別館 兄弟仁義

超常現象ドラマの兄弟愛と家族愛をうっとおしくつつくブログ

スーパーナチュラル シーズン15 けじめ感想15

2022-08-05 12:41:06 | シーズン15

第15話 ギミー・シェルター

『神の破壊を請け負った使者なの』byビリー

ボランティアで食事のサービスをしている教団。汚れた風体の女性が入ってくる。配膳をしていた青年コナーは、気味悪がる女子にせっつかれて追い出そうとするが、牧師に止められる。
コナーは帰り道、何者かに首にロープをかけられて…。

アトランティックシティで、原因がわからない大規模停電が発生。アマラの仕業ではと思ったディーンと、気乗り薄なれどサムは現地に出向くことに。アマラがいなくても食べ放題とカジノがある♪と本来の目的はそっちっぽい兄。
二人に付き添いたいキャスだが、ジャックと一緒に冒頭の事件に向かえと兄に言われる。
「スーツ出さなきゃ。お揃いのネクタイにする」と嬉しそうなジャックに、仕方なく「君には青が似合う」と言うキャス。
担当の保安官に、FBIの身分証を逆さに見せるジャック。隣の父さんNo.3に似て良かったね!
早速おこちゃま疑いをもたれるが、Ⅽ「彼は非常に優秀で」 J 「CSIを卒業したばかりです」
微笑むジャック。うなずくキャス。突っ込みがいないゆる親子。
寒気はしなかったかなど定番質問をしたが、どうも普通の猟奇殺人の様子。コナーは胸に『嘘つき』と彫られた傷があり、指を切り落とされて喉に押し込んであった(うわあ)
そして近くには、おしゃべりする熊の人形が。
「僕も持ってるv」 ジャックw 「甥のロナルドにね」 素早くも無理ぽいフォロー。

悪魔案件だろうと、十字路の悪魔を呼び出すことにした二人。穴を掘ったり準備をしているキャス。ジャックはサム@父さんNo.1に倣い、ソーシャルメディアで死んだコナーの情報を得ようとしている。
SNSをうまく使いこなせないキャス。一度やったが、「猫の写真が大量に出てきた」 どこをどうしたんだよ。
「登録に親か保護者の承認がいる」「私がしてやる」 嬉しそうなジャック。
天使とネフィリム間でも存在するジェネレーションギャップと、ほんわり親子交流シーン。

現れた赤い目の悪魔ザック。なんか気取ってやがる。
なんて言ってるの?と戸惑うジャックに、私もわからんとキャス。
「ザック様はシャレオツだから」 シャレオツ、私でさえ使わぬ昭和的吹替え訳。
原語ではブリティッシュアクセントで話してるが、ジャックはアメリカ生まれの半分天使小僧で、キャスはそもそもどの言語もボキャ貧。
猟奇殺人への関与を疑うが、ザックは、ロウィーナは人間は人間界に置いておき、取引をさせない方針だと言う。取引をしない十字路の悪魔ってなんだ?とぼやく。
「お前は地獄で腐りきった悪魔だ」 天使に慈悲は無え。
人間が犯人なら帰ってサムとディーンを待つしかないねと、がっかりなジャック。
いや人を助けようと言うキャスに、嬉しそうな顔になる。子供の心がわかるようになったね。

その頃、教団のコミュニティセンターの後始末をしていた女性ヴァレリーは、募金箱のお金をくすねたところでつかまっていた。


アマラを見つけられても、殺すために騙すんだよ?というサムにディーンは、ビリーは俺たちを『神の破壊を請け負った使者』だと言った。犠牲は出ると平然。

教団にジャックが信者候補として潜入することに。受付の女の子シルヴィアに、「やあ、壺はどこで買えばいい?」w 
原語では『Koolaidはどこにある?』で、カルト教団が粉末ジュースのクールエイドに毒を入れて集団自殺した事件から、スラングにもなった。

キャスはFBIとして来訪。牧師と話すことに。
ジャックはボランティアの食事サービスを手伝いつつ、探りを入れる。
シルヴィアは牧師の娘だった。死んだコナーとも昔からの付き合い。母親は3年前に亡くなり、父親としてより指導者である父親に複雑な感情を抱いている。
僕は何人もの父さんがいるけど、いつもがっかりさせてる気がする、と明かすジャック。

