川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

憂い 日本と地球が危ない

2013-08-24 12:14:59 | 政治・社会

8月24日(土)曇

この夏は体調不良で意見を書くのが億劫になっています。この国と地球はとんでもない方向に動いているというのに…。

気になっていることを挙げてみます。若い友人たちはどう考えているだろうか。奮起を願います。

A  東電福島第一原発事故の災厄は人類の手で「終息」させられるか?

(日刊ゲンダイの見出し)

近頃は汚染水問題が浮上しているが半ば永遠に続く問題に果たして打つ手はあるのか?東電に解決能力がないことは誰にでもわかる。少なくともこの原発を国有化して国家を挙げて取り組まなければならない。全世界に助けを求めて人類の叡智を結集する以外にない。それでも打開の道を切り拓けるのか?

知識に乏しい僕でさえ憂えているのに、この国の中枢部はノーテンキである。犯罪企業・東電の始末をしないどころか、柏崎・刈羽原発の再稼動さえたくらんでいる。原発輸出の行脚やオリンピック招致に浮かれている。

海洋汚染の実態が露呈するようになれば周辺諸国のみならず、世界中の恨みを買うことになろう。

途方もないカネもかかる。もはや手遅れかもしれない。それでもこの国が取り組まなくてはならない第一課題である。

B 「アメリカとともに戦うぞ!」

周辺に中国・北朝鮮という独裁国家が存在し、脅威となっていることは事実だ。

安倍政権は「集団的自衛権」の政府解釈を変更し、アメリカ軍とともに戦争ができる体制を作ってこれに対抗するという。憲法改正には時間がかかるから、内閣法制局長官を更迭して国民が気づかないうちに静かにやるつもりらしい。

石原慎太郎前都知事は「憲法破棄」を公言していたが、こちらは静かに憲法を抹殺する作戦だ。国会を制し、マスコミの大半も味方につけたから大丈夫と踏んでいるのだろう。

「戦争だけは絶対にしない」という久しく持ち続けてきた国民的合意を一内閣の「解釈」で破棄するのだから今正にクーデターが行われつつあるということになる。

 国民にアメリカとともに戦う決意があるのだろうか。ない!と知っているから上からおっかぶせて無理やりに国民精神の革命をやるつもりだ。

更迭された前長官がいくらなんでもそれは無理と発言したが、さてどういうことになるか。

「戦争だけは絶対にやらない」という思いを持ち続けている国民にとって運命の秋(とき)が訪れようとしている。

東アジアに平和の秩序を回復するために何をしたら良いのか、自分なりの考えを整え、安倍政権に立ち向かっていかなければならない。


長崎平和宣言に暑さボケも吹っ飛ぶ

2013-08-10 09:34:05 | 政治・社会

8月9日(金)猛暑

 室温も35℃を示す猛暑。夕方5時半になって入間川の土手を散歩、何とか生気をとりもどす。

娘のfacebookで長崎の田上市長の平和宣言を読んだ。

安倍首相の面前で「核廃絶」に背を向ける安倍内閣の行動をきっぱりと批判した。

暑さボケしている僕の心にも食い入るようなアピールだった。

録画●http://www.youtube.com/watch?v=kCWu1jkPhiY

平和宣言全文(長崎市役所HP)

平成25年長崎平和宣言

 68年前の今日、このまちの上空にアメリカの爆撃機が一発の原子爆弾を投下しました。熱線、爆風、放射線の威力は凄まじく、直後から起こった火災は一昼夜続きました。人々が暮らしていたまちは一瞬で廃墟となり、24万人の市民のうち15万人が傷つき、そのうち7万4千人の方々が命を奪われました。生き残った被爆者は、68年たった今もなお、放射線による白血病やがん発病への不安、そして深い心の傷を抱え続けています。
 このむごい兵器をつくったのは人間です。広島と長崎で、二度までも使ったのも人間です。核実験を繰り返し地球を汚染し続けているのも人間です。人間はこれまで数々の過ちを犯してきました。だからこそ忘れてはならない過去の誓いを、立ち返るべき原点を、折にふれ確かめなければなりません。

 日本政府に、被爆国としての原点に返ることを求めます。
 今年4月、ジュネーブで開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会で提出された核兵器の非人道性を訴える共同声明に、80か国が賛同しました。南アフリカなどの提案国は、わが国にも賛同の署名を求めました。
 しかし、日本政府は署名せず、世界の期待を裏切りました。人類はいかなる状況においても核兵器を使うべきではない、という文言が受け入れられないとすれば、核兵器の使用を状況によっては認めるという姿勢を日本政府は示したことになります。これは二度と、世界の誰にも被爆の経験をさせないという、被爆国としての原点に反します。
 インドとの原子力協定交渉の再開についても同じです。
 NPTに加盟せず核保有したインドへの原子力協力は、核兵器保有国をこれ以上増やさないためのルールを定めたNPTを形骸化することになります。NPTを脱退して核保有をめざす北朝鮮などの動きを正当化する口実を与え、朝鮮半島の非核化の妨げにもなります。
 日本政府には、被爆国としての原点に返ることを求めます。
  非核三原則の法制化への取り組み、北東アジア非核兵器地帯検討の呼びかけなど、被爆国としてのリーダーシップを具体的な行動に移すことを求めます。

 核兵器保有国には、NPTの中で核軍縮への誠実な努力義務が課されています。これは世界に対する約束です。
 2009年4月、アメリカのオバマ大統領はプラハで「核兵器のない世界」を目指す決意を示しました。今年6月にはベルリンで、「核兵器が存在する限り、私たちは真に安全ではない」と述べ、さらなる核軍縮に取り組むことを明らかにしました。被爆地はオバマ大統領の姿勢を支持します。
 しかし、世界には今も1万7千発以上の核弾頭が存在し、その90%以上がアメリカとロシアのものです。オバマ大統領、プーチン大統領、もっと早く、もっと大胆に核弾頭の削減に取り組んでください。「核兵器のない世界」を遠い夢とするのではなく、人間が早急に解決すべき課題として、核兵器の廃絶に取り組み、世界との約束を果たすべきです。

