【前回の続きです。】
『ギヤマン・ミュージアム』を諦め、次に予定してたカナルクルーズをする事となり、3人して船着場の在る『ユトレヒト』地区に向う。
途中横切った広場のステージ前に、人集りが出来ているのが見えた。
野次馬根性の強いルフィが、それを見て足を止める。
「な!な!広場で何かやってるみたいだぜ!?ひょっとして美味ェもん配ってんじゃねェか!?行ってみよぉぜェ~♪」
「ああ、あれは昨日観た『ライティング・セレモニー』を待つ観客よ。」
「あれか?街の点灯式か?…今日は観なくても良いのか?」
「サンタが街に明りをパーーッて点けるヤツだろ!?きれーだったよなァ~~♪何ならまた観てっても良いぞ!?」
「…観て行きたいのはやまやまだけど、急がないと雨中のクルーズになっちゃうもの。残念だけど1度観てんだし、諦めよ!」
「雨中のクルーズってのも風情が有って良いと思うがな。少しくれェ濡れたって気になんねェし。」
「少し位で済みそうにないの!雲と風の動き見るに、集中して降って来ると思う。」
「土砂降りか。そりゃ困るな、傘持って来て無ェし。」
「さっきのポセイドンアドベンチャーくれェ降るのか!?」
「…『ホライゾン・アドベンチャー』だって、ルフィ。」
「俺はそれくれェ降っても全然構わねェけどな!むしろ面白ェよ♪」
「私はお断りよ。こんな寒い日に雨当ったら風邪引いちゃう。……2泊でこんな広いトコ廻るのも大変よねェ。せめて3泊ならもっと余裕持って廻れるんだろうけど…。」
「3泊出来る程、金も暇も持ってねェっつうの、馬鹿。」
船着場に着くと、丁度船が出ちまったばかりだった。
仕方なくその場に用意されてたベンチに並んで腰掛けて待つ。
隣でルフィが、買ったナイフをクルクル投げて回して、暇を潰している。
「ルフィ!危険だからナイフ持って遊ぶの止めて!」
「え~~~~!?良いじゃんかよ、ヒマなんだからさァ~~~~~!!」
「良くない!場内注意でも『危険物は持ち込まないで』って有るんだから!」
「持ち込んだんじゃねェじゃん!!ここん中で買ったんだからな!!」
「大体常識的に見て、子供ならいざ知らず、イイ年した男が刀振り回してるなんてまるで狂人じゃない!!」
「ゾロォ~~~~!!ナミがあんな事言ってるぞォ~~~~~!?」
「って何でこっちに振るんだよ?俺が振り回してるのは竹刀だろうが。」
「言う事聞かなかったら没収よ!!没収!!」
「ゾロォ~~~~!!何とか言ってくれよォ~~~~~!!」
「おめェが悪ィ。大人しく仕舞え。」
「…お客さん、船来たから早く乗ってくれるぅ~?」
クルーザーが到着し、中からゾロゾロと人が降りて来る。
夜って事で、クルーザーにもライトが点き、船体前には天使の形に電飾まで点いていた。
そろそろ寒くなって来たし船内行かねェかと言ったが、ルフィが頑として首を振らず、結局また船外デッキに座って行く事になった。
エンジン音が響き、クルーザーが動き出す。
さっき観た迎賓館や桜並木を通り過ぎ、運河をのんびり進んで行った。
「まだ明り点いてねェなァ~~。」
「後10分位で昨日みたく一斉に点くわ。半周して戻って来る頃、丁度綺麗にライトアップされてると思う。…タイムリーな時間に乗れたかもね♪」
全員後ろ振り向いて塔に注目する――未だ時間来てねェんだから点く訳無ェんだがな。
乗船してから3つ目の橋潜った頃だ。
「お!!!点いたぞー!!!!」
「やたッッ!!!綺麗ェェ~~vvv」
「…ジャスト、6時、と…!」
