しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

第95回 アルカンヘル「ロパビエハ」

2006-12-06 21:51:09 | カンテ
久々です。
昨日発売の新譜でございます。
アルカンヘルの3枚目。
プロデュースはイシドロ・ムニョス。
こーなると期待せずにはいられない。
いい材料にいい調理人。おいしい料理ができないはずがない。
好みはそれぞれあるにせよ、ですね。
はい。よいです。わたし的にはマルです。

細かいところに文句はいろいろあるけど
やっぱアルカンヘルはうまい。
音程やリズムなんてゆー基本をいってるんじゃありません。
そんなんできて当たり前。音程もいわゆる音のまんなかをとっていって
それに微妙なビブラートかけてゆらしたりとか、
リガールのしていきかたつーか、音と音とのくっつけかた、
発音(いいから歌詞がよくきこえてくる)、歌詞ののせかた、
どれをとってもほんまにうまい。センスがいい。
んでもって声の質がいい。よくのびるし、ささやくような声もいい。
ニュアンスをだすのがめちゃうまい。
そんでもってフラメンコでございます。
それぞれの曲種をきちんとうたいわけるのよね。
なにを歌っても同じになるんじゃなく、ちゃんとその曲の色になる。
曲ごとのキャラクターをちゃんと表現したうえで、自分を表現するつー
むずかしーことをちゃんとできるのですわ。

文句はねー 彼につーよりも曲に、だね。
コーラスがねー、あんまきにくわんのだよ
イシドロっぽい、つーか、イシドロがメルセで多用してたよーな
あーゆーのがはいるわけ。(1曲目とかね)
アルカンヘルの前作もコーラスがよくなかったけど。(きくたびにぷんぷん状態)

本人がいいんだから小細工せんでもいーじゃないか、
って聴き手としてはいいたくなります。

ギターはモロン出身のダニエル・メンデス。
(タランタだけミゲル・アンヘル・コルテス)
若いですが、巧いよー、これも。
アレグリアスもいーし。

トリージャは現代音楽ととりあわせてありまする。これも面白い意欲的な試み。
パルマだけのブレリアスはヘレスのパルメーロたちをつかっていい雰囲気だし

はい。フラメンコ好きにはおすすめでございます。

なお最後の曲は新作のボレロ。。。はやりだねえ、最近。