しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

アシ・カンタ・ヌエストラ・ティエラ・エン・ナビダ28

2010-12-06 11:04:33 | カンテ
アンダルシアの銀行カハソルの「アシ・カンタ・ヌエストラ・ティエラ・エン・ナビダ」28集。
こちらにも書いたが、もともとヘレスの銀行、カハ・デ・ヘレスから出ていた
ヘレスのビジャンシーコ(クリスマスソング)集が、
銀行の合併によってカハ・サンフェルナンド→カハソルの発行となったもの。
もとも一般に売られることなく、銀行の窓口でのみ入手できるものだったため
ファン垂涎のものだったわけで、私も中古レコード屋ではみつけては狂喜したものだ。
パリージャ・デ・ヘレス、モライート、フアン・モラオ、
ソルデーラ、パケーラ、モノ、マカニータ…
といったアーティストたちもさることながら、どこかなつかしい感じの曲の数々。
今年のアルバムは2008年12月3日、ヘレスのビジャマルタ劇場での公演のライブ盤。
最初にオーケストラと合唱団、ソプラノとテノールでのバージョンもあるけれど
それは前座でやっぱりききどころはフラメンコでしょう。
伴奏はモライート、ディエゴ・デル・モラオ、ペペ・デル・モラオ。
彼らのギターを聴くだけでも、買う価値ありです。
エスペランサ・フェルナンデスやカルメン・デ・ラ・ハラもいいけれど
やっぱヘレスのビジャンシーコで決まりでしょう。
十代のときからこのアルバムに参加してきたラ・マカニータの熱唱
ベテラン、アンヘル・バルガスのしみじみした歌いっぷり。
フェルナンド・デ・ラ・モレーナの絶妙なブレリア。
そしてフェルナンド・テレモートの、深い響きをもった声。
あのフェルナンドがもういないなんて、とちょっとまた涙。
一曲ごと拍手でおわるのだが、その切り方がフェイドアウトでなく、
ぶつっ!と切れているのがちょっと残念。
なおこの公演の模様はカナルスールで放映され、
そのビデオはこちらでみることができます。

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