点いた瞬間、思わずパシパシ手ェ叩き合って喜んじまった。
ナミなんか拍手までして、ルフィなんか万歳して口笛ヒューヒュー吹き鳴らしまでして。
チカチカ瞬く高く細い塔は、こっから観ると蝋燭に似て観える。
4つ目の橋潜った所で、今度は右側に3基の風車が、ライトアップされて観えた。
一旦此処でクルーザーが停まり、俺達以外の船内に居た数人の客が降りてく。
新たにこの『キンデルダイク』から乗り込む客は居なかった。
「今から入国するお客ってあんま居ないだろうし。大概はショー観に行っちゃってるだろうからね。」
俺達だけを乗せてクルーザーがまた動き出した。
ナミの言った別荘地区を左に観ながら、運河を滑る様に進んで行く。
「別荘はライティングしてねェんだなァ~~~。」
「当り前でしょ?観光区域じゃないんだから。」
「右観てろよルフィ。街灯点いた煉瓦の街並みが綺麗だぜェ。」
「こっから先、ビネンスタッド入ったトコから益々綺麗になるわよォ!良く観ててよね!」
別荘地を抜け、2つの市街に挟まれた運河に入る。
大分街並みが賑やかになって来たなと感じた時だ。
「お!!前の橋が光ってるぞ!!あれくぐってくのか!?」
「そうよ、こっから先続く橋から迎賓館まで…名付けて『光の運河』♪」
ナミが言った通り、船は光ってる橋の下を潜り抜けて行った。
抜けた途端―――パァッ……と眩い光に包まれる。
両岸に掛けられた光の簾、光の橋のアーチ、電飾された並木までが全て水面に反射して、運河その物が光り輝いてる様に思えた。
「…………綺麗。」
「きれーだなァァァ~~~~!!!」
「ああ………見事だな。」
「昨夜みたいに道の上から見下ろすんじゃなくて、水面近い高さから見上げてってのも、また違った美しさを発見出来て良いわよねv」
光の河を漂い、クルーザーは進む。
前方には闇の中照らされた光の塔。
1つ、2つと、光のアーチを潜り抜けながら、ゆっくりと近付いて行く。
最後の光のアーチを潜り、クルーザーが停められた。
目の前には点灯したホテル・ヨーロッパと迎賓館が静かに佇み、運河にその光を落としていた。
船から降りて塔2階に在る『楼蘭』っつうレストランに行く。
ナミが言うには台湾料理の店だっつう事だった。
3人しか居ないってのに、しかも他に席空いてたってのに、何故か個室に案内される。
いやこっちは気兼ね無く寛げるから良いんだが……けど、何故だ!?
まァ兎に角、渡されたメニューを見て何食うか考えた。
「で、此処では何がお勧めなんだよナミ?」
「う~~~ん…私も此処のお勧めについてはよく知らないんだけど…」
「じゃ、何で夕食此処に決めたんだよ??」
「せめて1,000円台で食えるトコにしてくれって、あんたが言ったんじゃない。だからよ。」
「餃子食いてェなァ~~、チャーハン食いてェなァ~~、ラーメンも食いてェしなァ~~、全部食いてェェ~~~~!!」
「…ならこの『老季セット』ってのにしたら?水餃子に炒飯、ラーメン、杏仁豆腐までセットで、1,500円だって。」
「おおっっ!!!すげ良い!!!――よし!俺はそれに決定だ!!!」
「んじゃ、俺もそれにしとくわ。」
「ならゾロ、あんたの杏仁豆腐、私に寄越して!」
「はっっ?…何でだよ??」
「だってあんた、甘い物苦手でしょ?…私、昼のバイキングが未だ効いてて、あんま食べられそうにないから、ミニ炒飯だけにしとこうかと。」
「……………で?」
「でもデザートは食べたいのよねェ。だから私に頂戴v」
「ざけんなてめェ。食いたきゃちゃんとてめェの金で注文しやがれっっ。」
