別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン10 づれづれ感想12

2018-02-04 13:55:57 | シーズン10
第21話 闇の一族

ついにこの回が来てしまった…

チャーリー…

書くのが辛い回です。

しょっぱなから残酷シーン。スパナチュのゲスト女性、端役でもほんと綺麗な人が多いね。
苦学生の良い子だったのに、あんなにひどい殺され方。スタインの男ってマジ嫌な奴ばっか。御大層なこと言ってて結構軽いし、人を殺すのもなんか雑。

乗り気薄のチャーリーを引き込むサム。兄弟の妹分とはいえ、女性好きの女の子にも有効なサミーの“兄貴を助けたいんだ”パピーアイ。
“ディーンをだますことが、一番マシな方法なんだ”と言うが…。
さすがにロウィーナはあっという間にチャーリーのことを読んでしまう。この点は息子よりずっと上手だし危険だ。
息子はハムスターになったオリベットに母親の弱点を聞き出す。ハム言葉わかるのかよクラウリー。ドリトル先生か。

キャスはどうもな…。和み担当なのはいいんだけど、おやつを買いに行くくらいで全然役に立たない(^_^;)
兄に嘘つくの苦手だし、女性二人の扱いもまるで無理。強烈な個性の二人だしなあ。

兄貴は弟の挙動不審をすばやく察知。ピザを買いに行くもスタインに襲われる。しかしさー。ディーンが刻印持ちと知ってて2人とかで来るのかね。
彼らが実は「フランケンシュタイン」の一族だったというのが明かされますが、巨大な組織とか言って、親族間でワーワー騒いで少ない人数でしか動かないよね。なので失敗こく。能書きだけはやたら多い。ものすごくリヴァイアサンを思い出す。(予算とドラマの性質上、多くのキャスト入れません)

あー、もう、チャーリーを一人にするなよキャス!!
けれど、チャーリーが一人になりたがるのも、サムが本を燃やさなかったことも、キャスがチャーリーを見失ってしまったのも、探し出せないのも。
全部ミスとか、執着とかでもなく、刻印を消すために必要な大きな犠牲がそう導いたのかもしれない。


チャーリーは死にました。

ディーンのために。兄弟のために。彼らを愛した自分に従った。


悲しいです。辛い……。


この回で、評判の悪い脚本家二人ペアと、ショーランナーのジェレミー・カーヴァーへの批判は最大限に膨れ上がったんですよ。
どうしてチャーリーをあんな酷い死に方に!と。

でもね。私もすごく苦しいけど、ケヴィンが死んだときほどの衝撃は受けなかった。予期してたから。
チャーリーはハンターの道を選び、サムに強いられたようでいて、自分でディーンを救うことを選んだ。
今シーズンが始まって以来、チャーリーへのフラグは立ちまくりで、当時(もう3年もたってるのか)みんな心配してたんだよね。
彼女をハンターにした流れ自体が間違いで、フェリシアのスケジュール等が合わなくなったという話もあるけど、いっそオズの国に行ったままにしておけば良かったじゃないとも誰もが思った。それなら、あの国でいつまでもチャーリーは生きていられた。

けれどチャーリーの死は、シーズン9のケヴィンの死と対になってる。

家族と言える二人の死で、S9ではサムが、S10ではディーンの怒りが爆発し、兄への、弟への想いがこじれた。
それでも、尊い犠牲に罪悪感にまみれても、互いを救うことを選ぶ。それがウィンチェスターの業でありさだめ。

カインの刻印を最終的に発動させるために、トリガーとなる最大の怒りが必要だった。
堪えにこらえてたディーンの怒りを爆発させるのに、最も大事な者を失わせた。
弟と天使は展開上なし。死んでも生き返らない、大事な相手。

