植物のパーツを正しく説明するのは難しい。
アジサイの花が咲いている…と言えば、あぁ咲いてますね…で済むのだけれど。
時折、アジサイの頃にこの森林植物園でも花の前で難しい話を聞く。
『紫陽花は全体が花です。集合花なので幾つもの花が集まっています…』
『花びらのように見えるのは、花ではなくて萼で、花は別に咲いています…』
『花びらが全くないアジサイや、全部花びらになっているアジサイもあります…』
と言う説明は、みんな間違い。
説明している人はたぶん、装飾花と両性花の違いや
花弁と萼片の違いを説明したいのだろうと思うけれど
花を観賞したい人にはその区別など意味のないことだ。
面倒な話はアジサイの花がきれいに咲き誇っている場所ではしないことだ。
面倒な話は植物に興味がある方に、正しい情報を伝える場合に意味がある。
果実が無数に残っているから、幾つもの「花」が咲いた…という証し。
だからアジサイもタンポポなどと同じで「集合花」と言うことになる。
言い換えると、幾つもの花が集まっている咲き方を表す時に「集合花」と使う。
枯れ残っているのは花弁(花びらと普通に呼ばれているもの)ではなく
周辺に咲く花の萼片。
花弁も萼片も「花」を構成しているパーツの一つだから、「花」には違いない。
庭ではこの状態までは置かないだろうから、観察も出来ない。
☆
コアジサイには装飾花がないのであって、両性花は咲くし花びらがないわけではない。
花後に両性花の萼片が残らないのだけれど、何故か葉は枯れ残っている。
後の緑はヒカゲツツジの葉、園内では一番大きな株に育っている。
(2012.02.05 森林植物園)
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アジサイの花 ガクアジサイの花 コアジサイの花
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