教団ではなく信仰にもとづいたコミュニティだと言う牧師に、最近ここを離れた人がいるか尋ねるキャス。
父親と話したいシルヴィアを出て行かせ、キャスにお子さんはいるかと聞く牧師。
「いるんだが…、ちょっと込み入っていて」 被扶養者より扶養者が多すぎる件。
牧師の妻は狂信的な教団で育ったが、牧師はどんなバックグラウンドの人も受け入れて助け合うコミュニティを作るために、ここに移ってきた。
死んだコナーは同性愛者だった。

ガスステーションにいる兄弟。珍しくサムが何か食べようと言っている。道路が封鎖されて6時間は食べれないから。「ポークチョップ?」「ポークチョップ」 食べたいものが一致。仲良しv
「もっとマシなものが食べたい」 アマラ自ら登場! 探しに行く手間がはぶけた。
話をしたい兄弟だが、まずランチよとアマラ。ピエロギって知らなかったけど、ポーランド料理だそう。
姐さん曰く、ディーンは2つの州を越えてもわかる、独特な匂いがあるそうだ(良きかほり)

コミュニティセンターで、新メンバーとして紹介されるジャック。牧師に自己紹介をうながされるが、詰まって言葉が出てこない。
入ってきたキャスが、「私がやろう」

かつては盲目的な信者だった。何の疑問も抱かず、言われた通りに動き、恐ろしいことをしてしまった。
あの時は神の教えの向こうにある本質を見ようとしなかった。
当然の結果だが、理想は粉々に砕け散って絶望した。生きる意味がなくなってしまったんだ。

ところがある日、すべてが変わるほどの出来事が起きた。
家族を見つけたんだ。そして私は父になった。
それによって信じる心を取り戻し、本当の自分をやっと見つけた。

話しながら、ジャックを見つめるキャス。

ところがテレビが急に切り替わり、囚われたヴァレリーの指を切り落とす瞬間が映し出されてパニックに。ジャックが急いでプラグを抜くが、フラッシュメモリーがテレビの後ろについていた。
犯人に目星をつけたキャスは、ジャックと共に教団を抜けた男の家に乗り込むが。
彼はすでに死んで腐敗していた。壁には赤い『色欲』の文字が。

チャックを倒す手助けをしてくれと言うディーン。チャックの頭を覗いたときに、彼を拒絶したのを見たと言うサム。
しかしアマラは、頼みは断ったけど裏切るのは別の話、私たちは創造と破壊、光と闇。甘いだろうけど、私を閉じ込めたことを後悔してると思う。手は貸せないと言う。
光が最低野郎で、闇が優しいというこの世界。

アマラを置いて去ろうとした兄弟だが、ディーンは突然、聞きたいことがあるとサムを残して店内へ。
「何で生き返らせた?」「ハッピーエンドじゃなかった。おふくろは死んだ。俺に何を見せたかった?」

あれには二つの目的があった。一つはお母さんと言えど人間だってわかってほしかった。彼女が生きていたら、自分はもっと幸せだったんじゃないかと思ってたのは、だだの思い込み。
本当のメアリーはずっと複雑で、あなたが子供の頃に夢見ていたお母さん像よりすっといい。だって彼女は現実だから。
いつだって過去より今が幸せなの。そう思えたなら、吹っ切れるはず。

メアリーがいれば消せるかと思ったの。あなたの炎。怒りの炎よ。でも明らかに失敗したわね。

ディーンの表情がすっと冷たくなる…。

その通りだ。エラそうに。試練を与えて人をもてあそび楽しむ。弟と同じだ。
怒っちゃいないさ。煮えくり返ってる。ふざけた物語とかのために、俺はずっと同じ車のハムスターだ。誰のせいかわかるか? チャックだ。
俺だけじゃない。サム、キャス、ジャック、そしてあんたもだ。今奴が殺している人々の話をしたいか?

奴はやめない。なのに君は見てるだけだ。あいつが君を気にかけてると思うか? 夢を見てるのはどっちだよ?

