朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

らくご道(2012年5月)

2012年05月18日 10時34分03秒 | 落語・講談・お笑い
昨日は例月の如く「らくご道」へ。

開場20分程前に着くと、既に10人くらい並んでいる。
結局50人近くの入り。
後の話では、「最高記録(51人)には及ばない」というレベルの数だったらしい。


「前説」(南天)

今度CDが発売される、という話。
「野崎詣り」と「阿弥陀池」で、「口上」の音も入っているとのこと。

それを巡って「音をあまり残したくない」といった話。
如何にも、客とその場その場で関係を作っていくこの人らしい。


「隣の桜」(生喬):○-

酒の上での話、花についての話から入っていく。
花に関する話でウケが弱く、尻すぼみしてネタに入ってしまった印象。

ネタは丁稚や旦那の表情付けが良く、
一言一言でそれぞれが何を考えているかがよく伝わる。
旦那の、丁稚が良いことを言っているけど今はそぐわないから、という
気持ちを籠めて指摘する科白(「いや、大橋」など)や、
「ほたら、今日は呼び捨てにしても構しませんか」と言う前の
丁稚の悪戯っぽい表情など。
それをどこまで表に出すのか、は微妙なところで、
個人的には一言一言でこれを出すのは少しクドいかな、と感じなくもない。

キセルと火箸で殴り合うところ、
もっと強く(もっと目を回す程)火箸で殴っても良いかも知れない。

丁稚が隣に行く際の独り喋りで「仲が良いから」と言うのだが、
個人的には要らないのでは、と感じる。
仲が良いベースがあるから最後の仕返しも許される面も
「遊び」として受け容れられる、という判断かも知れないが、
別にそれがなくても構わないのでは、と思う。

学者は強面で。
丁稚との掛け合いも楽しくやっていた。

戻ってきて仕返し。
このあたり(後でも話していたが)「隠れ遊びをしていた」でもなく
あっさり進めており、別にそれでも構わないかな。
特にそれで花見の雰囲気が弱くなる、というものでもないし。
ただ「接待」がメインっぽい人の集め方、酒の注ぎ方に見えたので、
短い科白、応答で隣から覗きたくなるような盛り上がりにしようとすれば、
もう少し女性っけを最初から出した方が良いかも知れない。

最後の仕返しを旦那が実行する、というのは、元々そうだと思っていたのだが、
生喬が変えたんやね。
確かにこの方が自然で良い。
考えたら趣向の説明は別に「耳打ち」でなく、
普通の会話で旦那の聞いている様子を見せる、という手でも良いかな。
「耳打ちを聞いて、徐々に楽しくなる」様子の方が、見ていて楽しいが。

梯子を登るあたり、きちんとハメに乗っている。
当然と言えば当然だが、このあたりは如何にも上方らしいな。


「仔猫」(南天):○

少し商家のシステムを説明してネタへ。
お鍋の「田舎者」らしさは地で説明し、
訛りや仕草はそのあたりを特に強調せず。
「おもろい顔」と言うが、それ以上の「恐い」というレベルではない設定。
「恐い」を強調するよりも良いと思う。

お鍋が仕事を広げていく様子などを地で語るが、
後の若い連中の会話の中で印象付けられるのでは、と個人的には思う。
分かりやすいのは分かりやすいが。

若い連中のワチャワチャの中で
少しずつ「怪談」の雰囲気が出てくる。

旦那と番頭の会話、
翌日の「ぼて」を開錠して中を見ていく。
この辺りから番頭が軸になっていくが、活き活きして良い。
着物の説明も楽しそう。
挟まれての「ここに1本あった」に対する旦那のツッコミはなく。
まあ、「2,4,6,8,10」なしでも良いと言えば良いか。

お鍋を呼んでの番頭の言うか言うまいか、が非常に丁寧に作られている。
まず持ってきた水を飲み干す。
持ってきたから飲むこと、番頭の気持ちとしてもこれは自然。
その後若干クサ目に「どれくらいになる」「芝居面白かったか」を繰り返す。
その返事に対するコメントもその度に変えている。

「口入屋に帰っておいて」と言っていた。
個人的には「故郷に帰っておいて」と言っているイメージがあり、
その方が「故郷に帰られない」お鍋の気持ちに触るのかな、と思いつつ、
現実には口入屋に帰るよな、とも思いつつ。
他の店でも既にお暇を出されてきた、と考えると、
「また口入屋に戻される」ことが、故郷のないお鍋にとって
徐々に居場所がなくなることにつながっている、というあたりかな。

お鍋は全体に伏し目がちだが、
何箇所か番頭を見据える場面があっても良かったかも。
「何か見たか」やクドキの中での「な、番頭さん」あたり。
ただクドキ全体は情が籠っており、良いものだった。

番頭にしても旦那にしても、当然お鍋にしても、基本的に良い人。
演者の人の良さが登場人物に投影されている感じが快い。


対談「夕焼け日記」(生喬・南天)

襲名披露口上の話、ネタの話。
「ネタ出ししていない会で「仔猫」は掛けにくいところがある」と言っていた。
確かに、そこまで発散しないネタではある。

あと、来月の「らくご道」の形について。
生喬が夜から松喬に付いて北海道に行くそうで、
生喬が「平の陰」をやって出ていった後、
「南天が適当にゲストを呼ぶかして何とかする」会になるらしい。

どんな会になるか楽しみなような、恐ろしいような。
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