 核兵器のない世界の実現を、国のリーダーだけにまかせるのではなく、市民社会を構成する私たち一人ひとりにもできることがあります。
 「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」という日本国憲法前文には、平和を希求するという日本国民の固い決意がこめられています。かつて戦争が多くの人の命を奪い、心と体を深く傷つけた事実を、戦争がもたらした数々のむごい光景を、決して忘れない、決して繰り返さない、という平和希求の原点を忘れないためには、戦争体験、被爆体験を語り継ぐことが不可欠です。
 若い世代の皆さん、被爆者の声を聞いたことがありますか。「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ウォー、ノーモア・ヒバクシャ」と叫ぶ声を。
 あなた方は被爆者の声を直接聞くことができる最後の世代です。68年前、原子雲の下で何があったのか。なぜ被爆者は未来のために身を削りながら核兵器廃絶を訴え続けるのか。被爆者の声に耳を傾けてみてください。そして、あなたが住む世界、あなたの子どもたちが生きる未来に核兵器が存在していいのか。考えてみてください。互いに話し合ってみてください。あなたたちこそが未来なのです。
 地域の市民としてできることもあります。わが国では自治体の90%近くが非核宣言をしています。非核宣言は、核兵器の犠牲者になることを拒み、平和を求める市民の決意を示すものです。宣言をした自治体でつくる日本非核宣言自治体協議会は今月、設立30周年を迎えました。皆さんが宣言を行動に移そうとするときは、協議会も、被爆地も、仲間として力をお貸しします。
 長崎では、今年11月、「第5回核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」を開催します。市民の力で、核兵器廃絶を被爆地から世界へ発信します。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、未だ収束せず、放射能の被害は拡大しています。多くの方々が平穏な日々を突然奪われたうえ、将来の見通しが立たない暮らしを強いられています。長崎は、福島の一日も早い復興を願い、応援していきます。
 先月、核兵器廃絶を訴え、被爆者援護の充実に力を尽くしてきた山口仙二さんが亡くなられました。被爆者はいよいよ少なくなり、平均年齢は78歳を超えました。高齢化する被爆者の援護の充実をあらためて求めます。
 原子爆弾により亡くなられた方々に心から哀悼の意を捧げ、広島市と協力して核兵器のない世界の実現に努力し続けることをここに宣言します。

2013年(平成25年)8月9日
長崎市長 田上 富久

長崎平和宣言に賛同される方は、右の「クリック」ボタンをクリックしてください。
(長崎平和宣言の賛同者数を調査しております)
 

 


新しい時代が始まった

2013-07-22 10:57:14 | 政治・社会

 7月22日(月)晴

選挙は終わった。ほとんどすべてがマスコミの予想通りの結果だ。

有権者の半数が投票しなかった。民主党による政権交代が無残な結果に終わったため取り返しのつかない政治不信・あきらめがこの国に蔓延してしまったのだろう。民主主義が機能不全に陥った。恐ろしいことである。

自民党を主軸とする半ば独裁的な政治がしばらくは続くことになる。原子力村は勢いづきフクシマは覆い隠されていく。遠くない将来に破滅は避けられないのかもしれない。

僕は希望は「山本太郎の勝利」にあると書いた。

幸いなことに山本太郎は勝利した。大きな大きなできごとだと思う。

一人の青年の決意がこれほどの力になりうることを実証してくれた。憂いを同じくしている人びとの勇気と力を呼び起こした。

投票日に三宅洋平という人の話を聞いた。山本太郎が比例区はこの人と薦めているというので遅まきながら。

 アイヌの「チャランケ」という言葉を使って話す人だった。私たちがめざす民主主義のありようをきちんとした日本語で話す。一語一語に哲学が宿っていて無駄がない。わかりやすい。

これほどの人が立候補していたのかと不明を恥じた。

僕が知らないところで新しい時代を生み出す歩みは始まっていたのだ。

三宅洋平の言葉を丁寧に書き起こしている人がいる。書き起こしながら自分の心と対話しているのだろう。ここにも3・11以後を懸命に生き抜こうとする人がいるのだと思った。

「川越だより」の読者が演説を聞いた後、僕と同じようにこの方が書き起こした三宅洋平の言葉を読み返してくれるといいな。

 私たちの一人ひとりが「山本太郎」になり、「三宅洋平」になろうと、それぞれのやり方で決意して立ち上がり、力を合わせる喜びを知ったときに、変化は必ず起こるに違いない。

三宅洋平 17万6970票 個人得票では26位だが「緑の党」の得票が伸びず落選。

みんなで一緒に国会へ行こうよ!三宅洋平7/19 (全部文字起こし完了http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3129.html


脱原発 の二票

2013-07-18 12:55:53 | 政治・社会
7月18日(木)晴
暑さが戻ってきました。この方が体調には良さそうです。
被災地で貰ったひまわりが一本だけ花を咲かせました。ヤマユリも一本だけです。



通院の電車 に乗る前に期日前投票をしました。朝日新聞の出口調査に協力しました。
脱原発のために選挙区は支持しない政党の候補に一票。
比例区は「生活の党」。小沢一郎 のリーダーシップ にかすかな期待を託します。比例区で一人は当選者を出して生き残って欲しい。

民主主義の底力示す 山本太郎の選挙

2013-07-17 10:37:39 | 政治・社会

7月17日(水)

 東京選挙区の山本太郎(敬称略)が当選圏(5位以内)にあるとの情報に励まされています。彼の演説を聞く人びとの目が真剣だと伝える記事もあります。

山本太郎候補の街頭演説は聴衆で溢れた。話を聞く聴衆の目が真剣だった。=5日(金曜)夕方6時半頃、新橋駅前SL広場 写真:山田旬=

うれしいのはボランティアが選挙運動の中心となり、その数が1000人を超えたという報せです。

出典●http://tanakaryusaku.jp/2013/07/0007525

 低投票率で自民党の圧勝が大方のマスコミの予想です。原発再稼動の動きは加速し、やがて安倍自民党はその本性をあらわにしてくるでしょう。北朝鮮や中国の脅威に対抗するには「大日本帝国」の復活しかないと彼らは本気で考えているのです。「日本をとりもどす」とはそういう意味です。民主主義と人権の抑圧が本格化します。自衛隊の国防軍化も徐々に進みます。

 希望はどこにあるか。

「山本太郎」の勝利にあります。民主主義のために闘う市民の力が山本太郎を勝たすことができたら、たとえ一議席であっても人びとの灯台となることができます。

3・11を契機に社会のあり方や個人の生き方を考え直すようになった人は決して少なくはありません。金曜日のデモはその象徴でしょう。誰かに頼るのではなく、わたしたち一人ひとりが変化の主人公になり、政治的リーダーを生み出していくのです。

甘い考えはもはや通用しない時代の入り口です。心して選挙のことを考えましょう。

山本太郎は偉いなあと思います。明日は東京を離れて新潟で「森ゆう子」の応援をするそうです。2人がともに当選できれば希望は膨れます。

 

