千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

グッバイ・レーニン!

2005-01-04 17:47:40 | Movie
1961年旧東ドイツが建設したベルリンの壁が、89年に崩壊した当時の模様を或る家族を通してユーモラスに、ほろ苦く描いたこの映画は、家族の愛というよりも「社会主義」とはなんだったのかと考えさせられた。

主人公アレックスの憧れのヒーローだった元宇宙飛行士S.イェーンが、昏睡状態でベルリンの壁が崩壊したことを知らない母親に、東ドイツが続いている信じ込ませるためにした芝居でのメッセージが胸を打つ。

「社会主義は世界に扉を閉ざすことではない。
他者に手を差し伸べて共存することです。
夢の実現に向かって手助けをすることです。」

女性を追いかけて西ドイツに亡命して家族を捨てた父、そんな夫に捨てられたがために、熱心な社会主義者へ傾倒してしまった母を愛し、憐れむ姉とアレックス。わかりやすいと思えた母の心理の構図が最後にあかされた真相に、この映画の失った社会主義へのオマージュと理想がみえてくる。

マルクスが描いた社会主義とは本当はどのような国家だったのであろう。
それは決して旧ソ連や東ドイツ、今の中国ではない。
タクシー・ドライバーになった宇宙飛行士の姿でなく、
「車は夜を駆けた。宇宙を滑るように何光年のかなたへと」
勤勉な者に平等に幸福と夢を与える社会ではなかったのではないか。

http://www.gaga.ne.jp/lenin/top/




最新の画像もっと見る

コメントを投稿