HAYASHI-NO-KO

雑草三昧、時々独り言

ノアザミ(野薊)

2017-06-08 | 夏 赤・桃色系

ここでは増えた。
既に綿毛が飛び始めたものもある。
ナミアゲハは隣の檸檬に卵を産み付けている。


▲ アザミには両性花、雌花があると聞くけれどここでは両性花。
花の仕組みは複雑な上に、雄性期、雌性期がある事でもっと複雑になっている。

▲ 中心部分の小花は雄性期だが
先に開いた周辺の小花は雌性期に入って、集約雄蘂が縮んでめしべが出て来る。
めしべが伸びるのではなく、集約雄蘂が縮むと説明されているのだが
どう見てもめしべが伸びているように感じる。

▲ 果期 落ちずに残る花殻も多く、中におしべの花糸や受粉出来なかっためしべの花柱も残されているのだろうか。

▲ アザミは、子房は萼の下にある子房下位、受粉後には萼が綿毛に変わって果実を遠くに運ぶ役目をする。





▲ 開花した小花全てが受粉したとは考えられないから、不稔のめしべが幾つも残っているのだろう
冠毛付きの果実、萎れた小花とは別に幾つか花柱の残骸が見える。

▲ 画像の上部3個には萼が変化して出来た冠毛の下には果実、
ところが下の冠毛はまだ集約雄蘂の殻を付けたままのようだ。

アザミは子房下位、つまりは集約雄蘂は果実の上にあるのだから殻が付いているのは当然か。

▲ 受粉した果実の上には萼から変わった冠毛が綺麗な綿毛としてついている。
綿毛部分の上にある集約雄蘂は脱落してしまうのだろう。
冠毛が脱落した集約雄蘂の殻が幾つもる。

(2017.06.03 須磨離宮公園)


森林のノアザミ。

幾つか咲くノアザミだが、このノアザミが咲く場所の近くにササユリが咲く。
今年は僅かに一株だけで、蕾も一つきり。
咲く頃に行くことが出来れば良いのだが。


▲ 中間期のノアザミ、すぐ横にササユリ。

今年は一本だけしか確認出来なかったササユリ、開花は確認していない。

(2017.06.02 森林植物園)


以前は牡丹園の北にバタフライガーデンを作っていた。
新しく東門を入ってすぐ左手、旧室田邸の遺構だけが保存されていた場所を
新しいバタフライガーデンとして、蝶の食草・食樹が植えられ整備された。
ノアザミは移植されたモノだろう、花は一つきり咲いている。

懐かしい六年前の出会いを思い出している。



【ノアザミの三形態】

▲ 開花は周辺部からだが小花は筒状花だけの集まり。
開花直後は雄性期、5本の花糸が合着した集約雄蘂(しゅうやくゆうずい)が飛び出している。
訪花昆虫があると集約雄蘂が縮み、めしべの花柱の回りに付いている花粉を押し出すような動きをする。

▲ 雄性期から雌性期に移る中間の段階だが、中心部はまだ開花していない。

▲ ほぼ全ての小花が開花した状態、薊独特の半円球になる。
この状態の頃には小花は雌性期に入っており、おしべは花粉をほぼ出し切って
集約雄蘂の下の方に縮んでみえなくなっている。
めしべの柱頭が2裂、他花の花粉を受けることになる。

 (2017.05.22 須磨離宮公園)




ノアザミ(野薊)
キク科アザミ属 Cirsium japonicum

ノハラアザミ(野原薊) キク科アザミ属 Cirsium tanakae
 
(2017.05.06 須磨離宮公園
--------------------------------------------------------------
ノアザミ ヒメヒレアザミ 六年前の秋


コメント (2)    この記事についてブログを書く
« バイカウツギ(梅花空木) | トップ | ハキダメギク(掃溜菊) »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ノアザミ・・・ (こいも)
2017-07-23 16:01:00
林の子さん
ノアザミ…夕べから何度も何度も見させていただいています。
大変わかりやすく…えぇ~そうなんだ~ビックリの連続です。
雄性期・雌性期の事・・・
萼が変化して出来た冠毛の下の実・・・
受粉しなかったものにも冠毛が出来るのだろうという事・・・
無用になった冠毛が脱落した花柱・・・
集約雄蘂の殻を付けたままのもの・・・
細かく知ることができました。
自分なりの理解力がどの程度か疑問ですが
これからはアザミのお花…見る目がかわりました。
面白いですね・・・まだまだスクロール中です。
いつも教えていただき…とってもとってもありがとうございます。



返信する
撮り続ける理由。 (林の子)
2017-07-23 16:32:36
たぶんお気づきだと思うのですが、私の撮る対象はたいてい同じモノばかり…です。
昆虫類や鳥類も時には撮るのですが、たまたま視界に入ってきたモノ程度。
基礎部分がないので、何種類撮ったとか、種類別に名前を調べる程度のおもしろさしか体験出来ない気がしています。
その点、植物は微細な特徴などは意味が無いとは感じるのですが、画像にしたい部分は無限にある様な気がします。
机の上で調べているともっと違った見方をしないと…感じる事も多いです。
そうすると、撮る対象が変わってきてまた同じモノを撮っているのですが、焦点の当て方が違っているのに気付きます。
同じモノばかりを撮り続けるのはそんな訳です。
ですから高性能のカメラは要らないわけで、手に馴染んだものを使い続けています。
撮る対象が狭くなると、写真は上達しませんが、むしろ他の被写体に気を取られてしまうよりは自分らしいかな…と思っています。
と言う事で、調べ物をしながら外に出て気ままに撮っていると、知らないことの多さに今更ながら驚いています。
そんな偏屈な画像に興味を持って頂けてありがとうございます。
返信する

コメントを投稿

夏 赤・桃色系」カテゴリの最新記事