 

 

 

 

 

 


「恩人」森ゆう子

2013-06-26 10:00:02 | 政治・社会

6月26日(水)

国会は今日で閉幕で、政治の世界は参議院議員選挙に突入する。

僕は小沢一郎(敬称略)の政治的リーダーシップに期待する市民の一人である。今は「生活の党」というミニ政党の党首に叩き落されたが、支持を変えるつもりはない。

検察庁・マスコミを先頭とする旧勢力の「小沢抹殺」作戦に敗北したが、身を人びとの生活の只中において、再起を期す。その志に敬意を抱いている。

久しぶりに小沢一郎の声を聞いた。

森ゆう子(敬称略)の参議院議員新潟選挙区の総決起集会。

森に「恩人」といって頭を下げた。

心のうちからの言葉だなあと思った。

森ゆう子は確かに本当にえらい。一人で、検察・最高裁事務局・マスコミと闘い、小沢一郎に対する彼らの「抹殺作戦」に抗した。少なくとも司法の上では勝利した。

こういうことができる人を僕は尊敬する。小沢一郎が心から「同志」と呼び、「恩人」と頭を下げる気持ちがよくわかる気がする。

いくら政治の世界であっても人間関係の基本は「信頼」である。

菅直人・野田佳彦・仙石由人・前原誠司。

これらは僕の目には「人間のクズ」に見える。天下取りの最前線の戦いで自分たちの大将が危機にさらされている時に、後ろから鉄砲を撃って、天下を横取りした連中である。

彼らがやったことといえば民主党を自民党に売り渡すことであった。

こんな連中と一緒に明治以来の官僚支配を断ち切る「革命」をやろうとしたのだから土台無理だったとは言える。「民主党の失敗」は日本の民主主義に取り返しのつかない打撃を与えた。

人びとはかすかな期待をうしなって「政治」にかかわる気持ちを持とうとしなくなっている。

自民党の天下がしばらくは続き、日本はいよいよどうしようもない破局に向かうだろう。

これだけのことがあっても原発依存を止めることもできず、目先の利益にしか目の向かない人々が増えていくだけだろう。

小沢一郎は僕と同い年だ。抹殺の対象に狙われるだけのことはある「悪」だろう。

いつの時代にも時代に抗い、人びとと生きる道を選んだ人は「鬼」や「悪」にされたものだ。

小沢一郎の故郷には「悪路王」がいる。

  ●http://blog.goo.ne.jp/keisukelap/e/c4f2cd80eeafbeb29d20a636a4793330

森ゆう子という人を得てもう一度、民主主義を闘いとる指揮を執ってもらいたい。

5月26日 森ゆう子決起集会 小沢一郎挨拶

https://www.youtube.com/watch?v=jiDKWfDmPEc&NR=1&feature=endscreen

「頑張れ 森ゆう子さん」川越だより●http://blog.goo.ne.jp/keisukelap/e/ee27f66d36fd4f3319aa6c34829499f6


「日本・核武装」の悪夢

2013-05-13 06:08:11 | 政治・社会

「琉球はもともと中国領」といわんばかりの「人民日報」の論文には正直驚きます。1972年5月15日の施政権返還(米ー日)も認めない立場のようです。

 「人民日報」は中共(中国共産党)の機関紙です。中国は共産党の独裁国家ですから国家意思の表明と考えられます。尖閣諸島の領有宣言に続くむちゃくちゃです。

 僕は中国を「社会帝国主義」と認識し、アジアの覇権国家をめざしていると見てきましたがその勢いが早いなと感じています。

 北朝鮮の核武装が現実のものとなったようです。ソウルはもちろん、グアムにも東京にも北朝鮮の核攻撃が可能となったと考えられます。

 これは中国にとっても大変な脅威です。北朝鮮の核弾頭の標的が北京になることもありえるからです。

 北朝鮮を米国との緩衝地帯・属国ぐらいにしか考えてこなかった中共指導部もアタマをかかえているのでしょう。中国銀行などが北朝鮮の銀行の口座を閉鎖するなどの金融制裁に踏み切ったとのことです。

 6ヶ国協議の議長国として朝鮮半島の非核化に責任のある中国の面子は丸つぶれです。こんな状況と日本への強硬姿勢がどこかでつながっているのかも知れません。

 韓国では開城(ケソン)工業団地からの撤退に続いて北朝鮮に対抗して核武装するべしの世論が高まっているといいます。当面は韓米同盟の強化圧力かも知れませんが、核拡散防止体制は極東においても崩壊に向かっています。

 日本はどうなるのでしょう。安倍政権になって改憲への動きが加速していますが、「非核」の国是も怪しくなっていくかもしれません。

 日本国民の「非核」の思いは強いといっても周辺国の動きに刺激されて、首相のリーダーシップが発揮されればあっという間に政策転換ということになりかねません。小泉政権の時のあの熱狂を思い起こしてみてください。

 やろうとすればいつでも核武装の準備は整っているのです。

 核爆弾の原料になるプルトニウムは溜まりに溜まっています。安倍政権が原発の再稼動と核燃料サイクルの維持にこだわっているのは核爆弾の製造にかかわりがあるからだとも考えられます。運搬手段のロケットの開発は鹿児島で日々進んでおり、いつでも軍事転用ができるはずです。

 アメリカがおいそれとは許すはずがありませんから韓国や日本の核武装が直ちに実現するとは思えません。しかし、東アジアがきな臭くなってくる中で、「日本の核武装」が浮上する事態さえありうることをわたしたちは考えに入れておく必要があります。

東アジア動乱の気配の時代を「非戦非武装」の憲法の旗を掲げる者はどう生きればよいのか?愚考の日々の連続です。

 たまにはがんばって愚考を駄文にしようかと思います。達筆の人びとの護憲論があまりにノーテンキに見えるからです。

 

 

 


社民党はなぜ「泡沫」となってしまったか

2013-05-03 05:27:36 | 政治・社会

5月3日(祝)

 今日は憲法記念日です。1947年のこの日に施行されたのですから人間なら満66歳になります。

 僕は47年4月に幼稚園に入園、48年4月に小学校入学です。社会生活をこの憲法の下で始めました。「墨塗り教科書」とも縁のない「新憲法」「平和憲法」の落とし子といっても良いでしょう。小学校の先生も試行錯誤の日々だったでしょうが、民主主義の価値観を身につけていく日々をすごしました。