「良いじゃない。甘いの苦手なんだから。」
注文前にサービスでお茶が来た。
中国茶……烏龍茶だろうか?ポットごと各人に持って来てくれたのが有難かった。
出て来た料理も、どれも結構美味かった。
炒飯とラーメンには、メニューん所に『ミニ』だと説明が有ったが、考えてたよりもずっとボリュームが有った。(ルフィは足りねェ言ってたが)
特に俺は水餃子が気に入った。
皮はモチモチ、噛むと肉汁がジュワッと出て来る。
タレとラー油をたっぷり付けて戴いた。
炒飯もラーメンも中々イケた。
全体的に薄味だな、それはそれであっさりしてて良かった。
ってか此処来てから、この手のくだけたもん食ってなかったからなァ。
この点だけでも結構喜んで食った。
結局、杏仁豆腐はナミに横から半分盗られちまったけどな…。
「んめェな!!このアンニンドウフ!!とろっとしてて口ん中入れるとスッとアイスみてーに溶けちまうみてーだ♪♪」
「本当v巷でよく売られる牛乳羹もどきじゃないのが良いわよねェv注文した甲斐有ったわァ~v」
「…ってそりゃ俺が注文したもんだろがっっ。」
全員食い終わったトコで即、ナミが帰ろうと言って来た。
もちっと一服してから、お茶のお代り貰ってからにしたらどうだっつったが、どうにも天気が心配らしかった。
「クルーザーから見てた時からもう雨風だったもの…恐らく後30分もしない内に凄い雨になるわ!」
大袈裟なとは思ったが、天候はこいつの領分、積み重ねられた信頼っつうもんが有る。
素直に従い、精算終らして店を出た。
駆け足で急ぎ、港街に入る。
夜になって此処ら界隈の人通りが増した。
夕食時間って事も有り、主に料理屋の前に長い行列が出来てたりする。
立ち止まってライトアップされた街並みを撮ってる奴も多かったから、それらを避けながら進むのは結構難儀だった。
港街を抜け、更に階段上って、コテージの在る地区に入る。
……こういう時、中心から離れた場所泊ってると不便だよなァ。
コテージの建ち並ぶ付近は、市街地とは打って変って静寂に包まれていた。
外灯照らされた石畳の道に、自分達の靴音が響く。
似た様なコテージが並ぶ中、ナミは迷う事無く、その内の1つの扉を鍵で開けた。
後を追って来た俺とルフィが玄関入ったと同時だ。
――突然、ドザーーーーーーーーーッ!!!!と物凄ェ勢いで雨が降って来やがった。
「……ね?間一髪だったでしょ?」
得意気に、ナミが笑う。
「………………ああ、危機一髪だったな………助かったぜ。」
「すっっげェ~~~なナミィ!!!また1つ伝説が出来ちまったぜ!!!!」
俺は、此の世に恐ろしいもんなんて何も無ェ。
けど、今は少しばかり、こう思う。
――こいつの存在が、空恐ろしい、と。
【その25に続】
…いや、ナミさん、子供だって刃物振り回すのは危険ですって。(汗)
写真の説明~、『光の運河』、ユトレヒト地区~ビネンスタッド地区へと架る橋、『トールン橋』の下。
眼鏡橋っぽくて綺麗ですv
ゾロ編も、後3回……の予定です。(汗)
『ギヤマン・ミュージアム』を諦め、次に予定してたカナルクルーズをする事となり、3人して船着場の在る『ユトレヒト』地区に向う。
途中横切った広場のステージ前に、人集りが出来ているのが見えた。
野次馬根性の強いルフィが、それを見て足を止める。
「な!な!広場で何かやってるみたいだぜ!?ひょっとして美味ェもん配ってんじゃねェか!?行ってみよぉぜェ~♪」