動揺し、「あなたを信じていいの?」と聞くアマラに、兄は「絶対に傷つけない」と答える。
考えておくと言うアマラ。

動揺して泣いているシルヴィア。仲間の女子はSNSに投稿してバズってると喜んでいる。
表情を変えたシルヴィアは、ナイフを取り出して彼女の腹を刺す。
貯蔵室にヴァレリーを捕らえ、男たちを殺したのも彼女だった。
逆上したシルヴィアは父親の牧師にもナイフを突きつけるが、ジャックが飛び込んでくる。
ジャックを刺すが、当然無傷。呆然としてるシルヴィアを、やってきたキャスが眠らせて、ヴァレリーの指も修復する。驚愕する牧師。
「あなたは天使なのか?」「ポンコツの部類だが」

警察に連行されるシルヴィアを案じるジャックだが、牧師は私がついていると応える。
しかしパトカーを運転する警官の目が赤く変わり…ザックだった。

帰路の車中。キャスはジャックに、牧師の問いに答えられなかった理由を尋ねる。
チャックとアマラを殺したときに自分も死ぬ。ビリーは呪文で僕を一種の爆弾に変えた。
サムとディーンには言わないでと乞うジャック。
「一度お前を失ってる。あんな思いは二度と御免だ」
別の手を見つけると断言するキャス。

バンカー。互いの報告をするディーンとキャス。しかしキャスは、上手くいかなければ戻ってこれないかもしれないと言い、兄弟が知るべきことを話し出す。

 

ふむ…。ふむ…?

あらすじが長くなりすぎた。二手に分かれたのはいいとして、メインはキャスジャック組で、兄弟はアマラとの対峙だけで、サムは添え物的だったのはちょっと不満足。

色文字分けて書いたそれぞれのセリフはエモーショナルでしたが、腑に落ちないところも結構ある。
まずはディーンの問いへのアマラの答え。
言ってることはまっとうなんですよ。その通り。けれどシーズン11のラストで彼女がディーンに言ったのは、『自分に一番大事なものを与えてくれた、だから私もあなたの一番大事なものをあげる』だったはず。
あの時は、チャックが文字通りの史上最大の最低野郎のラスボス設定ができていなかったから、アマラは純粋にディーンの望みをかなえただけでしょう。それが深遠な理由があったみたいな後付けを作りましたね。

それに、幼い頃に亡くした母親に幻想を抱くのは当たり前では? ディーンはその幻想を心にひっそり大事に抱えて、辛い少年期を乗り越えたはず。それをそもそも親というものが存在しないアマラに言われてもな。
生き返ったメアリーと対峙し、様々な葛藤をお互いに乗り越えて、ディーンはその幻想を捨てて生き返った母親を理解して愛してた。それがアマラがお膳立てしたおかげだとでもいうのか?
それに「あなたの怒りの炎」ってのも、ディーンが怒りを原動力にするのはディーンならではのこと。でも初期シーズンではそれはサムの役割だったんだけどね(笑)
ディーンの怒り、サムの悲しみ。それが後期シーズンのそれぞれの原動力になっている。どちらにせよ、怒らないでいられる状況じゃないよね?

いずれも兄がアマラに、あんたが言うか?になるのはわかるんですよ。これはもう、ディーンがアマラをだまして最後は殺すことを告げずに協力させるのに、無理もないという兄を擁護する理由を後付けした感じですね。
「絶対に傷つけない」といけしゃあしゃあと言わせる脚本は、兄酷くね?となる人は多いと思う。アマラ、そうは言っても純で気の良いところがあるからね。
ここで効いてくるのが、冒頭にも出ていたビリーのセリフ『神の破壊を請け負った使者』ですね。

God'sじゃないからチャックだけなのか、神と言えばアマラも入るのか。
二人は双子であり陰と陽であり、片方だけでは生き残れない存在。つまりは神は二人ともを指す。
そして『神の破壊を請け負った』じゃない。使者。殺すのはジャックであり、兄弟はジャックを使わすものなんです。
だからディーンは、アマラに暗に告げている。あんたも死ぬ時だと。

これは残酷なようでいて、当然ともいえる。チャックが勝てば兄弟もこの世界も終わりで、チャックはまた新しいおもちゃを作るつもり。チャックを殺す以外に道はなく、自分たちのハムスター人生だけでなく、すべての生あるものの解放がかかってる。アマラに同情してる場合じゃない。兄はそう思ってる。