 その憲法の改正がいよいよ現実の政治課題になりそうな気配です。7月の参議院選挙で自民党・維新・みんなの党など改憲派が3分の2の議席を占めそうな勢いだからです。

 1954年鳩山一郎内閣ができたとき、何が何でも「自主憲法」と力んだことがありました。しかし、「55年体制」といわれる時代には「社会党」が3分の1政党であり続けて改憲は政治課題から遠のいていました。

 社会党はアドバルーン政党といわれました。党の実態はひ弱だが「平和憲法」そのものが党の看板で憲法的価値観をよしとする人びとのよりどころとなったからです。

 「民主主義(国民主権主義)」「基本的人権」「非戦非武装」。僕が身につけた政治的価値観です。小学校のうちに徐々に教育されました。多くの友人たちも同様ではないかと思います。憲法の指し示す道の彼方に確実に希望を持っていました。

 僕のような人のほとんどは無党派であっても改憲勢力の自民党に反対し、選挙のたびに社会党に投票しました。

 90年代以降になってそのパターンが崩れてしまいました。そして社会党はなくなり、後継の社民党はいまや泡沫となって潰えていきそうです。

 その原因はどこにあるのか?

 社民党の人たちやその周辺の知識人からは何も聞こえてきません。この人たちは自分は常に正しいと思っているので自己省察の力がないのかと思われます。

 僕の考え。

僕がこの党をはっきり見限ったのは拉致事件が表面化したあとも、北朝鮮や朝鮮総連との関係をきちんと清算せず、あれやこれやと言い訳をしながら、腐れ縁を断たないからです。自分たちが北の独裁政権と親密な関係を維持し、拉致をウソだと言い張ってきた罪を天下に向かって謝罪しないのです。

 2002年9月17日以降になっても彼らが拉致被害者の側に立って集会の一つでも持ったでしょうか。核実験に反対するデモの一つでもやったでしょうか。

「民主主義と人権」の看板が羊頭狗肉だったことがはっきりしたのです。

自民党のやりたい放題には反対しても、信じられないほどの北朝鮮の独裁と人権弾圧には加担して恥じない、それが実態だったのです。(ソ連共産党や中国共産党との関係も同様だったといえるでしょう)。

 最後の輝ける委員長だった土井たか子さんなどがなぜこのような誤りを犯し続けてきたのか?拉致被害者をはじめ、北朝鮮の独裁政権の下で呻吟する人びとの人権に無頓着でいられるのか?

 人間であるのならばきちんと語るべきです。

これらの人びとは「憲法を守れ」だけで生きてきたようなものです。しかし、彼らが守ってきたものは「独裁」だったのです。多くの人びとの餓死や獄死を黙殺してきたのです。

「社会主義」への憧れや植民地支配への贖罪意識やらが現実を見る目を曇らしていたと考えられますが政治指導者としては明らかに失格です。

要するに「護憲」は選挙用の看板・アドバルーンに過ぎなかったのです。

このような似非民主主義者・二重人格者の集団に多くの人が不信を持つのは当然です。「反原発」などの正しい主張をしても耳を傾けなくなります。

 大まかに言えばこれが僕の考えです。

「9条の会」というのがあって誘いを受けたことがありますが、僕は加わりません。理由の多くは上に書いたことと同じです。

 大事なことは民主主義と人権の侵害と日々不断に闘うことです。北朝鮮の独裁政権が日本の領土・領海を侵して、多数の人びとを拉致したのです。多数の在日コリアンと日本人妻を「地上の楽園」だとだまして拉致・監禁しているのです。

このような現実の侵略や人権侵害と闘わずして「9条を守れ」とはどういうことでしょうか?

(これらの人の中には朝鮮学校の実態を何一つ知ろうともしないで朝鮮総連が主導する集会の呼びかけをしたりする人もいるありさまです。)

戦争以外の方法でどうしたら独裁と対決し、拉致被害者や日本人妻の人権を回復できるか、憲法記念日にあたり、わたしたちが真剣に語り合わなければならないテーマです。それが憲法を守り、生かす力にもなるはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 


「主権回復の日」とは?

2013-04-28 10:40:17 | 政治・社会

4月28日(日)晴

 1952年4月28日は連合国軍の日本占領が終結し、日本国が独立した日です。「独立記念日」なのですが祝日にもなっておらず、「独立」についての話を聞くこともありません。

 安倍政権になって急に「主権回復記念式典」を政府主催でやるといいます。61年目になってなぜ「主権回復」などという聞きなれない式典をやるのでしょう?

やるなら「独立記念日」を国民の祝日として制定した上で祝賀式典をやればいいのです。本当はそうしたいがそうはいかないのでこんな形になったのでしょうか。

 そもそも「4・28」を巡ってはその始まりから国論は分裂し、対立抗争の火種です。

連合国との講和条約といっても中国は最初から除外されていました。

中国は日本の侵略を受け、計り知れない被害をこうむりました。この国を除外して「講和」条約を結ぶというのですから無理な話です。

 当時は朝鮮戦争の最中です。米中は朝鮮半島で死闘を繰り広げていました。アメリカからすれば中国に続いて朝鮮が共産主義の手に落ちるのをなんとしても防がなければならなかったのです。日本の左翼を弾圧してでも、日本をなんとしてもアメリカ陣営の反共産主義の砦にしたかったのでしょう。

 講和条約の締結と同時に日米安保条約を結んで米軍の駐留を正当化し、朝鮮戦争の基地として活用しました。

 日本国内における左派陣営の抵抗が5・1「メーデー事件」を引き起こしました。サンフランシスコ体制(両条約はサンフランシスコで調印された)に我慢がならなかった人びとがメーデーの行進のあと皇居前広場に乱入して、警官隊と衝突する大惨事となったのです。日本の基地から出撃する米軍に抗議する在日朝鮮人の比率が高かったと聞きます。

「独立」というよりも日本がはっきりとアメリカ陣営に与し、反共の道を選んだ(選ばされた)日といったほうが事実に近いのかと思います。

「全面講和」(中ソを含む全交戦国との講和)を叫ぶ声が保守的な室戸の町でも聞かれたように記憶しています。港の上で「吉田内閣打倒!」を叫ぶ人がいたのもこのときだったかな?