これで兄弟は共に、兄を、弟を救うためにもう一人の家族を死に追いやったことになる。
怒りで誘発された刻印の力を、兄はどう向けるのか。


チャーリーは今度こそ天国で両親との日々を過ごすんだろうか。一人一人の天国に出てくる大切な相手は実はその人の幻想で、一人でその夢を見ていることを、兄弟は彼女にも話しただろうか。話さなかったかもね。知らなくてもいい。
ボビーは知っていて、自分一人の天国を選んでいた。奥さんも、ディーンもサムも彼の天国にはいなかった。
天国ではたぶん、大事な人たちが自分を無条件に愛してくれる。いざこざがないのは理想の夢の世界だから。
そう考えれば、たとえ上手くいかなくても、諍いや辛い別れがあろうとも、この世での大事な人たちとのひと時を精一杯生きようと思うはず。
チャーリーは知っていても知らなくても、ウィンチェスター兄弟とのひと時を大事に生きた。
ありがとう。女賢人にして、ディーンとサムの妹。
さようなら、チャーリー。



第22話 ディーンの復讐

ファイナル間近は毎度怒涛の押せ押せ展開。

チャーリーを荼毘に付す兄弟。互いに彼女との思い出を心に浮かべ、辛い作業を続ける。
サムの送り出す言葉をさえぎる兄貴。「だまれ。お前のせいなのにカッコつけて謝るんじゃない」
これ実は私も少しイラっとした。とうとうと演説してる場合じゃないよと。
ジョンが死んだときは二人ともに無言で送った。何か父さん言ってた?-いや何も、の会話はあったけれど、真の悲しみには人は無言になる。
サムは罪悪感も悲しみも勿論あるけど、兄弟のチャーリーへ向ける思いはそもそも違ってる。

チャーリーはサムにとっても大事ではあり、妹がいたらこんな感じかもとは思っていても、良き友人で大切な仲間という認識の方が強い。薄情なわけじゃなく、基本サムは究極の下の子体質だから。
ケヴィンに対しても同じだった。腹違いの実の弟であるアダムに対してだけは、多少兄っぽい振舞いをしたけれど(最初グールだったけど)。
あの時は地獄帰りのディーンが弱くなってると思い、自分が兄に変わっても状況を良くしなきゃといきがってルビーの血を飲んでたからね。
それにケヴィンもチャーリーも、頼れる相手がいない時は一人で何とかするという一人っ子体質なんで(すげえ共感)、サムはそういう相手に対し自分から動かないんだわ。

ディーンの方は大前提が“兄”。ハンターという宿命より兄貴であるという天命を持ってるような人なんで、チャーリーやケヴィンだけでなくキャスに対してもそうだし、ずっと宿敵だったクラウリーにさえ、家族問題で悩んでると真剣に相談に乗ってやる(笑) その代り自分が甘えても大丈夫な大人の男であるボビーやベニーに対しては、とんでもなく緩くなる(^^;

ディーンの「お前が死ねばよかった」にショックを受ける人もいただろうが、これもS9のサムの「もう兄弟とは思ってない」みたいなセリフと対にしている。本心かそうじゃないかはどうでもいい。その場の感情を言ってるだけ。
ディーンにしたら、弟が妹を死なせるような真似をしたわけで、誰でもその場では、「お前が死ねば!」と言うわよ。そこで死ねってことじゃない。


冒頭で突如ハイスクールいじめのシーン。ちょっともっさい眼鏡男子はスタインの末っ子だった。頭はよろしいらしく、いじめっ子をメンタリストする。
スタインの子が通ってる段階で私立のお高い学校だと思うんで、確かにこのいじめっ子は大したレベルじゃない。しかし相手が悪かった。
スタイン家に興味がないせいかキャラか覚えられないんだけど、似た容姿や雰囲気の俳優をあててるのね。数回見てようやく判別。
チャーリーを初めに追ってコーデックスを取り返しに来たのが長男で、女子大生の目をくりぬきバンカーで腕を切って逃げたのが次男。まだ家のしきたりに染まってない高校生の三男。あと従弟たち。

フランケンシュタインの一族というが、懐かしやS3で不老不死になるために人のパーツを切り刻んでとっかえてたベントン博士を思い出したわ。
人数多いのに新しくもない。これは毎度のこと。付け足しの悪役は設定を大きくするほどに間抜けになる。スパナチュでは書き込めるだけの時間がない。スタイン一族の他の悪行を描くつもりも時間もないので、なんか大仰なことだけ言ってる奴らにしかならない。
三男坊もクラスメイトの解剖をさせられる。