「ああ、あれは昨日観た『ライティング・セレモニー』を待つ観客よ。」
「あれか?街の点灯式か?…今日は観なくても良いのか?」
「サンタが街に明りをパーーッて点けるヤツだろ!?きれーだったよなァ~~♪何ならまた観てっても良いぞ!?」
「…観て行きたいのはやまやまだけど、急がないと雨中のクルーズになっちゃうもの。残念だけど1度観てんだし、諦めよ!」
「雨中のクルーズってのも風情が有って良いと思うがな。少しくれェ濡れたって気になんねェし。」
「少し位で済みそうにないの!雲と風の動き見るに、集中して降って来ると思う。」
「土砂降りか。そりゃ困るな、傘持って来て無ェし。」
「さっきのポセイドンアドベンチャーくれェ降るのか!?」
「…『ホライゾン・アドベンチャー』だって、ルフィ。」
「俺はそれくれェ降っても全然構わねェけどな!むしろ面白ェよ♪」
「私はお断りよ。こんな寒い日に雨当ったら風邪引いちゃう。……2泊でこんな広いトコ廻るのも大変よねェ。せめて3泊ならもっと余裕持って廻れるんだろうけど…。」
「3泊出来る程、金も暇も持ってねェっつうの、馬鹿。」
船着場に着くと、丁度船が出ちまったばかりだった。
仕方なくその場に用意されてたベンチに並んで腰掛けて待つ。
隣でルフィが、買ったナイフをクルクル投げて回して、暇を潰している。
「ルフィ!危険だからナイフ持って遊ぶの止めて!」
「え~~~~!?良いじゃんかよ、ヒマなんだからさァ~~~~~!!」
「良くない!場内注意でも『危険物は持ち込まないで』って有るんだから!」
「持ち込んだんじゃねェじゃん!!ここん中で買ったんだからな!!」
「大体常識的に見て、子供ならいざ知らず、イイ年した男が刀振り回してるなんてまるで狂人じゃない!!」
「ゾロォ~~~~!!ナミがあんな事言ってるぞォ~~~~~!?」
「って何でこっちに振るんだよ?俺が振り回してるのは竹刀だろうが。」
「言う事聞かなかったら没収よ!!没収!!」
「ゾロォ~~~~!!何とか言ってくれよォ~~~~~!!」
「おめェが悪ィ。大人しく仕舞え。」
「…お客さん、船来たから早く乗ってくれるぅ~?」
クルーザーが到着し、中からゾロゾロと人が降りて来る。
夜って事で、クルーザーにもライトが点き、船体前には天使の形に電飾まで点いていた。
そろそろ寒くなって来たし船内行かねェかと言ったが、ルフィが頑として首を振らず、結局また船外デッキに座って行く事になった。
エンジン音が響き、クルーザーが動き出す。
さっき観た迎賓館や桜並木を通り過ぎ、運河をのんびり進んで行った。
「まだ明り点いてねェなァ~~。」
「後10分位で昨日みたく一斉に点くわ。半周して戻って来る頃、丁度綺麗にライトアップされてると思う。…タイムリーな時間に乗れたかもね♪」
全員後ろ振り向いて塔に注目する――未だ時間来てねェんだから点く訳無ェんだがな。
乗船してから3つ目の橋潜った頃だ。
「お!!!点いたぞー!!!!」
「やたッッ!!!綺麗ェェ~~vvv」
「…ジャスト、6時、と…!」
点いた瞬間、思わずパシパシ手ェ叩き合って喜んじまった。
ナミなんか拍手までして、ルフィなんか万歳して口笛ヒューヒュー吹き鳴らしまでして。
チカチカ瞬く高く細い塔は、こっから観ると蝋燭に似て観える。
4つ目の橋潜った所で、今度は右側に3基の風車が、ライトアップされて観えた。
一旦此処でクルーザーが停まり、俺達以外の船内に居た数人の客が降りてく。
新たにこの『キンデルダイク』から乗り込む客は居なかった。
