ニッケイニッケイ言って騒いでいるわりには、相変わらず新聞を取っていませんので、いつも散歩に出た時や仕事に行く時に駅の売店やコンビニで買っています。日刊が残っていればシメたものですけど、なければ夕刊を買って、次の日の朝にそれを読みますので、いつも新聞は一日遅れで読むことになります。おおまかなニュースはネットで知ることができのるで「遅れる」感じはないし、見出しを見て「今日は東京新聞にしてみよう」というように雑誌感覚で買えるのもいいところです。
・・・・で、今日読んだ昨日の新聞(普通は古新聞と言いますね)に、二つ並べるてみると面白い記事がありました。
その一つは「三井住友FG990億円損失」、もう一つは「米住宅ローン最大手のカントリーワイド・ファイナンシャルが最終損益450億円の赤字」という記事です。
三井住友FGの方は「証券化商品や同商品を組成する際の融資の価格が一段と下がったため、これらをすべて実現損としたら990億円になった。」のだそうです。
一方、カントリーワイド・ファイナンシャルの方は「住宅ローンの焦げ付きのための貸し倒れ引当金が970億円で、住宅ローン債権の評価損が413億円。」ということなので、合計で1383億円の損失です。
・・・・?何となくヘンなのではないでしょうか。
サブプライムの本場(というか本拠地?FC?というのは冗談です。)アメリカの住宅ローン最大手の会社の損失額が、サブプライムには比較的関わりが少ないはずの日本の三井住友FGの損失額とあまり違わない程度ですんでしまっています。
三井住友FGの方が普段扱っている金融商品の量が多いから?
そうかもしれませんけど、「損失の内訳」をよく見てみたら、何だかもっと面白い理由がありそうな気がしてきました。
まず、カントリーワイド・ファイナンシャルの損失の内訳は「貸し倒れ引当金」とか「債権の評価損」とか、シロートにも「だいたい何のことか分かる」くらい具体的です。「貸したお金を返してもらえない」、だから「貸し倒れ引当金」という風にスラスラと理解できます。「債権の評価損」も同じです。「お金を返してもらえない」という現実の出来事から、直接引き起こされている損失というように見えます。
それに比べて三井住友FGの損失の内訳は、「証券化商品や同商品を組成する際の融資の価格」・・・・。何のことやら、シロートにはさっぱり分かりません。
この、「現実の出来事から直接引き起こされている損失」から、「わけの分からない言葉で出来上がっている損失」への変化が、「高度に洗練された金融商品の創造」ということなのでしょうか。
ピカピカの金でできた小判から、灰色の紙で出来たお札への転換と同じかな?・・・いや、もっと激しい変化のような気がします。
そしてその製造過程にgo2cさんの「うわずみ理論」が加わると、カントリーワイドの「億」が、シティの「兆」に化ける・・・・。その間に、いったいどのくらいの本物のお札が移動しているのでしょうか?多分、ゼロ?・・・。
本物のお札も、貴金属も、穀物も石油も人も何も動いていないし、何よりそういう「富」が失われていないのに、損失が「億」から「兆」に・・・。
やっぱり不思議です。
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