川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

上村重子さん

2009-04-07 07:13:56 | 中国残留日本人孤児

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4月5日(日)

 午後一時、足立区のMさんのお宅を訪ねました。今日は「きいちご基金」が主催する「上村重子さんのお話を聞く会」の当日です。
 世話人など常連の他に中国残留邦人・支援相談員として働いている残留孤児2世の女性たちが数名参加しているのが特徴です。Mさんのお連れ合い、甥のTくんも同席しています。
 重子さんはMさんのお母さんで近所に住んでおられます。

 「きいちご基金」では発足以来、「この人に聞く」という公開講座を開く予定だったのですが、ぼくの発病のため実行できず、3年目になってようやく開催に至ったのです。今回は様々な事情から「公開」というわけには行かず、原則として移動教室などに参加し、重子さんを知る人のみに限定させて貰いました。

 重子さんは旧満州で満鉄職員の子として生まれ、ソ連参戦時に8歳で「中国残留孤児」となった人です。
 奇跡的なことに3人の妹たちとともに1977年身元が判明し、81年に家族とともに永住帰国を果たしました。90年になって7人の子どもたちとその家族全員の呼び寄せが完了し、今は一族の長老として夫君とともに平和な日々を送っています。
 日中戦争、ソ連軍の侵攻・敗戦、国共内戦、新中国の建国、「大躍進・人民公社・飢餓」、文化大革命…。時代の激浪に翻弄されながら、妹3人と7人の子どもたちを守り、育て、祖国に帰還せしめたのです。
 
 昭和12(1937)年生まれです。ぼくよりは4歳うえの、ほっぺたの紅い可愛いお祖母ちゃんです。

 忠幸さんが丹誠込めて創ってくれた歴史年表を思い起こしながら、3時間にわたって人生の話を伺いました。大抵は日本語ですが、ときどき中国語になります。そんなときにはMさんが通訳してくれます。
 また、高校の先生でもある泉田さんが歴史的事実について説明・補足してくれます。
 重子さんは小学校2年までしか行っていません。中国語は孤児になってから生活の中で聞き覚えたもので読み書きはしていません。そんな重子さんのお話は全て自分が目撃し、体験してきたことばかりです。
 どの嫁の悪口をも云うことなく公平に接してくれたお母さん(夫の母親)が重子さんにとっては大きな支えであったように感じました。それにしても良くもここまで頑張ってきたものです。様々な困難を抱え、生きることさえ危ぶまれた末の子供さんも今ではこの日本で元気に生活しているのです。「あの子も結婚したよ」という声はとりわけ嬉しさを感じさせてくれました。
 Mさんも、孫のTくんも今頃の日本にはそうはいない志を持った人です。どの人も自力で精一杯生きてきたに違いないのですが、どこかに重子さんの姿や心が宿っているのだと思います。
 今日のお話をとっかかりにして、重子さんの人生により深くふれることが出来ればと思います。交流を重ねていく中でその魅力の秘密に迫ることが出来るでしょう。


 
 夜は近所のイタリアレストランに会場を移してパーティ。一人一人が、重子さんにお話の感想を伝えました。そして支援相談員として再出発したばかりの4人の思いを聞き、祝杯をあげました。
 今日の集いは私たちの歩みをさらに一歩、確かなものにしました。若い人たちの目が輝いて、まぶしいほどに見えました。歴史に学び、先輩の人生に学び、新たな未来を切りひらくぞと言う静かな決意が垣間見られたのです。
 老、壮、青が緩やかに学びあい、助け合って程良い人間関係を築いて行くことが出来るかもしれません。この日は後世、「きいちご大学」の礎が置かれた日、と記される、かな。


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