日本は津波による大きな被害を受けるだろう UFOアガルタのシャンバラ

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日本は今、独自のコロナ・パンデミック対抗薬を開発すると同時に、次の第二次生物化学兵器攻撃対策を立てておくことである。(2)

2021-11-28 18:22:19 | 森羅万象

 

 

(2020/10/29)

 

 

『人類2.0』

アフターコロナの生き方

小林慎昭  プレジデント社 2020/8/6

 

 

 

見通せない世界が迫ってきたとき、あなたはなにを考えましたか?

私たちは、アフターコロナのこの先の未来をどうデザインしていくべきでしょうか。>

・過去の出来事から学び、ありとあらゆる情報を収集することで現在の状況を把握し、分析する。そうしたうえで、未来を想像する。そして、想像した未来から、「いま」なにをするべきかを導き出す。

 

・世界規模で同時期に急速に起こったこの危機を乗り越えるために必要なのは、未来を想像する力だと考えます。

 

アフターコロナにやってくるのは、「新世界」なのです。もう、元の世界には戻れません。このウイルスは、わたしたちを「人類2.0」に変えようとしています。

 

世界規模で想定外の危機が訪れています。

・そしていま、世界規模で想定外の危機が訪れています。

 アフターコロナの世界がどうなるのか?

 わたしたちは、アフターコロナの未来をどうデザインしていくべきなのか?

 

コロナがもたらした、「働き方の変革」

・改革とは、基盤を維持しつつ制度などをあらため変えることを指します。

 新型コロナウイルスがわたしたちにもたらしたものは、「働き方の変革」です。

 ミーティング、時間の使い方、人間関係の築き方、営業、マネジメントなど、ありとあらゆる面で、その変革が起きはじめたのです。

 

ミーティング(会議)

これからはオンラインがスタンダードになる

・それはいま、日本全国で起こっている――起こっていくであろう、事実です。想像してみてください。1日に、何時間オンラインミーティングが行われているのかを。日本で働く人は約6700万人いるとされます。もちろん、オンラインミーティングをまったく活用しない職種もあるかもしれません。

 しかしたとえば、その働く人のうちの1000万人が、毎日1時間のオンラインミーティングを1カ月したと仮定しましょう。すると、日本国内だけで3億時間が、パソコンなどを通じてのオンラインミーティングで使われるということになります。

 これだけの膨大な時間が使われているとなれば、これはもう完全なまでにビジネスの「習慣」に変わるでしょう。固定電話を使わずに携帯電話を使いはじめたように――あるいは、FAXを使わずにメールを使いはじめたように――。

 

・クライアントがオンラインミーティングをするなら、下請けはそのスタイルに合わせるのは必然です。

 

・オンラインミーティングで対応しているいまの状況は、一過性のものではありません。これはもう、スタンダードになるのです。

 

対面

リアルで会うことは“特別な行事”?

・ミーティングをオンラインですることがあたりまえの世の中になっても、対面のミーティングがなくなるわけではありません。

 なくなりはしませんが、その時間はとてつもなく重要で、貴重な時間となっていきます。

 

・これから、人は仕事上のほとんどのことに関して、デバイスを活用したオンラインミーティング、または通話でこなすようになります。

 

・オンライン営業のほうが、生産性が高いのはあきらか。経営的な視点でも、わざわざリアルなミーティングをしなければ受注できない営業マンは不出来と評価されるようになるでしょう。

 

コロナ以降、おそらく数千万人単位のビジネスパーソンが、オンラインミーティングをデファクトスタンダード(事実上の標準)としています。

 

・そう考えると、オンラインミーティングの波にのまれながらもリアルなミーティングは生き残るでしょう。数は減っても、なくなることはないはずです。しかしながら、リアルで会うミーティングは“特別な行事”のようになっていくでしょう。

 リアルでミーティングを行うのは、「直接、相手に会いたい」から。そこに、ロジカルな理由は存在しません。

 

<時間>

移動がなくなり細切れのスケジュールになる

・オンラインミーティングでものごとを進めることが習慣化されると、単位時間も変化します。ミーティングの時間は15分、長くて30分が平均的な長さになるとわたしは考えます。そして、こんな変化が訪れます。

 1日の時間の使い方は、これまで以上に細切れになる。

 

・ビジネスチャットの導入によって、コミュニケーションは非連続に、断続的に進むようになっています。腰を据えて話し合うという場面は、どんどん少なくなっていくでしょう。

 コロナ以降、ますます時間の使い方は変わっていくにちがいありません。

 

・オンラインミーティングが習慣化された社会では、準備コストがゼロに近づきます。ですから、1日に何度でもミーティングの開催が可能です。

 

・「ミーティングスタイル2.0」をこれまで生み出してこなかったことが問題だと思うのです。

 

・これからはもう、対面で会う必要はありません。会うためだけに移動することもありません。自分がいたい場所にいていいのです。

 

・15分単位ですらあたりまえ。時間の使い方は、細切れになっていくでしょう。移動がなくなることで、わたしたちは時間についてたくさんのことを考えるはずです。

 

人間関係

いかにして“リモートトラスト”を形成するか

・あなたは、実際に会ったことがない人に仕事を頼むことができますか?

 

・リアルで一度も会ったことがない人とのあいだで、しっかりとした信頼関係を築き上げるスキルは、これからのビジネスパーソンにとっての必須スキルとなるでしょう。

 

・新たな相手とリモートでのコミュニケーションがはじまった際に、お互いが心地よいと思える反応速度と確認事項の細かさが一致するかどうか――。これが、相手を信頼することができるかの判断材料になります。

 

・大きな意味での「人間関係2.0」の世界では、最初の1時間のリモートコミュニケーションで、第一印象は決まるのです。

 

通勤

在宅勤務なら、交通費も通勤時間もゼロ

・どの企業も、従業員の交通費が毎月どの程度かかっているかを正確に把握しています。ひとりあたりの交通費は、平均して1万5000円程度でしょうか。従業員が100人だと月額で150万円くらいになります。年間では1800万円となります。

 

ビジネス2.0

  • 大企業・グローバル企業――コロナという“劇薬”が新陳代謝を起こす
  • 飲食――加速するフードデリバリー市場の拡大
  • 旅行・観光・宿泊――旅行は“体験”。国内旅行は早めに回復
  • イベント・展示会――エッジとレア度が生き残りの分かれ目
  • ライブ・ショービジネス――オンライン生配信で新しい価値を提供
  • 広告――在宅ワークでプライベートユースが増える
  • 製造――都心に勤務する従業員も地方へと移住する
  • 不動産――「単なる場所」を提供するだけでは大苦戦
  • 教育――専門分野は民間企業にアウトソーシング
  • 医療――設備レベルを底上げし“崩壊”リスクを低減

 

お金2.0

・企業や店舗の倒産が相次いでいるというニュース。株価が下がったというニュース。失業率が世界的に上がったというニュース。

 

・自分の会社は大丈夫なのだろうか? 仕事はなんとなく回りはじめたけれど、新規の顧客をつかまえることはできるのだろうか? 勤めている企業はこれから成長していけるのだろうか? 家賃や住宅ローンを払い続けていくことはできるのだろうか? 子どもの教育費は捻出できるのだろうか? 自分たちの老後の資金は確保できるのだろうか?

 ますます不安になります。

 あらゆる指標から見ても大きなマイナスのインパクトをもたらした新型コロナウイルスですが、これから先、わたしたちの生活に密接に関係する「お金」の価値はどんな影響をもたらすのでしょうか。

 

家計

慎重な性質を持つ日本人は現預金の金額を増やす

・しかしながら、いくらポイント還元があったとしても、これだけの先行き不透明な経済状況です。それを思うと、私たちの財布の紐は堅くなってしまいます。そんななかで、多くの人はどの支出を引き締めるのでしょうか? 一方、コロナ禍において、生活を快適にするために支出が増えるものはあるのでしょうか?

 まず、一番初めに減る支出があります。引き締めるというよりも、「使えない」といったほうが適切でしょうか。それは、「旅行費」です。

 

・アフターコロナの世界では、旅費は総じて値上がっていくのではないでしょうか。

 

・元来、日本人は現金主義で、家計の金融資産のおよそ半分は現預金だとされているほどです。

 

・これから先も、マクロ的に見ると同様の動きが出てくるでしょう。慎重な性質を持つ日本人は、現預金の額を増やす動きをしはじめると思われます。

 

金融資産

<「製薬」「物流」「在宅時間」にフォローの風が吹く

・ニューヨークの原油の先物価格がマイナスに落ち込んだ状況はイレギュラーだとしても、アフターコロナの新世界を見据えた場合、金融資産ポートフォリオをどう組み直す必要があるか考えるべきです。

 

コロナショックは全世界を同時に襲いました。そのため、金融資産の価格変動も全世界の相似形となりました。

 

・マクロ的に見て、あきらかにアゲインスト(評価損)の業界が存在します。それは「移動」に関連する株の銘柄です。

 航空、自動車、観光、ホテル、レジャー、タクシー、ライドシェア………。これら移動に関するビジネスを展開している企業は、これから数年はかなりの苦戦を強いられます。

 

・一方、あきらかにフォロー(上昇)傾向の業界も存在します。第一に、製薬・メディカル系の業界です。薬やワクチンの開発及び大量生産は世界中で求められる極めて重要な課題ですし、これはもう医療系の企業全体がビジネスに集中できる機会を得たことになります。

 

・しかし、フォローの業界はほんの一部に過ぎません。エコノミストたちは、声を揃えて「1929年以来の世界恐慌がやってくる」と警鐘を鳴らし続けます。事実、2020年4月のアメリカの失業率は、世界恐慌以来最悪の14.7%という結果になりました。

 

・1929年の世界恐慌を知識として知っている人は多いと思います。では、この不景気はいつ反転したのでしょうか。マクロ的な動きでは、株価の落ち込みが底をついたのは3年後の1932年で、元の水準に戻ったのは1939年頃とされています。

 元に戻るまでに、10年の歳月を必要とした計算です。

 

コロナ以降の不景気がどのくらいの長さになるのか、正確なことはまだ誰にもわかりません。ただ、歴史に学ぶならば、少なくとも今後3年間の経済停滞を覚悟しておいたほうがいいのかもしれません。

 向こう3年間は、企業も家計もコストカットの方向に向かうことになります。嗜好品はもちろんのこと、買い替えサイクルが5年以上の自動車や家電などの贅沢品の需要も大きく落ち込むことが考えられます。

 また、これからの数年間のなかで淘汰され、倒産する企業が多く出ることが見込まれます。一方、この危機をチャンスに変え、大きく業績を伸ばす企業も多く出てくるでしょう。あらゆる業界で、新陳代謝が起こります

 

通貨

アメリカの復活には時間を要し、数年は円高圧力が続く

・リーマン・ショックにおける為替の影響は、数年かけて円高というかたちで現れました。「日本経済の停滞」という名の“安定経済”を背景に持つ円は、いまも安全資産としての魅力があると思います。感染者200万人を超え、最大の被害を受けているアメリカ経済の復活は、これから数年を要することはあきらかです。よって、これから数年は、円高圧力が続くと考えるのが妥当なのではないでしょうか。

 

・2011年に公開された、スティーブン・ソダーバーグ監督の映画『コンテイジョン』では、未知の新型ウイルスが世界中に蔓延し、何千万人もの人が亡くなるストーリーが描かれています

 作中では、ワクチンが完成しアメリカ国民に投与される段階において、その投与順序を誕生日順に決めていきます。その理由は、病院やクリニックでの混乱と感染を避けることが目的。毎日決められたひとつの誕生日の人だけがワクチンを摂取できるというルールで、全国民がワクチンを投与されるまでに丸1年を要することになります。

 アメリカ国民だけでもそれだけの期間が必要なわけですから、全世界の人にワクチンを投与するのは、途方もない時間がかかるでしょう。世界中

の人類が、ワクチンをいまかいまかと待ちわびる状況を思えば、ワクチンが大きな価値を持つと考えるのが自然です。

 

国家予算

世界各国の経済は“ICUに入った”状態

・コロナ以前、正直なところ、わたしは現在の民主主義に限界を感じていました。民主主義の原則は、多数決です。しかし現在では、誰の手のなかにも世界中の情報にアクセスできるスマートフォンがある。そして、世界で30憶人以上がSNSを使っている。

 

・「企業のステークホルダーは株主だけでなく、従業員、地域コミュニティ、そして社会全体に広くわたる」という声明文が発表されました。

 

しかし、コロナショック発生からわずか数カ月、世界は、すべての面倒を見てくれる“大きな政府”を求めはじめました。

 

・そして、今回のコロナショックは、「未知のウイルス対世界」という構図です。このウイルスが現れる前、世界は分断し、情報は分散され民主化し、企業も個人も個別的な権利を主張していました。

 

・全世界の全国民に影響を及ぼす課題が現れた――。そんなとき、国家はどこまで国民を守れるのか。政策の規模と、実行までの速度が問われることとなりました。未知のウイルスはきっと再び現れる。今回の新型コロナウイルスについても、遺伝子変異により、第3波、第4波がやってくる可能性もゼロではありません。これから5年、10年にわたって、国家予算の編成において評価額と優先順位づけをもう一度見直す必要が出てきます。

 残念なことに、企業や国民のすべてを救うことは不可能です。

 これ以上影響が拡大した場合、なにを優先し、なにを捨てるべきなのか。

 国家は、予算編成というかたちで、各業界、各企業、そして国民の“トリアージ(治療の優先順位づけ)”を断行しなければならなくなります

 

信頼経済へのシフト

「信頼」という通貨を蓄えてチャンスを広げる新世界

・「信頼貯金」という言葉を聞いたことはありますか? あるいは、「これからは個人の時代が来る」というキャッチコピーはどうでしょうか?

 

・これからは「個人の信頼」が、お金の指標となり得るのです。

 そんな時代がなぜ来るのか? ここでは一度、500年前まで遡って「お金」の価値を見直し、時代の移り変わりからその未来をとらえてみたいと思います。

①  封建社会から資本主義へ~「どこ」にいるのかが重要だった時代

②  資本主義の最後に来たIT革命~「なに(コト)を」するかが重要だった時代~

③  資本主義から信頼経済へ~「誰と」動くのかが重要になる時代

 

資本主義の次の価値観である、IT革命の先にある未来が、まさにいま、花開こうとしています。その転換を後押ししているのが、コロナショックです。

時代の転換が起こるには、大きく3つの要素が必要であるとわたしは考えます。その3つとは、「非連続なテクノロジーの発展」「社会の仕組みの変化」「人の価値観の転換」です。

 まず、「非連続なテクノロジーの発展」について。

 資本主義の次への動きに影響を及ぼすテクノロジーは、大きく分けてふたつ。それは、「AI」と「ブロックチェーン(分散型台帳技術、または分散型ネットワーク)」です。

 

単に役に立つスキルを持つ人の必要性は低くなり、そこにいることに「意味がある人」が求められます。

 

・ブロックチェーン技術をひとことで表すなら、「非中央集権」という言葉になります。ブロックチェーンを用いれば、中央集権的な役割を必要とせず、あらゆる価値の承認を処理できます。

 

・このようにブロックチェーン技術が社会インフラのなかに浸透すれば、国家のような中央意思決定機構が不在でも、ものごとが公平に透明性を担保したまま進んでいくことが可能です。単に信頼を担保するためのシステムや会社も、必要性が低くなるでしょう。公正に正確にものごとを進める人が不在でも、問題のない世界がやってくるということです。

 

・そして、「社会の仕組みの変化」も、コロナショックで起こりました。というよりも、コロナショックは社会の仕組みを否応なく変え、人の価値観の転換にも大きな影響を及ぼしたという見方ができます。

 コロナショックによって、在宅・リモートワークがあたりまえとなりました。

 

・わたしたちが想像するよりも、個人のパワーが遥かに増大したのです。たとえ自宅にいながらでも、個人ができることが急速に拡大したのです

 そこで大事なのは、アフターコロナの新世界は、「個人が中心の時代」になるということ。

 資本主義の下では、企業と企業の協業によって世界は急速に発展してきました。しかし次の時代では、個人と個人、または個人と企業で協業し、世界を変革していくことができるようになります。

 だからこそ、次の時代では「誰と」動くのかが重要になる

 

・先に触れた『学問のすゝめ』が出版されたのは、1872年のことでした。その本のなかで、資本主義という新世界での生き方がまとめられています。それから148年を経た2020年、コロナショックによって資本主義から信頼経済への転換がはじまろうとしています

 信頼経済というものは、わたしたちにとっての新世界――。本書が、その新世界における『学問のすゝめ』の役割を、少しでも担えれば幸いです。

 

「人類2.0」にバージョンアップするための道標とは?

・新型コロナウイルスと比較されるSARS(重症急性呼吸器症候群)はどうでしょうか。こちらも新型コロナウイルスと同じく発生源は中国で、2002年に最初の患者が報告されています。2002年11月1日から2003年7月31日までに、全世界で8098人が感染し、774人の命が奪われました。ちなみに、29カ国・地域で感染者が出しましたが、日本はゼロでした。

 

・これまでは、都会に人が集うことで経済の大きな歯車が回っていました。でも、もうその常識は変わろうとしています。都会に集わなくても経済を回す方法を、わたしたちは手にいれつつあるのです。

 

コミュニティ

<“居場所”はオンライン上へ、オンラインネイバーの感覚が生まれる

・コロナショックを機に、コミュニティへの関わり方、コミュニティのかたちそのものも変化していきます。

 

・コロナ禍のいま、毎日のように日本全国でオンラインイベントが開催されています。もちろん、参加者は日本全国から集まってきます。わたしが運営するオンラインサロンのイベントにも、東京はいうに及ばず、北は東北から南は九州まで、さらにはシンガポールやマレーシアといった海外からの参加者が集まってくるほどです。

 

・「オンラインネイバー(Online neighbor)」という感覚を持ちはじめた人もいるようです。ネイバーとは「隣人」という意味をもつ単語です。つまり、オンラインのなかにおける隣人ということです。

 

<街>

テクノロジーと制度づくりの両面から「対ウイルス」に備える

新型コロナウイルスに対するわたしたちの人類の対抗策は、「Stay home」

です。わたしたち人間というのは、極めて無力です。なにせ、感染者1万人に対して、その1万倍の1億人が制限を受けるのですから。対抗策は、「ただ家にいる」こと。これはなんだかとても妙なことに思えてきます。なにが問題なのか?

 ウイルスではなく、現在の街のかたちが問題なのではないでしょうか。

 

・未知のウイルスに対して、外出の自粛と「Stay home」という原始的な対抗策で立ち向かうのではなく、たとえ国内に数千人から数万人の感染者が現れたとしても、社会や経済は通常通り進んでいくような「街2.0」へ、いまの街をつくり直していくべきではないでしょうか。

 

東京と地方

資本主義的な一極集中から、「快適さ」を重視したワークライフへ

・今回のコロナショックは、わたしには「資本主義に対する挑戦」のように映りました。超高層ビルを建て、超効率的な移動路線を実現し、超満員電車に耐えて通勤する――資本主義のうえに成り立つ、「株式会社経営」を効率化するための都市インフラ、そのすべたが否定されたからです。

 

日本

「餅は餅屋」ではいけない。あらゆる手を尽くす心構えで日本再興へ

平成時代は「失われた30年」といわれます。事実、日本経済は低迷を続け、デフレも延々と続いています

 ひとりあたりの名目GDPは、1995年のG20のなかでのトップから、2018年には7位に後退しました。2020年5月10日の日経平均株価は、31年前の1989年の約半値です。

 

・グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのGAFAに、マイクロソフトを合わせた5社の時価総額の合計は、2020年5月8日、東証一部上場企業すべての合計額を超えました。

 

・2019年5月1日、新しい時代「令和」が幕を明け、「失われた30年を取り戻す」という、そんな機運が高まっていました。令和になってからの初めての年明け――しかし、そこに待っていたのはコロナショックでした。

 

飲食店は営業自粛で全国の数万店舗が存続の危機にあります。思うように業務を行えない企業も悶え苦しんでいます。

 

・失われた日々はまだ続くのだろうか? コロナショックから、ただ打撃を受けるだけなのだろうか? これまでの30年間でわたしたちが学ぶことはなかったのだろうか? この危機を、「日本2.0」へと生まれ変わる契機にできないものだろうか?

 ここでの需要な視点は、この危機からの「復旧」を目指すのではないということです。復旧は元通りになることです。そうではなく、新たに生まれ変わり、より強い「日本2.0」として「復興」しなければならないのです。

 

「餅は餅屋」どころか、餅屋は餅を焼いているだけではいけないのです。いまできるあらゆることを考え、一人ひとりが行動に移すしかありません。コロナショックによって、企業や店舗は顧客を失いました。売上を大きく落としました。すでに、事業が成り立たなくなった企業や店舗もたくさんあります。

 

いつもの餅ではなく、ウィズコロナ、アフターコロナの社会が必要とするモノやサービスを生み出せる人材が、日本にはたくさんいます。

 

・わたしたち日本人は、ある種、「現状の安定」という名の停滞に漫然と構え、がむしゃらに動くということを忘れていた気がします。わたしは、精神論で日本を「日本2.0」に生まれ変わらせようといいたいのではありません。

 あなたにとっての、餅ではないなにかをゼロベースで考えてみてはいかがでしょうか?きっと、あなたの潜在能力によって生み出せるものがあるはずだから――。

 

・それを、国ごとそっくりつくり替えるという変化には、多くの人がおそれを感じるにちがいありません。しかし、コロナショックという“外圧”は、その変化を断行せねば未来が成り立っていかないという強烈なまでの危機意識をわたしたちに植え付けました。

 これほどのチャンスはないのではないか――わたしは心の底からそう思っています。日本を「日本2.0」につくり替えるチャンスが、いま目の前にあるのです。

 

人類

「ウィズウィルス」で、人類は生まれ変わる

新型コロナウイルスの問題は、すべての国にとってトップイシューとなっています

 これほど多くの国がひとつの課題について深く議論し対策を講じているタイミングは、有史以来、初めてのはずです。

 

・2011年に公開された『コンテイジョン』という映画は、今回のコロナ危機を予言したような内容でした。

新型コロナウイルスのような未知のウイルスが、世界中で感染爆発を起こす様を描いたものです

 劇中では、元の保菌動物はコウモリでした。工場を建設するために森林伐採が行われ、住処を追われたコウモリがブタに接触します。そのブタがいたのは、人間が大量に消費する豚肉を生産するための養豚場。ブタは食肉となって中華料理店のシェフの手にわたり、シェフとひとりの女性との握手によって、人への感染が広まっていきます。

 現実世界においても、H1N1(インフルエンザ)のような鳥由来・豚由来の新型インフルエンザは、毎年のように新たなタイプが生まれています。増え過ぎた人類の食欲を満たすべく、劣悪な環境で鳥や豚を飼育する工場があるためです。

 

これからの「正しさ2.0」の話をしよう

・しかし、人類はウイルスについて無知でした。街も、国も、人類も、誰もが無知でした。新型コロナウイルスは、わたしたちの無知を教えてくれました。

無知の知――。

 

・一人ひとりが新しい「働き方2.0」を見出し、各業界が総力を挙げて「ビジネス2.0」のチャンスをつかみ、「お金2.0」と向き合って価値をとらえ直す。「街2.0」をつくり、「国2.0」をつくり、そして、「地球2.0」をつくる。

 無知を知り立ちあがったわたしたち「人類2.0」は、昨日よりも確実に強くなっているはずです。

 

失ったものに対する様々な想いを胸に、それでも希望を抱いてわたしたちはこらからの新世界を生きていく

・本を制作することは、リアルで会わなくてもできます。これもまた、コロナ危機が変えたひとつの出来事なのではないでしょうか。

 

わたし自身、社員が10人いるスタートアップ企業の経営者です。コロナ危機で、会社存続の瀬戸際が続いています。もちろんこれは、わたしの会社だけの問題ではありません。日本全国、世界中には苦境に立たされている数多の人がいます。

 なかには、会社の清算という道を選んだ人もいるでしょう。経営する飲食店を手放すことになったり、長年勤務していた企業からリストラにあったりした人もいるはずです。

 世界中の経済に大打撃を与え、実態が正確につかめないほどの失業者を出し、たくさんの命を奪い、社会の仕組みまで変えた新型コロナウイルス。その脅威は、これまでのわたしたちが持っていた価値観を変えました。そして、これから訪れる新世界に順応するべく、生き方さえも変えていく必要があります。

 


日本は今、独自のコロナ・パンデミック対抗薬を開発すると同時に、次の第二次生物化学兵器攻撃対策を立てておくことである。(1)

2021-11-28 18:20:43 | 森羅万象

 

 

 

2021/11/28

 

 

『コロナ不況にどう立ち向かうのか』

大川隆法   幸福の科学出版  2021/8/12

 

 

 

・香港・台湾は助けよ。万一難民が出たら、日本は保護せよ。日本を核攻撃するという国に対しては、万全の備えをせよ。国防をおろそかにする国に、国民は納税の義務はない。神仏を信じる国としての自覚を高めるべきである。

 

西側先進国のコロナ敗戦

・私が言えることは、

  • 強制的にワクチン接種を国民に強要しても、コロナの第6波、第7波が来ること。
  • 決して、中国をコロナ戦勝国に祭り上げることなく、企業も国民も、自由と責任の中、粘り抜くこと。
  • 行きすぎた環境左翼や、LGBTQの過保護、補助金漬け政策は亡国への道であること。
  • 唯物論科学に振り回されすぎず、心の価値や、人間性の向上を目指し、道徳、宗教抜きの悪の勢力の拡張には、断固として抵抗すべきこと。

 

 西側先進国のコロナ敗戦は、次に何を呼びこむか。これからが大事だ。「叡知とレジリエンス」の時代が始まると期待したい。

 

政治について言いたいこと――コロナ危機における国家運営の指針――

神仏の考える正しさに基づいて「政治」を語る

政治については、もうすでに予言的なものとしてそうとう出してはいるので、そのとおりになるかどうかは見ているような状況で、だいたい、言っているような感じに進んでいるかなというふうには思っております。

今日も話をしますけれども、私は本当に正直言って、もう嫌になっているところもあります。だいたい、口を開けば政権党の批判にはなりますし、野党の批判にもなりますし、日本の新聞の批判にもなるし、テレビの批判にもなるし、週刊誌の批判にもなるし、外国のメディアの批判にもなるし、外国の政治に対する批判にもなるから、「これは票にならない」ような感じはあるのです。どれかに乗っかからないと放送したり応援記事を書いたりしてくれないのですが、あっちにもこっちにも“弾を撃って”いますので、集票能力が低くてたいへん恐縮はしております。

 幸福実現党の政治家を目指しているみなさまがたに“バンザイ突撃”を命じているようなものだと思いつつも、しかし言う人がないなら言うしかないと思って、いつも言っています。

 

・ですから、当会がつくっている政党に関してはあまり勢力の伸びが視えませんけれども、全体の政治そのものは、私が言っている方向には日本も世界も動いていっているのかなというふうには思っております。そういう意味で、サブカルチャー的に広がって“常識の下にあるもの”として浸透してきているなら、それはそれなりに役割を果たしているのかなとは思っています。

 ということで、そういう利害は抜きにしまして、私は宗教家でもありますので、「神仏の考える正しさとは何か」に基づいて、政治について言っておかねばならないと思うことを幾つか申し上げます。

 

菅首相とバイデン大統領の「本質」

「菅政権が続くかどうかの判断基準」や「菅首相の人物」について

・私は“奇人・変人”もときどき好きなので、完全に否定しているわけではありません。

 そういうことで、いわゆる教養人、あるいは御曹司的な政治エリートとは全然違う人だということだけはよく分かります。これがいい方向に働けばいいなとは思っているのです。

 

意外な成果をあげるかもしれないバイデン大統領

・選挙で大統領になるにはものすごくお金もかかるし、精力もかかるので大変ですから、「選挙で勝たなくても自分の思ったとおりにできる」「大統領にならなくても、大統領の仕事が代わりにできる」ということで大臣ができるというのなら、それは意外な成果があがるかもしれず、逆にバイデン氏が“居眠りをしている狸のふり”をして座っていれば、こちらこそ大石内蔵助風になって、何もしないのに名声が上がるようなことだってあるかもしれません。

 そういう意味で、日米共にどんな結果になるか、見ていてとても面白い状態ではあるかと思っています。

 

菅政権の今の外交スタンスから予想される問題とは

・台湾海峡を護るとか、あるいは、ウイグル問題等について、日本の企業は、あまり中国批判をしたら取引が減って売上が下がって、現地工場を没収されるかもしれない危険があるため、政治問題からは逃げる傾向がありますし、それと政治は連動しているものですけれども、菅さんは多少なりとも踏み込んだ部分はあったのかなと思います。

 

政治家のコロナ対応から見える“全体主義の練習”の姿

コロナ感染のニュースばかりを流す本当の理由とは

・あれは“全体主義の練習”をしているのです。都知事レベルでもそうだし、県知事レベルでもそうだし、国でもそうですけれども、政治家のテレビの前での発言一つで、あらゆる業界を潰そうと思えばもう潰せるようになっているということを見せているわけです。「別に中国にならなくとも、日本でもやれるんですよ。業界は潰せるんですよ」ということです。

 

「緊急事態」と称して全体主義が入ってくる危険性

・日本人はわりにお上の命令に忠実なので、「はい、はい」と言って従う気はあるのですけれども、「ちょっと気をつけないと、もう一歩で(全体主義)に行ってしまいますよ」というようなことは言っておかなければいけません。

 

ネット社会がもたらす「情報統制」の怖さ

コンピュータ時代は、本当に人を自由にするのか

・コンピュータ時代は人を自由にするかと思いきや、「一定のルールを通さなければ使えない」というところが狙われて、逆に、機械のほうに人間が支配されるという形態が実につくりやすいものができています。

 

スパイが野放しにされる日本の情けなさ

・これは、中国なら、同じような容疑がかかった日本人がいたらこんなことはありえないわけで、その日本人は処刑されているでしょう。ポケットに麻薬か何かを入れられて、「麻薬取締法違反で処刑。五日後にはもう死んでいました」ということになるのです。

 

・かといって、国民監視を一元管理し始めたら、やられるのは、おそらく、日本国民がやられるのであって、たぶん外国のスパイのほうではなかろうと思います。

 

世界経済の厳しい見通し

日本が中国に言い負かされる言語的な理由とは

・中国の内情は、当会が言ってきたように、ウイグルの内情とかが世界的に知られてきたことや、香港の悲劇、それから台湾の今の緊張等が知られてきたことは、いいことだとは思います。

 

・中国語というのは、言葉が洗練されていないのです。すごく粗野な言葉なのです。野卑です。丁寧語は十分にないので、すごく粗野な言葉を使います。

 

・この前も関西に行ってきましたけれども、京都あたりに行くと、お客さんに帰ってほしかったら、「お茶漬けでも食べますか」などと言います。それを言われたら「帰れ」という意味だったという、そういう文化があります。

 

世界中で分かりにくくなっている「未来価値観」

・中国の“神”は今、要するに、「法治主義という名前、これが世界的価値観と共通だ」ということを言っているわけです。「法治主義で、法律に則ってやっているからいいんだ」と言うけれども、その法律をつくっているのは、百パーセント一致する全人代とか、その“分家”の部分ですので、基本的に「人治主義」なのだということです。「法治主義」と「人治主義」の違いが分かっていないので、実に困るなと思っています。

 

中国の経済の現実と“超巨額”の財政赤字について

・したがって、世界経済は、どこかの時点で機能不全に陥って“破裂”するのはほぼ確実だとは、私は思っています。これが機能しなくなったら、立て直すのは大変だろうなと思っています。

 

・ただ、あらゆる統計が全部いじられているので、そう簡単には分かりませんが、「やっていること」と「実際に入るべき収入」を計算してみると、どう見ても、ものすごい巨大なブラックホールのような財政赤字ができているはずです。

 

中国が日本を小国扱いにするのはなぜか

・もう“問題だらけ”なのですが、こういうものを全部、一切、黙らせるよう「監視システム」によって抑え込んでいる状態なので、情報が出てこないし、報道ができないし、外国にも見抜かれないでいられるというところでしょう。

 

・こういうときに、まだ日本は、アメリカの大統領が替わったので、「拉致被害者を助けてください。北朝鮮から戻してください」などというようなことを言っているということで、客観的に見れば、「いかに恥ずかしいか」ということをやはり知るべきでしょう。

 

政治、経済、戦争の正邪を分けるために

コロナ感染の今後の広がりをどう見るか

「民主主義国家 対 専制国家」という言い方だけでは、おそらく、世界はまだ二分化していくだけで分からないと思います。ですから、トランプさんのとき以上の分断化が、今、進んでいるように見えてしかたがありません。

 

これはもう“世界レベルでの戦争状態”に実はなっているので、これに対して後手後手で対応していてはいけないのではないかなと思います

 

「政経分離」をして中国を太らせた日本企業の責任

・このへんを、自分たちのところに落ちるお金のことを考えて何も言えないというのは、それは「将来的に植民地化される、そういう人間的属性を持っている」ということだと思います。お金で釣られて人に支配される国になる可能性があるということです。

 

左傾化し「神仏の心」が忘れられている現代の世界について

さらに、もう一つの流れとして、「民主主義国家」といわれるところの流れのなかでも、結局、左へ左へと寄っていっていて、今、(共産主義国家と)どちらが“左”だが分からなくなってきています

 

同性婚問題に潜む危険

同性婚や夫婦別姓問題に見る、「差別」と「区別」の違い

・しかし、「同居権や財産権の問題と、結婚の定義とは別だ」というふうに私は思っているのです。それはあげたい人がいたらあげたらいいし、自分の病気とかで看護などをしてくれた人に財産権をあげたいというのなら、それはあげてもいいと思うし、そういう法制度はありえるとは思いますが、結婚の定義は違うと思っています。

 

「心は男性」「心は女性」とされる人の霊的真相とは

・ただ、もう一段、恐れていること、もっと可能性が高いことは、「強度の憑依を受けているのではないか」ということで、それが心配なのです。

 男性が、“女性趣味”を持っているような男性だったら、「不成仏の女性霊がその人に取り憑く」ということは十分にありえるのです。強度の憑依霊として、異性の憑依霊が憑いていると、憑いているものと行動がそっくりになるので、その女性霊が好んでいたようなことを、生きている人間がし始めるのです。

 

・例えば、昔、釈迦の戒律では、獣姦とか、あるいは鶏姦とかを犯すことを禁ずる戒律というものがありました。異性間の性行為を禁ずるようなことを教団のなかでやると、今度は「禁じられていないものならいいんだろう」ということで、動物とセックスをする、あるいは鶏とセックスをするような者も出てきて、それでまた戒律が立てられたなどという、おぞましいものが記録としては遺っています。

 

LGBTの行きすぎが“人類崩壊”を招く?

