オレンジ広場』をスタートして、1ヵ所目の橋の真ん中で、ナミが足を止めた。


目の前には紫色のイルミが点った建物、左には昼間お茶飲んだホテルがオレンジ色に輝いてる。

前に流れる河の水面に、2つの建物のライトが反射してて、とてもきれーだった。


「今私達の居るこの橋が『ハーフェン橋』。そして目の前の建物が――昼間クルーザーの上で紹介したけど――VIP御用達ホテル『迎賓館』。その左が『ホテル・ヨーロッパ』、私達がお茶飲んでチェックインした所ね。」
「…って名前付いてんのかよ?この橋?」
「勿論!この橋だけでなく、街に在る橋や通りや運河まで全てにね!」
「へー、全部に名前付けられてんのか!?すっげーなー!」
「確かに凄いが、付ける意味有んのか?」
「あら!私達が住んでる街の橋や通りにだって名前が付いてるでしょ!?此処ハウステンボスは街だもの、おんなじよ!」




1ヵ所目の橋を渡り、2ヵ所目の橋のトコまで歩く…またナミが足を止めた。

正面にはでっけーウェディングケーキみてーな光るとう。


「この橋の名前は『シンゲル橋』。正面に聳える光の塔は『ドム・トールン』。…そして橋の下を見て。両端の護岸にまでライトが点って素晴しく美しいでしょう?…さっきの迎賓館~ニュースタッドに架る『ジョーカー橋』までの護岸や橋にイルミネーションを点して輝かせるイベント、『光の運河』は今年から始められたものなんだって。」


「すげー!!!河が光ってるみてーだ!!!橋の光が水面映ってメガネみてーに見えるぞ!!!」
「本当だ。眼鏡橋とは長崎らしいな。」
「『シンゲル橋』の前に在る橋の事ね?あれは『トールン橋』、ゾロが言ったように、如何にも長崎名所っぽい写真が写せるって事で、撮る人多いらしいわ。」


下がトンネル2つにになってるその橋は、水面反射してる影まで合せて観ると、まるっきしメガネのように観えた。


面白かったんで写真をとっとく。




2ヵ所目のシングル…あ、シンゲルか!…を横切り、3か所目の『トールン橋』を渡る。



光の河に沿ってテクテク歩いてく。


道の左っかわには、やたらだだっ広いさびしー草っ原が在ったけど、ナミが言うにはここは『フリースラント』って言って、春~秋にはきれーな花いっぱい咲くらしかった…そーいや、そんな話も船の上で聞いたような??




途中、4ヵ所目の橋を横切る、『ハウスプリンカー橋』って名前だと教えられた。


「『ハンスブリンカー橋』だってば!!!」


『ハンスブリンカー橋』って名前だと教えられた。




5ヶ所目の橋まで来た、『ジョーカー橋』って名前で、ここもメガネ橋になっていた。


そして光の河はここで終っていた。



下をのぞくとドーナツみてーな形した橋が見える、良く見ると右の方にも同じ形した橋が見える、そんでその前には普通の形した橋が見えた。


「あの丸いドーナツみてーな2つの橋は何て名前なんだ?ナミ??」
「見たまんま、『ドーナツ橋』って、2つ共呼ばれてるみたいよ。」
「じゃこれが『ドーナツ1号橋』で、あっちは『ドーナツ2号橋』だな!」
「いきなり情緒無ェ呼名になったな…。」



6ヵ所目の『ドーナツ1号橋』を横切り、7ヵ所目の『ドーナツ2号橋』、8ヵ所目の普通の形した『アカデミー橋(←そー呼ぶんだそうだ)』を見送り、9ヵ所目の橋まで来た。


「此処は『チョコラーテ橋』。右に見える街が『ニュースタッド』よ。」
「チョコ!?何か美味そーな名前だな♪」
「橋の近くに、チョコ専門店の『チョコレートハウス』が在る事が由来みたい。」
「チョコ専門店!!?――行こう!!!すぐに行こう!!!!」
「もう今日は営業終ってるわよ…」
「じゃ明日行こう!!!ぜってー行くぞ!!!!」
「此処らの橋や護岸はライト点灯してねェんだな。どうせなら全部ライトアップさせりゃあ良いのに……予算不足か?」
「るっさい!!!あんたは一言多いのよゾロ!!!」
「なァ!何か河にいっぱい円盤みてーなの浮んでっけど、あれ何だ!?」
「あれは『バンパーボート』って言って、ちっさい子供用のボートよ。」
「へー!楽しそうだな♪明日乗ってみよーぜ!!」
「だからちっさい子供用だってば!!」




10ヵ所目の橋を渡ると、右っかわに3台の光る風車が見えた。


確か……船に乗りに来た所だっけ??


