"Breakfast on Pluto"
2005年イギリス
監督)ニール・ジョーダン
出演)キリアン・マーフィー スティーヴン・レイ リーアム・ニーソン エヴァ・バーシッスル ギャヴィン・フライデー ローレンス・キンラン ルース・ネッガ シーマス・ライリー
満足度)★★★☆ (満点は★5つです)
シネスイッチ銀座にて
1950年末のアイルランド。
教会の前に捨てられ養母の家で育ったパトリック(キリアン・マーフィー)は幼いときから女装や化粧が大好き。やがてゲイとして成長、キトゥンと名乗るようになった彼は母親の住んでいるというロンドンに向かう。
北アイルランドを車で移動していると、なにしろインパクトを感じるのが旗です。
街の目抜き通りを通ると、旗が洗濯物のように派手に渡されているわけですが、ある通りではオレンジの旗がブワーッとかかっていて、はたまた別の通りでは緑の旗がドバーッと。
一目見て、そこがカソリック系の地域なのかプロテスタント系の地域なのかがはっきりと分かるようになっているのですが、余所者である僕達日本人にとってはその過剰さがとんでもなく異様に映るわけです。
言いようのない不穏な空気。
ひとまず武力闘争が下火になりつつある現在でさえこの調子なのですから、この映画の舞台となった1950年代から70年代なんてとんでも無かったんでしょうね。
キトゥンが育ったのは北アイルランドに隣接するアイルランド共和国の小さな村。キトゥンが「シリアス、シリアス、みんなシリアスばっかり・・・」と嘆く場面が何回か出てきますが、キトゥンはそんな不穏な空気や闘争にのめりこむ人々に息がつまりそうだったんでしょう。
自分は感情に素直に生きたい。
重苦しい時代を軽やかに、半ば行き当たりばったりに生き抜く彼(彼女)の姿に清清しさを覚えます。ド派手な見た目は全然清清しくないんですけどね。
騒々しく別れと出会いを繰り返すキトゥンの人生、そこには生も死も一緒くたに祝福されているような躁的な趣があり、まるでジョン・アーヴィングの小説を読んでいるよう。
素晴らしき哉、人生!
最後になりますが、キリアン・マーフィー、リーアム・ニーソン、スティーブン・レイらアイルランド人俳優で固めた配役もなかなか。奇天烈に展開する話にキチンと安定感を与えていたように思います。
おお!無事に記事にしたのですね。
>「シリアス、シリアス、みんなシリアスばっかり・・・」
このキトゥンの指摘は、なかなか印象深かったです~。
>ド派手な見た目は全然清清しくないんですけどね。
ふふふ。一見『パープリン』になようで、なかなか賢い子にも見えたのですが。しっかりしているというか。
幾つものチャプターで区切っている点も、なかなか好きでした。
リーアム・ニーソンが宙を舞っていましたね。ファンとしては大笑いでした。
ところで、Kenさんは日比谷界隈勤務なのですね。私は、浜松町勤務でございます。何だ、結構ご近所さんじゃないですか!
ココログさん、何だか相変わらず大変そうですね。
ストレスが溜まることも多いかとは思いますが、めげずに行きましょう。
>このキトゥンの指摘は、なかなか印象深かったです~。
キトゥンの生き方そのものが、シリアスに流れる彼の地の社会情勢に対するアンチテーゼになっているようで、何だか痛快でさえありました。
本人は天然な感じなんですけどね。
キトゥンが「釈放されたくない!」と言って監獄に戻ろうとするところなんか可笑しかったですね(笑)。
職場の場所は新橋の日比谷よりなんですよ。
歩いたら10分弱ぐらい。
浜松町なら、さらに近いではないですか!
なんにしろ、映画館が近いロケーションは本当にうれしい限りなのです。
Kenさん、こんばんわ。いつもさり気なく温かいお言葉を頂いて、実はとっても感謝しておるんですよ。ありがとうございます。
ココログさんの『長っ!』なメンテナンスが無事に終了しました。どうやら告知通りにバージョンアップできているようです。TBが早いの。
てな訳で。KenさんとことのTBの相性が復活してないのかと秘かにワクワクしておりますのよー。今まで上手くのる事が少なくて、Kenさんにも散々『プチがっかり』させた事と思いますので。めげずに貼りにきてくださいね。
ではでは~
ココログさん、さくさく行ってるようで何よりです。
僕もそうなのですが、ブログって更新しなくてもTBやらコメントやらでなんだかんだほぼ毎日いじるのである意味生活の一部になるので、調子悪いとちょっとしたストレスになりますよね。
ということで早速『プルートで~』のお返しTBを差し上げようとしたのですが、うーむ、今回もうまく行かなかったようです・・・。
気を取り直して、この不便さを楽しむくらいの気持ちでやってきましょう!「あ、今回はTBうまく行った!」というのもまた楽しい、と言えなくもなくはない(どっちだ!?)。
ティム・バートンはいいですよ。
個人的には『猿の惑星』と『スリーピー・ホロウ』以外は外れなし、な監督です。
・・・と言っといてなんですが『ビッグ・フィッシュ』実は観てないのです。これが映画館でやってた当時、殆ど映画を観ない生活をしてたんだよなあ。
だけどこれ、あんまり悪い評判聞かないから良い作品なんだと思いますです。
追伸:阪神、最近打線がやけに元気ないね・・・。
まぁ、Kenさんお気に入りの今岡先生の復帰を待つしかないですね。
Kenさんに映画を観ない生活をしていた時期があったんですねぇ、知りませんでした。
チャリチョコとシザーハンズを観ました。
特にチャリチョコはまた観たいとおもいました。どっちも良かったです。では、またコメントします。
ちなみに『エド・ウッド』もなかなかお薦めだよ。
ティム・バートンの映画愛がよくわかる作品です。
だからゴルフ、意外に楽しいんだって!
北アイルランドに行かれたことがあるのですねー。
アイルランドは行きたい国のひとつです。ギネス飲みたい。
でも、北アイルランドは、危険以外のイメージがあまりないのでした。
シビアな時代に、前向きに軽やかに生きているキトゥンが素晴らしかったです。
>ジョン・アーヴィングの小説を読んでいるよう。
今更ですが、「熊を放つ」を読んでいるところなのです。
ジョン・アーヴィング作品には、あらかじめ喪失されているものを語る切なさにやられます。
>3本ハシゴ
いや、これはすごいですね。3本目とか体力大丈夫でしたか?
北アイルランドは仕事で通っただけなんですが、その前にアイルランド共和国のゴールウェイという港町に語学留学したことがあります。
ほんっとに良い国ですよ!
自然が多いし、どんなに小さな街に行っても酒を飲むインフラだけはしっかりしてるし(笑)。
ジョン・アーヴィング、大好きな作家の一人です。
登場人物達の持つ無垢性にすごく魅かれます。