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蚊焼です。日記です。
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【ふしぎ】呪術に見る構造

2009年11月14日 | テレビ

 病気になったとき、不作になったとき。
 呪術師を通して、自然と一体となって
問題の原因、根源を見出さんとす。
 また自然を凝視し観察することを通して
摂理を見出すことで、自然に取り入れられんとす。

 これをシャーマニズムとか巫術とか、
原始宗教とか言って「下等の宗教」の中に
押し込められていた。

 けれども日本の神道だって
古来のアニミズムやシャーマニズム、
時に被征服民俗のトーテミズムも
含まれた上で出来上がってきた。
 一神教のキリスト教やイスラームも、
古来の土着信仰とか、ゾロアスター教などの
複数の宗教文化や慣習も色々と取り入れられて
成り立ってきたわけである。

 そう考えると、今に残る
自然と対話する呪術師の存在は貴重だ。
 それは全ての宗教における
基本「構造」であり、普遍ともいえるし
何より生みの親でもあるから。

 先日お亡くなりになった文化人類学者
レヴィ・ストロース氏はこの「構造」を
見出した。



 今日の番組に出ていたグアテマラの呪術師の
作法を見て思ったのは、様々な地域の
伝統や慣習に共通するものが沢山あることに
気付かされる事だった。

 松脂のお香はおそらく、カトリックの影響か。
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巨大振り子は有名。
 黒、黄、赤、白の蝋燭を四方に配置するは
中華圏にも共通性が見出せる。相撲の屋根の吊り柱もそう。
 地面に砂糖を使って円盤のような図を描いているところ、
キリスト教圏に見られる「魔術」そのものではないか。
 尚且つ、「マヤカレンダー」と呼ばれるものは、
どこかアイルランドの先住民族が岩に刻んだ
カレンダーにも似ているではないか。

 マヤの呪術には世界の様々な文化の特徴と
通じている所が見出せる。と、いう発想が
今となってはごく自然にすることが出来る。
 しかしながらそれは、ストロースが
「構造」の概念を持ち出して、世界の文化を
進化云々や優劣どうのこうのといった
西洋偏向から解き放ったお陰なのである。



 今日の「世界・ふしぎ発見!」(TBS)
取り上げられていたのは、マヤ文明だった。
 その中で、グアテマラの呪術師の所作を観ていて、
上記のことを考えては、レヴィ・ストロースの偉大なる
功績についても気付かされるのであった。


 * * *


 2012年の予言?
 そんな野暮なことは聞いてはいけないよ。
 ところで、哲学の話でもいかが?


 * * *


 マヤにも、「ゼロ」という概念があったのは驚きだ。と言うは失礼か。
 特に注目したいのが、そのゼロを表す絵文字は、貝殻であった。
(というのが今日のクエスチョンだった。)
 ゼロの中には、巻貝もあって、その螺旋に無限の概念を
与えていたのではないか、といったような雰囲気を番組では醸していた。

 新カント派のドイツ哲学者ベンヤミンは、
純粋を外への広がりの無限に求めた。
 反カント派の日本の哲学者西田幾多郎は、
純粋を内へ内へと向かう無限に求めた。

 言ってみればベンヤミンは、真理を∞に漸近する方向に求め、
西田は0に収縮する方に求めたとも言えるのであろう。

 翻ってマヤの巻貝のゼロ。
 その無限性は、螺旋の外側へ向かうものか、はたまた内側へ向かうものか。

 いや、その両方かもしれない。
 0=∞であり、それが生と死の一致、自然と精神世界の統一
という概念に繋がるものかもしれない。



 以上、勝手極まりない邪推でした。
 所詮素人の考えですので、どうか本気になさらずに。



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