吉田茂首相は高知県の選出です。それでも吉田内閣はもういいというような気持ちに小学生の僕もなっていたように思います。

少年時代から僕は「積極中立論者」でした。日本は米ソ(中)のいずれの陣営にも属さず、「非武装中立」の平和国家であれ、というものです。それが憲法の指し示す道で世界平和に積極的に貢献する道だとも思っていたのです。

 しかし、この60年、少年の思いは夢にとどまり続け、現実の日本は「日米同盟」の強化を推し進める保守陣営が支配し続けてきました。社会主義の崩壊後は緊張が緩和すると思いきや中国の大国化に対抗して、自主国防論・核武装論までが台頭する気配です。安倍首相はこういう流れの中心にいる人のように見えます。

  僕の「中立論」が中・ソ・北朝鮮などの「社会主義」への幻想の上にあったことは今日でははっきりしています。国際共産主義運動が朝鮮戦争を発動し、武力で朝鮮の「統一」を図っていたのです。当時の吉田首相が全面講和論を主張する南原繁・東大学長を「曲学阿世」と罵った気持ちを今ではいくらか理解することができます。

 これからの日本はどうあったらいいのか?北朝鮮・中国とどうむきあっていけばいいのか?本当に安倍さんに国の舵取りを任せていいのか?

 沖縄の人びとの多くが今日の式典にNO!といっているようです。「4・28」以後、「銃剣とブルドーザー」で米軍のやりたい放題にやられたのですから、知らん振りを決め込んだ「日本」の独立に異議を申し立てるのは当然です。

 沖縄の人びとのNO!をきちんと受け止めながら、わたしたちも国の進路についてよほど考えてみなくてはなりません。

 

 

 

 

 

 

 


オバマ大統領のツイッター

2013-02-28 09:41:50 | 政治・社会

2月28日(木)

昨日も一日、家にこもる生活でした。妻が12年分所得税「確定申告」の書類を作るのを手伝いました。

2012年一年間に支払った医療費の合計は27万円余です。抗がん剤などの自己負担金がほとんどです。高額療養費の適用を受けているのでこのくらいで済んでいるのです。これに通院の旅費を加えて医療費控除の申請をしました。一万円程度の還付金があるはずです。

 医療費のほかに国民健康保険料(約20万円・2人分)介護保険料(約12万円・2人分)などを医療保健関連で支払っています。僕の場合は健康保険財政に巨額の世話になっているのでこの程度で済んでいることに感謝しなければならない、と思っています。

夜になって偶然、オバマさん(USA大統領)のツイッターを読むチャンスがありました。

 Barack Obama @BarackObama

Find out what's at stake for kids, seniors, and the mentally ill if Congress doesn't stop severe budget cuts:

 「議会が予算カットを中止しなければ、子ども・老人・精神病者が生きていけなくなる」かな?

英語をまじめに読んだのは高校生までです。良くはわかりませんが大統領が必死になって国民に呼びかけているようです。

オバマさんに声援を送りたくなります。

弱肉強食の原理が支配するUSA.貧乏な人びとの社会保険はどうなっているのか?ぼくのようにガンに犯された人はどういう治療を受けられるのだろう?

(英和辞典を取り出してきました。時々オバマさんのツイッターを読んでみようか。)

日本の社会保険制度は世界に冠たるものだと聞いたことがあります。もしそうだとすればそれはこの60余年、非戦に徹してきたからこそでしょう。なんとしても守り抜かねばなりません。

だからといって何から何まで国の安全保障はUSAにおんぶに抱っこというわけにも行きません。東アジアの雲行きは怪しくなるばかりです。「戦争以外の方法で立ち向かう」と決めた以上、わたしたち国民も知恵を出し合わなければなりません。

 

 


追悼 大鵬逝く

2013-01-19 21:09:28 | 政治・社会

元横綱・大鵬の納屋幸喜さんが19日午後、死去されたとのことです。

72歳だったとか。偉大すぎたせいか、同世代だという印象がありません。判官びいきのきらいのある僕がどういうわけか大好きになった相撲取りでした。(白鵬にも似たような感じを持っています)。

読売ジャイアンツは大嫌いですが王貞治さんは尊敬の対象でした。王さんのメッセージを読んで両雄に交友があったことを知りました。

大横綱の逝去を悼み、ご冥福を祈ります。

王会長大鵬さん悼む「同じ時代生きた」

2013年1月19日

元横綱・大鵬の納谷幸喜さんとの思い出を語る王氏

元横綱・大鵬の納谷幸喜さんとの思い出を語る王氏

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 1966年11月、巨人の王貞治選手(左)と対談する横綱大鵬

 元横綱大鵬の納谷幸喜さん死去に関して、ソフトバンク・王貞治会長が球団を通じて以下のコメントを出した。

 同い年で、同じ時代に世の中に出ただけに、様々な場面でご一緒しました。現役時代に面倒をみてもらっていた接骨院で、正月に一緒に金杯でお酒を飲み、自宅にまでお連れして新年会をした事が、いい思い出として残っています。

 巨人・大鵬・玉子焼きと言われた時代、私たちはチームでしたが、親方は一人で国技である相撲を支えてこられました。歴史に名を残す偉大な人であり、同じ時代を生きて来ただけに、寂しいです。ご冥福をお祈りします。

出典●http://www.daily.co.jp/newsflash/baseball/2013/01/19/0005681511.shtml

 

 

新帝国主義と「沖縄党」 佐藤優

2013-01-06 11:01:21 | 政治・社会

「東京新聞」(1月4日)「本音のコラム」欄で簡潔で要を得た論説を読んだ。元外務官僚の口から今は「新帝国主義」の時代、「沖縄の主権を認める連邦制への転換が必要」と聞かされて、そのはっきりした物言いに驚きもし、感心もした。

この方のような認識をしっかり持ってこの国のありようを考えることが基礎中の基礎だと僕は考える。

 年の初めに「川越だより」の読者にも熟読玩味してほしい。難しい言葉が結構多いが二三度読めば大体のことはわかるはずだ。


新帝国主義と「沖縄党」 佐藤優(まさる)

  国際社会では、新帝国主義的傾向が強まっている。旧来の帝国主義のような植民地争奪戦や帝国主義国間の全面戦争は避けるが、国外からの搾取と収奪を強めることで自国の生き残りを図るというのが新帝国主義の特徴だ

 アジア太平洋地域で日米中ロはそれぞれ国家エゴを強めている。去年、この地域の矛盾がもっとも顕在化したのが尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化だ。尖閣諸島は沖縄に属する。沖縄の米軍、自衛隊を強化することで、尖閣諸島を守らなくてはならないというのが東京の政治エリート(国会議員、官僚)の共通認識だ。

 外務官僚、防衛官僚の本音は、「日本全体の利益のために沖縄の反発を力で押さえつける」という強行突破路線だ。自民党の「沖縄通」の政治家も、圧力と利益誘導で、沖縄県選出の自民党国会議員、仲井真弘多沖縄県知事に米海兵隊普天間飛行場の辺野古(沖縄県名護市)への受け入れを容認させることが可能と思っている。