それにしてもすげーなー、風車まで光ってるなんて。


「この橋の名前は『バスチオン橋』、この先の通り行くと出国口に出るわ。」
「出国口に向ってんのか。………道理で人がゾロゾロ歩いてるなと思ったぜ。」


スタートした時からだったけど、俺達の前に後ろに右に左に、ずーーっと大勢の人がズラズラと歩いてた。


最初は俺達と同じく散歩してんのかなーと思ってたけど、流れがほぼ一方向にだけだったから、不思議には感じてたんだ。


「こんな遅くに皆、家帰んのかー。大変だろなー。」
「車で近隣から来た人も居るだろうけど、多分、場外ホテルに宿泊してるお客さんが多いと思うわよ。」
「え!?場内の以外にもホテルって在ったのか!!?」
「当り前でしょ?出国して直ぐ隣に2つ、大きなホテルが在るし、他にも在るわよ、そりゃ。」
「テーマパーク内に在るホテルのが珍しいよな、普通は。」




人の流れに乗ってそのまま、出国口まで来ちまった。

出国口前には鳥カゴ入ったクマみてーな形したクリスマス……ツリー??が、置いてあった。


「『フェアウェルツリー』って言うんだって!赤いマフラー巻いた熊さんが結構可愛綺麗でしょ!?これが主に観たくて此処まで来たのよねー実は♪」
「………お前……こんなん観るが為に、人連れて此処まで来たってのかよ…!?」


ゾロは何となく怒ってたけど、確かにピカピカ光ってて結構可愛かったんで、帰り客ん中の1人つかまえてカメラ渡して、このツリーをバックに3人写真をとってもらった。(この場合の真ん中はクマ)


「んじゃメインの目的果した事だし、後約半周、頑張って歩こーー!!」
「おーーし!!頑張るぞォ~~~!!!」
「………ルフィ……おめェはタフだなァ………。」




くるっとUターンして、風車の並ぶ島へとかかる11ヵ所目の橋を渡った。


『モーレン橋』って名前だとナミが教えてくれた。


風車や花畑がライトアップされて、夜でも明るく浮び上っていた。


「――あ…ゾロ!ルフィ!後ろ振り返って見て!」
「…あ?後ろって…」
「後ろに何か――おおおおお!!?」


振り返って見ると、前に在る城のかべに、緑のレーザー光線で、絵が映してあんのが見えた。


「へーー!!おっもしれーーー♪♪」
「出国者を送るサービスってトコだな。」
「ちょい地味ながらも、結構嬉しいサービスじゃない?」


クリスマスツリーからサンタから星へと、映像が繰り返し変ってく。

『シティゲート デルフト』って所から、レーザーが出てるんじゃないか?ってナミが言った。




花畑の続く道を歩き、12ヵ所目の『デルフト橋』を渡り、『ニュースタッド』って街に入る。


街の中心の広場には、はだかの女の彫刻像が何体も乗った、オレンジ色にぼんやり光ってる噴水が在った。


「誰だァ??このはだかの女達は???」
「下品な言い方すな!!!ギリシャ神話の美の女神『アフロディテ』が、自分の息子の恋人で人間の女『プシュケー』に、祝福を与えてる場面をイメージして造った像なの!!これは!!!」
「……アフロ…?????」
「『アフロディテ』!!…ほら!『ビーナス誕生』って絵を観た事有るでしょ!?あの『ビーナス』の事よ!!」
「あーー!!!あの絵に描かれてた女神か!!――何でいつもはだかなんだ?こいつ???」
「露出狂なんだろ、きっと。」

「……………あんたらの傍だと、全ての芸術が色褪せて見えるわ……」



クリスマスツリーなんかできれーに飾ってあったりはしたけど、全体的にさびしー街をぬけて(だって店全部閉ってたし、人1人もいなかったし…)、13ヵ所目の橋、『クリスタル橋』を渡った。




さらに先へ進むと14ヵ所目の橋に当った。


その前方にも橋が見えた……これで15ヵ所目か。


「この橋は『カロヨン橋』。で、その前に在んのが『ヴィンセント・ファン・ゴッホ橋』、名前の通りゴッホの描いた跳ね橋に似てるでしょ?」

「本~~っ当~に橋だらけの街だな~~~!!!」
「運河を張巡らした街だもの。必然的にそうなるわよ。」
「ってかナミ!よくそんなに橋の名前覚えてんなー!?全部覚えたのかァ!!?」
「俺もさっきからそれを聞こうと思ってた。」

「あはは♪…実はガイドブックで観て覚えて来たんだーv」


照れたようにナミが笑う。


「つっても俺だったら聞いても覚えらんねーよ!!ゾロは聞いてて覚えられたか!?」
「覚えられっこ無ェだろ普通!!」

「1ヶ1ヶ、個別に覚えようとするから駄目なんだってば!『歴史と同様、全ての事物を連続したものと捉え記憶する』――これ、ロビン先生が教えてくれた記憶術なんだけどね。覚え切れないだろうからって1つ2つ3つだけしか覚えないようにしようってやり方は、却って中々覚えられないんだって!」
「……何言ってんだか解んねェよ。」