「今から入国するお客ってあんま居ないだろうし。大概はショー観に行っちゃってるだろうからね。」
俺達だけを乗せてクルーザーがまた動き出した。
ナミの言った別荘地区を左に観ながら、運河を滑る様に進んで行く。
「別荘はライティングしてねェんだなァ~~~。」
「当り前でしょ?観光区域じゃないんだから。」
「右観てろよルフィ。街灯点いた煉瓦の街並みが綺麗だぜェ。」
「こっから先、ビネンスタッド入ったトコから益々綺麗になるわよォ!良く観ててよね!」
別荘地を抜け、2つの市街に挟まれた運河に入る。
大分街並みが賑やかになって来たなと感じた時だ。
「お!!前の橋が光ってるぞ!!あれくぐってくのか!?」
「そうよ、こっから先続く橋から迎賓館まで…名付けて『光の運河』♪」
ナミが言った通り、船は光ってる橋の下を潜り抜けて行った。
抜けた途端―――パァッ……と眩い光に包まれる。
両岸に掛けられた光の簾、光の橋のアーチ、電飾された並木までが全て水面に反射して、運河その物が光り輝いてる様に思えた。
「…………綺麗。」
「きれーだなァァァ~~~~!!!」
「ああ………見事だな。」
「昨夜みたいに道の上から見下ろすんじゃなくて、水面近い高さから見上げてってのも、また違った美しさを発見出来て良いわよねv」
光の河を漂い、クルーザーは進む。
前方には闇の中照らされた光の塔。
1つ、2つと、光のアーチを潜り抜けながら、ゆっくりと近付いて行く。
最後の光のアーチを潜り、クルーザーが停められた。
目の前には点灯したホテル・ヨーロッパと迎賓館が静かに佇み、運河にその光を落としていた。
船から降りて塔2階に在る『楼蘭』っつうレストランに行く。
ナミが言うには台湾料理の店だっつう事だった。
3人しか居ないってのに、しかも他に席空いてたってのに、何故か個室に案内される。
いやこっちは気兼ね無く寛げるから良いんだが……けど、何故だ!?
まァ兎に角、渡されたメニューを見て何食うか考えた。
「で、此処では何がお勧めなんだよナミ?」
「う~~~ん…私も此処のお勧めについてはよく知らないんだけど…」
「じゃ、何で夕食此処に決めたんだよ??」
「せめて1,000円台で食えるトコにしてくれって、あんたが言ったんじゃない。だからよ。」
「餃子食いてェなァ~~、チャーハン食いてェなァ~~、ラーメンも食いてェしなァ~~、全部食いてェェ~~~~!!」
「…ならこの『老季セット』ってのにしたら?水餃子に炒飯、ラーメン、杏仁豆腐までセットで、1,500円だって。」
「おおっっ!!!すげ良い!!!――よし!俺はそれに決定だ!!!」
「んじゃ、俺もそれにしとくわ。」
「ならゾロ、あんたの杏仁豆腐、私に寄越して!」
「はっっ?…何でだよ??」
「だってあんた、甘い物苦手でしょ?…私、昼のバイキングが未だ効いてて、あんま食べられそうにないから、ミニ炒飯だけにしとこうかと。」
「……………で?」
「でもデザートは食べたいのよねェ。だから私に頂戴v」
「ざけんなてめェ。食いたきゃちゃんとてめェの金で注文しやがれっっ。」
「良いじゃない。甘いの苦手なんだから。」
注文前にサービスでお茶が来た。
中国茶……烏龍茶だろうか?ポットごと各人に持って来てくれたのが有難かった。
出て来た料理も、どれも結構美味かった。
炒飯とラーメンには、メニューん所に『ミニ』だと説明が有ったが、考えてたよりもずっとボリュームが有った。(ルフィは足りねェ言ってたが)
特に俺は水餃子が気に入った。