 しかし、この可能性はゼロだ。筆者の父は東京で生まれ育ったが、母は沖縄の久米島出身だ。それだから、筆者は日本人と沖縄人の複合アイデンティティーを持っている。また、かつて外務官僚として権力中枢の政治家と仕事をした経験もあるので、政治エリートの内在的論理もわかる。それだから、筆者には中央政府と沖縄の認識の非対称性がかつてなく強まっていることが皮膚感覚でわかる。

 沖縄全体にとって、普天間飛行場の辺野古移設阻止、MV22オスプレイの沖縄強行配備の撤回、日米地位協定の抜本的改定が死活的に重要であることが、東京の政治的エリートにはわからない。「わからないふり」をしているのではなく、ほんとうにわからないのである。

 国際基準で見た場合、現下沖縄で生じている事態は、民族紛争の初期形態だ。あえて刺激的な表現をするならば、日本政府は、沖縄人を日本人に統合することに失敗したのである。それだから、沖縄に対する構造的差別が固定化されてしまったのだ。

 日本の陸地面積の0・6%を占めるに過ぎない沖縄県に、在日米軍基地の74%が所在するという不平等な状況が是正されるのではなく、日中関係の悪化という理由で強化されつつあるというのが、客観的に見た場合、沖縄で生じている事態だ。

 このような中央政府に従っていても、沖縄にとっても沖縄人にとってもいいことは何もない。自分の身は自分で守らなくてはならない。それだから、沖縄では伝統的な保守、革新の枠組みを超えた、政治を文化に包み込んだ目に見えない「沖縄党」がすでに形成されている。

 外務官僚、防衛官僚が、辺野古移設を強行すると「沖縄党」が組織化され、日本を「敵のイメージ」に定めたナショナリズム運動に転化する。そうなると日本の国家統合が根本から揺るがされる。

 沖縄との国民統合に失敗したことをリアルに認識した上で、どうすれば日本の国家統合を維持できるかについて、国家戦略を構築しなくてはならない。日本国家の枠組みの中で沖縄の主権を認める連邦制への転換が必要と思う。(作家・元外務省主任分析官)


「なぜ絶望することがあるでしょうか?」 アンネの言葉(下)

2012-12-30 10:06:59 | 政治・社会

12月30日(日)曇

原発維持勢力は「電力の安定供給」をその理由に挙げていますが、どうもそれは表向きの理由のようです。原発推進に伴う巨大な利権を失いたくないという欲望と核兵器の保持への願望が本音と考えられます。民主党時代にも故障続きの核燃料再処理工場の建設続行にこだわり続けたのは本音がそこにあるからでしょう。原爆の製造に必要なプルトニウムを安定的に確保し続けたいのです。「維新」の石原慎太郎代表は時に本音を漏らして世論を誘導しています。

 核を保有する中国が北朝鮮をはじめアジア・アフリカの独裁政権の後ろ盾となって資源を確保し、新たな中華帝国圏が作られつつあるように見えます。建艦競争にも乗り出し、東アジア・東南アジアに覇権を打ち立てようとする動きも顕著です。「尖閣列島」を巡る緊張もそのような脈絡の中で捉えなければなりません。北朝鮮の独裁政権のやりたい放題も中国共産党がそれを許容しているからできることです。

 これに対抗して、日本では改憲・国防軍・核武装を主張する勢力が勢いを増してくることは火を見るよりも明らかです。今回の総選挙でその陣形がかなりはっきりしてきました。もし、来年の参議院選挙でも日本国民が同じような選択をすればこの勢いはとめられなくなるでしょう。

 石原・麻生・安倍などの人々にはそれぞれの役割があり、多少の路線の違いもありますが、渾然一体となって国論をリードしていく態勢が整ったのです。これに対して、「原発NO」「核武装NO」勢力は国民の多数を占めていながら、政治的力量に欠けています。

現在進行中の東アジアの危機にどう対応するのか、その戦略を提示して国民をリードする政治指導部がないといっていいのです。小さな違いで争って「敵」の攻撃に雲散霧消していく有様です。

 2012年の年の瀬に私たち「非核」(原発NO・原爆NO)勢力が考えなければならないのはこのような無惨な現実を認めて、自分たちの戦略を打ち立てることです。「9条を守れ」をお題目のように唱えていればいい時代は遠くに去ったのです。

アンネ・フランクは「戦争の責任は名もない一般の人にもある」と書いています。時代の勢いに流されるだけの大人たちを怒りをこめて見つめていたのでしょう。

生き延びていれば83歳です。どんな人になったのでしょう?

僕にはもう一人、83歳の「巳」の大先輩がいます。こちらは石原・安倍ラインに期待をかけておられるようです。許されるなら議論をさせてもらいたいと思っています。

前書きが長くなりました。「アンネの言葉」(2)(3)を再掲します。


 

アンネの言葉(2)絶望的な自問自答     2009-01-09 04:44:48 | 政治・社会

 
 前回と同様にぼくが授業で紹介してきた部分を書き写してみます。宜しかったら声に出して読んでみてください。アンネはまだ14歳です。


  1944年5月3日 水曜日

(略)

 <隠れ家>の私たちはしばしば絶望的にこう自問自答します。
「いったい、そう、いったい全体、戦争がなにになるのだろう。なぜ人間はお互い仲良く暮らせないのだろう。なんのためにこれだけの破壊がつづけられるのだろう。」

 こういう疑問を持つことは至極当然のことですけど、これまでのところ、だれもこれにたいする納得のゆく答えを見出していません。そもそもなぜ人間は、ますます大きな飛行機、ますます大型の爆弾を一方では作り出しながら、一方では復興のためのプレハブ住宅をつくったりするのでしょう?
 いったいどうして、毎日何百万という戦費を費やしながら、その一方では、医療施設とか芸術家とか、貧しい人たちとかのために使うお金がぜんぜんない、などということが起こりうるのでしょう?
 世界のどこかでは、食べ物が有り余って、腐らせているところさえあるというのに、どうして一方には、飢え死にしなくちゃならない人たちがいるのでしょう?
 いったいどうして人間は、こんなにも愚かなのでしょう?

