南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

人望論

2010-09-13 17:21:43 | Weblog
国難ともいうべき非常事態に我が国は見舞われています。
各界各層のトップリーダーは右往左往、まるで他人事のようにその責任を押し付けあっています。
今年の私の座右の書は「学問のすすめ」です。

「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」
「“愚民の上に苛き政府あり”とはこのことなり。こは政府の苛きにあらず、愚民のみずから招く災いなり。愚民の上に苛き政府あれば、良民の上には良き政府あるの理なり」
(政府の良し悪しは、国民の良し悪しによるんですよ・・・耳の痛い言葉です)

17遍の「人望論」に、具体的な人望像を掲げています。
「およそ人間世界に人望の大小軽重はあれども、かりそめにも人に当てにせらるる人にあらざれれば、なんの用にも立たぬものなり」
(およそ人間世界では、人望の大きい小さいはあっても、かりにも人に頼りにされるような人でなければ何の役にも立ちません)

「第一、言語を学ばざるべからず」
(第一に、言葉について勉強しなければなりません)

「第二、顔色容貌を快くして、一見、直ちに人に厭わるることなきを要す」
(第二には、表情です。見た目を快くして、一見してただちに人に嫌な感じを与えないようにすることが必要です)

「「第三、人と交わらんとするには、ただに旧友を忘れざるのみならず、兼ねてまた新友を求めざるべからず。
・・・ゆえに交わりを広くするの要は、この心事をなるたけ沢山にして、多芸多能一色に偏せず、さまざまの方向によりて人に接するにあり」
(第三に、人と交際しようと思えば、ただ旧友との付き合いを忘れないだけでなく、さらに新しい友人を求めなくてはなりません。
交際の範囲を広くするコツは、関心をさまざまに持ち、あれこれとやって、ひとところに偏らず、多方面で人と接することです)

100年以上前(1872年初版)の本ですが、古さを感じさせない内容ですね。

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