・事実行為としては、そういうことがないことはないのです。尼僧院で女性同士が愛し合うとか、出家の僧侶同士で男ばかりなので、稚児さんをかわいがるとか、そういうことはあります。

 あるいは戦国武将が、戦場には女性を連れていけないので、小姓さんを女性代わりに、今で言えばバイセクシャルになりますけれども、「家に変えれば美女が揃っていて、戦場では小姓さんと遊んでいる」というのがあるのかもしれません。これはバイセクシャルになると思うのです。

 

・「少数者を差別することは、よくないことだ」という意見は分かります。しかし、それが、多数者の考え方を、「間違っているから改めろ」と言うところまで来るなら、これはやりすぎではないかと思います。

 それはいずれ、ソドム、ゴモラのように、人類のなかから人類自体を崩壊させていくシンドロームになっていくのではないかというふうに考えます。

 

コロナの試練に打ち勝つために

世界の流れを変えていくためにすべきこととは

・神仏の霊流を引く、その考え方を引くような民主主義には、「悪玉を取り除き、暴政を取り除き、専制独裁国家を崩壊させ、そして、多数の人たちが幸福になれる世界をつくるチャンスがある」とは思っておりますけれども、それが「唯物論の下に、あるいは医学や科学の仮説の下に、“いじれる”ような国になったり民族になったりしていく」なら、これは残念ながら、天変地異その他の反作用をいっぱい受けることになるだろうというふうに思っています。

 

東京五輪に対する見解と国民や政治家へのメッセージ

・コロナウイルスに関しては、先ほど言いましたように、この増え方のペースから見れば、こんなものではとどまらず、もう少し広がると思っています。

 

“世界戦争”が今始まっている

中国の「二正面作戦」で脅されている日本

・要するに、「日米が台湾を応援に行けないようなことがあるぞ」という威嚇をやったということです。

「中国は日本と台湾を同時に侵犯できるのだと示した」ということを、あの朝日新聞が一面、二面と書いていました。私は、これには少し驚いたのですけれども、中国がそういうふうな兵法を使っているということです。

 

<「アメリカの繁栄」が終わるとどうなるのか

・朝日とほぼ同じ主張の東京新聞なども、多少そういうことも書くようにはなりましたが、まだ、バイデン政権が発足して、「意外や意外、頑張るじゃないか」というような記事も書いています。「何百兆円もの経済対策を頼んで、バイデンはすごいじゃないか」というようなことも書いていますが、私としては「いや、そのあとに大増税が来るからね。それを見てから言ってほしいな」と思います。

 

・これが“アメリカの繁栄”を意味するのかどうかということは、それは左翼型のマスコミから見れば、いいことのようには言うかもしれないけれども、先は分からないでしょう。「アメリカン・ドリームが消えたあとの未来はどうなるのか」ということは問題です。

 

大国としての日本が示すべきものとは

・日本は、G7などのなかでも“灰色で走って”いる国の一つではあるのです。「政治は政治、経済は経済」で、「政治のほうではこちらと組んでいるけれども、経済のほうでは、近くの国とも仲良くしなければいけないし」というような感じでやっていますけれども、それが通用するかどうか。

 

・「一帯一路崩し」は、おそらく私あたりが、いちばん激しく最初に始めていると思うのですけれども、あれ(一帯一路)をやっていたときは、夢と希望に満ち溢れたように見えていたと思います。中国の人もそう思っていたかもしれないし、あるいは、アジアや西南アジア、ヨーロッパの人たちもそう思っていたかもしれません。「ヨーロッパの金詰まりの危機を救ってくれる」と思ったかもしれないし、アフリカもそう思ったかもしれないけれども、「裏に意図があった」ということは、今はもうバレてきています。

 ですから、「中国がここまでの意図を持ってやっているなかでの、経済や政治を考えていかねばならない」ということで、太い輪郭線を持ったものの考え方は持っていなければいけないのではないかと思います。

 とにかく、日本は、反応が“鈍い”ことで生き延びようとはしています。それも一つではありますが。

 

・私たちが宗教でいろいろな活動をしたり、本を出したり、映画をやったりしても、鈍い反応で、あまり影響を受けない。こんにゃくのような感じか、水が入った風船のようなものをつついているような感じで“戻ってくる感じ”があって、破れない感じです。

 

・オリンピックについても、先ほどちょっと話をしましたが、私は、基本的にはやめるべきだと思います。やるべきではない。こんなときにやってはいけないと思うし、平和なときにやるべきだと思います。

 

・ただ、そのあと、「コロナの第5波が来ること」と、「スポーツ選手等がかなりのバッシングを受けて、いろいろなかたちで厳しい面が出てきたりすることがある」ということだけは言っておきます。

 

「消費の経済学」の限界とは

コロナで悲惨な業界、儲けている業界

・一方では、今、特定の業種に偏って、非常に悲惨な状態になってます。これは、かわいそうなぐらいの状態です。

 例えば、「酒を出すところは駄目だ」などといって“営業停止”にされたり、「午後8まで」とか言われたりしています。

 

そういう、いわゆる社会主義経済、いや、もっと言えば共産主義経済で、最も失敗しやすいという経済なのです。

 要するに、「中央においては末端がどうなるかが分からないのに、一律、線を引いて決める」というのは統制経済ですけれども、そういうふうになってきていますので、決めている人たちは、何が潰れるかが分からないわけです。「ええっ?『酒を飲むな』と言ったら氷屋が潰れるの? それは知らなかった」というようなものです。そういうことがあります。

 

・また、今は、街を歩けばよく見るのはウーバーイーツのようなご飯の宅配です。出てこないで家で食べるのでしょう。それが流行っていて、そこに脱サラ組というか、リストラされた人たちやアルバイトの人たち、非正規で“クビ”になったような人たちは行っていると思うので、そこは活況を呈しているかもしれないけれども、これもいずれまた、元に戻ったら“クビ”になる人たちであります。

 

・そこで、心してほしいことは、このようなことです。

 いっぺんに解決することもなければ、いっぺんにまっしぐらの暗黒になるわけでもありません。格闘しながら、少しずつ回復していくしかないと思うのですけれども、今、必要なことは、英語で言えば「レジリエンス」というか、「レジリエントであること」ですけれども、「強靭さ」です。やはり、ある意味での強さ、しぶとい強さです。これが要ると思うのです。

 

・特に家庭を持ち、配偶者や子供を養わなければいけない義務があるような人は、本当に台風のなかで立ち続けている竹のような強さを持っていないと、風が吹いたら折れてしまうようではいけません。

 

(コロナ禍は)簡単には終わらないと思って、たとえ10年続こうとも、そのなかをくぐり抜けて生き抜いていく強さが必要です。組織としても、個人としても、まったく同じです。これは一つ言えることです。

 

次なるバブル崩壊の危険性

・また、今は世界で協調して金融を緩めてお金を“ダブつかせる”ことによって倒産を防ごうという戦略でやっています。一部、功を奏しています。

 そのままであれば、もう倒産しているものがたくさんあるのが、倒産していないところもあります。お金をどんどん出して、市場に余らせているからです。

 

・一部投資家たちは、うまいこと生き抜けば、利益を稼ぐことができるので、買い方はそうやって利益をあげているとは思いますが、普通の企業や普通の個人がやったら、いずれ“火傷する”ことになるでしょう。これは実体を反映していませんから。景気がよくなる理由がないですから。

 

・ただ、全体的に見ると、まだ民間のほうで、企業と個人のほうで何百兆円か資金を余分に持っているので、政府機関が潰れても、国自体はつくり直せばもつレベルです。

 アメリカなどであれば、役所が潰れることも現実に起きるし、日本でも、市レベルぐらいであれば、破産団体になるようなことも過去、起きていますけれども、この可能性はある。

 

これから予想される「二つの増税」

・東京都も1兆円はもう使っていると思いますから、石原慎太郎元都知事のときに貯めたお金はほぼ使い尽くしていると思いますので、これが短期で解決すればいいが、短期で解決しなかった場合は、これから“赤字団体”に転落していくことになりますから、さあ、どうやって税金を集めるか。

 そうなると、「資産課税」をするでしょう。「資産を持っているところに課税」する。それと、「貯金をしているところに課税」する。この二つをするでしょう。

 

・アメリカの中枢部も、実は共産主義思想にもう染まってきていて、「お金が儲かっているということは搾取したことなんだ。搾取したところからお金を取って、それをばら撒くことが平等なんだ」という考えが入っていますので、これは、「鼠小僧次郎吉の経済学」です。英語に訳せないかもしれないけれども、日本語で言えばそういうことです。

 

・こんなことは想定外のことですけれども、これで考えなければいけないことは、「消費の経済学」だけでは、もはや、もたないということです。いちおう、これだけは知っておいたほうがいい。

 

知恵を絞って「新しい価値」の創造を

コロナ禍の時代を生き抜くための提言として

私のほうの提言としては、先ほど言いました「強靭であること」――個人的にも強い体質を持つこと。それから、会社においても同じであること。

 景気の浮き沈みや、政府や地方自治体の指示による浮き沈みにもう翻弄されることなく、自分でやれることはやる。考えつくことは考えつき、新しいものにシフトしたりして、「道を拓ける者は拓く」ということです。

 

今までこの世になかったものをつくり出す。それもいろいろな規制のなかをかいくぐって、どうやってつくり出すか。これができたところだけが生き残り、さらに発展することができるということです。

 また、「異種のアイデアの結合」は非常に大事です。

 

今、必要な「新しい経済学」とは

・企業として生き残る場合は、普通の物売り、商品を売るとか、単なるサービスを売るとか、人手の力を売るとかというだけでなくて、表立ってそれをストレートに出すかどうかは別として、仏法真理のなかに入っているもののなかで、自分のところの仕事に使えるものがあれば、これを取り込んで提供するということが大事だろうと思います。

 

・今やるべきは、やはり「つくり出すこと」です。「新しいものをつくり出す」ということに、みんな頭を巡らせてください。今まで世の中にないものを、そして、すでにあるものであれば、それを結合させて、より仏国土ユートピア建設につながるものをつくり出すこと。そして、信仰心を打ち立てることによって、新しい「信頼の経済学」をつくる必要がある。

 

・「人間不信の経済学」にならない方向に持っていく必要があります。「信仰心に基づく神の子の経済学」であるべきだし、そうした真理価値を含んだ経済活動を増幅していく、増大していくというスタイルでなければ駄目です。

 

コロナ不況下での投資判断の基準について

・【質問】全国の、経営者のみなさまのお声をもとに、一つ、具体的な質問をさせていただければと思います。

このような見通しのなかで、「ピンチをチャンスに変えていく」という意味では、「いかにして、自らの手金、お金を使っていくべきであるのか」を考えなくてはなりませんが、一方では、耐久力というものを維持する意味でも、「ダム経営」ということが大切だと思います。

 

「プラスを増やしてマイナスを減らす」が基本原則

大川隆法;基本は、防衛が大事ですから、普通の給料であれ、ボーナスであれ、あるいは会社の利益であれ、手堅く、蓄えるものは蓄えて、無駄な経費を使わない努力をすることです。

 「プラスを増やしてマイナスを減らす」というのは基本原則なのです。個人においても企業においても、基本原則は一緒です。それについては間違いがありません。

 ただ、こういう乱気流の時代は、“チャンスが生まれる時代”であることも事実であるのです。

 

・ですから、宗教界も今どんどん縮んでいます。公称人数も、どんどんどんどん減っていっています。ものすごく減ってきておりますので、実態はもっと小さいぐらいまで減っていると思います。

 そのなかで、何とか踏みとどまって戦っているとは思うのです。

 

投資をする際の注意点とは

・投資に関してですけれども、「ダム型経営」「ダム経営」を勧めてきたので、当会の大黒天企業というか、応援してくださっている企業群の財務内容を、以前、見せてもらったところ、「一般の企業に比べたら体質がいい」ということはありました。

 借金が比較的少なめで利益率が高く、内部留保を厚めに取っている企業が多いので、こんな時代には間違いなく強いだろうと思います。

 

いつも言っていますけれども、借金が売上の3割を超えたら、異常事態が来たときには倒産するのが普通であるので、3割ラインを超えてはいけないのです

 黒字体質で経営しているところであれば、投資の可能性は、だいたい3分の1ぐらいでしょうか。もし会社で100億円の内部留保があるとしたら、30億か33億ぐらいまでであれば、将来的に発展するために、チャンスがあると見たら投資してもいいのではないかと思います。

 それから、内部留保はそこまではないけれども、借金をしなければ大きくならないような企業もあるだろうと思います。これは、本当に、心を透明にし、神仏に願掛けをして、やるべきでしょう。

 

・15兆も16兆も銀行から借金しながら、「何兆円の利益があがった」と言っているところもあります。

 今はそういうことができる時期ですが、先行きには、やはり怖さはあります。

 

今後の10年は“第二のバブル潰し”がやって来る?

・先ほど「強靭な経営をやらなければいけない」とも言いましたが、もう一つ、いま来ているのは“第二のバブル潰し”だと思ってください。そう思っておくと、いちばん間違いが少ないのです。

「もう経済成長は止まった」と思っていたけれども、「現実にはバブルはたくさんあるのだ」ということです。

 

・これは“バブル潰し”です。もう、これから10年は、「バブル潰しの時代を生きながらそこで経済成長を目指す」ということだと思ってください。「不必要なものは淘汰される。不要なだけでなくて、政策や法律によって淘汰される場合もありえる」ということです。

 

・ですから、「バブルが潰れる時代、バブルを潰そうとする政治圧力がかかる時代を生きなくてはいけないのだ」ということを考えながら生きなくてはいけません。

 

・ですから、基本的な考え方としては、「バブル潰しの時代、バブル崩壊の時代のように、政府や自治体がバブルを潰そうとしているのだ。一定の価値判断というか、方向性はあるけれども、この感染、ウイルスというのを使いながら、バブル潰しをやろうとしているのだ」ということを考えながら、「どうやって、そこに生き筋を見いだすか」ということを考えなくてはなりません。バブル期にはバブル崩壊が起きますけれども、不況期には、松下幸之助さんが言っているとおり、強いところはますます強くなるのです。

 

・そして、投資判断においては、「『バブル崩壊時だったら、自分は投資するか。幾らするか』という考え方で判断してください」というふうに答えてください。

 

これから“新しいヒットラー”が現れてくる?

・コロナの流行は続きはしますけれども、実際には、コロナ自体よりも、コロナで怯えることのほうが怖いというか、怯えることで委縮し、いろいろなものが、判断ミスをしたり、やる気がなくなったりすることのほうが、むしろ恐ろしいというふうに私は思っています。

 

・今、“新しいヒットラー”がいくらでも出てこられる状態になろうとしているので、怖いのです。

 

・そういう唯物論、無神論の科学主義の国が、後れた宗教をやっている国よりも進んでいて、はるかに人類のためになるというふうな宣伝をしているわけです。国民はすでに洗脳していますけれども。

 これに対する打ち返しとして、信仰深いところは、「信仰の中身」を進化させるために努力をしていったほうがいいと思います。

 

・あとは、「イスラム 対 イスラエル」のところも、最終解決まで何とか持っていきたいと思っておりますけれども、もっと大きいものが今ちょっと出ているから、こちらが先だと思いますが。

 とにかく、同時並行ですが、「唯物論、無神論、科学による人類洗脳化計画、侵略計画」のようなことは、断固阻止、粉砕しなければいけないけれども、同時に、後れすぎていて近代化が阻まれているところは、やはり直していく必要があると考えています。

 

「自由の擁護」と「チャンスの平等」のバランス

・これに対しては、確かに、共産主義を取るわけではないけれども、「チャンスの平等」をつくる努力は、同時にしなければいけない。自由を擁護する者は、同時に「チャンスの平等」をつくり出していく努力はしなければいけない。

 

・もちろん、この流れのなかには、ちょっと異端の流れもあるから、全部は肯定できません。全部を崩していくことが、左翼的で、人権擁護だというなら、間違いだと思っています。

 

LGBTの“行きすぎ”に対する警告

・今の札幌地裁的な「憲法14条の平等原則から見たら、男女だけが結婚できるというのはおかしい。男と男、女と女も結婚できて、それこそが平等だ」という考えは、憲法解釈上、やはり誤っていると、私は思っています。ついに裁判官もこのくらいまで“イカれてきたか”と思ってはいるのです。

 

・LGBTについても、しばらく意見は保留しておりましたけれども、どうも先行きはよろしくないという考え方が出てきているし、「心は女だけれども体が男だ」という主張をする人のなかにも、そういう人もいるかもしれないものの、やはり、虚偽、嘘とか、あるいは単なる変態趣味まで入っているので、そこまで擁護しなければいけない理由はないと思います。

 

・それは、女装して、いかにマニキュアを塗って、化粧をして、髪を伸ばして、スカートをはいていても、本人はその権利が欲しいだろうけれども、ほかの女子にとっては、女子トイレに来られたら、やはり恐ろしいものです。

 

・こうしたものには「強度の憑依もある」と私は言っているけれども、それだけではなくて、「“変態”の場合もある」ことはあるので、“変態”でも人間だから擁護はされなければいけない部分はあるものの、やはり、一定以上のことをしたら許されないものもあるとは思います。

 

・そういう例外はたまにあるため、それをいじめすぎてはいけないけれども、ただ、メインリーな権利として確立するのは、後世に憂いを遺すことにはなるのではないかと思うので、このへんについては、何でも流れに身を任せたらいいというわけではないということは言っておきたいのです。

 

・なお、イギリスでも「心が女性だから」と女性刑務所に収容された本来男性だった囚人が、二人の女性囚人をレイプした事件がありました。犯人が前科二犯で性犯罪にもかかわっていたことをもっと考慮すべきでした。

 

バブル潰しの時代を戦い抜く強さを

・それから、感染学者が言っていることが全部正しいわけではありません。

 

・やはり、私は、アルコールは一定の率でコロナウイルス等を殺す力があると思っています。それに、強い菌というのはそんなに多くはないので、言うとしたら、「低い度数のアルコールはあまり飲むな」と言うのはいいと思うし、「飲むなら、マッチを擦ったら火がつくような(アルコール度数が高い)ものを飲め」と言って、そのようにすれば、たぶん菌は死にます。菌は死ぬので、消毒効果はあると思います。

 

・分からない本がいちばん売れているとか言っているので、「ちょっと、みんなの頭はおかしいのではないか」と思うのです。

 「暇潰し」と“頭を破壊する”ための時間潰しはほどほどにして、本当に必要なものをちゃんと読んでいただきたい。

 

・ですから、本当に人々のためになるようなものは広がってほしい。ただ、そんな無駄なものは、このバブル潰しのなかで流れ去っても別に構わないというぐらいの「強さ」は持っていたほうがいいと思います。

 

悪魔の世界一元管理

日本は今、独自のコロナ・パンデミック対抗薬を開発すると同時に、次の第二次生物化学兵器攻撃対策を立てておくことである。

 また、中国のアジア覇権拡張主義は、共産主義革命というよりは、愛国主義ナチズムの登場だと考えるべきだし、北朝鮮の核兵器も2030年より前に廃棄させることである。

 悪魔の法治主義や、悪魔の世界一元管理などは絶対に阻止することである。悪魔の帝国への「内政干渉」などは概念としては成り立たず、人間としての救済の責務があるのみである。香港・台湾は助けよ。万一難民が出たら、日本は保護せよ。日本を核攻撃するという国に対しては、万全の備えをせよ。国防をおろそかにする国に、国民は納税の義務はない。神仏を信じる国として自覚を高めるべきである。

 

 

 

 

 


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(13)

2021-11-25 21:23:17 | 森羅万象

 

・人口だけが多い国ではない中国は、人類の厄災となっていくのでしょうか。「上有政策、下有対策」という中国のことわざがあるといわれます。「お上に政策があるなら、下々には対策がある」という意味なのだそうです。共産党の打ち出す政策が大衆には十分でないので、庶民層がサバイバルのためにいろいろと対策をとるということでしょう。世界中のチャイナ・ウオッチャーが、今後中国共産党の打ち出す打開策に注目しているといわれます。 共産党官僚がノーメンクラーツ(赤い貴族)と化し都市部 の民工、農村戸籍の人民などの「豊かさを制限する」といわれます。「15年と16年ともに経済成長率はマイナスではないだろうか。そうであれば、これは、日本にとって明らかにリーマンショック以上の衝撃を受ける」と語られています。

 

 ・世界中にある女性や子供の人権問題を考えると人類にネガティブになる人々も多いことでしょうか。国連やアムネスティ・インターナショナルなどの活動がありますが、「暗闇を呪うよりも一本の蝋燭に火を点せ」ということだそうです。

 

・膨大な人口を持つ中国やインドの女性の人権問題は深刻のようで、両国とも国境戦争をして核兵器を急速に開発したようです。後進国が核兵器を持つようになると、つまり核兵器が拡散すると後進国の「使える兵器」として戦端が開かれると容易に使用されると語られています。切り札としての核兵器は、先進国の妨害にもかかわらず、拡散することでしょう。

  インドや中国などに企業が進出する場合は、カントリー・リスクを考慮して工場などを建てたと思います。が、現在では中国の場合は様変わりで、人件費のコストも上昇して、撤退を真剣に検討している企業も多いそうですが、簡単には撤退できないと述べられています。

 

・周辺国の反日教育をしている国々では、従来の環境が悪くなっているようです。旅行リスクも増えており、観光客も十分に注意して海外旅行すべきなのでしょう。ヴェールやブルカで顔や体を隠すことも先進国では問題とされていますが、長い歴史の膨大な背景があるようで、容易に女性解放とはいかないようです。反米感情や西欧化に反感があり、また国内の明らかにされていない種々の理由により近代化は進展せず、どうしようもないという諦めムードが支配しているそうです。

 

・女性は生まれる前に消されたり、生まれてから消されたり、大変ですが、女性解放は遠い未来の話のようです。

  「中国には、14年の時点で2億6700万人に上る農民工(田舎から都会に出稼ぎに来た元農民)がいる。この人たちの多くは戸籍も住民票も持っていないので、教育や医療福祉の恩恵にあずかることができず、年金など望むべくもない」とのことだそうです。私たち一般人は、「農民工」についてのことを詳しく知らないそうです。日本のメディアでも「豊かな中国人観光客」に焦点をあて、「世界からの観光客」を日本の観光地に呼び込もうということに力点がおかれています。「金持数億人、貧乏人数億人」ということで、「群盲象を評す」といわれます。中国の農民工の子供たちや女性の社会問題も深刻になってきています。有識者が十数年前から懸念していた「中国経済の崩壊」が現実の物語になっています。「ドバイショックの1千倍、リーマンショックの2倍以上の衝撃がまもなく中国からやってくる」ともいわれましたが、どうなるのでしょうか。

 

・とにかく『中国は今も昔も「パンツ製造所」』という表題は、刺激的です。インターネット情報によると、中国の輸出品目は、例えば、機械・輸送設備47%、縫製品・ゴム製品・鉱物性生産品16.3%で、輸出相手国は香港17.4%、アメリカ16.7%、日本6.8%となっているようです。私たち一般人には、中国の貿易や経済の実際の詳細は分かりません。日本が敗退した最近のインドネシアへの高速鉄道の輸出のように、先端技術を必要とする国産の工業製品の輸出を目指して努力しているようです。また外資が多くの工場を建てていますので、その統計も混じっているようです。

  中国ブランドの自動車や飛行機、国産の最先端の工業製品が、世界で売れるのはいつになるのでしょうか。昔のソ連のように民生品よりも兵器の開発に資金と技術者を集中していたようです。中国も「失われる停滞の20年」に突入していくのでしょうか。

 

・「パンツ製造所」といえば、インターネット情報によると、「1963年(中国の最初の原爆実験を行う前年)、中国スポークスマンは、『たとえ百年かかっても、中国は原爆をつくる努力をする。中国はソ連指導者に向かって頭を下げることはしない。アメリカ帝国主義の核恫喝の前で土下座することもない』と述べた。同時期、中国政府・外交部長の陳毅は、『中国人はたとえズボンをはかなくても、核兵器をつくってみせる』と断言した」という話があるようです。常に恫喝外交、瀬戸際政策をとる国のようで、過激で刺激的なメッセージが多かったといわれます。

 

・「当時、極貧状態にあった中国人は、米ソの覇権主義に対抗して中国の独立を守り、真の発言力を確保するためには、『たとえ百年かかっても、ズボンをはかなくても』、中国は自主的な核抑止力を構築する必要がある、と決意していたのである」ということですから大変です。また中国は、生物化学兵器という「貧者の核兵器」を熱心に開発しているともいわれています。過去の戦争や周辺諸国との国境紛争に、現在でも非常にこだわって戦争シナリオを作っているともいわれます。

 

・米中間のサイバー戦争が懸念されております。サイバー犯罪が激増する懸念も指摘されています。深刻な人口問題と社会問題を持つ中国は、国内が乱れると、さまざまな面で国際間のトラブルを起こし自滅していくという「中国崩壊論」が具体化してくるのかもしれません。「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」といわれます。社会問題に起因する国民の不満の爆発を対外戦争で抑え込もうとする遅れた国の古典的な手法が、以前から繰り返し実施され、懸念されてきたそうです。米国の学者も「2016年に中国は昏睡状態に陥る」と予測していたようです。「中国人は国を捨てた人でないと信用ができない」という中国社会特有の国内事情があるそうです。チャイナ・ウオッチャーのさまざまな見解が、多くの雑誌に頻繁に載っていました。

 

・amazonからみてみますと、2016年には『北京レポート 腐食する中国経済』、『中国4.0爆発する中華帝国』『突然死の危機に陥る中国と韓国:悪あがきを繰り返し』、『中国バブル崩壊の全内幕』、『日本人が知らない中国人の不思議な生活』、『地政学で読む世界覇権2030』、『世界を威嚇する軍事大国・中国の正体』、『中国で考えた2050年の日本と中国』、『米中激突で中国は敗退する』等、2015年と変わらずまた一層、中国経済関連のネガティブ書が増えそうです。2016年も全世界のチャイナ・ウオッチャーの専門家たちには、非常に忙しい年になりました。2017年には何が起こっているのでしょうか。

 

・2015年における中国崩壊の関連の書は、2015年前半でも『中国バブル崩壊』、『「死に体」中国の宿命』、『中国壊滅』、『上海大恐慌』、『ロシア転覆、中国破綻、隆盛日本』、『中国経済まっさかさま 中国共産党崩壊間近の予兆』、『ついに中国で始まった大崩壊の真実』、『中国「歴史認識」の正体~繰り返される歴史改ざんの大罪』、『中国大減速の末路』、『日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国』、『こんなに脆い中国共産党』、『中国との貿易をやめても、まったく日本は困らない!』等があり、当然のことながら、私たち一般人には、把握できない量でした。

 

・株式市場の暴落で、ほとんどの週刊誌や雑誌は特集を組んだようでした。「群盲象を評す」といいますが、13億人の中国の実際は、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。特に格差がひどく、上流も人数が多く下流も数億人(?)だそうで、数字が大きく私たち一般人には、中国経済の実態は把握できません。また統計数字が不正確だと言う話はよく指摘されています。一般の社会制度も違いますし、社会の実態は分かりません。セーフティーネットがないことが致命傷になるようです。「上に政策あれば、下に対策あり」ということだそうですが、共産党の政策では急変している中国社会には間に合わないそうです。

 

・特に中国共産党や人民解放軍の内部の権力闘争は、正確なことは誰にも分からないそうです。「軍事クーデターの可能性が、中国の政変シナリオで一番高い」という著者の見解も極論のように思えましたが、「習近平が軍を掌握していない」ともいわれているといわれます。国内でみっともないことが急増するとなると人民解放軍でもやりきれなくなるのでしょうか。荒唐無稽な話も多いようです。13億人の中国では、メディアも十分に情勢を把握できているのでしょうか。

  軍人は武力や兵器を持っており、共産党と一体といわれておりますが、軍部の下層部には、様々な不満が鬱積しているともいわれているそうです。特に軍人の退職後の年金や処遇などの不満が指摘されているそうです。経済の減速で失業者が増え、社会不安をあおっていると語られています。

 

・発表された中国軍の30万人の軍縮も、余剰人員は以前のように武装警察に回される可能性が高いようです。空軍と海軍の近代化を急ごうとするのでしょうか。当初は、ソ連からの武器輸入のみでしたが、研究開発も進んで核ミサイルも作れます。が、軍事技術の欠陥も軍事専門家からは、よく指摘されているように、遅れた面も多いそうです。原子力空母の技術もアメリカ海軍に追いつくには100年もかかると軍事専門家が指摘しています。「2000年から治安維持費の予算が毎年、軍事予算を上回っている。外部の問題よりも内部問題の方がより深刻であるということが、軍事と治安の予算比例の変化からも一目瞭然である」といわれておりました。

 

・13億人の中国が迷走を始めますと世界経済に与える影響は、計り知れないものになりそうです。「難治の国、中国が人類の難題になってくる」ようです。つまりチャイナ・ウオッチャーによりますと「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」と語られています。

  はたして共産党の一党独裁体制で資本主義化した経済システムをいつまで維持できるか多くの疑問がなげかけられているようです。「(近)未来に中国は、ロシア(ソ連)が分割されたように4分割される」というような様々な予測がありますが、これからが正念場のようです。

  「国民の不満をそらすために対外戦争に打って出る」という古典的な政治手法は、共産党の常套手段で現代になっても何回も使われたようです。「人民解放軍が台湾に軍事進攻する前に、漁船スパイ団が出動する」ともわれた時代もあったそうです。今後、歴史のシナリオはどのように展開するのでしょうか。

  「日中問題」は、過去から非常に多くの議論のある問題ですが、「誰よりも中国を知る男」といわれている中国出身で日本に帰化した評論家として活躍する石平(せきへい)氏関連の135冊以上の書籍が注目されていたようです。書籍は『世界が地獄を見る時』、『「カエルの楽園」が地獄と化す日』、『習近平が中国共産党を殺す時』『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』、『中国バブル崩壊の全内幕』、『習近平にはなぜもう100%未来がないのか』、『私たちの予測した通り、いよいよ自壊する中国!』、『暴走を始めた中国2億6000万人の現代流民』、『なぜ中国はいつまでも近代国家になれないのか』等です。

 

・『ウィキペディア』によると石平氏に関して「石は一貫してバブルに依存してきた中国経済の歪みと脆弱さを指摘し、いずれやってくるバブルの崩壊に伴って、無理に無理を重ねてきた中国の高度成長はやがて終焉を迎えると予測する。そして、中国経済が一旦破綻した場合、失業の拡大や民衆の不満の噴出などによって、中国国内は大混乱に陥る可能性が十分にあるとも警告している。また、国内が大混乱に陥った時、中国共産党政権は国内の危機回避のために対外的冒険行動に打って出る危険性についても警告を発している。」といわれます。

 

・またウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)によると、石平氏の(生い立ち〜日本との関わり)「中学校時代、ゴミ拾いの貧しいお婆さんが近所に住んでいて、いつも学校帰りの石少年ら子供たちは、そのお婆さんから笑顔で「勉強頑張ってね」と声をかけられていたが、ある日突然そのお婆さんが消え、「反革命分子」として政府に逮捕されたことを知る。数日後、町中の市民に見せつけるためトラックに乗せられ一巡されたゴミ拾いのお婆さんが、処刑場に引きずり出されて銃殺された。なぜ、このお婆さんが「反毛主席」の大罪で処刑されたかというと、ゴミ捨て場から拾った新聞紙(毛沢東の顔写真を印刷されていた)で大根を包んでいたから、という理由だった」とのこと。それにしても「中国人は国を捨てた人でないと信用ができない」という中国社会特有の国内事情があるといわれます。

 

・日本も「失われた20年」の日本経済の惨状といわれますが、国家経営の経済政策実務に通じた本当に優れた政治家や官僚が登用されなかった結果ではないのでしょうか。社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。「日本は先進国だろうか」という声も街中では増えてきているようです。「女性の登用も先進国とはいえない」そうです。女性の眼から見ると「政治や経済の後進性」を痛切に感じることでしょうか。安倍総理自身もアベノミクスの失敗を認めたといわれます。国家経営の実務に精通したベスト&ブライテストのテクノクラートの英知を結集した「国家改造計画」が求められていると語られています。

 

・実務的には「政治家は勉強する時間があまりないので年季のある官僚の資料に従って判断するしか方法がないがゆえに、昔も今も常に官僚統制だ」といわれます。官僚と政治家の各々のベクトルに混乱があるのでしょうか。困っている人も増えており、単に政治の貧困としては片づけられないそうです。「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。「政治家は選挙民の対応に追われて、勉強ができない」そうです。いつまでも「政治が遅れている」ということでは複雑化する社会問題に対応できないでしょう。「日本の政治家はアメリカのロビイストのような役割を果たしている」という説もあります。「民主主義国家においては国民はその程度に応じた政府しか持ちえない」、「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」ということで、私たち一般人は、政治意識を高めていく必要があるといわれます。政府にはベスト&ブライテストが集結しているはずですが?!