皮はモチモチ、噛むと肉汁がジュワッと出て来る。
タレとラー油をたっぷり付けて戴いた。
炒飯もラーメンも中々イケた。
全体的に薄味だな、それはそれであっさりしてて良かった。
ってか此処来てから、この手のくだけたもん食ってなかったからなァ。
この点だけでも結構喜んで食った。
結局、杏仁豆腐はナミに横から半分盗られちまったけどな…。
「んめェな!!このアンニンドウフ!!とろっとしてて口ん中入れるとスッとアイスみてーに溶けちまうみてーだ♪♪」
「本当v巷でよく売られる牛乳羹もどきじゃないのが良いわよねェv注文した甲斐有ったわァ~v」
「…ってそりゃ俺が注文したもんだろがっっ。」
全員食い終わったトコで即、ナミが帰ろうと言って来た。
もちっと一服してから、お茶のお代り貰ってからにしたらどうだっつったが、どうにも天気が心配らしかった。
「クルーザーから見てた時からもう雨風だったもの…恐らく後30分もしない内に凄い雨になるわ!」
大袈裟なとは思ったが、天候はこいつの領分、積み重ねられた信頼っつうもんが有る。
素直に従い、精算終らして店を出た。
駆け足で急ぎ、港街に入る。
夜になって此処ら界隈の人通りが増した。
夕食時間って事も有り、主に料理屋の前に長い行列が出来てたりする。
立ち止まってライトアップされた街並みを撮ってる奴も多かったから、それらを避けながら進むのは結構難儀だった。
港街を抜け、更に階段上って、コテージの在る地区に入る。
……こういう時、中心から離れた場所泊ってると不便だよなァ。
コテージの建ち並ぶ付近は、市街地とは打って変って静寂に包まれていた。
外灯照らされた石畳の道に、自分達の靴音が響く。
似た様なコテージが並ぶ中、ナミは迷う事無く、その内の1つの扉を鍵で開けた。
後を追って来た俺とルフィが玄関入ったと同時だ。
――突然、ドザーーーーーーーーーッ!!!!と物凄ェ勢いで雨が降って来やがった。
「……ね?間一髪だったでしょ?」
得意気に、ナミが笑う。
「………………ああ、危機一髪だったな………助かったぜ。」
「すっっげェ~~~なナミィ!!!また1つ伝説が出来ちまったぜ!!!!」
俺は、此の世に恐ろしいもんなんて何も無ェ。
けど、今は少しばかり、こう思う。
――こいつの存在が、空恐ろしい、と。
【その25に続】
…いや、ナミさん、子供だって刃物振り回すのは危険ですって。(汗)
写真の説明~、『光の運河』、ユトレヒト地区~ビネンスタッド地区へと架る橋、『トールン橋』の下。
眼鏡橋っぽくて綺麗ですv
ゾロ編も、後3回……の予定です。(汗)
取材のためにまずはびょりさんからね
楼蘭の「杏仁豆腐」味がイマイチ記憶にないのでもう一度ゆっくり食べたくなりました
そ、そうですね……何時か、機会が有れば、私もナイトカヌー乗りたいなァ~と思ってますv(焦笑)
杏仁豆腐は美味しかったですvあっさりした甘さで、あれなら甘党じゃない方でも食べれそう思いました♪
リャンさん…実は……個人的に言うなら以前の方が美味しかったです…料理人も何もかも全て変っちゃったっつう事なんでしょうがない思いますが。(涙)
以前の炒飯は卵が綺麗な色して米粒包んでて、本当に感動もんだったんですが…。
ただですねー、値段とかセットメニューとかで考えると今の店のがお得なんですよ。
少なくとも不味くないっつか値段相応美味しいです。
今度行った時も私は食事場に選ぶでしょう、サービスも良いしね。
あ、水餃子美味しかったですよvv
コメント頂き有難う御座いました~♪