別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン10 つれづれ感想13

2018-02-12 14:00:24 | シーズン10
第23話 呪いが解かれる時

フィナーレ。200回記念のハイスクール・スパナチュ、メアリーママ役の女子の歌声から始まる。しっとりとした出だし…からいつものカンサス節へ。

すっかり刻印の影響に染まり、自ら望んで堕ちているディーン…と思いきや、本人は乗り切るために普通に狩りをしているつもりらしい。いかにもヤバい。
殺された女の子の服装を見て、売春婦扱い。両親への聞き込みも、その態度で接してる。
父と娘とのツーショット写真から、父親の娘への暴力を見抜くディーン。それでも深く悲しんでいる夫婦に対するディーンの態度はほれ、シーズン6のロボサミですよ。
狩り的には正論をぶちかまし、犠牲者をいとわない。魂無しと刻印持ち。欠けているのは同じく、人の痛みに共感するこころ。

バンカーで兄の行方を調べているサムとキャス。兄貴にボコられた跡はすでにすっかり消えている。身体は人間並みで治癒の力はある。天使の設定、二次創作の要望かよ。
サムの付けた追跡装置もあっという間にみつけてポイしてた。ベイビーに余計なものをつけるのも、弟の思考回路も兄にはたやすい察知。

自分を殺しちゃあ元も子もないのをいいことに、賃上げ交渉に出ましたよロウィーナ。
身の安全の保障とコーデックスを自分のものにすること。「承知しないよな」 キャスこのセリフ今期何度サムに言った。
まったく止められないんだよね(笑) ディーンよりもサムにキャスは毎度丸め込まれるパターンが出来つつある。サミの弟力はキャスも逆らえない。
サムはディーンの髪の毛をキャスに預けて兄を見つけに行く。その髪の毛、いつ手に入れた!

ディーンはついに、ハンター仲間のルディを見殺しにする。見殺しと言うか殺させたと言うか。ルディってこのシーズンで何回かディーンともサムとも電話で話してたな。ようやく登場したと思ったらあえない死(^^;
その時はやりすごすも、モーテルで血にまみれたルディやキャスの姿を鏡に見て、モーテルの室内を大破壊。これ某映画のカ〇ロ・レンというキャラがやってましてね。
鏡越しの兄貴綺麗だな…。

前回サムを圧倒して本領を発揮した赤い眼のクラウリー。が、今回はいつもの調子に戻っていた(^▽^;)
刻印を消すまじないのアイテム収集のため、キャスはクラに応援要請。十字路での手順を踏んだ呼び出しを馬鹿にされる。
電話しろよと言うクラにキャス、「番号を登録してない」
覚えとけよ。記憶力も人並みか!
てか、いつものことだが地獄まで電波届くのかよ! どこの回線使ってるんだよ! 
頭を下げろと言うクラ。残虐極まりない悪魔の王に戻った割に、要求がちっちぇ。
殺せないことを盾にする脅し、ロウィーナがサムにしたのと同じ。親子…。
3つのツールの最後の一つは魔法を施行する魔女の愛する者。ロウィーナはそんなものはないとせせら笑うも、キャスのリーディングにはポーランドの少年が映し出されていた。
その子の成長した姿が、前回クラウリーがオリベットに聞いて見つけ出していたダイナーの店員オスカーだった。

ディーンのいたモーテルを探し当てるサム。そこには書置きが。「インパラはお前に」 今シーズンは、ディーンのサムへの書置きで始まり、終わりもまた。
まじないで死の騎士を呼び出すディーン。メキシコ料理でおもてなし。ディーンが料理したわけじゃないだろうが、召喚する前に盛り合わせプレートをこさえてる兄を思うと少しほっこり。しかし死神の親玉の食べ物の好みを熟知している人間の男とは。
そしてまたギリギリになって壮大な設定が(^^; ルシファーが堕落したのも刻印のせいとな。どうだか(懐疑的)
ディーンがサムに電話してる間、もくもくとメキシコ料理をお食べになっているデス様かわいい。

オスカーを連れに来るクラウリー。その場にいた全員を一瞬で皆殺しにする力があるんだが、兄弟は生かす方向に行く悪魔王。
人の飲みかけのコーヒー飲むなよ王様。
まじないの材料を調達のために、なにやらヨルダンで放送禁止なことをしたらしい(知りてえ)
魔女と悪魔王のねじ曲がった親子対話を聞いてる天使はどういう気持ちか。

死の騎士がディーンを誰もいない星に置き去りにし、助けようとするに違いないサムが死ぬという案。俺たち兄弟がいるから世の中が悪くなり、人が死ぬと言うディーン。兄の言葉尻を巧みにとらえ、弁護士スキルと弟力で説得するサム。「私をすっぽかしたよな」と言うデス様の凄みには綺麗にスルー。
兄弟の壮絶な痴話喧嘩めいた会話を聞いてるデス様はどういう気持ちか。

