ＥＵの対中国武器輸出に反対声明

ＥＵの対中国武器輸出に反対声明　日本・ＥＵ議員会議 (朝日新聞) - goo ニュース

当然しかるべき対応だろう。１９８９年天安門事件当時の赤い国から、３月の全人代での台湾武力制圧シナリオである反国家分裂法の採択まで、結局衣は多少おしゃれになったが、本質は変わっていなかったこの国への、国際社会からの正しい回答である。

ＥＵ内で、武器禁輸解除推進派だったドイツ、フランスにとっては、イタイ結末になるかもしれないが、武器を仲人に中国と親密関係を結び、米国に対する立場を変えようとした計算は、失敗におわるだろう。

現在中国の年間軍事費は７００億ドル。しかし開発が追いつかないために、戦争オペレージョン技術をマスターするために武器輸入というのが、事情通の見解だ。ドイツはＥＵの中でも特に中国への輸出金額大きいため、シュレーダー首相が03年北京での会談で、温家宝首相に禁輸解除の要請を受けたとき、前向きな姿勢を示した。またその一方でフランスとしてはスーパージャンボ機「エアバス380」の商談をまとめたい下心が、解禁への後オシをしていた。そしてやはり米国の独裁を許したくないという構図も浮かび上がる。

しかし反国家分裂法を採択した北京指導部の思い上がりと過信は、こうして国際社会からおさえられる。この点に関しては、ブッシュ大統領、ライス国務長官の説得力が功をなした。たとえその胸のうちに、兵器ビジネスのナンバーワンとしての打算と、中国への大きな牽制として自国のパワーをみせつける目的もあったかもしれないが。

＊ＥＵ（当時はＥＣ）の対中武器禁輸は、天安門闘争を受けて、戦争状態にある当事国や独裁国家、国際法違反あるいは人権抑圧が甚だしい国家には武器輸出を禁じる共同体の内部規制が適用された。