 

・中国では『太子党』といって中国共産党の高級幹部の子弟等で特権的地位にいる者たちがおり、これは自身の地位安定と一族の団結を図る中国の伝統的な大家族主義に由来しているそうです。ここにも中国共産党のアキレス腱があるそうです。世襲、血筋ということで、どこの国の親も自分の子どもが可愛いのでしょう。「世襲は本能に従っているから止められない」そうです。その結果「唐様で書く三代目」といいますが、一般的に世襲は、良い世襲と悪い世襲があるようです。欧米のフリーメーソン組織も世襲を前提にしているともいわれます。

  「誰よりも中国を知る男」石平氏のいう「絶体絶命の地獄へと落ちていくような中国経済の凋落ぶり」、ネガティブな状況に各界の関心が高まっていたそうです。各国の情報機関やマスコミは、「中国の減速、激変」を予測し、各国政府は、対策をとる段階でしょうか。はたして中国経済・政治・社会の動向はどうなるのでしょうか。どこの国でもリセッション(景気後退)はありますが、不況か恐慌では困ります。

 

・ギリシャ危機が世界経済に大きな影響を与えました。シリアからの難民問題でEUが内部的に混乱しています。ヨーロッパでも経済問題を抱えている国も多く、難民を吸収できる国は、少ないようです。また中国経済減速の変調は、多くの数字になって表れてきているといわれます。中国の経済統計の数字が信用できないという話も昔からありました。そもそも「国を捨てた人でしか信用できない」という中国特有の話もあるそうです。従来は「元高」がエコノミストの多数説で、「元安」が経済評論家の少数説でしたが、今は「元安」が多数説になりました。中国共産党も体制の維持のためにさまざまな政策を打っていくことでしょう。「上に政策あれば、下に対策あり」ということで、どのような展開が図られるのでしょうか、チャイナ・ウオッチャーは緊張して注目しているようです。それにしてもさまざまな統計数字に矛盾が現れているそうです。

 

・ギリシャ危機で、世界の株式市場は下げましたが、中国経済の減速で世界の株式市場はどのようになるのでしょうか。「株式市場は半値八掛け二割引きで底が入る」という説もあるそうですが、そこは相場のこと、世界の株式市場が予想される経済の変動にどのように反応するのか誰も正確には予測できないと語られています。為替相場もどのように動くのか誰もわからないそうです。「ドバイショックの1千倍、リーマンショックの2倍以上の衝撃がまもなく中国からやってくる」ともいわれていましたがどうだったのでしょうか。トランプ候補の勝利の背景のように「世界中の難民や不法移民を養えないという現実的な問題」があるといわれます。グローバリズムに対するナショナリズムが強くなってくるともいわれます。

 

・日本で豊かな中国人観光客を見慣れていると、中国国内の実態は掴めなくなるといわれます。「群盲像を評す」と言われますが、膨大な人口の中国は、あるところではゆっくりとゆっくりと、またあるところでは想像を絶するほど急激に動いていると語られています。私たち一般人には、中国の国内の動きは理解不能なことが多いようです。はたして『中国はもう終わっている』のでしょうか。米国の学者も2016年に中国は昏睡状態に陥ると予測していましたが米国の学者の多数説になりつつあるのでしょうか。

  中国のシャドーバンキング(陰の銀行)問題は、誰もが懸念していた事態のようです。多くのメディアの記事として登場しました。詳しい数字を比較するよりも、既に実体経済の不動産バブルの崩壊に現れているようでした。不動産バブルの崩壊がメディアで誰の目にも映りました。

  シャドーバンキングの崩壊で、影響は人民元の水準にまで及びそうです。以前から元高ということで、本来は元と言う通貨は強いものだという事になっていました。「元が安くしているので中国の輸出が急伸している、元高に是正せよ」という論理が大勢でした。しかし、莫大な紙幣の発行によって、実は通貨としての元は安いのではないのだろうか、という理論に変わりました。以前から少数説でした。実際に大幅な元安になると中国への外国からの投資は莫大な評価損が出ることでしょうか。今では「元安」が多数説になりました。

 

・あるインターネット情報によると「その時は35~40兆元(560~640兆円)とも噂されている想像を絶する超巨大バブルの崩壊が始まる時となり、世界経済崩壊の引き金を引く時となりそうである。 国家予算も国内総生産(GDP)も我が国とさして変わらない中国で、500兆円を超す不動産投資の破綻によって生じる不良債権額を考えると、空恐ろしくなってくる」とのこと。眉唾物かもしれませんが、私たち一般人は、経済学者でもエコノミストでもないので正確な数字は分かりません。中国については、正確でない統計数字の問題から私たち一般人には、訳が分からないことが多いそうです。が、日本のバブル経済の崩壊、米国のリーマンショックの崩壊のようなものがゆっくりと中国を覆うそうです。

  同じ著者(宮崎正弘)(チャイナ・ウオッチャー)の『中国共産党 3年以内に崩壊する!?』(2013/12/11)(海竜社)という本によると「「天安門車炎上」は予兆でしかない・・・2014年に中国経済が崩壊しはじめ、2015年に共産党による秩序が瓦解し、2016年に中国全体は昏睡状態に陥る。「政府内クーデター説」も浮上!!」とのことだったそうです。

 

・神々の憑依により予言の超能力や驚異の透視能力を発揮する新興宗教の教祖は、古今東西多いようです。予言的中率の低い、夢見の預言者ジュセリーノ・ノーブレガ・ダ・ルースはいまだ新興宗教の教祖様にはなっていないようです。アカシック・レコードでも見ることができれば、正確なこともわかると語られています。

  「2014年から2016年に、300人もの日本人幼児が北朝鮮に拉致される」という予言も私たち一般人には理解不能の話でした。どのような背景、解釈があるのでしょうか。異次元のパラレル・ユニバース(並行宇宙)の話でしょうか。荒唐無稽な話が一つでもあるとにわかに全体が信じられなくなるようです。予言が当たらなくなるのは、パラレル・ワールドとの相互作用・相互干渉があるからだという説もあるようです。一つでも当たらなくなるとメディアでは「過去の人」になるようです。

 

・現代では、米国において、遠隔透視能力“千里眼”をもつ超能力者を諜報機関や犯罪捜査機関が採用し、困難な事件を解決しているようです。遠隔透視能力“千里眼”は、神々の領域の能力としか思えないそうです。日本のような敗戦国は本格的な情報部を持てないそうですが、この点も私たち一般人には理解不能のようです。「諜報機関は国家安全保障上の要の組織である」ともいわれます。「諜報機関は国家にとって最も重要な死活の国家組織だ」そうなのに日本には諜報機関はありません。公安調査庁の元部長によれば「日本は諜報機関のない世界的に珍しい国だ」そうです。「諜報機関のない国は既に国益を大きく損ねている」ともいわれます。「諜報機関のない国は拉致事件にも無力だった」そうです。

 

・また、日本国情報部はエスパー(超能力者)によって率いられる必要があるそうです。一説では敗戦後、日本の神さまがソ連に引っ張られたとか、敗戦後アメリカの神さまが日本の神界のトップになったとかの色々な与太話があるそうです。

  米国のCIA(中央情報部)のような能力のある日本国情報部を持つべきだという議論は保守党の政治家からもあまり出てないようです。戦争中の軍部の悪いイメージが原因のようです。その点、外国の諜報機関は、ますます強力になっているという説もあります。現実に米国の諜報機関や他の国の諜報機関が異星人情報を「アバブ・トップシークレット」として独占しているそうです。米国のような先進国では諜報機関が、実質的に政治を引っ張っているといわれます。

 

・日本でも神々に通じているチャネラーを全国から見つけ出し、社会的に有効に活用する組織や制度を作らないと、この方面でも米国に遅れていることになるでしょう。米国はエイリアンの超テクノロジーを入手しようとしてエリア51などで国家資金と科学者の総力をあげて研究しているそうです。日本も空飛ぶ円盤や異星人とのコンタクトに諜報機関が務めるべきでしょうか。「エイリアン・エンジニアリング(宇宙人科学技術工学)」は米国の一人勝ちでしょうか。諜報機関とフリーメーソン組織は関係があるともいわれます。金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けた、といわれます。「その彼らは地球から68光年離れた惑星クイントニアに住む宇宙人で母星から「エリア51」まで45分で移動できる」といわれます。

 

・中国の経済状態の減速の変調は、一般紙の新聞でも報道するようになったようです。中国経済の変調は世界的な経済の変動要因になるようです。バラ色の未来のはずだった中国経済がバブル崩壊で大変なことになるということ、ネガティブな見解を唱える人々が急増していました。特に失業者が増えてきているので大きな問題になっているようです。数億人の社会保障のセーフティーネットがないともいわれます。中国国内の暴動が激増しているそうで、「中国国内の内乱に、絶対に巻き込まれるな」と言う専門家が多いようです。

 

・原発の事故は日本国内ばかりでなく、近隣諸国の場合も考えておかないと、放射能の飛散などの問題がでてくることでしょう。原発事故で、全部の原発を廃炉にせよ、と叫んでいる政党もあります。が、化石燃料の寿命があと200年しかない現実を考慮すると、フランス型の原発を中心におくエネルギー計画が実用的、実際的であるといわれます。「エネルギー政策を間違えると日本経済の破たんに直接結び付く」といわれます。

  アメリカのマクモニーグルが語るリモート・ヴューイングの世界では、人類の未来は悲観的なことばかりではないといわれます。そして、このような未来世界の遠隔透視はまともな学者が扱わない世界だそうです。宇宙人はタイム・トラベラーが一般的で、時空を超えているので、地球人に未来をビジョンで見せたという話も多いようです。

 

・「2012年もリモート・ヴューイングで見ても、地球の壊滅とか、人類の滅亡などは見えない」そうですので、心配無用だったようです。21世紀前では、「核戦争による人類の滅亡」の予言が非常にマスコミをにぎわしたものです。「2012年、伝説の神、アヌンナキが戻ってくる」といわれました。「シリウスのテクノロジーは、アヌンナキによって地球にもたらされた」そうです。爬虫類人(レプティリアン)も人間タイプは非常に知性的な顔をしているといわれます。しかし、「20世紀の核戦争の予言」については、すべてが誤りの予言の結果となったためにマスコミは沈黙したままでした。2012年のアセンションの話も騒ぎ立てることもない話でした。すべてスピリチュアルな過去の話となりました。しかし、2015年からはイスラム国の戦闘もあり「第3次世界大戦」の単語もメディアに載るようになりました。またマクモニーグルの未来透視に「23世紀と24世紀における2度の大戦で人類の人口が6分の1に大激減する」というのがあります。「21世紀には核戦争は絶対にない」という保証はありません。リモート・ヴューイング(遠隔透視)のメカニズムも私たち一般人には理解不能のようです。高次元の神さまにでもビジョンを見せてもらうのでしょうか。リモート・ヴューイングも昔からある超能力の一つのようです。

 

・「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象だ」そうですが、UFOはフリーメーソンの創作だという見解もあるようです。しかし、「日本はUFO後進国だ」そうですので、政府が本格的に乗り出したという話は聞いておりませんが密かな動きがどこかであるのかもしれません。日本でもプレアデス星人とのコンタクト話も書籍に載ることもあるようですが、私自身は実際に詳しくは調べていません。エリア51については、アメリカ政府は、その存在を一度も認めていないそうです。エリア51で白鳥座61番星の異星人とコンタクトしていた日本人科学者もいたといわれます。「その彼らは地球から68光年離れた惑星クイントニアに住む宇宙人で母星から「エリア51」まで45分で移動できる」と語られています。グレイタイプの異星人のようです。

 

 

 

 

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・ブログ名称: UFOアガルタのシャンバラ

日本は津波による大きな被害をうけるだろう

・第2のブログ名称:UFOパラレル・ワールド

「神の国か?」「人類の原郷か?」 「天上のエルサレムか?」・・・・・・・・・

「パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の殖民星が、地球か?」、「ネガティブのシリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こるのだろうか?」

「金髪碧眼のノルディックが住んでいたアガルタのシャンバラ情報の集大成を目指す・・・・・・・・・・」「金星蛇人と火星霊人の戦争はその後どのように展開したのだろうか」
「日本民族の神話の原郷『高天原(たかまがはら)』は、『都市型の超巨大宇宙船』なのか!?」「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔なのか」
「小人族のグレイの母船に同乗する金髪碧眼のノルディックは、”悪魔の王””ルシファー”なのか?!」

「円盤は神人や異人、悪魔の乗り物なのか!?」「天使は神の秘密諜報員なのか」「神は最初のフリーメーソンなのか」

「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか」

「全宇宙を創ったという“虹の神々”も地球に来ているのだろうか」

「イルミナティなどのフリーメーソン組織に入ると神に会えるのだろうか」「金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けたのだろうか」「フリーメーソン結社はこの大地が創出されるよりずっと前から、さまざまな太陽系をめぐって、存在していたのだろうか」「フリーメーソンとは、“現在、世界で信仰されているいずれの宗教より古い”教団となるのだろうか」

「国際連合の設立に動いたキリストの星、アプ星人とは」

「人は皆、記憶喪失の異星人だろうか」

「はるかに進化した天使のような宇宙人は、人間の守護霊や背後霊なのだろうか」「セドナ上空に見えないエーテルのシティが滞空するのだろうか」

「シリウス星人の故郷である天体イジュニュは、もっと高い周波数で共振する6次元の天体であり、地球の宇宙と同時に存在するパラレル・ユニバースに存在するのだろうか」

 

グーグルのブロガー(多言語翻訳)にも書いています→UFOパラレル・ワールド

 

  

 


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(12)

2021-11-25 21:22:14 | 森羅万象

 

・イルミナティの「世界人口削減計画」というものがあるそうですが、内容は荒唐無稽・支離滅裂で爬虫類人(レプタリアン)のような異類のアジェンダとしか思えないもののようです。『これが中国の国家犯罪だ』(ジャムヤン・ノルブ・文藝春秋)という本があります。それは中国の一端を示しています。

  インターネットによると、「多数の死刑囚からの移植用臓器摘出、強制堕胎、チベット仏教をはじめとする宗教弾圧、ならずもの国家への核兵器供給・・・。チベットを代表する作家が、中国の限りない非人道的行為を糾弾、「中国製品不買運動」を呼びかける」という内容だといわれます。強制堕胎の実態もひどいもののようです。荒唐無稽、奇妙奇天烈、支離滅裂で眉唾物で疑念がわくような話だといわれます。

 

・ちなみにイルミナティの「世界人口削減計画」といえば、14世紀の中世ヨーロッパのペストの大流行があります。ペストの大流行で、全世界でおよそ5000万人、当時のヨーロッパの人口の3分の1から3分の2、約3000万人が死亡したと推定されています。荒唐無稽な奇説として「当時UFOが霧状のペスト菌をバラまいていた」「ペストは宇宙人の細菌兵器だった」というのがあるそうです。中世ヨーロッパ上空では多数のUFOが目撃されていたようです。しかし、イタリアのクラリオン星人のコンタクティ、マオリッツオ・カヴァーロによると、爬虫類人(レプタリアン)といっても神に近い人間タイプは、知性的な顔をしているといわれます。

 

・広島型の5000倍の破壊力の核兵器が開発されている現在、「日本は核兵器の1発で終わりになるので、核兵器は持たない」から「日本は核兵器の1発で終わりになるので、核兵器を持つ、核シェアリングをする」という具合に大衆の常識が変わってくるといわれます。後進国は必ず核兵器を使うといわれます。通常兵器では対抗できないからだそうです。また遠い将来には核戦争で世界の人口が激減するという未来透視もあると語られています。この方面に脳天気(ノー天気)ですと、日本も歴史から消えていくことになるでしょうか。北朝鮮の核ミサイルに

世界の関心が集まっているといわれます。

 

・それに、「原発事故で経済に大打撃を受けたので、原発を全廃する」から「原発事故で経済に大打撃をうけたので、安全性を高めた原発を、化石燃料が枯渇する前に新規に50基作る」という天国と地獄ほどの違いの発想の転換を国民が決めることでしょうか。ドイツが原発を持たない政策をとっているのは、核戦争を想定しているからなのでしょうか。チェルノブイリ原発事故が原因ともいわれます。「将来の核戦争を想定すると原発セロが正解となる」のでしょうか。石油が高騰すると漁船による漁業も採算があわなくなるといわれます。エネルギー問題は日本経済の破たんの死活問題にも結び付くといわれます。

 

・世界的にも犯罪数は増加しているのではないのでしょうか、インターネットによるとアメリカは世界最大の犯罪者大国で、また刑務所大国のようです。現在、アメリカでは約220万人が刑務所に収監されています。日本の場合は約8万人で人口比を考えてもいかに多いかが窺われます。このほかアメリカには約700万人が仮釈放中などで司法当局の監視下にあるといわれます。

 

・刑務所の中に黒人、白人、中南米の人種別のギャング組織が出来て、刑務所内の暴力が激しいと述べられています。そのために囚人は自分の身を守るためにギャング団に入るそうです。その結果、刑務所を出た後の再犯率が高く、収監者が釈放後の3年以内に逮捕される確率は3分の2だそうです。日本人も多く住んでいる米国ですが、自分で警戒・銃で自衛しないと恐ろしい目に会うことになるといわれます。「郷に入れば郷に従え」ということでしょうか。

 

・私たち一般人は、アメリカ人の生活については詳しくは知りませんが、研究をすれば面白いほど日本のそれとは違うのではないのでしょうか。1400万人の不法移民が、アメリカの社会保障制度を異質なものにしているといわれます。不法移民の問題が大統領選挙でも大きく論議されました。

  いろいろな凶悪事件が起きても犯人が捕まらないのは、日本の警察が無能力なのではなく、警察官の不足と、昔とは違った犯罪形態、違った犯人像が増えてきているからだと語られています。ここで警察の検挙率が上がるように創意工夫と奮起を望みたいものです。あるいは警察も多くの組織のように「劣化」が始まっているのでしょうか。また振り込め詐欺にしても被害者が高齢者で被害額も多額ですが、犯人グループを一網打尽にできない警察捜査の劣化が窺えると語られています。

 

・ゲイ(LGBT等)の話は、会社や社会の大きな話題になったりします。性的マイノリティーのために、さまざまな法的な便宜を考慮することに反対する人々もいるようです。私たち一般人には、LGBTについては理解不能なことが多いようです。しかし、社会生活や会社の経営者や大学の経営者等、マネジメント層には必須の要素になりつつあります。今の経営者、総務部や人事部には、それ相応の対応が必要になります。LGBT(性的少数者)は、刑務所に入れられたり、死刑になるような国も少なくないようです。ゲイの政治家も増えてくるのでしょうか。

  米軍にゲイ(LGBT等)を入れるかどうかで問題になったのは昔のことで、今では「米陸軍長官に初の同性愛者 オバマ大統領が指名」というニュースもあったようです。欧米の状況が日本にも影響を与えつつあります。LGBTと堕天使(進化した異星人)の関係も昔から、分からない話のようです。オネエタレントの活躍もありますが、ゲイバーで遊ぶ人々は少なくないのでしょうか。LGBTの学生の問題にも私たち一般人は、驚く内容のようです。LGBTと自衛隊の関係はどうなのでしょうか?リーマン・ブラザーズ証券は、リーマン・ショックで知られ、倒産しましたが、LGBTの人事の扱いは米企業ではトップレベルだったようです。日本の大企業でもLGBTは今の問題なのでしょうか?「職場のLGBT」の問題も、複雑な社会問題のようです。

 

・「大本教の出口王仁三郎は自分はオリオン星から来たと語っている」と述べられています。「大本には二人の教祖がいて、一人は開祖出口直、もう一人は出口王仁三郎だが、二人にはそれぞれの御霊を表す象徴的呼称があった。開祖は『変性男子』といい、王仁三郎は『変性女子』と呼ばれている。これは開祖のお筆先にも記されていた。『変性男子』とは、体は女だが心は男という意味で、『変性女子』とは逆に体は男だが心は女という意味だ」ということです。現代風にいうとゲイ(LGBT等)の一種なのかもしれません。「不思議なゲイの現象は、宇宙人の人格転換である」という説もあります。カリフォルニアではゲイ(LGBT等)の宇宙人の話もあったようです。

 

・グランドマスター・クラスは、シリウスやリラ、プレアデス等の重要な場所にニルヴァーナ(涅槃・天国)から瞬時に移動できるそうです。現代でもマスター(大師)と交信している人間が存在するようなので不思議です。「歴史上、様々な分野で尊敬されている著名なマスターたちは多くが同性愛者だ」といわれます。LGBTはマスター(大師)達がゲイであることが多いことも背景にあるのかもしれません。「アンタレス人は、トルコ人、ギリシャ人、スペイン人のDNAに関係し、同性愛者で生殖目的でのみ女を使用すると考えられている」といわれます。アバブ・トップシークレットの話ばかりのようです。その昔、アンタレスにエーテル質量を操作できる異星人がいて、自由に宇宙旅行をしたといわれます。

 

・米国が秘密協定を結んだのはラージノーズグレイというオリオン星人といわれています。オリオン星人は人類に5万年進化しているといわれ、「人間の魂の交換」ができるようです。『遠野物語』の「異人」はオリオン星人だったようです。「奇妙なことに、オリオン人はかっては琴座からの移民である人間らしい存在だったが、その後レプティリアンに征服されてしまった」ともいわれます。地球では白人種と定義されている「エリエン」のルーツはオリオン星雲にあるといわれます。

 

・「トールホワイト」とよばれる2メートルから3メートルの白人種のオリオン星人も報告されているようです。トールホワイトと米政府はコンタクトがあるようです。オリオン座は「神の故郷」ともいわれますが、『闇の勢力』も経由地にしているようです。シリウス人はオリオン人と交戦していた。この敵対関係は今でも続いているともいわれます。堕天使ルシファーもオリオンからやって来たそうです。ネガティブなオリオン・グループは“闇の勢力”を形成しているのでしょうか。「フランスの『美女と野獣』の話は、異類婚姻譚だ」そうです。イルミナティの空飛ぶ円盤はタイム・トラベルができ、「米軍の将軍が同乗していた」ともいわれます。

 

・「黄昏に女や子供の家の外に出ている者はよく神隠しにあうことは他の国々と同じ。-遠野物語第八話」、「遠野郷の民家の子女にして、“異人”にさらわれて行く者年々多くあり。ことに女に多しとなり。-遠野物語第三十一話」という伝承があります。異類異形の異人ばかりではなかったようです。異人はオリオン星人ともいわれます。当時の警察は異人をどのように把握していたのでしょうか。「平氏の“平”がヘライ(ヘブライ)に由来すると考えると平氏はセム系、ユダヤ系ということになってくる。源平合戦はハム系とセム系の争い」と言われます。平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔ともいわれます。「遥かに進化した高次元の高等知性体・異星人は、人間の肉体や精神体に憑依するので誰も識別できない」そうです。人間の背後霊が様々な工作をするともいわれます。

 

・またヒトラーは霊媒で宇宙人から「人格転換」を受けた“霊界から来た男”ともいわれます。ヒトラーは超人によって人格転換を受けたのかもしれません。冴えない水彩画家だったヒトラーは、悪魔のような別人格になったようです。ヒトラーの生誕地は霊媒の多い地域だったといわれます。アルデバラン星人は、ゲルマンの諸民族とスカンジナビア人、特にバイキングの創作と管理を担当したといわれます。アルデバラン星人はアーリア人の「超人」であり、ゲルマンの神々だったようです。地球から68光年の距離にある牡牛座のアルデバラン太陽系の二つの惑星からなる“スメーラン帝国”は現在もあるのでしょうか。皇帝は魔神か堕天使だったのかもしれません。中世のドイツの領主はほとんどが「異人」か「異人」の末裔ともいわれます。

  ゲイ(LGBT等)の科学的、医学的な研究については私たち一般人は、よく知りません。しかし、ゲイは世界的に増えており、ひとつの社会的現象となっているようです。ゲイ(LGBT等)の社会的な取り扱いもなぜか日本的なようですが役所の対応も増えてきているようです。アラブ諸国は反西欧という背景があるそうで、宗教規律には厳しいようです。

 

・柳田國男が「性的習俗・差別的文化の取り扱い方」において、否定的で、あえて研究対象としては、避けたようです。しかし、「性的習俗・差別的文化の取り扱い方」の研究は、知る人ぞ知る世界のようで、研究や資料も膨大になるようです。やはり「性的習俗・差別的文化の取り扱い方」は、現代ではタブー化されているのかもしれません。柳田國男は「淫風陋習」として、研究対象としなかったようです。現代でも「フーゾク」は盛んのようです。「津山事件」の背景には、「夜這い」という性的な習俗が原因であったともいわれます。『八つ墓村』(横溝正史)の小説の映画化もあり、かなりそのイメージがキャッチコピーとして、テレビに流されたこともあり、記憶に残っている人々もいることでしょうか。古くは『万葉集』の時代からの記録もあり、古い起源の性的な習俗のようです。性的な習俗は、「異人」が始めた、教えたという話もあるようです。中世ヨーロッパの「初夜権」等のおぞましい性的な習俗は、世界的にも、あったようです。領主が「異人」だったことが背景にあるのかもしれません。歴史的にも中世ヨーロッパは、暗い暗黒の話が多かったようです。昔の宇宙人が関わった性的な習俗も多かったのかもしれません。「初夜権」はウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)にも載っています。柳田國男は「近代化を急ぐ」政府の官僚だったので、あえて、記録に残さなかったようです。現代でも花街の「フーゾク」は変化してきているようです。宇宙人が昔から開発した性的な習俗は「書けないこと」も多いのかもしれません。堕天使が地球の女を狙って降りてくるといわれます。堕天使の性的な能力は異常に高いともいわれます。ヨーロッパでは「売春とスパイが最古の職業」と語られています。ちなみに、戦争中や終戦後のことも「書けないこと」が多いそうです。宇宙人が、太古からスパイと売春と麻薬を扱っているという怪説もあるといわれます。

 

・ザシキワラシ(座敷童子)は、現代でも時々、話題になる「子供の神様」のようです。「子供の神様」の伝説は、世界中にあるようです。姿形は、「子ども」ですが、その本質は、「神様」だったようです。「宇宙人は“幽体”や“霊体”で目に見えない異次元に存在している」ともいわれます。ある意味で「宇宙人」現象ともいえるのでしょうか。「宇宙人と普通の人間を区別できなくなっている」時代だそうです。「はるかに進化した宇宙人が人間の精神体に侵入してくる時代だ」そうです。また、「人は皆、記憶喪失の異星人だ」ともいわれます。

 

・ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)によると「座敷童子(ざしきわらし)は、主に岩手県に伝えられる精霊的な存在。座敷または蔵に住む神と言われ、家人に悪戯を働く、見た者には幸運が訪れる、家に富をもたらすなどの伝承がある。柳田國男の『遠野物語』や『石神問答』などでも知られ、『遠野物語』の17話・18話および『遠野物語拾遺』87話に「ザシキワラシ」または「座敷ワラシ」の表記で話が掲載されており、17話には「この神の宿りたまふ家は富貴自在なりといふことなり」「ザシキワラシは座敷童衆なり」と記述がある。近年では、座敷わらしに会える宿として岩手県の「緑風荘」「菅原別館」「わらべ」などがテレビ番組や雑誌に取り上げられることでも知られている」とのこと。

 

・ザシキワラシ(座敷童子)は“アストラル界の住人”なのかもしれません。あの世からこの世に現れるとき、人間の目に映るのかもしれません。見えるものと見えないものがいるので奇妙です。ザシキワラシ(座敷童子)は、異次元の宇宙人現象ともいえます。「あのグレイも壁を透き通るようにして部屋に侵入してくる」そうです。ザシキワラシ(座敷童子)は農民たちの幻覚や共同幻想、妄想ではなさそうです。ザシキワラシ(座敷童子)と家の盛衰が結びつくようで、不思議な伝承のようです。赤い顔のザシキワラシ(座敷童子)は、赤い顔の「異人」を連想させます。「アストラル界にもアストラルの惑星がたくさんあり、アストラル界またはアストラル次元と呼ばれる世界を構成している。地球で人々がアストラル界で過ごす期間は、数週間から何百年にもわたる」ともいわれます。人間の死後の世界、幽界や霊界、宇宙人のアストラル界やエーテル界も互いに似ている世界ですが、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。

 

・昔のアストラル界の本をみるといろいろなことが分かります。『アストラル界』(C・W・リードビーター、神智学協会ニッポンロッヂ 昭和59年5月)。住者として「人間」「生きている者」(①アデプトとその弟子達、②サイキック的に進歩している人、③普通の人、④黒魔術師とその弟子)

 

「死者」(①ニルマナカカーヤ、②輪廻を待つ弟子、③死後の一般人、④亡霊、⑤魂殻、⑥活気づけられた魂殻、⑦自殺者及び不慮の死の犠牲者、⑧吸血鬼と狼人間、⑨灰色の世界の人間、⑩黒魔術師とその弟子)

 

「人間でないもの」(①我々の進化に属しているエレメンタル・エッセンス、②動物のアストラル体、③凡ゆる種類の自然霊、④デヴァ――カマデヴァ――ルーパデヴァ――アルーパデヴァ――デヴァラヂャ)

 