 私は思うのですが、戦争の責任は、偉い人たちや政治家、資本家だけにあるのではありません。そうなんです。責任は名もない一般の人たちにもあるのです。そうでなかったら、世界中のひとびとはとうに立ち上がって、革命を起こしていたでしょうから。
 もともと人間には破壊本能が、殺戮の本能があります。殺したい、暴力を振るいたいという本能があります。ですから、全人類が一人の例外もなく心を入れ替えるまでは、決して戦争の絶えることはなく、それまでに築かれ、培われ、育まれてきたものは、ことごとくうち倒され、傷つけられ、破壊されて、すべては一から新規まき直しに始めなくちゃならないでしょう。


 アンネの自問自答は今も私たちに問いかけるものがあります。
 アンネはこう書いています。


 私は思うのですが、戦争の責任は、偉い人たちや政治家、資本家だけにあるのではありません。そうなんです。責任は名もない一般の人たちにもあるのです。

 そして「全人類が一人の例外もなく心を入れ替えるまでは、決して戦争の絶えることはな」いとまでいっています。

 これを読まれた皆さんはどうおもわれますか?是非、御意見を聞かせてください。

 

 ぼくはおおむねアンネの考えに賛成です。ですから私たちの一人残らず全員が「戦争」や「差別 に向き合い「心を入れ替える」努力や闘いをしなければならないと考え、それを授業や日常活動の中心にすえてきたのです。

 第二次大戦による破壊と殺戮が極限にまで達したにもかかわらず、世界は再び三度、戦争の惨禍に見舞われています。パレスチナ・アフガン・イラク……。アンネの問いかけは無視され、人類は愚行のはてに滅んでいくのでしょうか。
 
 ぼくが今、もし、14・5歳だったら生きていく希望と勇気をもつことができるだろうか? そんなことを考えさせる年の初めです。
 

アンネの言葉(3)「なぜ絶望することがあるでしょうか?」

2009-01-10 06:19:14 | 政治・社会
 「アンネの日記」の続きです。今回はここまでとします。例によってぼくが書き写しますので、どうぞ、声に出して読んでみてください。


 1944年5月3日(水)
 (続き)

 これまで私はちょくちょく意気消沈することもありましたけど、決して絶望はしませんでした。この隠れ家生活を危険な冒険ではあっても、同時にロマンティックな、おもしろいものとさえみなしてきました。この日記の中でも、すべての不自由をユーモア混じりに描いてきたつもりです。今こそ私は、ほかの少女たちとは異なった生涯を送ってみせると心に決めました。ほかの少女とは異なる生き方をし、さらに大人になったなら、普通の主婦たちとは異なる生き方をしてみせる、と。スタートはこれまでのところ、じゅうぶん波瀾に満ちていましたし、どんなに危険なときにもそのなかに滑稽な一面をみつけ、それを笑わずにはいられないというのも、もっぱらそれだからなのです。

 私は若く、いまはまだ埋もれている多くの資質を備えています。若く、強く、そしていままさにおおいなる冒険を生きています。いまはまだその冒険のただなかにいるからには、一人で楽しむ以外に何もすることがないからといって、一日中愚痴ばかりこぼしているわけにはゆきません。
 私は多くのものを与えられています。明るい性質と、あふれるばかりの明朗さ、強さを持っています。日ごとに私は自分が精神的に成長してゆくのを感じます。解放が近づいているのを、自然がいかに美しいかを、周囲のひとたちがどんなに善良な人たちであるかを、この冒険がいかにおもしろく、興味の尽きないものであるかを感じています。だったら、なぜ絶望することがあるでしょうか?

 じゃあまた、アンネ・M・フランクより


 きらきらする豊かな個性の発露、自分の人生の主人公になろうとする強い意志……ぼくはこうゆう少女が好きです。実際のアンネは外面に現れるアンネと「ほんとうのアンネ」の分裂に悩みます。悩む少女の姿は愛おしく他人事ではないような気がします。

  1944年8月1日 (火曜日)の日記が最後です。こう結ばれています。
 
 (略)
 そしてなおも模索し続けるのです、わたしがこれほどまでにかくありたいと願っている、そういう人間にはどうしたらなれるかを。きっとそうなれるはずなんです、もしも……この世に生きているのが私一人であったならば。
                じゃあまた、アンネ・M・フランクより

 

 ぼくは悔しくてなりません。可能性に満ちた魅力的な少女の人生の営みをナチは永遠に奪ったのです。
 今も世界のあちこちで「自分でありたい」と願い、悪戦苦闘する青春があります。その悪戦苦闘こそが人類の希望です。私たちはどんなことがあってもアンネと同じ運命を彼らに辿らせてはなりません。
 


 


 


理想と希望 アンネの言葉(上)

2012-12-29 09:38:25 | 政治・社会

12月29日(土)晴れ

 来年は巳(み)年だと近頃になって気づきました。僕は1941年(昭和16年)の巳ですが、巳年というと思い出す人がいます。

アンネ・フランク。1929年、「世界恐慌」の年生まれ、一回り上の巳です。わずか15歳でナチの強制収容所で死にました。それでも僕の人生に大きな影響を与えた人です。

高3のときに見た『アンネの日記』という映画がきっかけとなり、その日記を読みました。高校の教員となって思春期の人々を相手にするようになってからは自分が見た映画をみんなに見てもらいました。

再び自民党の天下になってフクシマは隠され、「30年代の脱原発」さえ覆される昨今です。「ファシズムの再来」とまでは言いませんが,

希望を見失いそうになる人も多いと思います。

09年正月に書いた「アンネの言葉」を再掲させてもらいます。


 

アンネの言葉(1)理想と希望

2009-01-07 07:20:15 | 政治・社会
 
「In spite of everything,

I still believe that people are really good at heart」

 いまでも信じています、
  たとえいやなことばかりでも、人間の本性はやっぱり善なのだということを。



1960年の1月、高校の卒業間近に高知の映画館で見た『アンネの日記』のラストに映し出されるアンネの言葉です。ミリー・パーキンス(アンネ役の女優)の声が被(かぶ)さります。

 ぼくはこの映画で受けた衝撃と感銘を忘れたことはありません。ですから、教室で映画を見ることが容易に出来るようになってからはぼくの生徒のすべてがこの映画を見ているはずです。もう30年にはなるでしょう。

 この言葉は1944年7月15日(土曜日)の日記の終わりの部分にでてきます。これからぼくが書き写しますので、宜しかったら皆さんも声を出して読んでみてください。15歳のアンネの言葉が聞こえてきます。


 私たちのなかに芽生えた理想も、夢も、大事に育んできた希望も、恐るべき現実に直面すると、あえなくうち砕かれてしまうのです。じっさい自分でも不思議なのは、私が未だに理想のすべてを捨て去っていないという事実です。
だってどれもあまりに現実離れしていて、とうてい実現しない理想ですから。にもかかわらず、私はそれをもちつづけています。なぜならいまでも信じているからです……
  たとえいやなことばかりでも、人間の本性はやっぱり善なのだということを。

