会社から帰宅してハンナの散歩に出かける。ハイパワーのLEDライトで足元を照らしながらご近所を散歩するのは気分転換になる。
ばあちゃんと二人っきりで日中を過ごしているハンナにとっても夕方の散歩は楽しみな時間のはず。軽快な足取りで僕の前を歩く。平凡な毎日の営みだけど、大切にしたい時間だ。
夜9時頃、東京で暮らす娘からFace Timeで電話が入った。ハンナの姿を見たかったみたいだったので、写りがいいようにスマホのカメラのアングルを変えながら長電話をした。ハンナは聞き慣れた娘の声と顔の映像を不思議そうに首を傾げて見つめながら二人の会話に耳を傾けていた。
平凡な日々。かけがえのない平凡で穏やかな一日の終わり。