「人工的なもの」(①無意識につくられた四大霊――守護の天使――②意識的につくられたエレメンタル――③人的人工霊)が載っています。アストラル界の住人の種類も多いようです。また「アストラル界はとても巨大です。ここに存在する全ての世界からおよそ600億人の人間タイプの生物が集まっている」といわれます。「アストラル界下層にいる霊たちの多くは、地球上の種々の問題を引き起こす原因となります。彼らはテレパシーで地球上の人間と交信する」といわれます。

 

・ザシキワラシ(座敷童子)を某テレビ局が旅館に泊まりこんで追跡した番組も昔はあったそうです。ですから現代でもザシキワラシ(座敷童子)の存在を疑う人は少ないようです。「柳田國男の著書『妖怪談義』によれば、1910年(明治43年)7月頃、陸中上閉伊郡土淵村(現・岩手県遠野市)の小学校に座敷童子が現れ、1年生の児童にだけ見え、年長の生徒や大人たちの目には見えなかったという」とのこと。

 

・「昭和・平成以降も営業し続けている、岩手県の金田一温泉「緑風荘」、盛岡市天神町の「菅原別館」「わらべ」などの旅館は、座敷童子のいる宿として知られ、宿泊客が座敷童子を見た、足音を聞いた、体を触られた、といった話がある」そうです。

 

・「緑風荘」は、2009年10月4日に起きた火事で、ザシキワラシ(座敷童子)を祀る中庭の亀麿神社以外が全焼しました。それで、営業停止状態となっているそうですが、再建されたようです。「緑風荘」のインターネット情報に詳しく載っているようです。

 

・「幽霊」の伝説も世界中にあります。幽界や霊界から、幽霊が出て来たと考えられます。これも異次元の宇宙人現象ともいえましょうか。「異星人は物質化、非物質化ができた」そうですが、この現象が私たち一般人は、理解できません。幽霊は、その地の関係した人物に似ていますが、別の「幽体」と考えることができるようです。例えば、「親の幽霊」といいますと、親に似ていますが、詳細は、どことなく違うといった印象を与えるといわれます。パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の植民星が地球ともいわれます。高次元のシリウス星人が関係する異次元現象なのかもしれません。「霊界」は、遥か彼方にあるのではなく「地上1メートルのところにある」そうです。

 

・日本における「国家改造計画」は、様々な研究団体やシンクタンク、政府関係の研究所のテクノクラートによりいろいろと作成されているようです。「日本アカデメイア」は、各界の有志92人が集まって、12年4月にスタートさせたそうです。「長期ビジョン研究会」は、経営者、官僚、学識者、労働組合幹部など産官学有志の参加を得て、2年間をかけて、検討されたようです。日本の定年制は1950年代、主に工場労働者を対象に普及したもののようです。将来は、米国のように「定年のない会社」が増えて人口減少による「労働革命」が実現されるのかもしれません。「定年を75歳にして、消費税を20%に上げれば、社会保障制度の立て直しが実現できる」という説もあるようです。「それこそ税金の無駄遣いを止めて、司法・立法・行政の大胆なリストラを断行すべきだ」そうです。

 

・社会保障制度と税金、財政赤字の問題の解決が喫緊の課題のようです。自殺者数も相変わらず多いそうで、「末法の世」なのかもしれません。「失われた20年」といわれますが、今の世の中「クール・ジャパン」ばかりではないようです。「失われた20年」は、長い期間で、日本人の適応力が疑われたようです。社会の暗い面が予想以上に多いようです。政府にはベスト&ブライテストが集まっているはずです・。が、大胆な改革を断行して、東日本大震災から発する原発事故の「国家的危機」を乗り切りたいものです。「民主主義国家においては国民は、その程度に応じた政府しか持ちえない」、「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」ということで、私たち一般人も政治意識を高めていかねばなりません。ゲイ(LGBT等)の問題もインターネット時代で、開かれたものになり現代風です。

 

<●●インターネット情報から●●>

 

・「日本では定年があるのが当たり前という感覚がありますが、世界では定年制度が禁じられている国もあります。アメリカでは年齢を理由とする事業主の差別行為は禁止されており、航空機のパイロットやバスの運転手など例外的に定年制を設けることが許される職業がある以外は、年齢を理由に労働者・雇用者を退職させることはできません。カナダ、オーストラリア、ニュージーランドも同様に定年制は禁じられており、イギリスでも2011年10月から定年制が廃止されました。イギリスが定年制を廃止した背景には、高齢化の進展に伴う年金支給開始年齢の引き上げがあるそうですが、どちらかと言えば、これらの国では、労働者が年齢に関わりなく働くことのできる権利を保障・保護するために定年制が禁じられている、と言えそうです。

 

・一方、ヨーロッパ諸国の多くでは、日本と同様に年金受給開始年齢に関連付けられて定年が決められています。フランス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、スイス等々の国では、年金支給開始年齢=定年という考え方が定着しており、現在は概ね65歳。ただし年金支給開始年齢の引き上げが決まっている国では、定年年齢も引き上げが予定されています」とのこと。

 

・国際問題も直接日本国民に降りかかる時代です。「甘い国際感覚と貧弱な語学力で大きく国益を損ねてきた」ともいわれます。「諜報機関のない国は既に国益を大きく損ねている」そうです。公安調査庁の元部長によれば「日本は諜報機関のない世界的にも珍しい国だ」そうです。

 

・「それこそ税金の無駄遣いを止めて、諜報機関の設立運営の財源にあてるべきだ」そうです。高度成長期には「経済1流、政治2流」といわれましたが、現在はどうなのでしょうか。「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。

 

・「神隠し」とamazonで検索しますと235件の書籍が分かります。日本人の関心の強い事柄のようです。「神隠し」といえば人気のアニメ映画の『千と千尋の神隠し』というのもありました。「黄昏に女や子供の家の外に出ている者はよく神隠しにあうことは他の国々と同じ。-『遠野物語』第八話」、遠野郷の民家の子女にして、「異人」にさらわれて行く者年々多くあり。ことに女に多しとなり。-『遠野物語』第三十一話というように、不思議な誘拐が昔から多くあったようです。柳田国男も警察関係の資料は調査しなかったようです。また、調査ができなかったのかもしれません。警察には昔から「民に知らせず」という伝統があるといわれます。明治時代前の「神隠し」や「人さらい」はかなりの数になることが窺われます。消えた子どもたちはどうなったのでしょうか。昔は宇宙人のアブダクション(誘拐)の活動が活発だったようです。アストラル界にでも去ったのでしょうか。

 

・アメリカでも「犯罪としての誘拐」も多いといわれます。インターネット情報によると「米司法省の統計によると、行方不明者として報告される18歳未満の児童は年間79万7500人に上り、1日当たりに換算すると2185人にもなるという。日本ではあまり聞き慣れないが、離婚率の高い米国では、離婚した親同士やその他の血縁者による子供の奪い合いに起因する行方不明者が年間20万3900人と圧倒的に多い」とのこと。

 

・昔の「神隠し」や「人さらい」は、現代風に解釈すると異星人のアブダクション(誘拐)だったようなのです。山中に「異人」の存在がありましたが、この異人というのは、オリオン星人だったようなのです。「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔」という説があるそうです。人類に6000年ほど進化しているプレアデス星人は、アブダクション(誘拐)をする宇宙人ではないようです。そうすると戦後米国に現れ、UFO調査者を脅したと言われるメン・イン・ブラック(黒衣の男たち)というハリウッド映画にもなった宇宙人は、オリオン星人ともいわれています。メン・イン・ブラック(黒衣の男たち)の超能力はすさまじかったようで、テレポート(瞬間移動)もしたようなのです。しかし、「米国政府がリゲル人に騙されたことに気付いた後、プレアデス人が招聘されたが、過去ヒトラーの人類浄化政策を画策し仏教を堕落させた」ともいわれます。驚愕すべき話のようです。

 

・「邪悪なオリオン星人」ともいわれていますが、スター・ウォーズ(オリオン大戦)を起こしたりした、ネガティブな宇宙人のようです。またバイオ・ロボットといわれるグレイを創造したり、小柄なグレイと似たゼータ・レチクル星人と宇宙連合を作っているようなのです。オリオン星人と対立する異星連合が正統的な邪悪でない異星人の連合のようなのです。小柄なバイオ・ロボットといわれるグレイの宇宙船に同乗している金髪碧眼のノルディックという人間タイプの異星人が報告されています。それと同様に日本においてはカッパと異人が飛来していたようなのです。「河童もゼータ・レチクル星人系列のバイオロボットの一種かもしれない」といわれます。

 

・「東北地方を徘徊した異人は、宇宙人だ。オリオン星人だ」と断定する民俗学の学説はまだないようです。宇宙人と結び付ける学説はないようです。異人やカッパを宇宙人と結びつけると難問は解決するようです。また昔からある「異類婚姻譚」や「異類混血」の話がありますが、宇宙人と結びつけると分かりやすいようです。遥かに進化した異星人(天使のような宇宙人)は人間の幽体や精神体に憑依侵入するために誰も分からないそうです。人間の守護霊や背後霊は、遥かに進化した天使のような異星人なのかもしれません。「神々も市井の人となり普通の生活をしている」という説もありますます分からなくなります。異類混血がスター・ウォーズの原因だともいわれます。

 

・「天狗の情郎」という話ですが、武士の間にもそのような慣習があったとか、マスター(大師)クラスもゲイ(LGBT等)が多いとか、いろいろと複雑な話があるようです。が、「異人の子ども」を産まされたという誘拐された女子の『遠野物語』の話もあるそうです。また天狗少年寅吉は、天狗の情郎のようなことはないと語っているようです。ホモの宇宙人の話もあり、人間をゴキブリ程度しか見ない宇宙人もいるとか、雌雄同体の異星人もいるそうで、とにかく人間の普通の感覚とはかけ離れていることは間違いないそうです。異星人を全て善良な人々とするイメージはないようです。スター・ウォーズをするくらい敵対しているようですが、アバブ・トップシークレットのため異星人の確かなことはわからないようです。

 

・インターネットで同性愛者と検索してみると「近年の多くの英米の調査では人口の2―13%(50人に1人から8人に1人)の割合で同性愛者が存在していると言われている。性的少数者は、おおよそ概念上で少数者とされているものであり、実際はそれほど少数ではないと考えられる」といいます。

  日本でも予想以上にゲイ(LGBT等)の人口が多いようです。医学的、科学的な説明が出来ない不思議な存在ですが、社会問題としてはまだ取り上げられていないようです。『原型』といわれる神に非常に近い一対の男女の形態をとる天使が原因という説もあるそうです。amazonに「LGBT」といれますと2241件の本がわかります。予想以上にLGBTの本がふえているようです。

 

・以前の本ですから、かなり数字も変化していると思います。また統計数字も全てが必ずしも正しいとは言えなくなった時代です。「この数字は正しいのだろうか」と思うような「数字」も増えてきているそうです。インターネットの世界の動きは激しくて、私たち一般人は、当然詳しくはありません。しかしながら、個人の生活ばかりでなく、社会的なあらゆる活動に影響を与えています。インターネットによって社会のシステム自体が変化をしてきているようです。あらゆる面における「格差」の問題も、一層拡大してきているようです。「疑似環境がステレオタイプになり、極度に単純化され、時に偏見や差別をつくりだします」ということで、情報格差による「疑似環境の格差」も拡大しています。

 

・あの「イスラム国」もインターネット環境を多用して、新しいテロリストの状況を現出していたようで、気になります。海外の日本人旅行者が狙われる事態も懸念されているそうです。「インターネットの犯罪も物凄く増加する」という未来予測があるので不気味です。サイバー犯罪が世界中で激増します。また「降り込め詐欺」も依然として被害額が巨額ですし、犯人たちが一網打尽にされていないのが、私たち一般人には、とても不思議に思えます。このような犯罪にすら警察は手が出ないのでしょうか。「警察から殺人犯が出る時代」です。それでも警察に非難が殺到しない日本的な状況だそうです。相変わらず自殺者も多いですし「世は末法の時代」になったのでしょうか。防犯カメラと携帯電話のコンピュータを活用して、警察も科学的捜査をできないのでしょうか。

 

・警察も捜査能力の不足を、人員不足を原因にしていたそうです。が、「それこそ税金の無駄遣いを止めて、国内治安の諜報機関の設立運営の財源にあてるべきだ」といわれます。諜報機関は国外に対するものばかりではありません。公安調査庁の元部長によれば「日本は諜報機関のない世界的にも珍しい国だ」そうです。拉致事件にしても警察の能力が疑われるそうです。

 

・昔は日本は米国と違って“銃社会”ではないので、犯罪も少なく「安全な国」といわれてきました。ところで「世界一安全な国」と誤解している大衆もいたそうです。しかし、元警察官僚によると実際は犯罪数も増えており、検挙率も下がっているといわれます。「日本は安全な国」というのが一般人の常識です。しかし、『警察白書』を勉強したことはありませんが、事態は悪化しているそうです。この点に関しては、日本人はあまりに楽観視しすぎていると語られています。深刻な問題もあるといわれます。ちなみに、米国は、刑務所にいる犯罪者数が世界一の「犯罪者王国」だそうです。唯一の超大国の米国にも深刻な社会問題は多いそうです。インターネットの情報があまりに膨大なので、個人的には把握する能力と時間が不足して、私たち一般人は、情報格差の底辺に陥りやすいといわれます。

 

・中国に関する動向は、日本のメディアでも頻繁に報道され、チャイナ・ウオッチャーの見解も詳細に分かるようです。経済状況がソフト・ランディングなのか、ハードランディングなのか、私たち一般人は、エコノミストではありませんので現地の情報は詳しくは分かりません。さまざまな数字には、転換点が表示されてきているそうです。「腐敗撲滅」にかんするニュースがよくでてきます。格差の拡大からか、「誘拐児童」の問題もメディアによく取り上げられているようです。インターネット情報から、「戻らない年間20万人の誘拐児童――春節も子捜しに奔走する中国の親たち」というタイトルで「遠藤誉(筑波大学名誉教授)」さんの記事が載っていました。その原因は「一人っ子政策による男女比の偏り」に原因があるそうです。正確な数字は分かりません。

 

・遠藤誉さんによると「それでも男尊女卑の精神は変わらず、懐妊すると胎児の性別を鑑別してもらって、女の子なら堕胎するという傾向が都市にもある。その結果、2015年1月に発表された2014年度における中国新生児の男女比は、「男児:女児=115.9:100」という偏りが見られる。特別の操作をしなければ、世界平均では「男児:女児=105:100」であるという。中国の農村によっては、男の子ばかりの地域もあり、一人っ子政策が招いた男女構成のゆがみは、「女の子を誘拐する誘因」と、「男の子を誘拐する誘因」の両方を生んでいる」とのこと。

 

・「中国には戸籍を持たない流動人口が2.67億人いる。改革開放以来、農村から都会に出てきた、いわゆる農民工たちだ。彼らは戸籍がないために社会福祉を受けられないのだが、それ以上に困るのは、流動人口の多さが、誘拐された子供たちの捜査を困難にさせていることである」とのこと。遠藤誉さんは、「中国長春出身で、日中戦争終結後も日本の独立回復まで中国で教育を受けた」そうです。Amazonに「遠藤誉」といれますと47件の中国関連の書籍がわかります。

 

・中国の社会情勢は、「誘拐児童」の問題等の庶民のレベルまで見てみないと分からないそうです。中国人観光客の層では中国の裏面が見えないそうです。私たち一般人は、中国問題を勉強する時間もありませんし、「中国社会の内情」も当然詳しくはありません。中国問題にしても、一部の人たちの書籍だけを読んで、「群盲像を評す」であっては、いけないそうです。中国共産党は、外国人から「遅れた国」として見られたくないそうですが、外国人の目からは「滅茶苦茶な非近代国家」に映るそうです。「こういったレベルを常にチャイナ・ウオッチャーは警告するべきだ」そうです。中国は“世界の難題”になるのかもしれません。

 

・「他の国の国籍を取った人でなければ信用できない」「国を捨てた人でなければ信用できない」「この国に生まれたるの不幸」という中国特有の奇妙で悲惨な話も昔は多くあるそうです。「来生には、中国人として生まれてきたくない」という若者も多いといわれます。「来世はブタでも良いから中国人には生まれたくない」と回答する者もいると指摘されています。また「文革の地獄を知ったら世界中の誰でもが、中国を嫌になるそうです。まして中国人が文革の地獄を知ったら国を捨てて移民する」といわれます。その昔、政府批判をしただけで銃殺されたこともあり、海外に移民することが唯一の希望だったという話もあるようです。私たち一般人は、知らないことが多すぎるといわれます。

 

・「誰よりも中国を知る男」石平氏の不気味な予測は、どのような結果になるのでしょうか。「ドバイより1000倍も危険な中国不動産バブル」のチャイナ・リスクの大きさを世論は、公然とは注目していないようでしたが、大丈夫なのでしょうか。ドバイより1000倍も大きいショックは、かなり実現しつつありますが、誰も予想できないといわれます。

  「米中戦争」を懸念する米国の軍事専門家が多いそうですが、「恐れていることが次々起こる」異常事態なのでしょうか。人民解放軍による「国是・聖戦である台湾武力統一」の発動から米軍との交戦は不可避となり大規模な戦争となる懸念とは常にあるのでしょうか。

  私たち一般人には、難しい外交の話は分かりませんが、今回は外務省の職業外交官「チャイナ・スクール」の面々の見解・予測、経験を重要視するべき時だといわれます。「チャイナ・スクール」の面々は、はたして何を知っているのでしょうか。

  機能しない経済システム、いびつな政治システムにより「深刻な人口問題を解決するための当事者能力が中国共産党は高くないのではないか」という有識者が多いそうです。そうでなければ、混乱から大混乱が始まる懸念があるそうです。

 

・ここにきて、環境汚染など、中国共産党でも容易に解決できない難問が増えてきて広く認識されてきているといわれます。農村の余剰労働力を工場に移すことも、どのような工場を増設できるのでしょうか。私たち一般人と違って、中国事情に詳しい有識者たちは、さまざまな難問を指摘しているそうです。格差の大きいネガティブな国のネガティブな情報。深刻な人口問題と社会問題を持つ中国は、国内が乱れると、さまざまな面で国際間のトラブルを起こし、迷走を始めるのでしょうか。

 

・社会問題に起因する国民の不満の爆発を対外戦争で抑え込もうとする遅れた昔の国の古典的な手法。「愛国青年を戦場に送れ」、「愛国青年に貧乏を忘れさせるために戦争をする」、「愛国青年を食わせられなくなるので戦争をする」とする共産党の古典的な常套集団が、いまだに通用する時代錯誤的な世界なのでしょうか。中国の軍事費や治安対策費の増加が懸念されているようです。「誰も中国の13億人を食わせることはできない」ともいわれます。「誰も13億人を食わせられないので戦争をする」ともいわれます。

 


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(11)

2021-11-25 21:20:11 | 森羅万象

 

 

 

『2012年、中国の真実』

宮崎正弘  WAC   2011/12/26

 

 

 

<次は人民元大崩落だ>

<路地裏に真実の姿がある>

・絶好調にみえた中国経済だが、大通りのぴかぴかの摩天楼から裏道の胡同へ足を踏み入れると、周囲一帯はゴミの山、むせかえる臭気、不衛生の家屋、ボロ小屋、気絶しそうになる公衆便所、廃墟の瓦礫がある。全ては外面を飾るだけの見せかけだったことが分かる。これは中国経済の本質を象徴している。

 数カ月前まで専門家の見立てでも、中国の不動産価格は2012年までに30%ていど下落すると予測されていた。

 

・2011年10月に市場はブルからベアに変貌した。ブルは強気、ベアは弱気をあらわすウォール街の比喩。爾来、「不動産の暴落」は常識となり、3割どころか「4割暴落説」が定着する。

 

・筆者は個人的に70%の暴落を予測している。なぜなら昔から株価は「半値八掛け二割引」(つまり68%暴落)と相場師のあいだで言われたように、噴き上がったバブルの落ち着きどころとはそのあたりであろう。

 

・問題は不動産価格や販売傾向の話ではない。中国経済の最大のアキレス腱は「中国的社会主義市場経済」なるものの金融システムの脆弱性である。

 

・開発業者の金利払いが行われなくなり、銀行が貸しはがしに転じるとき(昨今の中国の金融当局の引き締め政策を見ていれば、金融破綻は時間の問題である)、何が起きるか?

 推定される不良債権は少なく見積もっても邦貨換算で170兆円である。

 

・中国に当てはめれば、1万社ある開発公社の破綻はたちまちデベロッパーの破綻へ繋がり、銀行経営が極めて深刻な状況に陥ることになる。だから地方政府は地方債を突如として発行し始めたのだ。

 

・サブプライムローンの焦げ付きが表面化したとき、米国の空き家は1千万戸だった。中国はバブル破裂前の段階で空き家はすでに2千万戸(電力メーターが動いていない家屋は6千5百万戸という統計数字もある)。つまり胡錦濤・温家宝路線のかかげる「保八」(成長率8%死守)は早晩、実現不可能に陥る。

そのとき何が中国社会に起こるか?

いま程度の暴動で社会騒擾が収まるとは考えにくい。

 

<中国経済が転倒すると、世界経済の牽引車が不在となる?>

<「超高層ビルの呪い」というジンクス>

・上海で2014年に完成する「上海センター」はじつに632メートルの超高層ビルとなる。ジンクスはこちらのビルにかぶせられ、まもなく「上海不動産バブル崩壊の象徴」となる可能性がある。そしてドバイショックの1千倍、リーマンショックの2倍以上の衝撃がまもなく中国からやってくる。

 

 「その次」にやってくるのは多くのエコノミストが想定外の人民元大暴落だろう。理由は簡単である。通貨供給がGDPの2倍近い。インフレをこれで抑えることも高金利政策も取れないとなれば、残る選択肢はただひとつ、通貨人民元を引き下げることだ。たとえ、人為的に引き下げなくても、市場メカニズムが自動的に下落の道を開くことになる。

 

・紙幣の増刷、増刷、増刷で、中国に7カ所ある造幣局は24時間フル回転。通貨安戦争の猛烈な戦場に参加した中国は米国のドル安、欧州のユーロ安にならぶ通貨安を実現させようとしたが、貿易黒字と不動産暴騰によって果たせなかった。しかし、不動産価格の大暴落によって舞台は暗転した。

これからそのツケが一気に回ってくることになるのである。                                                                                                                                                                                                                                                                                      

 

 

 

『ジュセリーノ 未来予知ノート』  

(ジュセリーノ・ノーブレガ・ダ・ルース)

(ソフトバンククリエイティブ)  2007/12/18

 

 

 

<2014年から2016年に、300人もの日本人幼児が北朝鮮に拉致される> 

<アジアの未来>

・2011年から2013年に、エルス(Herus)というウィルスが出現する。発症すると、4時間で死にいたるという恐ろしいウィルスだ。

 

・2014年から2016年に、300人もの日本人幼児が北朝鮮に拉致される。

 

・2019年、大きな原発事故が北朝鮮で起きる。これによって数千人の死者が出る可能性がある。

 

・中国経済は2010年まで急速な発展を遂げるが、2011年からは大きく経済危機に見舞われる。多数の失業者が出て、国に経済システムが立ち行かなくなるだろう。そして、国民は経済制度の改革を求めるようになる。

 

<予知能力の発見>

・ジュセリーノ氏の生来の能力が表に出始めたのは、少年時代に体験したある出来事がきっかけだったと思われる。少年ジュセリーノが同年代の子供たちと遊んでいたとき、まぶしく輝く黄金の球体が裏庭に降りてきたという。空間に浮いた炎が放つ不思議な光は、太陽光よりも鮮やかで温かった。

 

・球体はいきなり燃え上がるかのように光を増し稲妻が落ちたかのように思われたので、ほかの子供はみな逃げてしまった。少年ジュセリーノも危険をかえりみず、球体をしっかりと手につかんだ。そして、その後1年くらいをかけて、予知能力は次第に開花していったのである。

 

 

 

『マクモニーグルが語るリモート・ヴューイングの世界』

(植田睦子) (ハート出版)  2007/5/30

 

 

 

<これまでのところ、過去に行くのに、限界を見出したことはない>

・以前、100万年以上前の過去にさかのぼったことがある。また、未来については、40万年先まで行ったことがある。距離は、一番遠い所で、天の川銀河の中心まで行った。いまのところ、まだ時間的にも空間的にも限界というものがあるかどうかはわからない。

 

<ジョーの「ここだけの話」>

<宇宙人はこんな「人」だった!>

・宇宙人にも種類がある。高度に発達した文明をもつ知的生命体や二度と見たくないような、醜い容姿を持った宇宙人と遭遇したことがある。どんなふうに醜いかって?あまりに醜いので、友達には絶対なりたくないようなヤツだった。

 

・リモート・ヴューイングで、宇宙人を見たことが数回あった。我々が、彼ら知的生命体のテリトリーに侵入しているのも、彼らは、もちろん承知しているようだった。

 

・しかし、目を合わせることを避け、それとなく無視するような態度だった。

彼らから我々に、直接コンタクトしてくることはない。彼らは、我々地球人のことを、まだ未成熟な存在であると考えているからだ。我々がもっと霊的に成長して思いやりの心をもち、宇宙の住人として参画するにふさわしい存在となったらコンタクトしてくる可能性はある。

 

<2012年にマヤの暦が終わる・・・だが・・・>

・2012年にマヤのカレンダーが終わっていることから、そのときに人類にカタストロフィ(大変災)が起きるか?という質問をよく受ける。2012年もリモート・ヴューイングで見ても、地球の壊滅とか、人類の滅亡などは見えない。

 

・もしマヤ人が2012年に生きていたら、それ以降の新しいカレンダーを作っただろう。しかし、十分に多くの人々が、ひとつの事柄について心配したら、実際にそれが現実化して起きてしまう。人の思念のパワーには、それだけの影響力がある。

 

 

 

 ■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■

 

 

 

(2021/11/25)

 

 

・「北京五輪」にからめて中国のテニス選手の告発が問題になっていますが、ネット時代ですから当然ながら波紋を呼ぶようです。中国の内部告発は多いのでしょうか。ところで中国では暴動も多いといわれます。

そしてネット時代ですからメールによる「密告」も多いのでしょうか。2017/4/25(ニューズウィーク)「密告奨励法」で中国は暗黒時代に逆戻り」、2018/9/12には「中国の大学ではびこる密告制度」(ニューズウィーク)という記事もありました。 共産党の政策はネガティブにもポジティブにもとれると指摘されています。

「「一官二商三匪四盗」という成金の道がある。一番のボロ儲けは官僚、二番目は商人、三番目は匪賊、四番目は盗人である」という話もあったようです。

2021/4/20(ニューズウィーク)中国が「密告ホットライン」を開設、ネット民に告げ口を奨励」という記事が載っていました。共産党組織を私営企業に100%浸透させるとか、日本の実業家には想定外の事が増えているといわれます。汚職や犯罪が膨大なために全国的に「密告」を勧めているようです。

「胡錦涛時代に政権幹部から、「中国は1割のヨーロッパと9割のアフリカだ」という話を聞いたことがあったが、まさに言い得て妙だった」そうです。日本は自分たちと全く異なる国が隣にあることをよく踏まえて外交を考えるべきだといわれます。14億人の人口大国の実態は、私たち一般人は、分かりません。

そしてどれほど中国の人口問題が深刻かは、私たち一般人には、理解不能といわれます。「21世紀は人類が中国問題に直面する世紀となる」といわれます。「人口大国だから何でもあり」と指摘されています。

日本人経営者が告白「中国でのビジネスは理不尽ばかり」という話もあったようです。

「中国人は国を捨てた人でないと信用ができない」という中国社会特有の国内事情があるそうです。「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」といわれます。

 

「利権集団としての国有企業群の重荷を背負った中国経済は間違いなく破綻する。それも1~2世代といった悠長な時間枠の中ではなく、短ければ今後5年以内に、長く見ても10年は保たずに崩壊するだろう。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう」、「中国経済をめぐる謎は、なぜあれほど大きな対外純資産を持っている国が、対外金融所得収支では赤字なのかという一点に収斂する」、「中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう」、と著者は述べています。

 

 

 

(2021/7/27)

 

・世界的な異常気象が原因で、これからも想定外の豪雨がおこり、想定内で作られた堤防が決壊する事例が増加するといわれます。2021/8/7/27のネット情報によると、「中国のダムが2つ決壊 約2万人が被災 22の橋が流失(2021年7月20日)」と報道されています。河川の長い中国では、毎年のように大規模な「洪水被害」が起きています。自然災害の中国経済への影響も懸念されています。自然災害大国でもあるようです。

 「人口大国だから、なんでもありという状況」といわれます。中国経済の実態についても、群盲像を評すということで、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。ちなみに、「暗黒の4年が始まる」と著者は指摘しているようです。

 

・「不衛生、毒性の土壌、不潔な住民、毒素の強い食べ物、汚染された河川――とくに家畜と同居する生活習慣は、動物にしかかからないウイルスがヒトに感染するウイルスへと進化させる培地になる。この「天然の生物兵器生産工場」によって疫病を常に培養してきたうえ、それを諸外国へ輸出してきたのだ」、「武漢ウイルスの前にアジアをどん底に叩き落した新型コロナウイルス「SARS」(重症急性呼吸器症候群)も中国発である。また中国国内でとどまってパンデミックとならなかった奇病などは枚挙に暇がない。 中国は経済大国ではなく、疫病大国なのだ」と指摘されています。

 専門家筋によれば、次のパンデミックも中国発のリスクが懸念されるといわれます。

 

・胡錦涛時代に政権幹部から、「中国は1割のヨーロッパと9割のアフリカだ」という話を聞いたことがあったが、まさに言い得て妙だったといわれます。群盲像を評すといわれますが、ヨーロッパ的なものを見ている者と、アフリカ的なものを見ている者との格差は大きいといわれます。

「日本国内のメディアが引用のかたちで伝えている、「中国は好景気」という中国報道が信用できないことは明らかだ。実態として中国経済は断末魔に近い」と著者は述べています

「21世紀は人類が中国問題に直面する世紀となる」そうです。特に中国に進出している企業は、膨大なノウハウと経験を蓄積したようです。

「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」といわれます。「三十六計逃げるに如かず」ということで、中国から撤退する企業も増えているようです。

「実に90%の日本人が中国にネガティブな印象を抱き、「好ましくない」と回答しているのだ」と指摘されています。日中国交回復の時代から大きな変化のようです。

日本は自分たちと全く異なる国が隣にあることをよく踏まえて外交を考えるべきだ」といわれます。共産党官僚がノーメンクラーツ(赤い貴族)と化し都市部 の民工、農村戸籍の人民などの「豊かさを制限する」危機的な状況が懸念されていました。

ところで「実際に中国の戦略は既存の陸海軍戦力で出遅れた軍事劣勢を、いきなり宇宙で挽回しようとする方向に傾いている」と指摘されています。

 

・「彼ら蛇人はすでにロシア共産主義勢力としてやってきており、マルクスとレーニンはその勢力のいわば幹部たちだった」という説もあります。共産主義といえば「マルクス」といわれますが、元々は異星起源だといわれます。共産主義でなりたつ異星人国家があるそうです。

アメリカのバイデン政権についても、さまざまなガセネタ、フェイクニュースの多い世界のネット情報ですが、私たち一般人には、理解不能です。

フェイク情報やフェイクニュースの真贋を見抜く能力が必要といわれます。どこまでがフィクションで、どこまでがナンフィクションなのか不明です。

 

 

(2021/5/8)

 

・ネット情報によると(2021/5/7ヤフーニュース)、東京五輪「開催できるのか、開催していいのか」と問われ菅総理「国民の命や健康を守り、安全安心の大会を実現することは可能と述べています。 

 

  ・東京五輪のアスリートたちの夢は消したくないものです。日本のワクチン開発が遅れていますが、後で検証されると思います。が、政府資金の投入額の問題だったともいわれています。「インドの感染爆発は続いており、死者の急増で火葬が追いつかず路上に遺体が並んでいるところもある」と報道されています。新型コロナウイルスのワクチンの特許権の一時停止の問題も起きています。予断を許さない状況が続いています。

 

・日本は自分たちと全く異なる国が隣にあることをよく踏まえて外交を考えるべきだといわれます。

胡錦涛時代に政権幹部から、「中国は1割のヨーロッパと9割のアフリカだ」という話を聞いたことがあったが、まさに言い得て妙だった」と指摘されています。新型コロナウイルスも武漢から世界に広がりましたが、世界を震撼させています。膨大な中国に関する情報が世界に拡散しています。世界各国が、中国を詳細に分析しているといわれます。群盲象を評すという状況もあるのかもしれません。