「例えば詩にして覚えんの、こうやって――


 熊と面会、リンダ『リダー』

 『モーレン』渡れば風車の小島

 『デルフト』越えて、街へ出よう

 辿り着く街、ニュースタッド

 飲む『チョコラーテ』で一休み

 運河の煌きは『クリスタル』

 響き渡る『カロヨン』の音色

 『ゴッホ』が描く、静かの海原


 ――ね?こんな感じにすれば、覚えられるでしょ??」



「「覚えられる訳無ェだろっっ!!!!!」」



「…あ、あらら??……やっぱりv」



「……ま、1つだけ理解出来たのは……ナミ!!てめェには詩人としての才能が無ェェ!!!」(きっぱり)
「なんですってェェーーー!!?」
「うははははは♪♪いーじゃねーかナミ!!『シジン』にはなれなくても、誰でもいつか『シニン』にはなれんだか―――」



――ガゴォォォン……!!!!!



「………ブラックなジョークかましてんじゃないわよ、ルフィ。」


「…お、死んだ。」






その15に続】




写真の説明~、ハウステンボスのVIP御用達超高級ホテル『迎賓館』の『ロイヤルイルミネーション』。

映画『笑うミカエル』のロケも行われた場所です。

人生の内1度は宿泊してみたいねv(笑)


…で、宜しければ公式サイトの場内マップを御覧下さいませ。(苦笑)


橋の名前ね~、こんな感じで自分覚えてて、全部書こうかと思ってたんだけど……………やっぱ恥しいから止めときます。(汗)
それと前回、長崎カステラの老舗店舗『松翁軒』を、『松扇軒』と間違えて書いてしまいました。(汗)
誠に失礼致しました。(御指摘下さったちばさん、どうも有難う御座いました!)(礼)

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3 コメント

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このページ (gura)
2006-01-14 07:34:01
このページ やぶって飲み込んだら覚えられるかしら?(汗)

「チョコラーテ」ってバスがチョコレートハウスの所で止まって渡る橋?もしそうならまず一つは覚えられそう

ちょいちょいこのページめくって今年中にたくさん覚えたいわヨロシクね(^.^)
返信する
橋の多さは・・・ (リャン)
2006-01-14 13:15:13
カナルクルーザーに乗っていた時に実感しましたね。地上を歩いている時は、セカセカと目的地へまっしぐらだったから。(苦笑)橋の名前、いろいろ有って面白いですねぇ。てっきりオランダで実際に有る橋の名前が付けられているのかなと思いましたが、そうでも無さそうですね。

橋の名前は勿論だけど、各々どんな橋だったか?が思い出せないっす。(←未だ未だですな・汗)あーっ、ドーナツ橋1号2号は判ります!早朝散歩の際、1号と2号の間にあったベンチで休憩しましたから。(笑)



それにしてもルフィたち、今日一日でかなりの運動量ですね。さすが高校生。若いって羨ましいなぁ。(笑)

返信する
こんにちわ~♪ (びょり)
2006-01-14 13:58:13
ぐらさん…そうです、そのニュースタッドバス停近く…チョコレートハウス横に在る橋が『チョコラーテ橋』って言いますv

後ですねー、文中で上手く紹介出来なかったんすが(夜は入国口閉じちゃって行けないから…)(汗)、陸の入国ゲート、ブルーケレン地区入って直ぐに渡る橋が在るじゃないですか?…ナイアンローデ城前の。

あれが、『リダー橋』です。



リャンさん…橋の下が結構散歩するには面白くってですねー、裏道として実は繋がってるトコも多くて、一種迷路で遊んでる気分になれます…そゆシーンもこれから書く予定。(笑)

そうですねー、オランダ関連から付けられた名前も多いけど、近くに在る施設や店の名前から付けられたってのも多いみたいで…『ジョーカー橋』なんて、開園当初『ジョーカー』って名前のゲームショップが近く在った事から付けられたみたいだけど、今その店無くなっちゃってますから、知らなきゃ「?」だろうな~~と…。(汗)

ドーナツ橋の辺り、花壇や花のアーチが飾って有って、休憩するには良いですよねv

あそこら辺りはチマチマと隠れベンチも置いて有って、カップルが談笑するにもベストなトコだろなーと思う。(笑)

わはは♪…ま、ルフィは兎も角、初日駆け摺り回ったツケは後で確実に来るでしょうけどね。(苦笑)

あそこは本当、場内広過ぎて、ゆっくりのんびり歩いてかないと、後が辛くなりますよね。(笑)



コメント有難う御座いました~♪
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