 私には、混乱と、惨禍(さんか)と、死という土台の上に、希望を築くことはできません。この世界が徐々に荒廃した原野と化していくのを、私はまのあたりに見ています。つねに雷鳴が近づいてくるのを、私たちを滅ぼし去るだろういかづちの接近を耳にしています。いく百万のひとびとの苦しみをも感じることが出来ます。でも、それでいてなお、顔を上げて天を仰ぎ見るとき、わたしは思うのです……

 いつかはすべてが正常に復し、いまのこういう非道な出来事にも終止符が打たれて、平和な、静かな世界が戻ってくるだろう、と。

 それまでは何とか理想を持ち続けなければなりません。だってひょっとすると、ほんとにそれらを実現できる日がやってくるかもしれないんのですから。

 じゃあまた、アンネ・M・フランクより
     
    (『アンネの日記』深町真理子訳 文春文庫 P567)

 
 今朝のニュースです。

  イスラエル軍がガザ・難民キャンプの学校攻撃、死者42人
                 
                 1月7日1時6分配信 読売新聞


 【エルサレム=久保健一】パレスチナ自治区ガザからの情報によると、ガザ北部ジャバリヤ難民キャンプにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)運営の学校が6日午後(日本時間同日夜)、イスラエル軍の戦車部隊による砲撃を受け、少なくとも42人が死亡した。攻撃が、空爆だったとする報道もある。

 学校は、先月27日のイスラエル軍の空爆開始以来、住民の避難場所になっており、女性や子どもなど民間人数百人が避難していたという。建物のがれきの下には、まだ多くの人が埋まっており、犠牲者がさらに増える恐れがある。

 6日午前にも、最大都市ガザ市と南部ハンユニスのUNRWA運営の学校2校が空爆を受け、AFP通信によると両校でパレスチナ人計5人が死亡した。

 地上作戦を続けるイスラエル軍は6日、5日夜の最大都市ガザ市への侵攻に続き、ハンユニスにも地上部隊が進軍。ガザ全域で、イスラム原理主義組織ハマスとの市街戦に突入する形となった。同通信によると、先月27日の空爆開始以来の死者は635人に達し、負傷者は2900人を超えた。
 


パレスチナのこの学校には「アンネ・フランク」はいないというのでしょうか。

 「この世界が徐々に荒廃した原野と化していくのを、私はまのあたりに見ています。つねに雷鳴が近づいてくるのを、私たちを滅ぼし去るだろういかづちの接近を耳にしています。」

 ぼくには何人ものアンネの姿が見えます。それでもなお理想と希望を持ち続けている子どもたちが。

 未曾有の経済危機で大変ではあります。しかし、イスラエルの政府と軍がやっている無差別虐殺を止めさせるために我が政府と国民は力を合わせて立ち上がらなければならないとおもいます。生きる意欲と希望が世界中の子どもたちから消え去ってしまうからです。

 「イスラエルとパレスチナに停戦を求める日本国民集会」を開きましょう。呼びかけは国会に議席のある政党の党首にお願いします。場所は皇居前広場。集会決議を両院議長と首相がイスラエルとパレスチナに赴いて届けます
 
出典「川越だより」●http://blog.goo.ne.jp/keisukelap/e/4183f4dc7835cd9fd1c17e25c5443fce

衆議院選挙結果

2012-12-17 10:47:24 | 政治・社会

衆議院選挙が終わった。自公で衆院の3分の2を占めた。「維新」が比例区で第2党になった。

東京都知事選挙では「石原後継」の猪瀬候補が400万を越す圧倒的な得票。

      ※当日有権者数:10,619,652人 最終投票率:62.60%(前回比:+4.80ポイント)

候補者名年齢所属党派新旧別得票数得票率推薦・支持
猪瀬直樹 66 無所属 4,338,936票 65.27% 公明党日本維新の会支持・自由民主党支援
宇都宮健児 66 無所属 968,960票 14.58% 日本未来の党日本共産党社会民主党緑の党新社会党東京・生活者ネットワーク支持
松沢成文 54 無所属 621,278票 9.35% なし
笹川堯 77 都民のくらしを守る会 179,180票 2.70% なし
中松義郎 84 無所属 129,406票 1.95% なし
吉田重信 76 無所属 81,885票 1.23% なし
トクマ 46 幸福実現党 47,829票 0.72% なし
マック赤坂 64 スマイル党 38,855票 0.58% なし
五十嵐政一 81 無所属 36,114票 0.54% なし

 これからの国政も都政もどういうことになるか、僕は重苦しい気分である。

 

川越市選挙管理委員会の発表した川越市民の投票結果。全国的な傾向と大差はない。

①投票率は56%  なんということだろう。二人に一人しか投票しなかった。

②小選挙区 神山さん(自民)の当選。自民公明の基礎票を集めて新人だが余裕の当選。予想通り。無名急造の「維新の会」の候補の得票が結構多い。現職だった小宮山さんは刺客・島田さんに食われて落選。比例区で復活。

③ 比例区  「維新の会」が第2党。僕が支持した「未来の党」は「みんなの党」にも及ばなかった。

小選挙区選出議員選挙(埼玉県第7区 川越市)
1時25分現在(開票率100%)

届出番号

候補者氏名

届出政党

得票数

こみやま 泰子

日本未来の党

32,694

かみやま 佐市

自由民主党

48,803

矢口 健一

日本維新の会

30,536

長沼 ちね

日本共産党

12,110

島田 ちやこ

民主党

26,792

※候補者氏名は、立候補の届出順に通称名で記載しました。

有効投票数
150,935
無効投票数
6,255
持ち帰り
1


比例代表選出議員選挙(北関東選挙区 川越市)
1時55分確定(開票率100%)

届出番号
政党名
得票数
日本維新の会
29,284
公明党
21,978
みんなの党
16,090
社会民主党
2,869
幸福実現党
420
自由民主党
34,957
民主党
23,617
日本共産党
10,676
日本未来の党
14,334
※政党名は、届出順に記載しました。

有効投票数
154,225
無効投票数
2,920
持ち帰り
3

 

比例代表選出議員選挙(北関東選挙区 川越市)

当日有権者数 男 140,539人 女 140,041人 計 280,580人

 

投票者数(人)

投票率(%)
 
確定 80,190 76,958 157,148 57.06 54.95 56.01