中国の巨大な「光と影」が否応なく世界を巻き込んでいます。さまざまな社会問題も深刻化しており、ネットによって世界に拡散しています。したがって、中国国内ではヨーロッパの部分が大きくなるし、アフリカの部分も近代化を目指して、階級闘争が起こっているという説もあります。「人口大国だから、なんでもありという状況」といわれます。社会矛盾も統制経済で抑えることができるでしょうか。

  共産党官僚がノーメンクラーツ(赤い貴族)と化し都市部 の民工、農村戸籍の人民などの「豊かさを制限する」といわれます。依然としてネガティブな表題の書籍が店頭に多く並んでいます。

 この『中国でいま何が起きているのか』(邸海涛  徳間書店   2019/10/31)という本は、新型コロナウイルスの状況後を示していませんが、大きな変動があったことでしょう。中国では「上に政策あれば、下に対策あり」といわれますが、限界にきているといわれます。2021年の現在「中国でいま何が起きている」のでしょうか?非常に厳しい状況が続いているのでしょう。企業の海外リスクも非常に高まっているそうです。

 

 (2017/5/1)

 

・中国経済の腰折れ寸前の懸念がメディアに盛んに報道されています。統計数字は操作できるという事で、GDPの数字も大問題にはなっていないようです。中国の社会問題はいろいろと指摘されています。どれも解決が非常に難しい話ばかりのようです。米国でも1100万人とか1400万人とかいわれる「不法移民」の問題の処理をめぐり大きく国内が分断されているといわれます。中国の場合、一党独裁体制ですから、情報が統制され、あたかも閉鎖社会を形成しており、国民の不満も高まっていると語られています。この本のように、中国人からの情報提供は貴重なもののようです。私たち一般人は、中国のことについては、当然詳しくはありません。新聞を読んでいても、中国は分からないといわれます。

  「誰も中国の13億人を食わせることはできない」ともいわれます。「誰も13億人を食わせられないので戦争をする」と述べられます。餓死者がみっともなく大量に出たら対外戦争を仕掛け、関心を外国に向けるという共産党の常套手段だったといわれます。中国が民主化すれば米国との(核)戦争はありえないといわれます。「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」そうです。中国の統計の手法に大きな問題があり、中国の実際のGDPは3分の1だと揶揄する学者の説もあり、GDP信仰は無意味な数字になってしまうといわれます。「計画経済の国」が「無計画経済の国」になってしまうと指摘されています。

 

 ・「誰よりも中国を知る男」石平氏の不気味な予測は、どのような結果になるのでしょうか。「ドバイより1000倍も危険な中国不動産バブル」のチャイナ・リスクの大きさを世論は、公然とは注目していないようですが、大丈夫なのでしょうか。ドバイより1000倍も大きいショックは、大袈裟でしたが、今後の展開は誰も予想できないそうです。クルーグマン(ノーベル経済学賞)は「中国の停滞は30年続くだろう」と予測しているといわれます。また国際投資家のソロスの一番弟子だったジム・ロジャーズは「『中国の時代』が来るが、到来と同時に終わるかも知れない」と比喩したといわれます。国内矛盾がマグマのように爆発する時期が来るのかもしれません。チャイナ・リスクの巨大さにビジネス界や政界、マスコミも衝撃を受け、ネガティブな内容が多く取り上げられてくるようになりました。リーマン・ショックのようなチャイナ・ショックの可能性は、中国社会の様々な数字で徐々に表れてくるといわれます。中国では「上に政策あれば、下に対策あり」といわれますが、限界がきているのではないのでしょうか。

  「米中戦争」を懸念する軍事専門家が多いそうです。が、北朝鮮についても「恐れていることが次々起こる」異常事態なのでしょうか。武力行使の可能性が述べられています。従来の瀬戸際政策のようです。人民解放軍による「国是・聖戦である台湾武力統一」の発動から米軍との交戦は不可避となり大規模な戦争となる懸念があるといわれます。

  私たち一般人には、難しい外交の話は分かりませんが、今回は外務省の職業外交官「チャイナ・スクール」の面々の見解・予測、経験を重要視するべき時だそうです。「チャイナ・スクール」の面々は、はたして何を知っているのでしょうか。

 

・チャイナ・リスクは10年ほど前から指摘されていましたが、中国経済の高成長に目を奪われていたそうです。「失われた20年の日本経済」と反対に「20年間の高成長を続けた中国経済」の破局が突然起こるとしたら、世界経済への影響は大きなものになるといわれます。

  「投資で成功するには投資をしないこと」というブラック・ユーモアがあるそうですが、「中国に投資をしている企業が、バブルの崩壊、元の切り下げで、どのくらいの評価損になるのか」分からないといわれます。

  「バスに乗り遅れるな」と動いていたアメリカのヘッジ・ファンドの面々は、事前の資金の引き上げ完了に動いているといわれます。「JALの倒産は誰もが予想したことではなかったように、一般の投資家は常に損をする」と指摘されています。

  「誰よりも中国を知る男」石平氏のいう「絶体絶命の地獄へと落ちていくような中国経済の凋落ぶり」、ネガティブな状況に各界の関心が高まっていると指摘されています。

 

・各国の情報機関やマスコミは、「中国の激変」を予測し、各国政府は、対策をとる段階でしょうか。はたして中国経済・政治・社会の動向はどうなるのでしょうか。どこの国でもリセッション(景気後退)はあるそうですが、恐慌の可能性が指摘されています。

  内容的にも荒唐無稽なところが少なくないところは、外部に発表するときに使うCIAの手法でしょうか。荒唐無稽な本も、有名な著者が書き、出版社がつき、販売され読者も存在しているようです。内容が荒唐無稽な、いわゆる「トンデモ本」も少なくないように思えます。

  ジョージ・フリードマンの本は、この本以外に『激動予測』(「影のCIA」が明かす近未来パワーバランス。211/6/23)、『新・世界戦争論』(アメリカは、なぜ戦うのか。2005/12)、『戦場の未来』(兵器は戦争をいかに制するか。197/8)、『「第二次太平洋戦争」は不可避だ』(1991/5)などが翻訳出版されております。「影のCIA」といわれる情報会社の存在もアメリカ的なようです。

  CIAがどのようにシナリオを書くのか私たち一般人は、知りません。しかし、外部の「影のCIA」といわれる会社や組織にシナリオの作成を依頼して、それに基づいて、作戦行動計画を立てるようです。どのように未来のシナリオを作成するのか興味があります。

 CIAの広報手法としてハリウッド映画を使う手法がよく知られています。さまざまなストーリーをハリウッド映画に刷り込み、大衆の潜在意識に蓄積するそうです。また。CIAは、世界的にあまりにも有名になったので別の組織に機能を移しているという話もあるようです。

  深刻な人口問題と社会問題を持つ中国は、国内が乱れると、さまざまな面で国際間のトラブルを起こし自滅していくという「中国崩壊論」が増えているそうです。米中間のサイバー戦争も始まっており、メディアやチャイナ・ウオッチャーも、中国の動きに目を離せないようです。世界中のメディアでは、「中国問題が台風の目」になっているようです。

 

・アメリカは衰えているどころか、現在は発展の初期段階で、これからますます栄えるという説もあるようです。「エイリアン・エンジニアリング(宇宙人科学技術工学)」によって、米国は最強国の地位を失わないと指摘されています。人口が多いだけではない中国も世界の厄災になっていくのでしょうか。

  「来年のことを言うと鬼が笑う」と言います、私たち一般人は、来年のことさえ分からないのに、数十年先のことは、予測できないでしょう。プロでも未来の予測は難しいことでしょう。米国のマグモニーグルのような遠隔未来透視の書籍でも出版されないのでしょうか。

  「ドバイの1000倍の破壊力を持つ中国不動産バブル」ということで、米国の某ヘッジファンドは、「資金引き揚げ完了」ということだったと指摘されています。

  彼らヘッジファンドの先の見通し、素早い行動は、注目されているそうです。日本の「失われた20年がさらにひどい事態に発展する可能性」もアベノミクスでは阻止できなかったようです。安倍総理自身もアベノミクスの失敗を認めたといわれます。

  中国に進出している日本企業は多いようですが、対策は既にとられていると指摘されています。

 チャイナ・ショックが現実のものとなると、日本の「失われた20年」の経済が、さらに悪化する懸念がでてくるそうです。

  世界的に「明るい中国経済」を語るポジティブな論調からネガティブな論調へとほとんどのメディアが変わり、「ドバイの1000倍の破壊力を持つ中国不動産バブルの崩壊」が起こると、日本の「失われた20年」の経済惨状はどうなるのでしょうか。統計数字の操作ができるので、あと数年かかるともいわれます。

  私たち一般人は、『統計数字のウソ』に関しては、全く分かりません。社会主義国の統計数字は怪しいと指摘されています。統計数字が正確でない国、統計数字を取れない国に関しては、判断の仕様が、全くないとはいえませんが、理解が難しいそうです。「15年と16年ともに経済成長率はマイナスではないだろうか。そうであれば、これは、日本にとって明らかにリーマンショックの以上の影響を受ける」という学者の説もあるようです。

  「誰よりも中国を知る男」石平氏は、非常にネガティブな未来を予想しています。15年前の本ですが、状況は現界にきているのでしょうか。

  チャイナ・リスクに関しては、「ドバイより1000倍も危険な中国不動産バブル」という米国のファンド・マネジャーもおり、その大きさにようやく気付いた政界やビジネス界の対応が注目されていました。

 

 (2017/5/15)

 

・「小泉内閣のそれは非常に徹底していたので大きなスキャンダルがなかったのに対して、安倍内閣は甘かったから様々な問題が続出した、とはよく指摘されるところである」といわれます。しかし、これは第一次安倍内閣の話のようです。現在でも問題のある議員がいるのでしょうか。議員に不適切な者がいるほど、人員が余っているのでしょうか。政治家のスキャンダルが世界にネットで発信されている時代です。「改革が遅れているのは本当に優れた官僚や政治家が登用されていないからだ」といわれます。政治経済の制度疲労が激しく、システムが劣化しているそうです。そのうえ官僚と政治家の劣化もひどいそうです。「身体検査」が必要なほど劣化しているのでしょうか。今の時代、国民の血税のタックス・イーターが増殖しているのかもしれません。また地方議員の近未来の姿は欧米のようにボランティア議員の流れだといわれます。

「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」と語られています。政界を引退したことになっていますが、「2017年4月、自民党の党紀委員会は、与謝野の近年の同党への貢献を評価し、与謝野の復党を了承した(国会議員として除名された人物の復党は綿貫民輔に次いで2例目)」と伝えられています。

 

・与謝野馨氏をウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)で見てみますと、

「“政界屈指の政策通という評判” 商工族として地歩を築いたが、通信傍受法制定や人権擁護法案を巡っては法務省との折衝にあたるなど、「法務族」議員でもある。薬害肝炎訴訟では、法務省との調整に与謝野があたり、議員立法の私案を作成、2007年12月に福田康夫が政治決断する環境を整えた。また与謝野は、官僚の作成した政策を説明できる能力に長けていることから、自民党時代から「政界きっての政策通」として評価されている一方、獨協大学教授の森永卓郎は「財政再建を優先する与謝野の主張は財務省の主張そのもの」と批判している。事実「経済書は日銀OBの吉野俊彦の岩波新書を一冊読んだだけだ」と告白している。

 

 ・トランプ政権が、中国に対してどのような政策を今後、実際に打ち出すかは詳しくはわかりません。しかし、トランプ大統領は選挙中は「中国は為替操作国だと指摘していました。しかし、為替操作国とは、指定しないとようです。米国から「為替操作国」のレッテルを貼られると関税制裁の対象となるといわれます。また「為替操作国」問題では米国単独での人民元の切り上げ要求になるといわれます。しかし、国内経済の実態は「人民元安」の方向にむかっていますので、乱高下が予想されています。現在でも輸出低迷が続いているといわれます。大幅な人民元安も懸念されています。人民元高から実態は人民元安へと大きくエコノミストの評価は変化してきていると語られています。

 

・TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からトランプ大統領により、米国が離脱を表明したことは、日本にも大きな衝撃を与えました。専門家は「トランプ政権の新たな政策は経済に影響を与える可能性は、それが顕在化するのは2017年よりも2018年である可能性が高い」と述べています。米国では中国経済に楽観的な見解を述べていた有識者も、その深刻な実態が広く知られるようになり、悲観的な見解に転換しているといわれます。『人民元切り下げ:次のバブルが迫る』(2016/12/16)、『中国大動乱の結末』(2016/10/29)、『赤い帝国・中国が滅びる日』(2016/10/26)、『中国経済崩壊へのシナリオ』(2017/6/9)、『アジアの終わり:経済破局と戦争を撒き散らす5つの危機』(2017/5/17)、

『中国―とっくにクライシスなのに崩壊しない赤い帝国のカラクリ』(2017/5/12)等が出ています。

 

・amazonに「亀井静香」といれますと33件の書籍がわかります。警察官僚の出身だったことが、活躍の背景にあったようです。警察は、選挙違反や汚職の政治家情報や公安情報をにぎっていますので、政権中枢にいくことが多いといわれます。清話会の関係から安倍晋太郎氏と関係があったようです。最も近くから、安倍総理を知っている人なのかも知れません。「あまり知られていないことだが、日本の社会保障というのは、先進国とは言えないくらいお粗末なモノなのである」といわれます。現状認識が、識者が甘いのではないかともいわれます。行政コストや立法コスト、司法コストを削減する大胆なリストラが必要だそうですが、「身を切る改革」は難しいようです。社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。時代遅れの面の改革の速度も大変遅いようです。もともと国家予算の分配の問題になるようで、財源をひねり出すためにも、税金の無駄遣いを止めて、行政、立法、司法の大胆なリストラ、近代化、効率化が必要といわれます。本当に優れた政治家や官僚が登用されなかったので、日本の衰退や「劣化」が進んだといわれます。「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」、「民主主義国家においては国民はその程度に応じた政府しか持ちえない」ということで、新自由主義の経済政策が主流となっています。カジノ法案も衆院を通過しました。が、「経済的効果」の試算がTPPにしても当たるも「八卦、当たらぬも八卦」の段階の試算ではないでしょうか。大騒ぎしたアベノミクスも安倍総理自身が「失敗した」と認めているといわれます。「経済的な波及効果」もデフレ(スパイラル)の時代では、あまり期待できないといわれます。一方、トランプ政権は、オバマ政権の「新自由主義」に対して、実効性のある共和党の経済政策を打とうとしているといわれます。

 

・ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)でみますと「

自民党内の派閥では清和会(福田赳夫→安倍晋太郎→三塚博派)に所属していたが、平沼赳夫や中川昭一らとともに離脱し、亀井グループを旗揚げ。後に亀井グループと政策科学研究所(旧渡辺派)を合併させ、新たに志帥会(村上・亀井派)を結成、会長を務めた。

 

2001年自由民主党総裁選挙には中曽根康弘元首相や志帥会の全員一致推薦で立候補を表明していたが、総裁候補の一人であった小泉純一郎が総裁選の応援を要請。小泉と政策協定を結び、亀井は本選を辞退した。その後は小泉の応援にまわり、小泉総裁誕生に貢献。しかし、政策協定は小泉によって反故にされている。

 

以降は郵政民営化を強力に推進する小泉と対立、2005年に自民党を離党し、綿貫民輔元衆議院議長を党首に担ぎ国民新党を結成。自らは代表代行に就任。2009年の第45回衆議院議員総選挙で綿貫が落選して党首を辞任したことに伴い代表に昇格。同年9月に発足した民社国連立政権の鳩山由紀夫内閣では内閣府特命担当大臣(金融担当)に任命される」とのこと。

 

・この本(『世界を見る目が変わる50の事実』)をみると世界の深刻な問題がわかります。12年前に出版された本ですが、問題の50の事態は改善されているのでしょうか。近年のイスラム国の女奴隷の話も陰惨ですが、「世界の警察官」は、大規模な地上部隊は送らないで、もっぱら空爆を実施しているようです。女性の最古の職業も盛んですし、人身売買や奴隷の問題も現在でもネガティブな状況のようです。世界の「女性、子ども」の悲惨な状況は、その国に英明なリーダーが出てきていないからでしょうか。民度の問題ともいわれます。「国連や国際人権団体も活動している」といわれるのですが。「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。

 

・「アメリカ人の3人に1人は、エイリアンがすでに地球に来たと信じている」といわれ、アメリカ人の大衆は「彼ら」を知っているようです。国家安全保障上の最高機密(トップ・シークレット)の数段階上の厳秘(アバブ・トップシークレット)扱いの宇宙人情報は、関係者にのみ知ることができるといわれます。今では映画のようにアメリカ大統領でさえ、情報が制限されているのかもしれません。政府の中に政府があってアメリカ大統領といえどもコントロールできないといわれます。「いざ大統領が就任すると、この話題には関与せずという概要が出されるのだ。こうした態度は“大統領の黙秘症候群”と呼ばれている」と語られています。地球があまりに遅れているので宇宙人連合に参画できないと述べられています。「日本はUFO後進国だ」といわれます。しかし、限られた人だけが、知っている「知る人ぞ知る」宇宙人話のようです。異星人はとうに地球を訪れていて、地球人社会にまぎれ混み、密かに地球と我々の文明を監視調査し社会生活をしているといわれます。「はるかに進化した宇宙人が人間の精神体に侵入してくる時代だ」そうです。あの世の5次元世界とこの世の3次元世界を自由自在に幽体離脱(アストラル・トリップ)して異人や神人は往来しているのかもしれません。宇宙人情報を公開すると主権が危うくなるともいわれます。「はるかに進化した宇宙人が人間の精神体に侵入してくる時代だ」そうです。そうなると人間自身が「変容」、「変性」してしまうそうです。

 

・ゲイ(LGBT等)の科学的、医学的な研究については私たち一般人は、よく知りません。昔は「気持ちの悪い」現象だったようです。しかし、ゲイは世界的に増えており、ひとつの社会的現象となっているようです。ゲイの社会的な取り扱いもなぜか日本的なようです。アラブ諸国は反西欧という背景があるそうで、宗教規律には厳しいようです。

  「ゲイ(LGBT等)は宇宙人の人格転換の結果である」という説もあるそうです。人格転換といっても男が別の男の人格に転換される場合や、女性が別の人格の女性に人格転換される場合もあるでしょう。また精神病の一種で多重人格症もあるようで、複雑です。ゲイの多い地域に宇宙人が多いという与太話もあるそうです。ニューヨークやカリフォルニア、オーストラリアではよく話題になるようですが、世界的に広まっているようです。カリフォルニアではホモの宇宙人の話が喧伝されたそうです。

 

・ネガティブなシリウス星人クラスの宇宙人が人間のゲイなどを創造するのかもしれません。パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人もネガティブな者とポジティブな者がおり、ネガティブ派がオリオンの邪体霊ともいわれ、対立から最大のスター・ウォーズとなったともいわれております。宇宙の諸悪の根源なのかもしれません。かつて神だったものが魔神になって世界を襲うというまるでスター・ウォーズのストーリーのようなファンタジー物語。太古の時代に、善神である至高の光明神と悪神であるデミウルゴスが戦いを交えたといわれます。フリーメーソンでは、神は「大宇宙の建築者デミウルゴス」などと呼ばれているともいわれます。神様の中の王様であるゼウスは魔神の系列だといわれます。

 

・欧米では著名人がゲイ(LGBT等)でよく話題になっているようですが、彼らのパフォーマンスには影響がないようです。米国ではゲイが社会問題となり、結婚の問題や軍に入隊ができるかどうかメディアの話題になっていたようです。また、ゲイ(LGBT等)の文化も商業主義にのっているようで、ビジネスとしてはなりたっているのでしょうか。

  私たち一般人は、このゲイ(LGBT等)の問題には疎いですが、日本でもゲイは増えており、大きな社会問題とはいかなくても街中では話題になっているようです。普通の人々にとっては、LGBT(性的少数者)の生態は想像を絶するようです。

 

・歴史的に見ても中国は人口問題が深刻で、飢饉などで膨大な人口が死んでいるようです。人民解放軍の戦争狂人といわれる階層では「13億人を食わせられないので米中核戦争で人口を半減させる」という戦争シナリオがあるといわれます。核戦争で人口を半減させて7億人になったとしても、社会主義システムでは7億人も食わせることができなくなるのではないのでしょうか。マクモニーグルの未来透視に「23世紀と24世紀における2度の大戦で人類の人口が6分の1に大激減する」というのがあります。

 

・とにかく人口問題の深刻さは、日本の甘い有識者の想像を絶するもののようです。テレビなどで街角で中国の市民が溢れ出てくるようなシーンがありますが、人口問題は中国最大のタブーなのではないのでしょうか。13億人のマーケットと考えている日本のビジネスマンの甘い考えが、ここ数年で大きく変わってきたようです。中国人の人生を規定する人口問題の深刻さは、普通の日本人には理解ができないといわれます。男性の人口が多い実態も解決不能だといわれます。


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(10)

2021-11-25 21:18:36 | 森羅万象

 

 

『中国大破綻』

ついに「失われた20年」に突入する

宮崎正弘     PHP研究所   2015/2/5

 

 

 

<軍事クーデターの可能性が、中国の政変シナリオで一番高い>

・秦、漢、隋、唐、宋、元、明、清、そして中華民国、中華人民共和国と「王朝」は変遷しても本質は変わらず、王朝末期には新興宗教が猖獗を極め、末法思想が流行する。

 金持ちは資金財産を海外へ逃がし、富の偏在に不満を持つ農民は怨念を爆発させて一揆に走り、全土に暴動が拡がって社会騒乱が招来され、これを千載一遇のチャンスととらえる軍閥が奇襲的なクーデターをやらかすか、近衛兵が裏切る。

 

・王朝が瓦解すると、新しい権力者は前王朝一族を皆殺しにする。中華四千年の歴史は、いずれも同じパターンを繰り返してきた。

 共産革命後、毛沢東が生きていた時でさえ、林彪は軍事クーデターを企てた。毛沢東死後の4人組の追放劇は、華国鋒が事実上の軍事クーデターを起こして江青以下を失脚させた。

その後の鄧小平といえども、華国鋒追放に際しては軍の主流派を動かした。まさに同じパターンの繰り返しである。

 

・であるとすれば、次のシナリオは“民主革命”とか、“アラブの春”のネット革命などの机上の空論は別として、暴動、一揆に手がつけられなくなって社会騒乱が大混乱の極みに達したとき、支配者は海外へ逃げる、というもの。そして北京を守る部隊か、北京に近い瀋陽あたりの部隊が軍事クーデターに打って出るというシナリオが一番、可能性が高い。だから筆者などは、政治権力闘争の表舞台よりも軍の動きに注視している。

 

<強い日本が、劇的にアジアを変貌させてゆく>

・これからのアジアはもっと劇的に変貌し、同時に中国経済の失速と低迷が始まるだろう。かくして中国は昏睡状態に陥り、「失われる20年」がやってくる。

 こう見てくるとこれからの中国はいったい、どうなるか?

経済的には、この小冊で縷々述べてきたように不動産バブルの崩壊が本格化し、銀行の天文学的な不良債権が露呈する。世界経済を巻き込む大混乱が惹起される可能性が高く、中国経済はその後、「失われる20年」を迎えることになる。

 政治的には習近平の権力基盤が固まるかに見えて、権力闘争はかえって激化し、共産党中枢が「土砂崩れ」を起こす危険性のほうが高い。

 

・第一に反腐敗キャンペーンの影響で失脚、左遷された旧江沢民人脈から思わぬ反撃に遭遇するリスクがある。

 

・第二に長老の李鵬ら電力利権を持つ守旧派が習近平に協力的ではない。

 

・第三に軍は「いつでも戦争の準備をせよ」と号令され、綱紀粛清、宴会禁止となって楽しみが奪われたため習を逆恨みしている。そのうえ江沢民派だった徐才厚と郭伯雄の失脚により、200名近い軍の上層部が失脚、あるいは左遷され、軍の士気は愕然となるほどに弛緩した。一部の跳ね返り組はステルス機を飛ばしたり、南シナ海や尖閣諸島付近で無謀な行動を取る。悪例の典型は、習近平がインドを訪問したその日に、インド国境の紛争地に軍が侵攻し、習近平のメンツを潰したことだ。習近平が軍を抑えていない何よりの証拠だろう。

 

・第四に「連立」を組む団派(共産主義青年団)との関係がしっくりせず、むしろ団派が軍を迎えつつある。

 

・他方、社会的には治安の悪化、テロ事件の頻発、農民暴動、企業従業員の山猫ストなどに加えて大気汚染、食品衛生の悪化、あまつさえ共産党幹部らの大金を持っての海外逃亡が頻発し、人民元高による輸出不振はいずれ経済構造を困窮化させる。過剰設備の再編も遅れがちで、こうした複合的要素が重なるためGDPはマイナスに転落するだろう。

 米国の学者も2016年に中国は昏睡状態に陥ると予測しているが、そろそろ習近平政権の基幹が空洞化し、権力構造に異変が起きるリスクが濃厚になっている。

 したがって中国は、これから「失われる20年」(いや、30年?)を迎えざるをえなくなるのである。

 

 

 

『公開霊言 二宮尊徳・渋沢栄一・上杉鷹山   富国創造論』

 大川隆法    幸福の科学出版  2010/6/2

 

 

 

 <中国経済への警告>

 <中国バブルは必ず崩壊する>

・農業国家から工業国家に移る段階では、かなりの高度成長が可能だけれども、そこから、さらに第3次産業であるサービス産業に移る段階においては、もう一段の熟練度と高度な技術が必要になるため、経済体制そのものが変わってこなければいけなくなるんです。

 

・今、中国は発展途上国から先進国の仲間入りをする、ちょうど境目です。「先進国になって世界を動かそう」と考え始めているところですから、このあたりで、彼らがまだ経験していないことが起きると私は、思いますね。

 

・しかも、中国には、本当の意味での資本主義社会における経済運営の経験がないのです。この発展そのものが軛(くびき)になって、バブルが崩壊するはずです。つまり、中国には大不況が必ず起きます。そして、大恐慌というか、経済の大破壊が起きた時には、当然ながら暴動がもっともっと増えます。そのときに政治のほうは、まだ共産党の一党独裁が続いていますので、必ず大弾圧を加えます。

 

・今も、中国では年間、何万件もの暴動が起きていますが、これがもっと大きな規模で起きてきます。例えば、農村部の収入の低い人たちが、沿海部の、すごく豊かな層、すなわち日本に買い物に来ているような金持ち層がいる町に、職業を得るために、なだれ込んでくる、あるいは、金品を奪いに来る。そうすると、豊かな人たちがそれを追い返そうとするので、内乱状態、内戦状態みたいなものが起きると思われますね。

 

・だから、まあ、そんなに一直線にはうまくいかないものです。必ずクラッシュしますね。経済的な崩壊というものを経験します。資本主義国においては、こうした景気循環は、一回きりではなく、何度も何度も経験するものなので、これを一回でマスターできたら、そりゃ相当なもんですよ。

 

・おそらく、中国経済は、近々、大崩壊を起こすはずです。それでもまだ、「先進国入り」が完全にできなければ、少なくとも、あと一、二回は大崩壊を起こし、「ああ、マルクスの予言が当たった」などということを自分たちで言うようなことになると思いますね。

 

 <中国経済を過大評価せずに、「産業の進化」を目指せ>

・日本が次にやるべきことは、はっきり言って「産業の進化」だと思います。すでにアイデアがあるものなどを、もっともっと進化させて、高付加価値のものを、比較的割安で提供できるような、システムを完備していけば、国際競争では勝てますのでね。やはり、低付加価値のものでは勝てません。

 

・高付加価値のものを売って、ある程度、儲けなければいけませんので、それなりの価格で売らなければいけないけれども、「開発費を考えれば、自分たちでつくることは、もっと割に合わない」と思わせるぐらいの値段で売るようにしていけば、基本的に日本経済の立て直しはできるということですね。ええ。

 

 

 

『中国の崩壊が始まった!』

日下公人   石平  ワック  2008/6/28

 

 

 

<内需が拡大しない理由>

石;今の中国では、医療費の高さが問題になっています。そこも中国経済の問題になるんですけど、昔、社会主義時代は、医療費は全部公的負担です。私の父親の世代、父は大学の教師でしたが、医療費は全部無条件に国が負担でした。しかし、とう小平の時代に、それを改革開放政策で潰した。

 

・問題なのは、その医療費の公的負担のシステムを潰してから、それに替わる社会保障システムをまったくつくっていないことです。

 

・昨年の時点で、中国の農村、都市部を含めて医療保険をまったく持っていない人が65%もいます。国民の半分以上が医療保険を持っていない状態です。だから農村ではお金がないから、病気になると病院に行けないんです。

 

<北京オリンピックが崩壊のきっかけになる?>

<中国経済崩壊の前兆はすでに見えている>

<中国経済が悪くなったら外国資本を没収する?>

<日本のことを本気で学ぼうとする中国人はいない>

石;基本的に、今後の中国の対日外交は永遠に失敗続きですよ。ただし、中国共産党にとって幸いなのは、日本の政治家には馬鹿な人が多いですから、戦術的には時々勝つことができるんです。でも長期的に見ると、どうでしょう?先生、失敗するでしょうか?