乱闘になる兄弟。さすがに刻印持ちの兄貴にかなうわけなし。
「わかった。全部受け止めるよ」と承諾するサム。死の騎士は大鎌を使えと渡す。ええ、それ必要か?!
しかし座った位置で下からの上目遣い! 来ました必殺技!
「目をつぶれサミー」 仔犬の目は刻印より威力ある。
「本当の兄貴が邪悪だなんて信じない」この言葉の力よ…。ディーンはいつでもサムのヒーローだった。
マム・メアリーとの写真を渡すサム。「これが道しるべになる」

そして…
振りかぶった大鎌を…

ザックリと死の騎士にぶっさしました

ディィィィィン!!

デス様、砂化して崩れ消えました。おおおおおおい!!
そりゃ弟をやっぱり殺せなかった兄には嬉しいですよ? ホッとしましたよ? しかしほとんど条件反射ですよね!?
でも二人ともびっくらこいた茫然顔なのがおかしい。

オスカーを抱きしめて泣きながら、こちらもしっかり首にナイフをブッさすロウィーナ。
いけにえの血を加え、まじないを唱える。
奇妙な音と共に、茫然としてる兄の腕に雷が。刻印が取れた!
これで正解だったんだよ!というサム。なんという結果オーライ弟原理。
『暗黒がどうのって、兄貴を戻せないより恐ろしいことって世界にないよね』by弟

クラウリーとロウィーナとキャス。強力なまじないに三人ともに吹っ飛んでも、ロウィーナは立ち上がり二人に魔法をかけてコーデックスと共に出ていく。
「そんな力はないはずだ」「人生の大半を無駄にしたようねファーガス」

そしてインパラごと、『暗黒』に飲み込まれる兄弟。


デス様、これで本当に死んだの?! また出てくるんじゃないの? と言われたけど、とりあえず出演はこれまでです。その後のシーズンには出ていません。
私ねえ。デス様が大鎌を渡したのも、なんか引っかかってる。銃でもナイフでもいいじゃない。
あの大鎌は人ならぬものを殺せる武器。サムがいかにアレだとしても(笑)、サムを殺すのに必要じゃない。
死の騎士が自分を殺せと思ってたとは言わないが、あの人のことだ。兄弟が結局互いを選ぶことはわかってたんじゃないのか。
そして押し込めたものはたとえどんな危険なものでも、いずれは出てくる。そのきっかけとして、またもウィンチェスター兄弟が選ばれたことも。

悪魔と魔女の親子。ロウィーナの強力なまじない袋はクラウリーに効かず、もう余力はないと息子が思っていたロウィーナは、悠々と退散。
互いに相手の力を甘く見てた、のか?
それほど憎いのなら、いると面倒なら、なぜ二人とも自ら手を下そうとしないんだろう。
その場で殺せる力が、二人にはあるはず。
ただ一人愛したはずのオスカーをもし殺せなかったら、彼女の中に利己主義以外の愛を見てしまったら、クラウリーはどうしたのか。
呪いにかけられたキャスは、クラウリーをどうするのか。
シーズン11に続きます。


“周囲の人々を死に追いやった、世の中に悪を解き放った。だから俺たち兄弟は害悪だ。両方消えるべきだ”
そういう兄のセリフとシーズンの流れに当時のファンは、カーヴァーの兄弟を諸悪の根源みたいな描き方はおかしい!と盛大なブーイングを浴びせてた。

そうだね。けれどこれまでの年月にしでかしたことを抱えてきた兄弟は、シーズンごとに代わる代わる自分が犠牲になって幕を下ろそうともしてきた。
その考えこそが、間違いだということを描く時でもあったんじゃないか。
自分らが死ぬことですべては終わる。自分も弟も害悪だからと思うことで、ルディを見殺しにするクズになることで、ディーンは自分に言い訳を作った。カインの予言の通り、メタトロンの宣告の通り、『弟を殺すこと』で源は終わると。
でもサムは、自分が邪悪な存在だという恐れに一度向かってる。悪魔の血の問題を乗り越えた時に。どれほどの罪も、不可抗力も、生きて償い乗り越える道に向かわされてきた。

大勢の人の生死に関われば、反省は必要だし罪悪感はどうしてもぬぐえない。でも、大きな流れの中で“させられている”二人であればこそ、命を懸けても捨てることはやはり許されないのだ。
善か悪か。その判断はしたことだけで決められるのか。
このシーズンで問われたのは、何が善で何が悪かじゃない。人にも、悪魔の中にさえある善と悪とのバランスをとること。
その比率は個人個人で違ってるけれど、それにはどんな存在でも持っている愛情のありかも関わっている。




次回、特典について少しと、軽くまとめで終わります。



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