千の天使がバスケットボールする

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新潮流「COACH」

2006-09-21 00:45:06 | Nonsense
以前、バッグに投資する英国女性の話をしたのだが、購買意欲旺盛なのはなにも英国女性だけではない。
ハワイに行く度に、ルイ・ヴィトンのバッグが増えていく身内の者が昨年のハワイで購入したのが、珍しくヴィトンではなくCOACHのバッグだった。みんながもっている「シグネチャー」シリーズではない本来のCOACHらしいその黒い革のシンプルで機能的なバッグを、、、ひとめ見て気に入ってしまった。値段を聞いたら、毎月の電気代すら知らない主婦である我が身内は、夫に尋ねてどうやら日本円で3万円台だったらしい。兎に角、当初の購入目的だったヴィトンの財布よりは安かったという。
「コーチはやっぱり安い。」
そう答える身内の者が、学生時代愛用していた(今ではどこに埋もれているのか)リュックは、とっても重くて私はさんざんケチをつけていたのだった。
そのバッグが、最近になって地元のデパートの店頭に並びはじめて、どうにも気になって仕方がない。しかしもっと気になるのは、日本でのお値段の方だ。5万3千円。そんなに高いのーーーーっ!

今週号の「週刊東洋経済」によると、そのCOACHが売れているらしい。「COACH」の奇跡を特集としてとりあげている。
06年6月期のコーチ・ジャパンの売上高は481億円。これは王者ルイ・ヴィトンの約1500億円の1/3に過ぎないが、5年前の100億円に比べたら、なんとこの5年間の5倍増という大躍進だ。確かに機能的で耐久性にすぐれたつくりのCOACHのバッグは、さすがに米国産というだけあってちょいダサめだった。それがグッチ、エルメス、シャネルといった欧州の女王クラスをごぼう抜きして今や業界第2位。その米国流の元気な勢いを警戒したルイ・ヴィトンは、昨年日本の百貨店におけるコーチの出店・増床を妨害したとして、コーチ・ジャパンから更正取引委員会に訴えられたのだ。
コーチのバッグを購入する動機として女性たちが支持する理由は、

①おしゃれなのに機能的で使いやすい
②ブランドにしては高くない
③店員がフレンドリーで敷居が高くない

なるほど、身内の者のお気に入りのルイ・ヴィトンはやはり高いし、路面店など恐れ多くて私なんぞ外から眺めるだけだった。そして、勿論売れるにはMBAの教科書にもでてきそうな徹底した消費者を囲い込む米国式の経営方式がある。この経営戦略はおもしろい。

コーチの最大の特徴は、「アクセシブル・ラグジュアリー」。手の届く範囲のちょいお高めの高級品。ヴィトンに代表される欧州の高級ブランドが10万円以上、その一方で国産の2~3万円の隙間をついた価格帯が成功要因だ。この4~6万円台というほどほどの納得価格で、質には厳しい日本人の要望にはこたえる品質。そして96年に起用されたデザイナー、リード・クラッコフ氏によるポップでおしゃれなデザインの採用。おかげで「シグネチャーコレクション」は、大ヒット。入口のそばにはある「フィーチャーテーブル」には、毎月新商品を展開して、サプライズを与えリピーターを迎える。確かに今は、65周年記念バッグが並んでいる。これがまた、おしゃれで可愛いのだ。また色、デザインを細かく頻繁に変えて新商品を次々と投入することによって複数個の購入に結びつける。ヴィトンのバッグ1個買うなら、がんがん使っても惜しくはないコーチのバッグ2個という動機もわかる。それにコーチのバッグを持っている女性をよく見かけるが、ヴィトンのように同じバッグを見かける確率は少ない。
「トラッキング・スタディ」という独自の消費者調査も国内では6000人に及ぶ。そこであらゆる声をすいあげ商品政策に反映させ、在庫検索のPOSシステムも導入。コンビニのようなサプライ・チャーン・マネジメントも確立してインフラも完璧。ここにコーチの哲学である「ロジック・アンド・マジック」という数値の”論理”とファッション性の”感性”の両軸が成立する。英国ブーツ社撤退の後、フラッグ店第一号を開店してから次々と全国に進出して、その数は今や100店舗超。ただし、店舗戦略に関しては、コーチ・ジャパン設立で合弁相手だった住友商事の協力があってこそだ。当時の幹部は、
「コーチはいわば”ブランド界のスタバ”。ちょっと豪華で、ちょっと高く、ほどほどの心地よさ」と例える。

全くブランドのバッグに関しては、なかなか語り尽くせないものだ。・・・で、そのコーチのバッグはチョコレート・ブラウンを選択していつのまにか部屋にあるのだった。

ルイ・ヴィトン物語

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1 コメント

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phyyxyck2248@hotmail.com (コーチ バッグ 新作)
2012-03-23 15:33:25
ても惜しくはないコーチのバッグ2個という動機もわかる。それにコーチのバッグを持っている女性をよく見かけるが、ヴィトンのように同じバッグを見かける確率は少ない。
「トラッキング・スタディ」という独自の消費者調査も国内では6000人に及ぶ。そこであらゆる声をすいあげ商品政策に反映させ、在庫検索のPOSシステムも導入。コンビニのようなサプライ・チャーン・マネジメントも確立してインフラも完璧。ここにコーチの哲学である「ロジック・アンド・マジック」という数値の”論理”とファッション性の
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