 

日下;すでに失敗していると思う。

 

<中国人には感謝する心がない>

石;いや、日本化していくというよりも、アメリカ化していきます。今の中国の若い人たちは、むしろアメリカのようなライフスタイルに憧れを持っています。中国の大衆はアメリカは自分たちより強いから憧れる。だからアメリカの文化も認めたんです。しかし、日本文化なんか誰も認めていない。

 

<日中「敬遠」外交のすすめ>

<王朝が交代すると、人口は前政権の3分の1に減る>

<いかにして中国の内乱に巻き込まれないか>

・むしろ日本が考えるべきなのは、いかにして中国の内乱に巻き込まれないようにするかです。あの大日本帝国の失敗は、ある意味では中国の内乱に巻き込まれすぎた面もあったのでしょう。中国の内乱がいつ起こるかはわからないですが、それが中国の歴史パターンですから、また起こりますよ。

 

<中国は何でもありの国>

石;どうして何でもありうるかといえば、たとえば、中国共産党は、発砲してどんなに人を殺しても、絶対に自分たちが正しいというんです。すべて正当化する。だから、彼らがどんなに悪いことをやっても、あとで正当化するから構わないんです。

 

<中国経済は、もはや中央政府のコントロールがきかず、無秩序の混乱状態に陥っている!>

 

・農村部では数億単位の「余剰労働力」が発生し、都市部では、大学卒業生の約4割程度が就職できない。

 

・貧富の格差が広がり社会的不満は高まり、毎年数万件の暴動が発生している。

 

・経済が成長している中でさえこうなのだから、低迷すれば社会不安はどれほどまでに高まっていくのか、これは悪夢のような前景なのだ。

 

 

 

『中国経済崩壊の現場』  中国のメディアが語る

石平    海竜社   2009年1月19日

 

 

 

<絶体絶命の地獄へと落ちていくような中国経済の凋落ぶり>

<経済繁栄の奇跡は、実は崩壊の一歩だった>

・勿論、目の前の現実となったとしても、日本のマスコミは、その実態をあまり伝えていない。「中国の明るい未来」を熱っぽく論じてきたはずの経済学者や「中国問題専門家」の偉い先生方の大半も、今やただ黙り込んでいるだけである。

 

・経済問題に関する報道は基本的に、一党独裁体制の諸々の政治的タブーに触れる可能性が薄いから、それに対する統制もずいぶん緩い。しかも、経済問題に関するマイナス報道を行った場合、「それがわが党と我が国のためにと思ってのことだ」との弁解も成り立つのである。そしてもう一つの重要な理由は、状況はすでにそこまで深刻化しているから、中国のメディアとて、もはや隠しきれない、ということである。

 

 <絶体絶命の中国経済と「成長神話」の終焉>

・中国の高度経済成長の内実は、実は脆弱なものだった。

 

 <内需拡大しかないが、それも難しい>

・内需拡大策を講じると言って、それらの条件はすぐに改善できるわけがない。それに加えて、株価の暴落、企業の倒産、減産に伴う失業、リストラ、減給が広がっていくという現状では、国民大半の消費能力はむしろ低下していく傾向にあるのは自明のことだ。

 

 <中国社会全体の崩壊すら危惧される>

・こうして見ると、今の中国経済はまさに絶体絶命の状況下に置かれていることは明らかだ。すべての道が塞がれてしまい、あらゆる救助手段も起死回生の決め手にはならない。中央政府ならびに地方政府という「藪医者」たちの処分した延命策も単なる愚策の中の愚策であることは明らかだ。

 中国経済の救いは一体どこにあるのだろうか。

 

・実は今までの中国では、経済が10%以上の成長率を誇示して繁栄を呈している最中でも、農村部では1億5000万人の失業者が溢れていて、毎年の大学卒業者の3割程度が就職できない状況が続いている。それが原因で社会全体の不平不満が常に危険水域に滞留し、年間数万件の暴動や騒動が実際に起きていることは周知のとおりだ。

 

・今後は、経済の失速と不況の到来が確実な趨勢となってくると、失業はさらに拡大して勤労者の収入はさらに下落して、人々の不平不満はさらに高まっていくのは避けられないであろう。

 

<中国という国はこれから、一体どのような地獄を見ることになるのか>

・少なくとも、今まで十数年間にわたって世界を驚嘆させてきた中国経済の「成長神話」は、いよいよその終焉を迎えることだけは確実であるかのように見える。

 

 <「内需拡大」を阻む消費の低迷とその原因>

 <崩壊したままの株市場と揺るぎ始めた金融システム>

 <中国の株価暴落、投資家の損失>

・2007年10月、中国の株価で見る主な指標の一つである上海指数は、6124ポイントの史上最高値に達した後に落ち始めた。

 

・わずか、1年足らずして、最高値から、約70%の下落が記録され、まさに歴史的暴落と称すべきであろう。

 

・その後、上海指数は多少上がってきているものの、2008年11月22日時点で依然として2000ポイント以下の低水準である。中国の株市場は、とっくに崩壊しているままである。

  9月中旬時点での計算では、一連の暴落において、A株(中国国内向けの株)の株価総額は34兆元(約484兆円)から14兆元に減り、22兆元(約330兆円)が「泡」の如く消えてしまったという。

 その中で、多くの個人投資家が員大な損害を蒙ったことは言うまでもない。

 

・個人投資家の約半分はその株投資の大半を失ったということである。

 

 <5000万の個人投資家たちの財産喪失>

・個人投資家に対するネットアンケート調査を実施したところ、93%の回答者が株投資で損をした、という衝撃的な結果が出た。

 

・平均賃金が日本の10分の1以下の中国で多くの一般人にとってこのような損失は財産の全部かその大半が失われたことを意味するはずだ。

 

・倒産とリストラで失業者が大量に増え、減給によって勤労者の収入も大きく減少する中で、国民全般の消費能力がさらに落ち込んでいくのは必至だろう。

 

 

 

『中国はもう終わっている』

黄文雄、石平    徳間書店   2013/9/30

 

 

 

<地方政府の崩壊が秒読み>

・地方政府の税収は、その大半を中央政府に吸い上げられるシステムになっています。そこで、2006年あたりから、地方政府は土地の使用権を転売することで自主財源を生み出すようになりました。

 要するに、地方政府の土地を整備して、不動産開発会社にその使用権を売る。不動産会社はその土地にビルや住宅を建てて、金持ちや投資家に売りさばく、これが中国の不動産バブルを支えてきたのです。

 

・そこで地方政府が活用したのが、シャドーバンキングだったのです。中央政府の目をかいくぐり、大量の資金をここから集めることが可能になったのです。

 一説によると、地方政府の債務は合計して20兆元(約320兆円)あると言われています。こうした債務は、公共投資や土地開発に使用した資金ですから、返済期間が長く設定されています。

 ところが、実際には過剰な投資によって、ゴーストタウン化や過剰生産が起こってしまいました。

 

・はっきり言って、中小企業も地方政府も、債務を返済する能力も意思もありません。地方政府の返済が滞ったときには、借金したときの責任者がもういない、ということになる。中小企業もいざというときには夜逃げするつもりでいる。先ほど話に出たように、そもそも共産党幹部自体が、海外に資産を逃避させている状況です。

 いずれ大破局が来たとき、誰も責任を取らないことは明白です。

 

・たとえば、上海株式市場に上場している企業にしても、上場によって集められた資金が、どこへどのように流れているか、よくわからない。企業決算の数字も本当かどうかわからないから、いざ倒産して会社を清算したときに、公表された財務状態とはまったく異なっていた、ということもありえます。

 

・中国では国家と人民との対立も万古不易の摂理で、「国富民貧」「剥民肥国」という四字熟語もあるほどです。

 

<ますます信用できなくなっている中国の統計>

・さらに、2009年末からインフレが始まったことで、中国の人件費が上がりました。本来、お札を刷ってインフレになれば、自国通貨の外貨に対する為替レートが下落しますから、そうした為替の調整作用によって、人件費上昇分をカバーすることができますが、現在の中国人民元は管理フロート制・通貨バスケットという為替システムになっており、変動相場制とは言いながら、政府によって管理されています。しかも前日比の変動幅を0.5%以内に制限しているので、値動きとしては非常に緩やかです。

 そのため、インフレで人件費が上がっても、それを吸収できるほどの為替の調整作用が効かないのです。

 

・要するに、インフレになっても、中国は人民元切り下げもできず、そのため人件費の上昇で国際的な競争力を失ってしまったのです。

 現在、日本もアベノミクスによってデフレ解消を目指して金融緩和を行い、お札を刷るということをやっていますが、それによって円安になっています。そうなると、中国の競争力はますます失われていきます。中国が安倍首相を批判しているのは、そういった背景もあるのです。 

 

 だいたい中国製は、安いから買うのであって、高いならわざわざ買うことはないでしょう。

 

・まず、実体経済はますますダメになる。それは、実体経済に回すお金がなくなるからです。銀行は自分たちの保身に走るから、担保能力のない中小企業に、ますますお金が回ってこなくなります。それで、中国経済が冷え込んでいくのです。

 もう1つ、不動産バブルは確実に弾けます。もう銀行が融資を控えますから。そうなると、不動産開発業者の資金繰りがだんだん苦しくなる。

 

・しかも、不動産バブル崩壊で価格が暴落すると、不動産を財産として持っている人々が、財産を失います。そうなると、中国の内需、消費は減り続け、中国経済はますます転落していくしかなくなります。

 そのようなことは、李克強たちにもわかっているのです。要するに、もうどっちみち生きる道がないということが。

 

<続々と撤退する外国資本と大量失業者の発生>

・これまで日本は「中国に進出しないと未来はない」といった論調でしたが、それが間違いだったことがはっきりしました。

 

・しかし、中国の農民工たちには、もう農村に生存基盤はないんです。耕す土地もなければ職もない。彼らはほぼ永久に、あちこち流れていくしかない。

 もし日本で2300万人の人々が、定職もなく、あちこち流れると想像したらどうですか。

 

・この2億3000万人の農民工の多くが20代、30代ですから、都市生活に慣れた彼らは、農村に戻っておとなしく生活することは絶対にありません。

 

 つまり、中国歴史上に繰り返し出現してきた流民が発生するということです。その結果は、黄さんがよくご存じでしょう。

 

・中国では、食えなくなった農民が流民となり、それが一大勢力を形成して政権を崩壊させるような暴動や大乱を起こしてきました。黄巾の乱も太平天国の乱も、流民を結集させて大きな勢力となりました。

 

<中国社会を崩壊させる2つのグループ>

・中国では大学生は7月に卒業し、9月に就職します。2013年に卒業する大学生は699万人いますが、現在は「史上最悪の就職氷河期」と言われています。

 中国の伝言情報サイト「趕集網」が発表した「2013年卒業生就業報告」では、5月末時点で、就職が決定していた学生は、わずか16.8%だったと報じています。

 

・ということは、大学生だけでも約500万人が就職できないことになる。そしてこの数字は、これから年々悪くなっていくことになります。

 

<2014年 世界から見捨てられる中国>

<偽りの経済成長で深刻化する大気汚染と疫病蔓延>

・経済崩壊がもはや避けられない中国ですが、2013年にも、それを象徴するかのような、さまざまな矛盾が噴出しました。

 その1つがPM2.5(微粒子状物質)です。これは、自動車の排気ガスなどに含まれる直径2.5マイクロメートル以下の微粒子のことで、人が吸い込むと喘息や肺がんを引き起こすとされています。中国の主要74都市では、このPM2.5の平均値(2013年1月~6月)がWHO(世界保健機関)基準の7倍にも達していると報告されています。

 

・このように、中国はユーラシア大陸の伝染病の発生源であり、台湾も日本も、病原菌が中国からの船などによって運ばれ、歴史的に大きな被害を出してきました。最近では、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行も記憶に新しいところです。

 

<350年前の人口爆発から始まった環境汚染>

・毛沢東の時代には、戦争をする必要から「産めよ増やせよ」と出産が奨励され、5~6年ごとに1億人増加するという、猛烈なペースで人口増加が進みました。毛沢東が死去したときには9億人に達しています。

 

<環境悪化が経済成長を不可能にする>

・役人も企業も民衆も、みんなが金儲けに奔走して、その結果、環境汚染が加速度的に進んでしまいました。

 中国が現在直面している問題は、もはや経済成長といったレベルではなくて、人間としてどうやって生きていくのかという問題になっています。これは、世界全体にとっても大変な問題です。あの十数億の民をどうするのか。誰がどう養っていくのか。

 

・環境問題の悪化は、今後の中国の経済成長が不可能である1つの要因です。環境の悪化を防ぐには、経済成長のペースを下げざるをえない。しかし、そうなると食えなくなった民衆が暴動を起こす。かといって、経済成長のために現在の鉄鋼産業のように無理な生産を続ければ、環境汚染が進んでやはり民衆が暴動を起こす。どちらにしてもいい結果にはならない。だから、金持ちから貧困層までもが海外へ逃亡しているのです。

 このように、経済成長を維持できる要因が1つもないのです。中国でいま、習近平こそ「ラスト・エンペラー」だという話が囁かれていますが、こうした状況を見るにつけ、それは正しいと思わざるをえません。

 

<ウイグル問題の爆発が迫っている>

・そして、中国が抱えるもう1つの大きな爆弾が民族問題です。2008年の北京オリンピック直前にチベットで大規模暴動が起き、これを力で抑えた中国に対して、世界中で批判が相次ぎましたが、新疆ウイグル自治区では最近、同様の住民暴動が頻発しています。

 

<世界から締め出され始めた中国>

・これまで議論してきたように、経済も悪化する一方、習近平の政治改革も不可能、環境問題も民族問題も解決できないとなると、中国は国際社会における大混乱要因と認識されるようになるでしょう。

 そしていま、中国の世界に対する影響力が目に見えて低下しています。

 

・これまで日本のメディアは「中国のしたたかなアフリカ支援」などと持ち上げてきましたが、現在では、アフリカ諸国から公然と批判が起きるようになってきました。

 

 中国との「子々孫々までの友好」がいかに難しいかということを、アフリカ諸国の人々もようやくわかってきたようです。

 

・アフリカにしても、中国から多額の援助があったところで、国民は豊かにならない。むしろ不当に安く中国人に使われるだけで、儲けは中国人に持って行かれてしまう。そういうことがわかってきた。

 

 中国経済がもっとも躍進した時期でさえそうだったわけですから、これから経済が失速するなかで、他国に利益をもたらすような援助などできるはずがない。アフリカ諸国もそう考え始めたということだと思います。

 これから中国にしがみつくのは韓国くらいでしょう。しかし、韓国人も実際は中国を嫌っている。しかし、彼らは中国に頼るしか道がない。

 

<日本は中国崩壊に備えよ>

・もう、中国の未来ははっきりしています。もはや経済的も社会的にも、ソフトランディングもハードランディングもできない。待っているのは着陸ではなく、墜落ですよ。中国では実体経済も産業も社会もすべて小細工と偽物の集まりだからです。

 

・中国のバブルが崩壊すると、その影響はリーマン・ショックやギリシャ危機、ドバイショックの比ではないという観測もあります。

 

・だから、日本としては高見の見物をしていればいい。

 ただ、日本として気をつけなくてはならないのは、バブル崩壊によって中国が大混乱に陥ったとき、中国共産党は統制経済への道に走るだろうということです。そして、それと同時に、対外戦争を仕掛けてくる可能性がある。自分たちが地獄に落ちるならば、日本も道連れにする可能性もあるのです。

 

・中国経済の崩壊によって韓国は大きな影響を受けるでしょうが、競争関係にあるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国、あるいはVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ共和国、トルコ、アルゼンチン)諸国は、かえって喜ぶでしょう。インドもアジア諸国も喜ぶ。

 

・みんな喜ぶ。ただし、もう1つのオプションとしては、中国国内の大混乱や、さらには政権崩壊などが起きれば、何千、何億という人民が雪崩を打って日本に逃げ込んでくる危険性もあります。

 

 そうなると、日本も混乱の余波を受けて、大打撃を受ける。これは日本のみならず、周辺国がみなその脅威にさらされることになります。そもそも、数千万から億単位の人民を受け入れることなど、どの国でも不可能です。

 残酷なようですが、その際には流入をシャットダウンするしかない。おそらく世界各国もそうせざるをえないでしょう。その日のためにも、日本は周辺各国と密接に連携しておく必要があると思います。

 

 

 

『週刊東洋経済   2015/6/27』

 

 

 

<ミスターWHOの少数異見>

<上海株急騰の裏の裏>

・「1万ポイントまでいく」と言うのは、とある政府関係者。中国の代表的株価指数、上海総合指数の話だ。

 

・中国の証券市場は、個人投資家が主体であるうえ、10年に信用取引を導入したこともあり、一方向に振れやすい性質がある。それにしても、景気の減速が明白な中での急騰は普通ではない。

 

・国内での不満の高まりを懸念した政府は株価上昇を容認、御用学者が5000ポイントまでの上昇を予測、政府系新聞は株高をあおった。

 

・また、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に絡んだ海外向けのアピールだと解説する中国人学者もいた。習政権が打ち出している「一帯一路」政策は中国の自信を表しており、これを実行に移すためにも、中国経済は引き続き堅調に推移している、というシグナルを発信したというのだ。見え見えの官製相場だとしても、結果が残れば、その意図は成功したといえる。

 

<官製相場は制御可能か>

・つまり、今回政府が株高を容認したのなら、政府保有株式の放出を検討しているとしてもおかしくはないのだ。

 さすれば、政府にとって虎の子ともいえる保有株を売却する理由は何か。表向きは「民営化の促進」ということになるだろうが、今である必要はない。

 考えられるのは、鉄鋼など業績悪化が伝えられる企業群に対するテコ入れの原資である。また、不動産開発で多額の債務を抱えた地方政府の救済もありうる。

 

・いずれにしろ懸念されるのは、膨大な売りによる需要悪化だ。放出の仕方を間違えれば暴落につながりかねない。

 07年、株価は半年で倍になって最高値をつけた。このときは年金を受給している老人までが株式を求めて列を成した。が、その後は同じ期間でほとんど半値になっている。        (東えびす)

 

 

 


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(9)

2021-11-25 21:17:31 | 森羅万象

 

『不惑の日中関係へ』   元外交官の考察と提言

吉田重信  日本評論社   2012/4/5

 

 

 

<「危うい大国」中国といかにつきあうか――あくまで敬と礼を尽くす>

<中華人民共和国の現状――「難治の国」>

・1972年、日中国交正常化の直前に、私は北京と上海に滞在したことがある。当時の中国社会は、誰がみても貧しく、閉鎖的で思想的には「毛沢東主義」による締め付けがきびしく、まるで修道院のような「禁欲社会」であった。

 

・ところが、いまや中国社会は大きく様変わりしている。貧富の差は著しいとはいえ、全般的に人びとは昔に比べ豊かになり、その活動は経済活動を中心に昔と比較にならないほど自由になっている。とくに、沿海地域や都市部の発展は著しい。また、言論活動も、党や政府の政策をあからさまに批判しないかぎりは、比較すれば飛躍的といってよいほどに自由で活発になっている。見方によっては、中国社会の開放度は過去に比べて拡大しているといってよいかもしれない。

 

・しかし、これらの結果は、中国を一面では「病魔に冒された肥満児」のようにしてしまったようだ。2011年の中国での新幹線列車事故は、まさに「おこるべくしておこった」感がする。つまり、今回の列車事故は、中国社会には一党独裁という規律のシステムがありながら、制御不可能な欠陥が多いという実態を示している。逆にいえば、もともと中国社会には制御不可能な部分があるので、一党独裁という規律のシステムが必要となるかもしれない。

 

・考えられる原因は、とりあえず三つある。ひとつは、「難治の国」、つまり、「制御不可能な国」という中国固有の歴史的条件である。つまり、かならずしも恵まれていない自然条件、広大な国土、総人口13憶のうち8憶といわれる貧窮した人口、遅れた封建主義的社会構造、多民族の存在など、である。

 

 二つ目は、中国がモデルとした社会主義、換言すれば旧ソ連のような「一党独裁制」にともなう弊害に加えて、新たに導入した「市場・資本主義体制」がもたらした矛盾から生じた弊害にある。

 

・三つ目は、過去30年にわたる稚拙で暴走気味の経済発展の結果、所得格差のいちじるしい拡大、生活環境と生態系の破壊、自由と民主化運動との摩擦などの問題に直面していること、また、これらの中国の弊害は、中国が道徳律を含む伝統的精神文化を否定し、これを社会に生かしていないことにあると考えられる。

 

・さらに、近年中国が軍事大国化するにともなって、その対外姿勢は協調性を失い、独善的な様相を強めている。途上国が近代化する過程で、軍部が台頭し軍事国家化する例は、戦前の日本にもみられた現象であり、「危うい」兆候である。

 これらの面からくる弊害は、国民のあいだに顕著な所得格差をもたらすとともに、支配・特権階層の腐敗現象を拡大させている。

 

<日本の対応策――いろいろな事態に備える>

・このようなむずかしい局面にある中国に対して、日本はいかに対応していくべきであろうか。その答えを得るために、中国のありうる姿を今後10年から20年くらいのスパンで描いてみると、三通りのシナリオが可能である。

 

シナリオA

 これまで30年間の年率10%程度の高度経済成長を継続することは不可能であるにしても、7%くらいの成長をつづける。また、国内の政治的・社会的矛盾をある程度解決して、一党独裁体制を中心とする現支配体制を曲がりなりにも維持する。つまり、体制は崩壊しない。その結果、中国の軍事力は増強され、その国際的比重はさらに高まる。

 

シナリオB

 年率7%程度の経済成長を維持する点では、シナリオAと同じであるが、出現する可能性のある英明な指導者によって、政治改革が行われ、結局は、台湾や韓国が行ったような多数党による民主主義体制に移行する、つまり、民主化へソフト・ランディングする。これは、日本はじめ周辺諸国にとって、もっとも好ましいシナリオとなる。

 

シナリオC

経済成長も政治改革にも失敗し、中国の政治経済が全般的に停滞し、最悪の場合には、国内大混乱、台湾を含め諸自治州の独立、難民の大量発生などの事態が発生する。このような事態は、中国の経済発展を必要とする日本や米国にとっても、かならずしも願わしいシナリオではないと考えられる。

 

・このような三つの想定のうち、日本にとってはシナリオBがもっとも好ましい。つまり、日本としては、中国がシナリオBにそってソフト・ランディングできるように側面的に支援するのがもっとも妥当な政策となる。しかし、シナリオがAもしくはCの場合ならば、どうなるか。

 

いずれの場合にも、日本は常に中国の実態を冷静、的確に把握することが肝心である。刻々変動する中国の動きをそのプラス面とともにマイナス面を含めて、また、日本自身のプラス面とマイナス面をあわせて総合的に比較考量して対策を立てる必要がある。

 

・私の考えは、あまりにもきれいごとで、理想論や書生論にすぎないとの批判もあるだろう。しかし、理想と展望のない日中関係では、現実の困難な問題を克服できない。枝葉末節の現実論は聞き飽きたのである。

 

 

 

『日本よ!米中を捨てる覚悟はあるか』

西村幸祐・石平   徳間書店  2010/5/31

 

 

 

<巨額の財政出動が投機にまわってバブル化した経済がいよいよ崩れるー石>

・じつはこの一月に中国の不動産バブルが本当に崩壊しはじめているのです。中国政府が不動産取引に総量規制をかけたからです。

 

・輸出産業を含めた企業の4200万社のうち約4割も潰れた。

 

・中国の輸出品は靴とか玩具とかアパレルなどが主な製品で、それを作っているのは、だいたい中小企業です。その40パーセントが潰れた。

 

・中国政府がどういう政策をとったかというと、ひとつは4兆元(56兆円)の財政出動をした。

 

・いわゆる新規融資です。去年1年間でどのくらいの新規融資を出したかというと、人民元にしてなんと9兆6000億元(134兆円)です。GDPの3分の1近い金額だということです。

 

・結果的に9.6兆元の融資はどこへ行ったかというと、半分ぐらいは株投機と不動産投機へ流れたのです。

 

・融資をもらっても企業は生産活動の拡大はしていない。生産を増やしても売れないからです。そこでみんな投機に走った。

 

・不動産価格はどれくらい暴騰したかといえば、『人民日報』の報道によると去年1年間で60パーセントの上昇です。

 

<ドバイより1000倍も危険な中国不動産バブル>

・アメリカの有名なヘッジファンドは、「中国の不動産バブルはドバイよりも1000倍も危険だ」として中国を空売りすると述べています。

 

・不動産市場が冷え込んだ理由は簡単です。中国政府が去年の年末から、金融緩和政策を変更して、緊縮政策をとろうとしていたからです。

 

・もしそのまま金融緩和をやって本格的インフレが始まれば、中国政府はどういう局面に直面するかというと、中国の政権が崩壊するのです。中国の発展はそれこそ格差そのもので、リッチな人もたくさんいるけれども貧乏人、失業者も非常に多い。インフレになると、そういう人たちは確実に食えなくなるので、造反することになるわけです。

 

<中国でバブルが崩壊すれば確実に暴動になる>

・中国はあまりにも格差が激しいのでバブルが崩壊すれば恐ろしいことが起きてくる。

 

・中国で8パーセント成長を維持できなくなったら本当に恐ろしい騒動になりかねないのです。

 

・要するに対外的緊張関係を作り出すための準備です。「われわれは、アメリカ、イギリス、EUにいじめられている。我々は、奮起して、一致団結して立ち向かわなければならない」と民衆に訴える準備を指導部はいましているのです。

 

<米中対立はじつは日本の大チャンス>

<中国からの脅威としての「3400万人余剰男」>

・とくに農村部で男の子を求める傾向が強く、女の胎児の中絶の氾濫が男女比率の不均衡を引き起こしたわけである。問題は、この3400万人の男が今後どうなるのか、である。

 

<解放軍報「論説委員文章」から読み解いた中国の軍事戦略>

・要するに解放軍は宣伝機関を通じて「我々は、これから戦争の準備に力を入れるぞ」と堂々と宣言しているのである。

 

・どうやら隣の大国中国は、いつも、「軍事闘争=戦争」の準備、を着々と進めているようである。最近、日本の近海付近における中国艦隊の「実戦訓練」と海上自衛隊への挑発行為も、こうした戦争準備の一環として理解すべきだが、わが日本国こそが中国軍による戦争準備の仮想敵のひとつであることは明々白々である。

 日本はいったいどう対処していくべきか、これからまさに正念場となっていくだろう。

 

 

 

『2033年  地図で読む未来世界』

ヴィルジニー・レッソン   早川書房   2012/6/10

 

 

 

 <中国 増える人口>

<中国が直面する社会的な問題>

・中国が直面する問題として、ほかに社会的な問題、雇用問題を忘れてはならない。

 

・だが、近年は、労働条件の改善や賃金の引き上げを求めて労働者たちが頻繁にストライキを起こすようになっている。労働力が高コストになれば「世界の工場」の座が危うくなり、競争力も低下してしまうだろう。

 

・また、経済が海外市場に大きく依存しているため、世界的な景気後退のせいで失業率が急速に上昇する可能性もある。現在、中国政府は失業率4.2%と発表しているが、実際は、労働人口の10%から12%に上るのではないかと見られている。2020年から2030年にかけての労働力人口は、1990年代で2億に増えると推測されている。

 

<65歳以上の高齢者は、2020年に人口の12%、2050年には23%に増加する>

・高齢者を支えるための負担が増えたせいで、国民の生活レベルが停滞してしまったら、社会主義を標榜するこの国の体制、つまり、国家と国民との社会契約が破綻してしまうかもしれない。

 

<女性が減っていく社会>

・人口の男女比の不均衡は2020年まで拡大し続けるため、2030年にはおよそ1600万人の若い男性が結婚相手を見つけられないとされている。

 

・中国では国民皆保険・皆年金のシステムがまだ整っていないため、一家の働き手が家族を支え、幼い子供や老人を養っていかなくてはならない。だがその負担は年々増えている。

 

<人口を知ると世界が見えてくる>

・食糧危機、エネルギー不足、温室効果ガスによる温暖化、世界が直面するあらゆる問題は、中国の影響なくして語ることはできない。今後、世界はどうなっていくのか。それはまさに人口増加に端を発するさまざまな問題を中国がどう解決していくかにかかっているのである。

 

・雇用不足が長期化した場合、働き口を見つけることのできない新世代の知的プロレタリアが、その不満を過激な方法で発散させ、社会を大きな混乱に陥れるかもしれない。

 

・人口爆発、経済成長、資源枯渇、エネルギー、食糧危機、農業、国際紛争、移民、生物多様性、地球温暖化・・・いま行動すれば、未来はまだ変えられる。

 

 

 

『インド アズ ナンバーワン』  中国を超えるパワーの源泉

 榊原英資  朝日新聞出版  2011/8/30

 

 

 

<インドの女性像>

<社会における女性の地位を見れば、その国がどういう国なのかが分かる>

・インドは、多くの女性が社会の第一線で活躍している国であるともいえます。

 

・出世した女性は日本と比較すると、壮観なのですがこうした女性はインド女性の一部にすぎず、伝統的に女性の地位は男性に比べ低いものだったのです。インドには古来「サティー」という悪習があり、未亡人となった女性が亡くなった夫の火葬の際、自分もその火に身を投じることが、ごく最近まで一部の地域社会では一般的に行われていたのです。さすがに現在は政府によって禁止されています。

  

・サティーはさすがになくなったようですが、未亡人が再婚することはいまだに難しいようですし、未亡人を社会から締め出したり、家庭に縛りつけたりする因習はまだまだかなり残っているのです。

 

・もう一つの因習は、女の子を幼児や児童の頃に結婚させるというものです。女の子が一定の年齢になると夫の家へ送り込まれたりするため十分な教育が受けられなかったり、過度の労働が課されたりする問題が起こります。

 

・また若くから出産するためインドの人口が世界で最も高い増加率を示しているのですが、女性と子供の死亡率は逆に高くなってしまっています。

 

・一説では一夫多妻の習慣を持つイスラムの侵略者からインド女性を隠そうとしてヴェールやブルカで顔や体を隠すようになったともいわれています。

 

・こうした指導者たちの努力にもかかわらず、現在でも特に下層階級や下層中流階級の家庭では女児は歓迎されていません。他方、男児が生まれれば、祝福され、溺愛される傾向が強いのです。

 

・インドの男女比率は1対0.933と世界中の平均1対0.99を大きく下回っています。生まれる前に胎児が女だと分かると中絶することは今でも見られ、生まれたあとでも女の子は乳児のうちに殺されてしまうこともあるといいます。

 

・女の子はいずれ、他家に行ってしまうものとして、持参金の心配をしなければならないのです。

 

・持参金の多寡は、今は、一種のステータス・シンボルとなっており、両親は娘が生まれたときから持参金を積み立て始めるといわれています。こんな状況ですから、ヒンズーの結婚式では、「花嫁が100人の男の子を授かりますように」と言うのが普通の言葉になっているのです。

 

・教育面でも女性は劣位にあり、全体としてはインドの女性の地位はまだ低いのです。

 

・インド政府は女性の地位向上のために、これまで多くの法令を制定し、経済開発五カ年計画でもいくつかの施策を実行しています。

 

 

 

『エコノミスト  2016.2.2』

特集:丸わかり 激震!中国 

◇失速する経済、資源暴落  ◇世界に広がる負の連鎖

 

 

 

『崩壊防ぐのに必死の習政権 経済成長は鈍化する (遠藤誉)』

 

<共産党支配の限界>

・習近平主席は共産党の一党支配を維持するのに懸命だ。さまざまな手を打とうとしているが、行く手には困難が待ち受ける。

 

・中国には、共産党が支配する社会主義国家として、あってはならない激しい貧富の格差と、党幹部が利権集団として暴利をむさぼり人民を苦しめている、という現実がある。党幹部の周りには、コネと賄賂による腐敗天国が出来上がっている。

 

・この処分には、死刑、無期懲役から数年間の懲役、財産没収など、さまざまな種類と程度がある。習近平政権になってから、合計50万人ほどが何らかの形で腐敗分子として処分されたことになる。

 

<農民工の不満>

・中国には、14年の時点で2億6700万人に上る農民工(田舎から都会に出稼ぎに来た元農民)がいる。この人たちの多くは戸籍も住民票も持っていないので、教育や医療福祉の恩恵にあずかることができず、年金など望むべくもない。

 

 第1世代の農民工たちは、「世界の工場」の中国を支えるべく、厳しい労働条件に耐えて中国経済を押し上げてきた。だが、今や年老いて社会から切り捨てられようとしている。

 

 第2世代の農民工(第1世代農民工同士が結婚して、都会で生んだ農民工)たちも含めて、中国全土で起きている大小さまざまな暴動の数は、毎年18万件に達しているという。

 

・これらが政府転覆につながらないように、習近平政権は14年3月から20年までの国家戦略として、「国家新型城鎮化計画」(城鎮化=都市化)を実行している。これは、農民工を田舎に戻して、田舎を都市化し、そこに雇用を創出する計画だ。彼らには新しい戸籍や住民票などを与え、健康保険の加入や年金の積み立てなどをさせる。福利厚生戦略は、農民工のためでもあるが、国家のためでもある。そして、どの国でも福利厚生に重点を置けば、経済成長はその期間、鈍化する。

 

・こうして、印鑑を押す党幹部の周りに腐敗の温床が出来上がっていく。しかもこの時、環境汚染を防ぐための設備投資などで「目こぼし」をしてくれる。互いに利益だけを重視して、環境汚染に関しては「きちんとやっていることにする」のである。

 その結果、中国は空気を吸うこともできない、汚染物質で充満する国になってしまった。このままでは、中間層や富裕層までが政府転覆に向かいかねない。

 

・習近平は自分を「延安の人」と名付け、「第二の毛沢東」と位置付けている。

 

<AIIBで金融を制する>

・中国は、人民元の国際化とドルとの対等化を狙い、世界一の経済大国にのし上がることを目指している。

 また、「一帯一路(陸と海のシルクロード経済圏)」構想により、中国は自国から西側、地球の半分を掌握しようと策を練ってきた。

 

・習近平はこうして、国内に不満を持つ人民の目を外に向け、自分の政権で一党支配体制が崩壊しないよう必死になっている。22年までの任期中にこれらの国家戦略を完遂し、自分が「ラストエンペラー」にならないことを目指しているのである。

 

 

 

『Will 2015年11月号』

 総力大特集 中国の自壊が始まった!