一方サムは、チャーリーの死と兄の怒りの宣言もあり、一度は刻印解除を諦める。でも死をかけたチャーリーのコーデックス解読を知り、突き進むことを決める。
ロウィーナはそれを逆手に、クラウリーを早く始末しろとサムに迫る。
兄の電話をかたり、呼び出すサム黒い(^^; ホイホイやってくるクラウリー軽い(^▽^;)
魔女の呪い袋により弱体化するクラ。血反吐を吐きながらも口は回る。ここぞとばかりに恨みを雄叫ぶサム。
案の定クラウリーシンパが、サムは冷たすぎるし酷いと反発したらしい。だけどねえ。サムにしたら許せないのは仕方ないと思うね。確かにクラウリーは変わったし、いい奴な面も出てきた。けれど刻印はクラウリーが発端だし、兄弟が助けた罪もない人々、サムが好きだったサラも残酷に殺してるんだよ。
執念の男サムがそれを帳消しにするわけない。思い出そう。このシーズンの一回目、クラウリーに対し「必ずお前を殺してやる」とサムは言ってた。
有言実行の男。そして兄貴とつるんでるのを許すわけない弟。
それにサムはクラウリーが母親との再会で人間らしく揺れたところは見ていないんだよね。

しかしさすが悪魔の王はしぶとかった。赤く染まる目。迫力! 
十字路の悪魔でなくなってもクラウリーは赤い眼なんだよな。トレードマークというのか、彼の本質なのかもしれない。
サムを指パッチンで殺せるのにしないクラ。主役だから! いや(笑) サムを殺したら兄とも断絶になる。刻印誘発した兄にぶち殺されるのもわかってるし。
ふんぬっと見上げるも仔犬の目になってるサミーに多少萌えたか(そりは私)
信じてない魔女にも、「どうすれば殺せる」と聞いちゃうサムちん末っ子気質。

怒りに身を任せたディーンの強さはパねえ。警察でもスタイン家でも、あまりのクイックさにちょっと笑う。キン〇スマンかよ。
ビニール袋かぶせてさらうやり方やめい。
だからさー。べしゃりが多すぎるんだよスタインたちは。その合間に兄は力を蓄えてる。従弟ちょう簡単に喉かっ切られた。
オヤジもたいしたことねえな! 

バンカーに侵入するスタイン兄弟と雑魚一族。やっぱり3人すか。もっと人員割けよ。
またまたまた長口上をしようとするスタイン次男をスルーし、サクッとどたま撃ち抜く兄。表情の消えた血まみれのディーンってほんと怖い。
え、複数の心臓と脾臓、女たちに乳首が7つって、男たちもナース剥いたのか兄!? そんな時間が。
命乞いをする三男坊。一瞬見逃すに見えて、結局打ち殺すディーン。
止めようと帰ってきたキャスもボコボコにする。
天使は羽が傷つくと人間並みの身体になっちゃうのかね。それでもキャスの説得は、真心こめた強い心情が泣かせる。

まだ怪物になってない若い三男を殺したこと。それは刻印のせいなのか。そうとも言える。
けれどキャスの言った、「わたしの知ってるディーン・ウィンチェスターなら、絶対にこの子を殺したりしなかった」は、それほど単純な話じゃない。
家業と家族を嫌ってるこの子は、やってることは真反対でも、やはりかつてのサムを思い起こさせたはず。
それでも殺したのは、次回最終回の展開への伏線とも言える。でも別の見方をすれば、結局は運命にせよ血にせよ、この男の子がいずれはスタインの業を背負うことを確信してたんだと思う。自分たちの経験からも。
多くの人を殺し世に害を与える前に消すというよりも。そういう大人になっていく苦しみや恐怖を取り除いてやったともいえるんだよね。
恨みはこの子にまでは達してない。彼を殺しても嘆く親兄弟は既に殺してる(嘆かないだろうが) 

自分を、まだ罪にまみれてない少年まで殺すモンスターに落とす、実の弟を殺すことになるというカインの予言をたどることを、自分に向けているディーン。

次回はいよいよフィナーレ。



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