たち

ホンマでっかで、夫婦の話をみたんだけど、「おれたち、どうしてこうなったんだろうな｣
と、「たち」を付けて言うといいらしい。

合点がいった。

誤解や、言い訳したいことがあったとしても、とりあえずは｢二人の問題｣として向き合うことは大事なんだな。

確かに、そこで自分の話ばかりしては、平行線になるのは当たり前なんだ。

お互いが、自分が悪者になってはたまらない、と、相手を攻撃して、自分が正しいと言いたい。

そうなると、もう、お互いが相手を大切だと思えていないし、歩み寄るもなにも修復不可能に近いとこまで行くわけだ。

まあ、優越だったり、善悪でものを言っているうちは、関係は修復しないのだろう。

悪化しかしない。

私たちがこだわるのは、まさにそこだから。

どちらがすごいか、どちらが正しいか、そんなところしか頭にない。

一緒に解決しようとか、一緒にがんばろうとか、そういう関係でもなくなっている。

それは、今までの二人が、あまりにも下手くそだったからだな。

二人がどうか、というより、自分を守らないと、ということの方を重要視してしまった。

うわ、どうしたらいいんだ？

夫婦とはそんなものだ、といえばそうなのかもしれないけど、いがみ合っていることはそりゃできればやめたい。

でも、話をすると、多分また、あの時ああ言ったがどうとか、そっちが悪いとか、自分は間違ってないとか、そうなりそうでとても怖い。

そこでいつもの癖の、すぐ謝ってしまうことは絶対にやめなければならないし、相手を攻撃することもしてはいけない。

遠い道のりだな。今の私では到底無理だ。

まずは、話し合いは先送りにして、自分の心構えを変える努力をできないだろうか。

相手を憎む気持ち、怒りをぶつけられない苛立ち、うまく消化できるようになれたらいいのに。

どれも難しい。

ただ、この仲違いが、どちらか一方が悪いわけではなく、お互いが良くなかった、と、自覚するところから始めないとな。

文句言いたいのは山々だけど、私にも問題があったのだろうし、そこはわきまえよう。

嫌いでも、せめてまだしばらくはこの場所で生活したい。

相手がいろいろと腹の立つことをやらかしてくれるとしても、お互い様だから。

家族とは、迷惑掛け合って生きていくものだし、嫌なところがあって当たり前。

わかってるんだな、全て、頭ではわかっていることだらけだ。

感覚、感情、空気、直感、もっと本能的なところ、そのへんは、意識して直せるものなのか？

生きづらさ、は、自分で作り出しているのもわかってる。

わざと生きづらくしている。わかってる。

このこだわりが消えたら、どんなに楽だろうな。

自分のプライドとか面子とか、どうでもいいや、って、捨てられたら、ホントは楽なんだよな。

私は私で人間くさくていいんだけど、実はその方が楽だとしたら、少しだけでもそういう人に近づければいいか、くらいでいいか。

感情を抑えきる、のは、ちょっと違うし。

腹立つとか、汚ったない気持ちとか、持ってはならないなんて禁止するのはまず無理だから、その後でどうするか、だもんな。

直情的な自分を少しでも和らげられたらいいな。

自分を守ったところでどうだ？
相手が認めてくれる訳では無い。
相手も自分を守ることで必死。
私を認める余裕なんかない。

認めてほしいと、求めすぎなんだな。
それが愛、というわけでもないのかもしれないのに。

認め合っていれば愛し合っていられる、とか、そういう単純なものでもないのかもしれないし。

こっちを見ろ、認めろ、というのはただのエゴかもな。

認められなくてもいいや、かな。

ただ、横にいるだけでそれでいい、かな。

存在してくれるだけで御の字、かな。

あなたが幸せならそれでいい、かな。

そんなの究極じゃん。

そうなれたらお互いが楽だし、いい夫婦になれるんだろうな。