『中国は今も昔も「パンツ製造所」  石平』

 

 

 

<経済失速の連鎖>

・私が本誌で「中国経済はいずれ崩壊する」と主張し始めたのは、いまからおよそ5、6年前のことである。そしていま、それは目の前の現実となりつつある。

 今年8月と9月に公表された中国経済関連のさまざまな統計数字を一度に並べてみれば、この国の実態経済が一体どこまで沈没しているかがわかる。

 たとえば中国自動車工業協会が8月11日に発表した数字によると、7月における全国の自動車生産台数は151.8万台で、前年同期比では、11.76%の減少となり、前月比では何と17.99%も減った。僅か1月で自動車の生産台数が約18%も激減したとは、自動車産業にとってまさに地滑り的な凋落であろう。

 

・そして今年4月から7月まで、中国の自動車生産台数と販売台数の両方はすでに連続4ヵ月間、減り続けていたから、消費の激減が生産の激減をもたらすという、典型的な経済失速の連鎖がすでに始まっている。

 

<経済の「支柱」が崩れる>

・このように、ビールの消費量からスマートフォンや自動車の販売台数まで、中国の消費市場は急速に縮まっている。そして、自動車販売台数の激減が直ちに生産台数の激減に繋がったのと同じように、消費の冷え込みは当然、製造業全体の不況をもたらしている。

 

・英調査会社マークイットが、8月21日に発表した今年8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.1。PMIというのは好不況の分かれ目の数値で、50以下であれば不況となる。中国のPMIはこれで6カ月連続で50を割り、8月の47.1はリーマン・ショック後の2009年3月以来、約6年半ぶりの低水準、まさに大不況の到来を示す数値である。

 

・中国国家統計局が9月10日に発表した産業界の取引動向を示す8月の卸売物価指数も、前年同月比5.9%の下落となった。同指数の下落はすでに42カ月(3年6カ月)連続しており、8月の下落幅は7月の5.4%からさらに広がった。中国の産業全体は沈没している最中であることがよく分かる。

 

・産業が沈没すれば、それと一連托生の金融業も大変な苦境に立たされる。

 

・こうしたなかで、いままでは「中国経済の支柱」の一つとして高度成長を支えてきた不動産開発業も深刻な不況に陥っている。今年上半期、中国全国の「不動産開発用地」の供給面積が同期比で38.2%も激減したことは、現在の「不動産不況」の深刻さを如実に示している。

 

・また、詳しいことは後述するが、今年6月中旬からこの原稿を書いている9月まで、上海株が連続的な大暴落を続けていることは周知のとおりである。

 

・以上のように、いまの中国では消費・生産・金融、あるいは不動産や株市場、経済のありとあらゆる領域で大不況の冷たい風が吹き荒れ、中国経済を支えてきた「支柱」の一つひとつが傾いたり崩れかけたりするような無惨な光景が見られている。中国経済は現在ただいま、壮大なる崩壊へ向かっている。

 

<「李克強指数」の誕生>

・実はいまの中国で、政府が発表したこの7%の成長率を額面どおりに信じている者はほとんどいない。

 

<生産自体も落ち込んでいる>

・以上のように、いわゆる「李克強指数」から見ると、2015年上半期の成長率は、0%かあるいはマイナス成長に陥っている可能性すらある。

 もう一つ、衝撃的な数字がある。中国税関総署が発表した2015年1~7月の貿易統計によれば、輸入が前年同期比の14.6%減だった。中国の場合、輸入は消費財よりも生産財のほうが多い。要するに、海外から部品などを調達してそれで生産活動を行っているわけである。

 

・つまり、輸入がそれほど減ったということは消費が落ち込んでいるだけではなく、生産自体も大幅に落ち込んでいることを意味している。

 このように、電力消費量と鉄道貨物運送量と輸入の大幅減とをあわせてみれば、今年上半期の中国経済は0%成長、あるいはマイナス成長であったことは明々白々である。鳴り物入りの「中国高度成長」の神話は、これで完全に崩れているのである。

 

<「パンツ」で経済成長>

・たとえば日本の場合、高度成長の最初の段階では、輸出品はせいぜいおもちゃぐらいであった。しかしその後、あっという間に日本の自動車が世界中を席巻し、1970年代には日本車の輸出台数は世界一となった。こうしたなかで、日本は継続的な高度成長を成し遂げることができたのである。

 

・一方、中国はどうか。一応は輸出大国である。だからこそ、世界一の外貨準備高を持っている。しかし、この20~30年間で中国の輸出品が大きく変わったかというと、ほとんど変わっていないのである。

 

・1980年代、中国の主要輸出品は安物の靴下やパンツであったが、現在でも我々は中国製の靴下やパンツを履いている。数十年間で中国の輸出がパンツから自動車に変わったかといえば、全く変わっていない。外国では、誰も中国製の自動車などを買おうとはしない。要するに、中国は今も昔も世界一の「パンツ製造所」というわけである。

 

<経済成長における悪循環>

・しかし、労働者に安い賃金しか与えず、儲けは経営者に集中するという貧富の格差が拡大することで、長期的には国内消費が落ち込む。

 結果的に、中国自身が安価な製品を作りながらも、国内の慢性的な内需不足に悩まされるようになった。

 

・それではどうやって経済成長させてきたかといえば、結局、輸出頼りとなるが、輸出を伸ばすためにはさらに賃金を安く抑える必要がある。それがまた国内の消費不足を招くという悪循環となる。

 

・もう一つ、中国が高度成長を支えてきたやり方とは、要するに過剰投資である。国民が消費しないなら政府が投資すればいいとばかり、公共投資によって道路や橋をつくって需要を創出してきた。それに伴い、セメントや鉄鋼など、いろいろな需要も増えてくる。

 そこで、中国は全土で投資中毒になってしまった。中央政府も地方政府も、公共投資や土地開発をバンバン行った。その資金のためにお礼を刷り、さらに投資を増やして経済成長を加速させていった。

 

・そんな政策を長くやってきたことで、過剰生産が深刻化してしまった。人の住まないゴーストタウン「鬼城」が大量にできあがり、生産設備も全部が余るようになった。

 健全な経済なら、民間の給料が上がって国内消費が拡大することで、そうした過剰生産も吸収されていくわけだが、前述のように国内消費の割合はむしろ落ち込む一方である。また、中国では高付加価値を生む産業も育成されていないから、相変わらずパンツしか作れない。だから給料も低水準のままになる。その点も、国内消費が伸びない一因である。

 しかも、大量にお札を刷ったために流動性過剰が発生して、インフレになってしまった。

 

<過剰投資が持続できない>

・2010年までは中国の対外輸出の毎年の伸び率は驚異的な25%前後であったが、2015年に入って1~7月で0.8%減と、ついにマイナス成長へと転落した。

 

・しかしはっきりいって、中国という人口13億人の国が輸出で経済を支えるというのは、最初から無理である。

 

・同時に、いまの中国経済は「不動産バブル崩壊」と「シャドーバンキングの破綻」、そして「地方財政の破綻」などのいくつかの「時限爆弾」を抱えているが、0%成長かマイナス成長の状況下でそれらの「爆弾」が一つでも爆発すれば、あるいは同時に爆発すれば、中国経済は確実に死期を迎える。

 

<株価バブルは花火>

・最後に、上海株暴落の経緯とその理由について触れておこう。

 上海総合株価指数が5166ポイントという7年ぶりの高値をつけたのは今年6月12日のことだが、その直後から暴落が始まり、7月3日までの3営業日で約30%近い暴落が起こった。

 

・6月末から7月初旬の暴落時に異常だったのは、過半数の1千4百銘柄が売買停止となったことである。要するに、1千4百社もの上場企業が、自社株の暴落を防ぐために自ら売買停止にしたわけで、世界の経済史上では、前代未聞の話である。

 その時点で、上海の株式市場は半ば死んだのも同然である。

 

<延命策が命取りに>

・しかも政府が株式投資を煽ったせいで、この半年で株式市場に新規参入者がどっと増えた。2014年末に1億8千万だった個人の口座数は、2015年6月には2億2千5百万と実に半年で4千5百万件、割合にして20%も増加している。

 

・こういった新規参入者が信用取引に手を染めると、どうせ借金して買ったものだから、儲かったところで一斉に売る動きに出るようになる。

そして、ひとたび株価が下がるとそれを見てさらに売りが加速するという、パニック売りが起こりやすくなる。

 

・しかし、外国投資家は中国経済の実態をよくわかっているから、利益を確保したところで売る。

 そうなると、中国国内の信用取引をしている投資家も慌てて一斉に持ち株を処分し、恐慌売りが始まる。そうした仕組みによって、大暴落が起こりやすくなっていたわけである。

 

・このように見てくると、習近平政権は株バブルを煽って中国経済の延命を図ったが、結果的にそれが中国経済の命を縮めることになった。

 そして、実体経済がすでに沈没しているなかで、「株バブル」という最後の延命策が失敗に終われば、今後の中国経済を待っているのは崩壊という結末しかない。われわれはいま、今世紀最大の経済崩壊劇を目撃している最中である。

 

 

 


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(8)

2021-11-25 21:16:35 | 森羅万象

 

 

『文藝春秋』 平成27年3月特別号

『戦後70年の疲労 今こそ「第4の矢」が必要だ』

牛尾治朗 茂木友三郎 佐々木毅

 

 

 

<財界、官界、学界、労働界の有志が緊急提言>

・「日本アカデメイア」の92人が3年間討議を重ねた日本の未来。その議論が3人の提言となって結実した。

 

・この国は、戦後の日本社会に対する必要以上の幻想、つまり「余剰幻想」から抜け出せずにいるように思えるのです。

 少子化による人口減少、膨大な財政赤字、持続可能性が憂慮される社会保障制度――いずれも、ここまで事態が深刻化したのは、新しい時代にふさわしい思考に切り替えられなかった日本人の「余剰幻想」の産物にほかなりません。

 

・少子高齢化によって、高度成長時代にデザインされた社会を大幅に見直さなければ、社会保障全体の維持が覚束ないことは、ずいぶん昔から明らかでした。すでに、社会保障給付額は14年には115兆円にまで膨らみ、25年には149兆円になるとされています。

 

<「人を説得する政治」へ>

・この政治不信の根底には、「大事なことを本音で語る政治家は少ない」という有権者の悲痛な叫びがある。

 

・このままでは日本は壊れてしまう。そのことに国民は気付いています。従って一刻も早く民主制を作り変えなければなりません。「人を説得する政治」を実現して、シルバーデモクラシーからヤングデモクラシーへというように日本の新しい長期ビジョンを打ち立てなくてはならないのです。

 

<制度疲労を乗り越える「三つの提言」>

<この難局を乗り切るため、2030年の日本の自画像を描く>

<提言1 戦後の生き方・働き方はもう古い>

・日本の会社員は戦後70年もの間、一斉採用、終身雇用、そして定年制という、いわば20世紀型の仕組みのなかにあり続けて来ました。この画一的な働き方が制度疲労を起こし、日本人の幸福を奪っていると考え、これまで当たり前だと思ってきた「定年」という固定観念の見直しを提言します。

 

・年金生活という言葉を死語にし、若い時代から最低70歳、75歳くらいまでは健康でいきいきと働く。そして、社会に対して死ぬまで価値を生み出し続けていく。私たちの提案は、働き方にとどまらず、日本人の生き方の幅を広げる提案でもあります。

 

<若者、女性が社会の主役に>

・人口減少の抜本的な対策は、直ちに各界が始めねばなりませんが、簡単に解決できる問題ではありません。

 

<提言2 情報革命で本気の歳出削減を>

・税と社会保障、そしてその先にある財政再建をどうやって成し遂げるかは喫緊の課題です。毎年、社会保障給付額が2兆円から3兆円増えるといわれる現状では、今のシステムは早晩、行き詰まることが目に見えています。今の水準を維持し続けることはもはやできません。

 

・私たちは、その点を改善する前提として、税と社会保障の透明性を高めること、そのためにIT技術をフル活用することを提言します。日本の徴税システムはまだ抜け穴だらけといわれています。

 

・実は、そのために有効な制度が動き出そうとしています。国民全員に税と社会保障の共通番号を割り当てるマイナンバー制度が16年1月から本格導入されるのです。

 

<ビッグデータ活用で生活者本位の医療を>

・さまざまなデータを電子化して蓄積すれば、ビッグデータの活用によって、さらなる歳出削減の可能性が広がります。

 

<提言3 政治の時間軸を立て直す>

・政党のガバナンスも根本から見直すべき時期に来ています。例えば、バラバラに規定された今の政党の姿を統一的な政党法制に置き換えることや、現在の政党助成制度の見直しも検討すべきです。

 

<霞ヶ関の整理を>

・その結果、総理大臣、官房長官とその周辺が内閣官房と内閣府の仕事に忙殺される事態となっています。内閣官房と内閣府には、ありとあらゆる業務が乱立しています。

 

・内閣官房・内閣府の肥大化の問題に限らず、省庁の制度疲労は多くの官僚の指摘するところでもありました。機能不全に陥っている省庁については再々編も検討されてしかるべきです。

 

<「見えないもの」の価値を見直す>

・いま日本社会の「品位ある」存続可能性が問われています。国民の中に眠っている潜在力を最大限引き出す時期にきているのです。その意味で、国民の本当の意識の転換なしには、成し遂げられるものではありません。「パンとサーカス」にたとえられる民主政の根源的問題と向き合い、1人ひとりが受け身的な統治客体意識と決別しなければなりません。

 

<日本アカデメイア「長期ビジョン研究会 報告書」主な提言>

<日本力>

・(目標)次世代の生き抜く力を高め、選択の自由を最大にする社会を。文化の特質を軸に総合力としての「日本力」を構想。

 

① 70、75歳までいきいきと働ける多様な労働の場を拡大。年金受給開始年齢引き上げ。

 

② 社会保障・税の抜本改革を行う。負担と給付のバランスを見直し、持続性を高める。

 

③ 基礎科学分野の人材育成を強化。産官学で科学技術力を結集して生産性を高める。

 

④ 農業を6次産業化・知識集約化し、食文化、食産業をグローバル展開。

 

⑤ 伝統的観光資源と先端的文化表現などの革新的観光資源を開拓し、海外に発信。

 

<国際問題>

・(目標)東アジア地域に「安定を提供する日本」。米国と協力、豪・印・アセアンと連携し、中国に呼びかけ、普遍的価値を共有する開かれた「多次元的国際秩序」をめざす。

 

① 日本独自の柔軟な価値観外交を展開。価値観を押し付けるのではなく、民主主義や人権、法の支配等の普遍的価値を辛抱強く説く「ファシリテイター」を担う。

 

② 国内外の歴史的資料のアーカイブを創設。中高等教育で近現代史の歴史教育を充実。

 

③ 課題先進国として医療・福祉・介護問題を解決したモデル国として貢献。

 

④ 対外発信を強化。政府に知的情報発信戦略の中心となる機関を設置。

 

⑤ IT技術を活用し日本語遠隔教育を無料提供。日本の放送コンテンツを世界に発信。

 

<価値創造経済モデルの構築>

・(目標)日本の経済社会に日常的なイノベーションを喚起・誘発する価値創造経済をつくる。その中核は個別企業の価値創造。

 

① 資源や労働力などの制約、高齢化など社会的課題のある分野のイノベーションに挑む。

 

② ロボット産業の国際競争力強化。サービス産業等広範な分野で活用し生産性向上。

 

③ 国際競争に打ち勝つ産官学の体制を整備。国際的に整合した知的財産権制度を確立。

 

④ 過当競争防止のため、競争に敗れた企業は退場し、経営資源を解放。

 

⑤ 誰でもイノベーションを起こす「ユビキタス・イノベーション社会」に企業風土を転換。

 

<社会構造>

・(目標)重層的な信頼社会の構築をめざす。各分野で担い手となる中核人材を育成。戦後の生き方・働き方を見直し、人口減少に立ち向かう。

 

① 小中高の各段階で過疎地等で合宿型の長期共同生活学習を実現。

 

② 大学は理系、文系などの2分法から脱却。意欲あるすべての大学生が外国に留学。

 

③ 生涯にわたって複数の学位取得が可能な社会人向け大学・大学院教育を充実。

 

④ 年間有給休暇100%取得、50%時間外割増賃金率など労働条件をグローバル化。

 

⑤ 地方で「準市民」を創設。一定の施策で「ふるさと投票制度」を検討。

 

<統治構造>

・(目標)政党政治の危機克服に向けて、合理的決定と主権者意識の確立を両立させるデモクラシーの構築をめざす。

 

① 各庁設置法を廃止。閣外大臣制の導入。国会審議を計画化し党首討論を定期開催。

 

② 衆議院選挙における惜敗率を廃止。定数是正自動化制を導入。

 

③ 参議院は憲法改正を視野に半数改選制廃止や法案採決儀要件の緩和等を検討。

 

④ 政党法制を検討。政党交付金の配分を得票比率中心に改め、政権交代基盤を安定化。

 

⑤ 18歳選挙権を早期実現。主権者としての政治教育を促進。立候補支援制充実。

 

 

 

『江戸の怪奇譚』

氏家幹人    講談社 2005/12

 

 

 

<神隠し>

<美少年はさらわれやすい>

・もちろん江戸時代に子どもが拉致誘拐されたのは、飫肥藩のようなケースだけではありません。上野寛永寺で楽人を務める東儀右兵衛の六歳になる倅(せがれ)が突然姿を消したのは、文化11年(1814)の初午の日でした。とても賢い子で寵愛していただけに両親の心配はひとかたならず、鉦や太鼓を叩いて方々を捜し回りましたが、見つかりません。そんな折、八王子の「呼出し山」で祈願すれば神隠しになった者はきっと帰ってくると教えてくれる人があり、藁をもつかむ気持ちで右兵衛は「呼出し山」へ出かけ、わが子の名を呼びました。

 

・倅は直ちにあらわれなかったものの、夜の夢に老翁があらわれ、何月何日に汝の家の近くで老僧か山伏に出会うだろうから、その者に尋ねてみよと告げられたとか、指定の日に老僧に会った右兵衛は、「ずいぶん別条なし」(心配ご無用)数日後の何日に戻ってくると言われ、はたしてその日、倅は無事に帰宅したということです。右は根岸鎮衛『耳嚢』(みみぶくろ)収録の一話。

 

・大正15年(1926)に刊行された柳田國男『山の人生』に「八王子の近くにも呼ばはり山といふ山があって、時々迷子の親などが、登って呼び叫ぶ声を聴くといふ話もあった」と見える「呼ばはり山」と同じでしょうか。「呼出し」にしろ「呼ばはり」にしろ、注目すべきは、神隠しや迷い子を捜す”聖地”が成立していたという事実です。行方不明者捜索の聖地を必要するほど、神隠しの犠牲者が多かったのでしょう。

 

・日常的な出来事だった子どもの神隠し。それは江戸時代にかぎらず明治以降も続きました。再び柳田國男の著述を引用すると。大正四年(1915)に『郷土研究』に掲載された「山男の家庭」という文章で、柳田は「加賀の金沢の按摩」が次のように話したと記しています。

 

「この土地も大きに開けました。十年ほど前迄は冬の夜更に町を歩いて、迷子の 〈 誰それと呼ぶ声と、これに伴なふ寂しい鉦の声を聞かぬ晩はありませなんだ」

 明治の末、20世紀に入っても、金沢では冬の晩には必ずと言っていいほど迷子捜しの悲しげな声が聞こえたというのです。眼が不自由なぶん、聴覚が研ぎ澄まされた「按摩」の話だけに、なおさら信憑性に富んでいるではありませんか。

 

・『山の人生』にはまた、「関東では一般に、まひ子の く 何松やいと繰返すのが普通であったが上方辺では「かやせ、もどせ」と、稍(やや)ゆるりとした悲しい声で唱へてあるいた」とか、鉦太古の叩き方はどこもほぼ同じで「コンコンチキチコンチキチの囃子」だったとも書かれています。迷子捜しは、関東と上方で呼び声が異なり、鉦や太鼓の囃子は全国ほぼ共通という意味でしょうか。迷子捜しの作法が固定化するほど、神隠しは日本人の生活に深く根ざしていました。そして「神隠しの被害は普通に人一代の記憶のうちに、3回か5回かは必ず聴く所」とも。それは民俗慣行のひとつと言えるほど身近な出来事でした。

 

<血を抜き、油を取る>

・日本全国ですくなくとも明治の末まで頻繁に起きていた神隠し、犯人は誰だ。再び『山の人生』をひもとくと、次のようなくだりに眼が止まりました。

 

「東京のような繁華の町中でも、夜分だけは隠れんぼはせぬことにして居る。夜かくれんぼをすると鬼に連れて行かれる。又は隠し婆さんに連れて行かれると謂って、小児を戒める親がまだ多い。村をあるいて居て夏の夕方などに、児を喚ぶ女の金切声をよく聴くのは、夕飯以外に一つには此畏怖もあったのだ」

 

・繁華な東京でも、子どもたちは常に神隠しの危険にさらされていて、犯人は「鬼」や「隠し婆さん」と言われているというのです。もちろん狐や狸の仕業ではないかと疑われ、地方によっては「隠し神さん」「隠れ座頭」等の名も挙がっていたとか。

 

「隠し婆さん」は古くは「子取尼」と呼ばれ、「小児を盗んで殺すのを職業にして居た」女性だと柳田は言う。 

 

<空飛ぶ天狗>

・神隠しの犯人はほかにもいました。『視聴草』には、天明元年(1781)の夏ごろから翌年にかけて、奥州会津から象潟(現・秋田県)までの広い地域で、15歳以下の少年少女を多数連れ去った「怪獣」の肖像が載っています。会津の塔の沢温泉で小児病の湯治に来ていた大勢の子どもが失踪したのも」この怪獣の仕業。会津磐梯山に潜んでいたところを松前三平という猟師に大筒で撃ちとめられたそうですが、その姿はご覧の通り。さて、一体何者だったのでしょう。

 

(当ブログ注;「長髪長尾のミニ怪獣(はたして児童集団拉致の犯人か)」の図絵とは、グレイの異類混血のようなイメージです)。

 狐狸、隠し婆さん、鬼、怪獣・・・。でも神隠しと言えば、主役はなんといっても天狗でした。

 

・文化三年(1806)には、美濃国郡上郡のある村で、14、5歳の重五郎という少年が風呂に入っている最中に天狗にさらわれましたし、平戸藩老公(前藩主)松浦静山の本所の屋敷に奉公していた下男にも、天狗に拉致された経験者がいました。文政八年(1825)に53歳になっていた源左衛門という名のこの下男、7歳の祝いに故郷上総国の氏神に詣でた際に山伏(天狗)に連れ去られたというのです。8年後に家に帰ってきましたが、不思議や、7歳のときの着物に微塵も損傷がなかったとか。

 

・18歳になると、再び以前の山伏があらわれて、「迎に来れり。伴ひ行べし」(迎えに来た。さあ一緒に行こう)。帯のようなもので山伏の背に結いつけられ、風のような音を聞くうちに越中立山へ。その後、貴船、鞍馬ほか諸国の霊山を廻って天狗たちに剣術や兵法を学ぶなど不思議な体験を積んだ源左衛門は、19歳の年すなわち寛政三年(1791)に、天狗の世界を去る証状(証明書)と兵法の巻物や脇差を授けられて、人界に戻されたのでした。

 

・嘘のような話。さすがに静山公も当初は半信半疑でしたが、やがて信じる気持ちに傾き、結局のところ、「何かにも天地間、この傾き妖魔の一界あると覚ゆ」と天狗の世界の存在を認めています。天狗の神隠しの事例は、虚と自信を持って否定するにはあまりに多く、ポピュラーだったからでしょう。

 

・江戸大塚町の石崎平右衛門は、若いころ筑波山の天狗に数年仕えたのち、日光山の天狗に十露盤(そろばん)占いの法を伝授されましたし、池之端の正慶寺に奉公していた14歳の童子は、文化11年(1814)に天狗に伴われ、なんと「万里の長城」を上空から眺めるという稀有な体験をしています。神田鍛冶町の天狗庄五郎が「天狗」の異名を取ったのも、若い頃天狗に誘われて2、3年姿を消していたからにほかなりません。

 

・ほかに天狗甚右衛門の異名で呼ばれていた者もいました。彼もまた数年間の神隠しを経て戻ってきたのだとか。

 

・ところで静山は、讃岐国高松藩の世子が幼いころ矢の倉(現・中央区)の屋敷の庭で凧揚げをしていたとき目撃した不思議な光景についても記していました。はるか上空を頭を下にした女性が泣き叫びながら飛んで行くのを見たというのです。同じ光景は家来たちにも目撃されており、幼児の幻覚や思い込みではなかったようですが・・・・のちに世子は、あれは天狗が女をさらって空を飛んでいたのだと思うと幕府の坊主衆に語っています。

 

・はたして主な犯人は”空飛ぶ天狗”だったのでしょうか。もちろん、柳田も天狗による神隠しの例をいくつも挙げていますが、天狗説は「冤罪」と退けています。ならば誰が?柳田の推測では、古くから神隠しを頻繁に起こしてきた元区は、大和朝廷に排斥され山中に隠れ住んでいた人々の末裔。「神武東征」以前に日本に住んでいた先住民の子孫が、江戸はもちろん明治以降も山中に住み、「生殖の願」や孤独生活のさびしさから黄昏に人里にやって来て「美しい少年少女」を拉致したというのです。

 

<天狗の情郎>

・天狗か、先住民の末裔か、それとも悪質な修験者の犯行か。犯人の詮索はともかく、注目すべきは、柳田が神隠しの原因のひとつとして性的欲求を挙げた点でしょう。同様の指摘は江戸時代の随筆にも見え、『黒甜瑣語』(1795年序)には、当時神隠しになった少年や男たちが「天狗の情郎」と呼ばれていたと書かれています。「情郎」は通常「陰間」(かげま)と書いて、男色をひさぐ少年の意。江戸時代の人々は、神隠しの犠牲者はすなわち邪な性的欲求の犠牲者であると暗黙のうちに了解していたのです。

 

<はては宇宙から眺めた「国土」(地球)の姿まで、多彩な内容を克明かつ饒舌に披瀝した寅吉少年>

・性犯罪としての天狗の神隠し。とはいえそこには、現代のケースのように天狗=性犯罪者、少年=犠牲者と単純に割り切れない面もありました。

 

・介護や師弟関係が性愛と不可分だった時代、天狗の神隠しにも、われわれの常識では計り知れない面があったに違いありません。

 

  

 

『天国の真実』

マシューブック1 マシューが教えてくれる天国の生活

スザン・ワード   ナチュラル・スピリット  2006/10/10

 

 

 

<パートナーシップ>

(スザン)同性愛のパートナーは、両者が望めばニルヴァーナ(涅槃・天国)でもそのつながりを継続できるの?

 

 (マシュー)そうだよ。同性愛というのは地球ではよく理解されていない。言ってみれば、同性愛は体や物理的側面というよりも、霊の進化の一段階であって、他の身体的あるいは霊的発達段階と比べてとがめられるものでも崇められるものではない。

 

・それに僕たちは一回きりの人格でなく、類魂だということを忘れてはならない。どの類魂もおそらく肉体、あるいは肉体なしで男性、女性、そして、両性具有の存在として何千回も転生している。

 

・もし直前の過去世の地球の人生で同性愛者だったら、ここにも同じ状態でやってくる。ここでは体が性的行為をする造りにはなっていないから、同性愛の精神的な側面だけがついてくる。

 

・地球で猛烈に同性愛を糾弾している人たちというのは、直前の過去世で同性愛者の人格を経験した魂たちなんだ。

 

 (スザン)同性愛は今、地球の歴史上、かってないほど増えているのかしら?

 

 (マシュー)いや、でも有史以来、今はずいぶん人口が増えているから、割合は同じでも数にすれば、増えていることになるね。歴史上、様々な分野で尊敬されている著名なマスターたちは多くが同性愛者だ。

 

 <ニルヴァーナ評議会>

(マシュー)

・たいていの場合、評議員たちは地球に何度も転生しているが、必ずしも地球での経験だけに留まるわけではない。

 

・評議員は男女、そして、両性具有の魂たちの代表だ。それには素晴らしい知恵や知識を持って新たに加わるものもいるし、また霊的進化からいえば、ニルヴァーナを数段超えているのに、あえてこの領域に留まることを選んだマスターたち、また必要に応じて請願されるグレート・マスターたちがいる。グレート・マスターは住人でもなければ体も持たない。彼らの強力なエネルギーは、この太陽系一帯からリラ、シリウス、プレアデスといった地球文明の発展に緊密に関連する星系に瞬間的に移動できるんだ。

 

 

 

『「現代」という環境』

10のキーワードから(下流社会、エコロジー、ワールドカップ、まちづくり、少子化、ミーム・プール、雇用平等、トラウマ、インターネット、憲法改正)

渡辺雅男 + 渡辺治  旬報社  2007/4

 

 

 

<社会学部>

・実は、一橋大学社会学部という学部は全国の大学の数多い学部のなかでも独特の性格をもち、やや異質の研究や教育をおこなっている学部です。国立大学で、社会学部という名称を冠した学部は一橋大学以外にはないという点にも、その異質さが象徴されています。

 

<インターネット 情報という疑似環境>

<グローバル化は情報化>

・「一つになった地球」には、二つのイメージがあります。一つは、さまざまな共同体や人種、民族がつながり、地球市民の時代に入った「地球的共同体」。もう一つは、格差社会が地球全体に広がった「地球的格差社会」です。この後者を象徴的に示したのが、21世紀のはじめに日本でベストセラーにもなった『世界がもし100人の村だったら』です。

最初にインターネット上で流布した版(バージョン)は、こうでした。

 

・もしも、現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで、全世界を100人の村に縮小するとどうなるでしょう。その村には――

 57人のアジア人、21人のヨーロッパ人、14人の南北アメリカ人、8人のアフリカ人がいます。52人が女性です。48人が男性です。70人が有色人種で、30人が白人。70人がキリスト教以外の人で、30人がキリスト教。

 

89人が異性愛者で、11人が同性愛者。6人が全世界の富の59%を所有し、その6人ともがアメリカ国籍。

 

80人は標準以下の居住環境に住み、70人は文字が読めません。

50人は栄養失調に苦しみ、一人が瀕死の状態にあり、一人はいま、生まれようとしています。

 

1人は(そうたった1人は)大学の教育を受け、そして、たった1人だけがコンピュータを所有しています。――

 

もっとも、コンピュータは、その後急速に広がり、いまは15人ほどが持っています。

 

<メディアとしてのインターネット>

・世界のインターネットのユーザーは、10億人を突破しました。携帯電話は20億人です。阪神大震災、オウム真理教事件が起きた1995年は「インターネット元年」と呼ばれます。被災者を助けるためにボランティアが情報を交換したのを契機に、インターネットは急速に広がり、今では日本で80%の家庭に普及しています。ただし国家間で情報格差があり、人口5%のアメリカは、世界のインターネット人口で20%を占めます。英語人口は地球の1割ですが、インターネットで使われる言葉の35%は英語です。日本は、情報大国ではありません。インターネット人口は頭打ちです。

 

<情報とは何か>

・「ウィキペディア」の英語版は160万項目になり、学生のレポート作りの定番になりました。

 

・アメリカの大統領選挙は、メディアの発達で、1928年にラジオ、60年にテレビ、2000年からインターネットが、投票行動に大きな役割を果たすようになりました。資金集めから選挙運動まで、メッセージの内容も変化し、政治の場が大きく変わっています。お隣の韓国は、インターネット政治の先進国です。日本でもこれから変わるでしょう。

 

<疑似環境とステレオタイプ>

・「私たちがリアルな環境と思っているものは、実は疑似環境である。人々は自分の頭で作り上げたイメージ、他人の話やマスメディアなどを通じて外部から与えられた情報を環境と思っているにすぎず、現実とはずれがある」

 

・疑似環境がステレオタイプになり、極度に単純化され、時に偏見や差別をつくりだします。「金儲けにしか興味がなく、メガネをかけ、カメラを首からぶらさげて旅行する」という日本人のイメージがありました。

 

・こういうステレオタイプが、偏見、差別と結びつくと、思い込み、固定観念、先入観になっていきます。特に、マスメディアの発するメッセージは、ステレオタイプ化され、知らず知らずのうちに、私たちの思考回路を支配します。

 それをビジネスに利用したのが、コマーシャルです。ステレオタイプ

 

が繰り返し報道・再現されて、人々がそのように思い込み、行動します。先日の「納豆ダイエット」騒動は、虚報に踊らされた、典型的な疑似イベントでした。

 

<インターネットの可能性と問題性>

・たしかにネットを悪用した犯罪も起こっています。しかし、疑似環境は、現実の世界で起こっている問題を増幅し、単純化しているのであって、インターネット自体が悪いわけではありません。時には癒しにも使えます。政府による監視や規制より、私たちの使い方を考えるべきです。

 

<インフォテックからインフォアーツへ>

・私は、社会学者の野村一夫さんと一緒に、「インフォアーツ」といって、ネットワーク時代に対応した知恵とわざ、自律的市民に必要な教養を身につけようと提唱しています。難しい「インフォテック」(情報技術、情報工学)よりも、まずこちらが必要です。

 

