朝寝-昼酒-夜遊

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らくご道(2012年6月)

2012年06月05日 22時53分33秒 | 落語・講談・お笑い
昨日は例月の如く「らくご道」へ。
前月の話では、
生喬が仕事の関係で途中で抜けてしまうので、
対談等のゲストは他に呼ぶ、ということ。
それが誰か特に知らずに、会場へ。


「平の陰」(生喬):○-

マクラで松喬、そのおかみさんと3人で北海道に行く、といった話。
松喬が検査結果を聞いてから飛行機で合流するため、
フェリーではおかみさんと2人だけ、とか。
後の対談での絡みで、マクラを振り返ってみると、
この人は演者の心配や戸惑い、といった感情を客と共有するのが上手いのだろうな。

ネタは何度か聞いているが、安心して聞けるもの。
「字を読めるふりをする」「色々言われて徐々に怒りを露にしていく」あたり、
間の取り方や表情付けがきちんと作られている。
字を読めるふりをする兄貴分が穏やかな人から荒々しくなっていくところ、
若干、人物の一貫性が弱いかな、という気もする。
特に、途中で一度切れて見せるあたり。
個人的には、「字を読めない」ことを言いそびれてしまい、
怒りたいのだが自分が悪いから怒れない、という「困り」がメインで、
怒りの感情などは手紙にかこつけて出す、程度で良いのでは、と感じる。

最初「お前好きや」と言っておいて後から
「お前なんか嫌いじゃ」と言うようになるのは一つの転換だが、
あまり伝わっていない気もする。


「青菜」(たま):○-

シークレット扱いのゲスト。
実際にはtwitterで呟いてしまっていたらしい。

マクラは病気の話など。
非常に整理は悪く、「いつの話をしている?」「どこでの話をしている?」と
考えながら聞かないといけないのだが、
それでもウケているのは勢いがあるから、だろう。

いろいろ手を付けている「青菜」。
植木屋さんは、この家に来るのは初めて、という設定。
後のバラシで「家に来るの初めてやったかな」「毎日風呂誘いに来てるやろ」と言えるし、
出入りでない方が「隠し言葉に感動する」のは自然なのかも、と感じつつ、
初めて来る植木屋さんに酒の相手をお願いするかな、という引っ掛かりもありつつ。

全体に、テンポ・スピード感重視。
科白や設定をいろいろと刈り込んでいた。

植木屋さんが座るのを躊躇うあたりのやり取りはなし。
他の部分で全体的に「職人が愛想を言っている」感じを出していた。

飲む仕草など、細かく付けている、というよりは
リズムや「飲んでいることが分かれば良い」という整理で進めている。
これはこれで良いと思う。

植木屋さんが感動して帰宅。
おかみさんの暑そうな様子がかなりオーバーに描かれていて可笑しい。

「焼酎に醤油を入れる」「鯉の代わりに蛙」、というのは
個人的にはあまり好みではないなあ。
あくまでも「ご大家ごと」の真似をするところがポイントで、
このあたりにギャグを入れるとポイントが散漫になるような気がする。
勢いで押していたし、蛙を入れるのに「鯉と同じく川にいる」なんて
わざわざ理屈を付けるのも面白いのだけれど。

青菜は「要らん」と言わずにすぐに「食べる」と言っている。
リズム、スピードを優先していると考えると、それは一つの手かも知れない。
ただ「青菜」の全体の構造から考えると、
ここで「真似をして外す」のは不可欠かも、と感じる。
また、前段でおかみさんが暑がっている件を強調しているので、
「かかが死ぬ」もリアルになるだろうし。

「義経、義経」もうっかり言ってしまった、というより、
怒りのあまり言い放った、という感じ。
「さあ、何なと言え!」と植木屋さんに投げ掛けてサゲを言わせる流れ。


「くっしゃみ講釈」(南天):○

マクラや最初のあたり、たまの落語の後で、少し客席が疲れていた感じ。
アホの少しくどいような会話などで、
緩やかで穏やかな南天の空気に徐々に持っていっていた。

アホが、講釈師が雪駄を持ってきたりしたことを話す辺りで、
何となく笑ってしまっていた。
後の話では、南天が講釈師の動きを紹介しているアホの気になって
講釈師の動きなどを客観的に想像して、可笑しくなってしまったらしい。

アホは全体に「忘れ」がメイン。
「胡椒」「八百屋」「2銭」だけでなく、
後で「前に行く」「火鉢を借りる」「唐辛子をくすべる」などでも
「コロッと忘れて」を繰り返していた。
これはこれで良いかな。

八百屋が良い人。
アホとの会話、アホが何を欲しがっているか聞きだそうするところに
よく出ている。
「大根掴んで盗まれる」でなく
「かぼちゃが転がって溝に落ちていく」「拾ってもらったが傷だらけで差し上げる」のは、
南天のこの八百屋に対する「そこまで被害者にするのは可哀想」といった感情からなのかな、と
何となく感じた。

カラクリに振り回されるところも、かなり激しく八百屋を描いていて面白かった。

講釈は、まあ、普通。
元の講釈を重々しく語り、けっこう派手にくっしゃみを繰り返す。
きっちり落差があるし、
くっしゃみを堪える音も面白いのでよくウケていた。
途中で唐辛子を足すのも悪くないな。

アホが「講釈聞きに来たんやない、くっしゃみ聞きに来た」と言っていなかったが、
勢いの結果、抜けてしまったのかも知れない。


対談「夕焼け日記」(南天・たま)

どのようなマクラを振るか、や、
「顧客満足度」を高める、といった話。

普段は生喬が話を進めていくことが多いので、
さすがに間も時々あったが、
お互いに言いたいことを言ったり言わせたりしていて
まあ、面白かった。
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