サムがいささかの罪悪感を抱えているのに比べて、兄は非情に見えるけれど。私はディーンを正義のヒーローなんて思ってないのでね。
ディーンは傷だらけの戦士。満身創痍で肉を切らせて骨を断つ男です。

そしてディーンは、アマラに対しても本当に怒ってもいるんですよ。それは彼の根底にある、家族観、兄弟観で。アマラは確かに、はるかな時を幽閉されてきた。解放されて地上を楽しむ権利もあるだろう。けれど弟はあらゆるものを消して、苦しめ、害をなしている。それを止めようともしない。協力は突き放しても、ほおっておいた。これはディーンの感覚からするとアウト。
ウィンチェスター兄弟は、互いにしでかした大事を、お互いにかぶり、怒り、諍い、でも手を離さずに来た。もしサムが世界を破壊するようなことをしでかすなら、自分もその咎を負う。サムだってディーンがそうしたら同じだろう。それはお互いを誰よりも大事に思っている兄弟愛があったからこそだけど。
閉じこめられていた時はともかく、今もアマラはチャックを止めない。ジャック以外に唯一できるのが彼女なのに。自分も被害者だから? チャックを殺せば自分も消滅するから? 本当は変人の小男とただの女じゃない、ビックバンを起こした存在だというのなら、偉大な存在にふさわしく、片割れの責任を自分も負うはずだ。
それがディーンの価値観であり、兄弟、家族というものなんだね。

さて、序盤はほのぼのペースだった天使ネフィリム組。ジャックが3パパと絡むの好きですが、それぞれ1対1で行動するのもいい。おとうさんしてるキャスも好きです。
キャスの告解は、『これまでのスーパーナチュラル』を思えば相当はしょってますが(笑) 仕方がない。ただね、ぶっちゃけますが今回を含めて残り5話。キャスの登場はあと2話です。ここでキャスの生きる意味がジャックになっていた告白をさせて、ちゃんと回収するのかなと思いましたよ。見た時に。
その答えは18話にあるわけですが、どうも脚本と俳優それぞれのとらえ方は違っていたような…。

事件としては人間の怖さで、またもクリマイかと思ったが。セブン的でもありましたね。
牧師の妻、シルヴィアの母親は、信仰により医者にかからず亡くなった。それをきっかけに牧師は教団を離脱して自らコミュニティを立ち上げ、様々な考え方の違う人々を受け入れていた。
でも元の教団で育っていたシルヴィアは、母をなくした上に父は自分より仕事。まだ若い少女の精神が均衡をなくすのはわかる。冒頭で殺されたコナーも幼馴染らしいし、元の教団にいる時は同性愛者を隠していたんだろう。だから『嘘つき』と胸に彫った。しかし女の子が男子の首を縄でひっくくったり、大の大人の女性をさらって閉じこめたり、ビデオを流したりできるかね。最初からあの十字路のシャレオツ・ザックが関わってたんだろうな。
ロウィーナが地獄を閉めても、ああいう悪魔は出てくる。後日談は描かれないけど、後味悪い感じ。

ジャック爆弾ね…💦 これもS11の兄爆弾の焼き直し。ジャックは単体でもの凄いパワーだから、神姉弟を爆破できる設定。こうでもしないと兄弟、とくに兄は自分を許してくれないと思ってるジャック。
けれど魂が戻り心からの後悔を見せたことで、ディーンの方も許してる。この自己犠牲型はサムパパに似たか。

キャスからの電話報告でディーンが言った、「じゃあロウィーナは地獄を封鎖したのか」が、英語では“lockdown”なのでね…。この時はまだ来ていなかったが、地獄もパンデミックでは閉じられたのだ…。

タイトルはローリングストーンズの曲であり、彼らのライブのドキュメンタリー映画のタイトルにもなった。この回とどうかけているのか、ちょっとわからん…。
牧師さん、どっかで見た顔だと思ったら、ドクター・セクシィーだ!!

 

毎度の言い訳タイム。
状況は一進一退。加えてPC瀕死。暑さのせいもあるけど、大規模アップデートのたびにおかしくなってた。
4年半なのでまだ持つかなあと思ってたけど、むりぽ(汗)瞬時に固まる。
次回があったら2~3か月後でしょう(爆)

 


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