しかぜきょうこの1日1枚+

スペイン在住フラメンコ研究家/通訳コーディネーターによるフラメンコCD紹介

ラ・アルヘンティーナ「ラス・ミーナス・デ・エヒプト」

2009-12-18 03:24:24 | カンテ
今年25歳の新進カンタオーラ、ラ・アルヘンティーナ。
ウエルバ出身の彼女は3年前にCDデビューした彼女はまたたくまに
ビエナルやラ・ウニオン、スーマ・フラメンカなどおもだったフェスティバルに出演するなど
フラメンコ界の中心に躍り出た。

その彼女の2枚目のアルバムがこの「ラス・ミーナス・デ・エヒプト」。
タイトルは、ロサリア・デ・トリアーナが歌っているソレアの歌詞の一節からとっている。
CD不況もあってか、自らのマネージャーとおこしたレコード会社からの発売だ。

1曲目のタンゴ、2曲目はカンシオン調のブレリアス、とモダンな、いわゆる“いまどき”のカンテCDかと思うのだが
3曲目のソレアがいい。伝統的なソレアと正面むいて取り組んで真っ向な勝負をしている、という感じ。
伴奏のマヌエル・パリージャも、ひたすらカンテをバックアップする重みのある演奏でサポート。
4曲目はカンシオン。現在スペインで再流行しているコプラとかもうまく歌いそうな感じでこなしている。
5曲目のアレグリアスはカディスのギタリスト、リカルド・リベラの作で、地名やバルの名などカディスゆかりのものなども織り込まれたレトラで、元気な曲もカディスらしい明るさをよく表現している。曲もいいが彼女のキャラクターにもあっている?
6曲目はシングルカットされたルンバ。いかにも、ヒット狙い、な感じか。一般に受けそうなつくりではある。
7曲目はナナらしからぬナナ。ちょっとゆっくりめのソロンゴみたいで、舞台作品に使われそうな感じ。
8曲目のブレリアは「ウトレーラとヘレスの間のカサ・ベラで」でタイトルになっているが、フェルナンダ・デ・ウトレーラとパケーラが歌っていたレトラを歌っているのが面白い。先駆者たちのレトラだが真似にならず彼女の感覚で歌っているのが楽しい。知り合いの家でのライブ録音という、その雰囲気も楽しい。最後にちょっとお楽しみも。。。
(この曲はライブでも聴いたが、ライブの方がいい。CDだとカルメン・リナーレス風な発声/歌い方がちょっと気になる)
9曲目はマラゲーニャ。しっかりはしているが、味わいが足りないというのは欲張り過ぎ。
最後はファンダンゴ・デ・ウエルバ。同じウエルバ出身のホセ・ルイス・ロドリゲスのギター伴奏。

というわけで,若手カンタオーラがたっぷり楽しめる1枚となっておりまする。
オフィシャルウエブ
http://www.lasminasdeegipto.com/
では試聴可能なほか、レトラなどもダウンロードできます。こういうのも今っぽいよね




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