・インターネットの世界は無秩序ですが、特性を生かし、うまく使いこなせば、新しい民主主義のための土俵、舞台を作っていけると考えています。特性とは、だれでも自由に参加できる「開放性」、即座に大量に情報を送る「速報性」「大量性」、簡単に情報を交換できる「効率性」「低価格」、そして、テレビにはない「双方向性」「脱国家性」などです。

 

・インフォアーツの第一は、「メディア・リテラシー」です。テレビや新聞の情報を、批判的に吟味する力です。第二に、調査に必要な検索、収集、照合、発見の「情報調査能力」、第三に、交信のルールを守る「コミュニケーション能力(ネチケット=ネットワーク・エチケット)」、第四に、「市民的能動性」(ネチズンシップ)」。自分のインターネットの世界を倫理的、道徳的に構築し制御する知恵です。第五に、最低限パソコンを使いこなすわざで「情報システム駆使能力」、第六は、「セキュリティー管理能力」です。

 

・基礎的なインフォアーツを身につければ、インターネットは、お年寄りにとっても、新しい生きがい発見の場となるでしょう。

 

 


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(7)

2021-11-25 21:15:27 | 森羅万象

 

<さまざまな企業の取り組みを知ろう>

・そこに風穴を開け、いち早くLGBTへの働きかけを行ったのが、今はなきリーマン・ブラザーズ証券でした。2004年に入社したヘイデン・マヤヤスさんが、社内でLBGLN(リーマン・ブラザーズ・ゲイ・アンド・レズビアン・ネットワーク)という当事者ネットワークを立ち上げ、LGBTの従業員同士で親交を深め、同性カップルの結婚を祝福したり、識者を招いて講演会を催したりしていました。そして「多様な人材を抱えることができれば顧客提案の幅も広がる」との考えから、2006年3月には早稲田大学など7大学のLGBTサークルに声をかけ、社内のLGBT支援システムをアピールし、優秀な人材の確保に乗り出しました(2008年以降、リーマン・ブラザーズ証券の取り組みは、野村證券へと受け継がれていきます)。

 

<ゴールドマン・サックス証券株式会社>

・ゴールドマン・サックスは、多くのLGBTが活躍している世界有数の金融機関です。イギリスでは「LGBTが働きやすい会社トップ100」の6位に選ばれています。

 

・日本法人では2005年に社内LGBTネットワークが設立されました。

 

<野村証券株式会社>

・2008年9月にリーマン・ブラザーズ証券が破綻したあと、野村證券がリーマン・ブラザーズの欧州とアジア拠点の部門を継承した際に、ダイバーシティ&インクルージョンのコンセプトとともにLGBTネットワークが野村證券に引き継がれることになりました。

 

 

 

『妖怪の理 妖怪の檻』

京極夏彦    角川書店  2007/9

 

 

 

<柳田國男の妖怪談義を巡って>

・現在、“妖怪”を語る時には必ずといっていい程引き合いに出されてしまう柳田國男も、最初から「妖怪」という言葉を使用していたわけではありません。

 例えば、有名な『妖怪談義』(1956/修道社)に収録されている論文の中で一番古い「天狗の話」が書かれたのは明治42年(1909)のことなのですが(それは井上圓了が活躍していた時代です)、その中に「妖怪」の2文字を見出すことはできません。のみならず初期、中期の論文において柳田は、天狗は天狗と記し、大太法師は大太法師と記すだけです。柳田國男がそうしたモノの総称として「妖怪」という言葉を頻繁に使い始めるのは、大正も半ばを過ぎてからのことなのです。

 

・ただ、柳田國男はその学問の創成期から民俗の諸層に立ち現れる“怪しいモノゴト”に深い興味を示してはいました。

 柳田はまた、それを怪しいと感じる人間の心の在りようを研究することに学問的意義を見出してもいたようです。加えて、柳田が比較的早い時期に「妖怪」という言葉を“述語”として採用しようとしていたこともまた、事実ではあります。

 

・そして柳田以外の民俗学者達が「妖怪」という言葉を術語として頻繁に使い出すのは柳田が昭和11年(1936)雑誌『日本評論』(日本評論社)に論文「妖怪談義」を発表して後のことと思われるのです。

 

・また当時流行し始めていた心霊研究、さらには海外のスピリチュアリズムなども、柳田の視野には収まっていたはずです。

 ならば、日本民俗学を学問として確固たるものにするために、そうしたある意味いかがわしさを含んだ学問と一線を画する必要が、柳田には確実にあったはずなのです。民俗の中の“怪しいモノゴト”を扱うにあたって、さらにはそれを“妖怪”と名づけるにあたって――「妖怪」という言葉を術語として使うために、柳田國男は、井上、江馬、藤澤、そして心霊科学、そのどれとも異なった道を模索せざるを得なかったのでしょう。

 

<『古今妖魅考』は平田篤胤が記した書物で、天狗に関する多くの記述がある>

・柳田が“妖怪”と“幽霊”を明確に区別したがったのは、過去(文献)だけを研究対象とした江馬のスタイルと決別するという主張の現れだったのではないでしょうか。それはまた、民俗学を近代的な学問――科学とするための一種の方便として捉えることも可能です。

 

<黎明期の民俗学を巡って>

・柳田は全国各地の習俗や言語など“民俗”に関わる事象をくまなく調査し(必ずしも自らが全国を巡ったわけではないのですが)、蒐集・蓄積した膨大なデータを様々な形で纏め、世に問うています。しかし、纏められた資料や論考を俯瞰した時、“性”と“差別”に関わる記述が驚く程に少ないということに気づくはずです。まったく触れられていないというわけではないのですが、それにしても扱われている情報は僅かで、扱い方も常に淡泊です。

 これは、それらの情報が蒐集の網から漏れた故に生じた“不備”ではありません。

 それはむしろ、意図的に“取捨選択”がなされた結果であるものと思われます。“性”や“差別”に関わる情報は、なにがしかの基準によって選り分けられ、隠蔽されてしまったようなのです。

 但し、その選別作業がどの段階で行われたのかは定かではありません。

 

・柳田の許に届く前、例えば蒐集の段階で捨てられてしまったという可能性も、もちろんあるでしょう。しかし、たとえそうであったのだとしても、何らかの基準なり指針を示したのが柳田であったことは想像に難くありません。

 柳田は“夜這い”などの性に関する習俗や、取り上げること自体があからさまな差別の誘因となり得る事象などに対しては極力言及しない――という方針を持っていたようです。これは柳田個人の(そうしたものを好まない)性質・信条に因るものだという見方もあるようですが、それを踏まえた上での、一種の“戦略”であったと捉えられることも多いようです。

 立ち上げ間もない民俗学を守るための――学問の一分野として成立させるための――それは学問的“戦略”だというのです。つまり民俗学が卑俗なものとして受け取られることを虞れたあまり、誤解を受けそうなテーマを緊急避難的に遠ざけた――ということになるのでしょうか。

 

・ただ、柳田國男が意図的に「妖怪」なる言葉を民俗学用語として採用し、ある程度積極的に使用したことは明らかな事実ですし、その結果として現在私たちが知る“妖怪”という概念が形成されたことも事実でしょう。

 

・性的習俗・差別的文化の取り扱い方が、柳田の学問的“戦略”であったのだとしても、また、単に柳田の個人的な嗜好の発露であったのだとしても、柳田がなにがしかの基準を以て蒐集した情報を取捨選択していた(あるいはさせていた)という事実に変わりはありません。

 そうした事実がある以上、ここでまず問題にしなければいけないのは、その“基準”そのものでしょう。

 それでは、その基準と果たしてどのようなものだったのかを考えてみましょう。

 

・筆者はその基準を、取り敢えず“通俗性の有無”と要約することができるだろうと考えています。

 通俗とは、“下品”であり“幼稚”であり“下劣”である――学問的でない――と言い換えることもできるでしょう。柳田國男は高名な学者であり、官僚でもあり、インテリゲンチャのホワイトカラーであり、現在でも、およそ通俗とはかけ離れた印象を以て受け入れられている人物です。柳田が通俗を厭うたというもの言いは、いかにももっともらしく聞こえることでしょう。しかし、それはあくまで“印象”に過ぎません。

 

・風俗史学が“下品”で“幼稚”だなどと述べているわけではありません。前述のとおり、風俗史学は(民俗学とは以て非なるものではありますが)きちんとした理念や体系を持つ、れっきとした学問です。

 ただ、明治期から昭和初期にかけて、風俗研究の名を借りた通俗的な言説が一種のブームとなっていたこともまた、紛れもない事実なのです。

 

・もちろん、性であれ差別であれ、研究者は決して下世話な興味本位でそれらを俎上に並べたわけではありません。風俗史学の内部では、それらはいずれも学問的な研究対象として、真面目に取り扱われています。しかし、研究者がどれだけ真摯な姿勢でそれらと向き合っていようとも、そうした対象を扱うという行為自体が、好奇=通俗の視線に晒される要因となるのだとしたら――通俗化を回避することは難しいといわざるを得ません。

 戦後のカストリ誌などで好んで扱われたネタの多く(猟奇趣味、犯罪心理、性愛記事、秘境探検記事など――)は、そうした“風俗研究ネタ”の直接的な焼き直しです。

 

・風俗史学が「過去のモノゴトを現代に紹介する」学問だとするなら、民俗学は「過去を知ることで現代を知る」学問です。風俗史学が「特定の場所や時代を研究する」ことに終始するのに対し、民俗学は「古層を探ることで現在を理解する」ためになされる学問なのです。

 実際、柳田以降もその二つは時に混同され、集合離散を繰り返すこととなります。

 

・柳田が“性”や“差別”を禁じ手としたのは、そうした手本があったからなのでしょう。それが柳田の個人的な嗜好であったのだとしても、学問の卑俗化を防ぐための戦略であったのだとしても――柳田の視野に風俗研究が収められていたことは疑いのないことのように思えます。

 

・柳田國男は、どういうわけか「妖怪」という言葉だけは捨て去ることをしませんでした。それどころか、柳田は晩年に至って「妖怪」という言葉に拘泥し始めるのです。先に挙げた基準が正しいものであるならば、「妖怪」は真っ先に捨てられていて然るべき言葉であったのでしょう。

 

<明治の雑誌をなどを巡って>

・明治30年代に入ると、圓了の著作以外の場でも「妖怪」という言葉が使用されるようになります。

 

・明治政府は圓了以上に迷信や旧弊を弾圧しました。明治期には、まじないや因習を禁止した政府令がいくつも出されています。反体制という場所に立って眺めるならば、圓了も明治政府も同じことをしているように見えたはずです。

 

・合理を前面に打ち出した圓了の場合、現象の背後には何もありません。「起こり得るか/起こり得ないか」の二者択一で、非合理なものは「起こらない」「ない」というのが圓了の立場です。

 平井の場合は多少違っています。神霊(心霊とは微妙に違う概念です)の有効性を信じる者にとっては、すべての事象はなにがしかの「意志の結果」なのです。「起こり得ないこと」であっても「起こるべきこと」は「起こる」ということになるでしょう。

 

・二人の違いとは、現象の背後にある“モノ”を想定しているかいないか、ということです。

 平井の文中にそうした“超越者”に対する記述はいっさいありません。しかし、先に述べたように、平井が後に心霊研究の方面に手を伸ばす人物であることは事実です。平井金三にとって大切だったのは、「何が起きているか」「それは起こり得ることなのか」ではなく、「何故起きたのか」、あるいは「何が起こしたのか」だったのではないでしょうか。

 健全な“妖怪”=“神仏”が「在る」のであれば、不健全な“妖怪”もまた「在る」ということになります。

 

・天狗の話も河童の話も、フォークロアや寓話としてではなく「本当にあったこと」として語られているわけです。

 現代に置き換えるなら「私は宇宙人に遭った」「自殺者の霊がトンネルに現れた」というのと同じ文脈で天狗や河童が語られているわけです。天狗も河童も実在するモノゴトとして、要するに“オカルト全般”として扱われているということ――即ち井上圓了の引いた枠組みの中で語られているということ――になるでしょう。

 

・圓了の仕事によって、“妖怪”の名の下にそれまで乖離していたいくつかの事象が統合・整理されたことは間違いないでしょう。それは、後にオカルトなる便利な言葉が一般化したために、超能力やUFO、心霊現象やUMAなど、本来無関係であるはずのものごとがひと括りにされ、新たな体系が編まれた事情と酷似してもいます。

 

<郷土研究の社告を巡って>

・その当時「妖怪」という言葉は、通俗の場においてこそ“化け物”というニュアンスを帯びつつあったものの、学問の場において、また枠組みとしては(結果的に)圓了の独壇場だったといえるでしょう。しかし柳田は(たぶん敢えて)この枠組みから外れた使い方をしてみせます。

 

・民俗学は(というよりも柳田國男は)もちろん近代的学問を目指しはしたのでしょうが、決して前近代を否定する立場をとっていたわけではありません。民俗学にとって前近代は否定するものでも肯定するものでもなく、近代を知るための“研究材料”だったのです。

 

・たしかに圓了といえば迷信否定――今でいうならオカルト否定派の急先鋒です。心霊研究とはおよそ馴染まないように思えます。しかし、繰り返し述べている通り、圓了が厳しく糾弾したのは“前近代”なのです。

 心霊科学という言葉からも判る通り、心霊研究は、“科学的”な発想をその根底に持っています。

 

<再び柳田と民俗学を巡って>

・明治末から柳田が抱えていた「山人」という大きな研究テーマ――『後狩詞記』(1909/自費出版)や『遠野物語』(1910/聚精堂)などを生み出す原動力ともなり、南方熊楠との、いわゆる「山人問答」を通じて明確化したテーマ――に、柳田はここで終止符を打ちます。そして研究対象を平地人=常民へと移して行くのです。

 そうした様々な変遷の中、柳田は「妖怪」という言葉とは距離を置き続けます。と――いうよりも、柳田は、「妖怪」という言葉をまったくといっていい程使っていないのです。

 

・昭和9年(1934)、柳田は現在もなお“妖怪”研究の基本文献のひとつとされる『一目小僧その他』(小山書店)を上梓します。

 一つ目小僧、目一つ五郎、隠れ里、橋姫、ダイダラボッチと――論文中で扱われているのはいずれも(現在の感覚では)紛う方なき“妖怪”ばかりですが、やはり「妖怪」という言葉は一切使用されません。

 

・金城は、最初に挙げた「マジムン」を「妖怪変化の総称」としています。続く「ユーリー」は、マジムンと同義であるとしながらも(那覇では)「人間の死霊」に限定する呼称であると述べています。

 

<様々なコトバを巡った後に>

・柳田は、“妖怪”に対する自らの指針を正当化するために、まず“幽霊”を“お化け”のカテゴリから切り離さなければならなかったのではないか――。

 そのような観点から柳田の仕事を見直した時、“妖怪”と“幽霊”に関する柳田の定義も、かなり脆弱な論拠の上に成立している限定的な言説として捉え直されてしまいます。

 柳田の定義は概ね次のように要約されて、広く人口に膾炙されてしま

います。

 

① 幽霊は人に憑くが妖怪は場所に出る。

 

② 幽霊は深夜に出るが妖怪は薄暮に現れる。

この二点は“妖怪”と“幽霊”の決定的な差異として様々な場面で引用されています。

 

・人に取り憑くモノは“幽霊”ばかりではありません。狸も狐も、鬼も天狗も河童も、わけの判らないモノだって人に憑きます。“憑き物”を外しても、個人につきまとう“幽霊”以外のモノはいます。一方で同じ場所に出続ける“幽霊”もたくさんいます。そうした“幽霊”は不特定多数に祟ることもあります。昨今の言葉でいうなら“地縛霊”ということになるでしょうか。柳田の定義を押し通すなら、“地縛霊”は“幽霊”ではなくなってしまいます。

 また、出現時間に関しても同じことがいえるでしょう。深夜に訪れる恐ろしいモノが、すべて“幽霊”かといえば、そんなことはありません。夕暮れに目撃される“幽霊”も多くあるでしょう。それは今にかぎらず、過去にも多くあったのです。

 定義から漏れるものは認めない、という態度もあるのでしょうが、そうするとかなり無理をして分類し直さなければならなくなります。

 

 

・ただ、生涯を「妖怪学」に捧げた井上圓了と違い、柳田國男の“妖怪”研究は、その膨大な仕事のうちの、ほんの一部にしか過ぎません。しかし、割合としては少ないまでも、柳田にとって“妖怪”が一種「特別な」研究対象であったことは疑いようがありません。

 

 

 

 

『遠野物語拾遺   retold』

柳田國男 × 京極夏彦  角川学芸出版   2014/6/10

 

 

 

(171)

この鍛冶屋の権蔵は川狩り巧者であった。夏になると本職の鍛冶仕事にはまるで身が入らなくなる。魚釣りに夢中になってしまうのである。

ある時。

権蔵は山の方の川に岩魚釣りに行った。編籠に一杯釣ったので切り上げ、権蔵は村に向かって山路を戻って来た。

 村の入り口を示す塚のある辺りまで来ると、草叢の中に小坊主が立っている。はて誰だろうと思って見ると、小坊主はするすると大きくなって、雲を突く程に背の高い入道になった。権蔵は腰を抜かして家に逃げ帰ったという。

 

(87)

綾織村砂子沢の多左衛門どんの家には座敷童衆がいる。この座敷童衆は元お姫様である。これがいなくなったら家が貧乏になった。

 

(136)

遠野の豪家である村兵家の先祖は、貧しい人であった。ある時。その人が愛宕山下の鍋ヶ坂という処を通り掛かると、藪の中から、「背負って行け、背負って行け」と、叫ぶ声がする。

 

いったい何があるのかと立ち寄って見てみると、仏像が一体あるのであった。その人は言われる通りそれを背負って持ち帰り、愛宕山の上に祀った。それからその人は富貴を手に入れ、家はめきめきと栄えて、後裔は豪家となったのである。

 

(88)

その遠野町の村兵の家には、御蔵ボッコというものがいた。籾殻などを散らしておくと、翌朝。そちこちに小さな児の足跡が残されているのを見ることが出来たという。後に、それはいなくなった。それから家運が少しずつ傾くようになったそうである。

 

(89)

砂子沢の沢田という家にも、御蔵ボッコがいたという。人の目に見えるものではなかったようだが、ある時姿を見ることがあった。赤塗りの手桶などを提げていたという。見えるようになったら、竈が左前になったそうである。

 

(90)

同じ綾織村の、字大久保にある沢某の家にも蔵ボッコがいた。時々、糸車を回す音などがしたという。

 

(91)

附馬牛村のいずれかの集落にある某の家のこととして伝わる話である。先代の当主の頃、その家に一人の六十六部がやって来て泊まった。

しかし、来たところは見ているが、出て行く姿を見た者がいない。

そういう噂である。それ以来その家が栄えたとかいう話は聞いていない。ただ、貧しかったということもないようである。

 近頃になって、この家に幼い女児が顕れた。十になるかならぬかくらいの齢で、紅い振袖を着て、紅い扇子を持っていたという。女児は踊りを踊り乍らその家から出て来て、下窪という家に入った。

 

これも噂である。しかしそれ以降、このニ家はケェッチャになったと村の者は謂う。ケェッチャとはあべこべ、裏表というような意味であるから、貧富の差が逆転したというような意味なのだろう。

 その下窪の家に近所の娘が急な用で行った折、神棚の下に座敷童衆が蹲っているのを見て吃驚し、逃げ戻って来たという話もある。

 そういう話があるのだから、下窪の家は裕福になったということなのだろう。

 

(93)

遠野一日市にある作平という家は裕福である。しかし、元々暮らし向きが豊かだった訳ではない。この家には栄え始めた契機があると謂う。

 ある時、土蔵に仕舞ってあった大釜が突然鳴り出した。家の者は勿論、近所の者も皆驚いて見に行ったそうである。音は止むどころか段々に強くなり、小一時間も鳴り続けたと謂う。

 その日から家運が上昇した。作平の家では山名という面工を頼み、釜が鳴っているところの絵を描いて貰い、これを釜鳴神と称して祀ることにしたそうである。今から二十年くらい前のことである。

 

(94)

土淵村山口にある内川口某という家は、今から十年程前に瓦解した。家屋も一時空き家になっていた。寄り付く者もいないから、当然人気も全くない。しかし誰も住んでいない筈のその家の奥座敷に、夜になると幽かな火が燈る。そして、誰の声かはわからないが、低い声で経を誦むのが聞こえる。往来のすぐ近くの家であったので、耳にする者も多かった。近所の若い者などが聞き付け、またかと思って立ち寄ってみると、読経も止み、燈火も消えている。同じようなことは栃内和野の菊池家でも起こった。

菊池家も絶え、その後に空き家から経が聞こえたりしたそうである。

 

(92)

遠野新町にある大久保某の家の二階の床の間の前で、夜な夜な女が現れ髪を梳いているという評判が立った。

 近所の両川某という人がそれを疑い、そんなことがあるものかと言って大久保家に乗り込み、夜を待った。

 

 夜になると、噂通りに見知らぬ女が髪を梳いている。女はじろりと両川氏を見た。その顔が何とも言えず物凄かったのだと両川氏は語った。

明治になってからの話である。

 

(162)

佐々木喜善君の友人に田尻正一郎という人がいる。その田尻氏が、7,8歳くらいの頃。村の薬師神社の夜籠りの日だったそうである。

夜遅くに田尻少年は父親と一緒に畑中の細い道を通り、家路を急いでいた。すると、向こうから一人の男が歩いて来るのに出会した。シゲ草がすっかり取れていて、骨ばかりになった向笠を被った男であった。

 一本道である。擦れ違うために田尻少年は足を止め、道を開けようとした。すると男は、少年が道を避けるより先に畑の中に片脚を踏み入れ、体を斜めにして道を譲ってくれた。

 通り過ぎてから田尻少年は父に、今の人は誰だろうと尋いた。父は妙な顔をして誰も通った者はないと答えた。そして、「俺はお前が急に立ち止まるから、どうしたのかと思っていたところだが」と言ったという。

 

(163)

先年、土淵村の村内で葬式があった。その夜。権蔵という男が、村の者4,5人と連れ立って歩いていた。不幸のあった家まで念仏を唱えに行く途中のことである。突然、権蔵があっと叫んで道端を流れていた小川を飛び越えた。他の者は驚いて、いったいどうしたんだと尋ねた。

権蔵は、「今、俺は黒いものに突き飛ばされたんだ。俺を突き飛ばしたアレは、いったい誰なんだ」と答えた。他の者の眼には何も見えていなかったのである。

 

(137)

つい、近頃の話だと謂う。ある夜。遠野町の某という男が、寺ばかりが連なっている町を歩いていた。墓地を通り抜けようとすると、向こうから不思議な女が歩いて来るのに出逢った。男が何故不思議と感じたのかはわからない。しかし近付いて能く見ると、それはつい先日死んだ、同じ町の者であった。

 男は驚いて立ち止まった。死んだ女はつかつかと男に近づき、「これを持って行け」と言って汚い小袋を一つ、男に手渡した。恐る恐る受け取って見ると、何か小重たいものである。しかし、怖さは増すばかりであったから、男は袋を持ったまま一目散に家に逃げ帰った。

 家に戻り、人心地付いてから袋を開けてみると、中には銀貨銅貨取り混ぜた多量の銭が入っていた。その金は幾ら使っても減らない。

貧乏人だった男が急に裕福になったのはそのお蔭だと噂されている。

これは、俗に幽霊金と謂い、昔からままあるものである。

一文でもいいから袋の中に銭を残しておくと、一夜のうちに元通りいっぱいになっているのである。

 

 

 

『遠野のザシキワラシとオシラサマ』

(佐々木喜善) (宝文館出版) 1988/4

 

 

 

<奥州のザシキワラシの話>

<子供の時の記憶>

・私達は、幼少の時分、よく祖父母から炉辺話に、ザシキワラシの事を聞かせられたものである。そのザシキワラシとはどんなものかと言えば、赤顔垂髪(さげがみ)の、およそ5、6歳の子供で、土地の豪家や由緒のある旧家の奥座敷などに出るものだということであった。そのものがおるうちは家の富貴繁昌が続き、もしおらなくなると家運の傾く前兆だとも言われていたという。私達は、初めはその話を只の恐怖を持って聞いていたものであるけれども、齢がやや長けてくると、一般にこの種のものに対していだくような、いわゆる妖怪変化という心持ではなく、何かしらそのものの本来が私達の一生の運不運と関係があるので、畏敬の念さえ払うようになったのである。世間でもまたこの通りとか、何処の何某の家にそのものがおるといえば、他では羨望に表した、多少の畏服を感じ、また本元でも吉端として、ひそかに保護待遇に意を用い、決して他の妖異におけるがごとく、駆除の祈祷や退散の禁呪などは求めぬのである。

 

 

<●●インターネット情報から●●>

 

<ウィキペディアWikipediaから>

夜這い(よばい)とは、夜中に性交を目的に他人の寝ている場所を訪れる日本の風習。

 

語源は、男性が女性に呼びかけ、求婚すること(呼ばう)であると言われる。

 

古くは、759年に成立した『万葉集』巻12に「他国に よばひに行きて 大刀が緒も いまだ解かねば さ夜そ明けにける」と歌われており、大正時代まで農漁村中心に各地で行われていた習俗。戦後、高度成長期直前まで、各地の農漁村に残っているところがあった。明治維新の近代化や農漁村への電灯の普及などにより明治以降は衰退する傾向にあった。このため、明治、大正の頃まで盛んだったのは、山深い山間部の村落中心であった。

多くの場合男性が女性のもとへ通うものだが、女性が通う風習を持つ地域もあった。

 

婚、嫁、結婚などの字を古くは「よばふ」「よばひ」と呼んだ。これは「呼ぶ」の再活用形で「つまどい」「つままぎ」などの語と共に求婚のために男が女のもとに通うことを意味した。昔の婚姻は結婚後も男が女のもとに通うのが普通であり、このことも「よばい」と言われた[要出典]。

 

古代日本の夫婦関係は妻問い婚であり、男女はそれぞれに住んでいて妻の元へ夫が通ってゆく形態であった。結婚というのは、家族に隠れてこっそりと夜這いを行うのではなく、堂々と通えるようになることを意味した。そもそも各地の共同体(ムラ)においては一夫一婦制と言う概念も希薄で、重婚、夜這いは当たり前であった。

 

かつての農村では、「村の娘と後家は若衆のもの」という村落内の娘の共有意識を示す言葉が聞かれることがあった。近代化以前の農村には若者組があり、村落内における婚姻の規制や承認を行い、夜這いに関しても一定のルールを設けていた。ルールには未通女や人妻の取り扱いなどがあり、この辺りの細かい点は地域によって差がみられた。下川耿史によれば、夜這いが盛んになったのは南北朝時代から鎌倉時代にかけての中世であり、村落共同体の若者組は、風流と呼ばれる華やかな祭りのリーダーだったという。

 

江戸など都市部では、村落と違う形に発達していった。これが、夜這いの衰退に繋がったと考えられるとする見方がある。1876年(明治9年)、現在の新潟県(相川県)で、夜這いを禁止する法律ができた。1938年(昭和13年)に起きた津山事件について、大阪毎日新聞が「山奥にいまなお残されている非常にルーズな男女関係の因習」と報じ、サンデー毎日が「娯楽に恵まれない山村特有の『男女関係』」と報じるなど、夜這いは否定的に見られるようになっていった。

 

津山事件(つやまじけん)または津山三十人殺し(つやまさんじゅうにんごろし)は、1938年(昭和13年)5月21日未明に岡山県苫田郡西加茂村大字行重(現・津山市加茂町行重)の貝尾・坂元両集落で発生した大量殺人事件。犯人の姓名を取って都井睦雄事件ともいう。津山市など近隣地域では「加茂の三十人殺し」と呼ばれている(または死者の数に尾ひれがつき水増しされ「三十二人殺し」「三十三人殺し」また「三十六人殺し」とも呼ばれる事がある)

 

2時間足らずで28名が即死し、5名が重軽傷を負う(そのうち12時間後までに2名が死亡)という、犠牲者数がオウム真理教事件(27名)をも上回る日本の犯罪史上前代未聞の殺戮事件である。 事件は犯人の逮捕にはいたらず、現場から逃走した犯人の自殺で幕を閉じた。

 

津山事件は、そのセンセーショナルな事件の内容から、小説・ドラマ・ゲームなど多くの作品で扱われたり、題材・モデルとされている。

 

<『八つ墓村』 横溝正史、角川文庫、1971年 >

・冒頭部で語られる村人32人殺し事件は、本事件がモデルとなっている(小説は事件の後日談の形を取っており、本事件そのものが全体のモデルになっているわけではない。また、犯人の境遇はまったく違う設定である)。

 

<『丑三つの村』 西村望、毎日新聞社、1981年(徳間文庫、1984年 ISBN 4195675936)> 本事件を題材にしたノンフィクション小説。

 

1983年に監督・田中登、主演・古尾谷雅人で映画化された。封切り前に映倫が「全編が残虐で非道的」と判断、18歳未満の観覧を禁止する成人映画に指定された。

 

<「負の暗示」『神かくし』所収山岸凉子、秋田文庫、1998年 ISBN 4253172466 >本事件を漫画化した作品。

 

『八つ墓村』(やつはかむら)は、横溝正史の長編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。

 

本作を原作とした映画が3本、テレビドラマが6作品、漫画が5作品、舞台が1作品ある(2014年3月現在)。9度の映像化は横溝作品の中で最多である(次いで『犬神家の一族』が映画3本、ドラマ5本)。

 

1977年の映画化の際、キャッチコピーとしてテレビCMなどで頻繁に流された「祟りじゃ〜っ! 八つ墓の祟りじゃ〜っ!」という登場人物のセリフは流行語にもなった。

 

花街(花町とも書く)(かがい、はなまち)とは、芸妓屋、遊女屋が集まっている区域を指す名称である。花柳(かりゅう)という別称もある。売春防止法(1957年施行)までは多くの花街に芸妓と娼妓の両方がいたが、今日花街と呼ばれている地域は芸妓遊びのできる店を中心に形成される区域である。なお、料理屋・待合茶屋・芸者屋(置屋)がまとめて「三業」と称されるため、花街のことを「三業地」ともいい、地域により茶屋と置屋で「二業地」と呼ぶ。

 

 


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(6)

2021-11-25 21:14:31 | 森羅万象

 

<黒田の馬鹿たれは欲求不満を爆発させている>

・黒田は財務省では本流から外れていたんだよ。欲求不満が溜まっていたのかもしれないね。いずれにせよ中央銀行の立ち位置を踏み出し、政治的な動きになっている。これは、日銀の独立性を尊重した従来の日銀総裁はやらなかったことだ。前任の白川だって「この石頭!」と言われながらも、一応かたくなに守っていた。

 とにかく日本は、アベノミクスの下、国を挙げてマネーゲームに走っているんだよ。

 

・実体経済は小泉改革以降、ガタガタになっているから、使い道のないカネが結局、兜町に流れたってことだ。日銀の通貨政策で実体経済が上向くというのは、今の日本では絶対に不可能なこと。そんなの現場を見れば馬鹿でもわかる。

 

<2本目の矢も結局空振っている>

・2本目の矢もひどいんだよ。

 アベノミクスの2本目の矢は、「機動的な財政出動」ということになっているが、空振っているな。これも、晋三とそのブレーンが全く日本の現状を見ないで、外国で聞きかじった経済政策をやった結果だろう。

 

<ドブに向かって跳ぶ矢もある>

・「総理、地方のニーズに合わせた予算を組んで、実際に執行されるような政策をしないと、絵に描いた餅になるぞ」これも晋三に直接言ったことだ。

 何千億、何兆円の予算を組んでも、地域の経済が活性化していく、地場産業が元気になるような具体的な手当てをしないと、スーパーゼネコン向けのムダな公共事業に終わって、カネをドブに捨てるようなものになっちまうよ。

 

<晋三を操る新自由主義者どもの大罪>

<真空地帯にすーっと入ってきた竹中平蔵>

・本当は成長戦略こそもっとも重要なものだが、結局1本目と2本目でカネをばら撒き、株価、物価、消費税は上がり、景気は後退したわけだが、一部の連中だけが潤ったということだ。

 実は、総理は経済に関してはあまり得意じゃない。だから取り巻き連中はやりたい放題。人がいいから任せたという感じだろうが、国民にとってはたまったものではないな。

 だから、始末が悪いことに、小泉改革以来、日本をさんざん混乱させた新自由主義的な政策が始まった。「改革」というまやかしだ。

 

<やつらの規制緩和で日本はガタガタ>

・日本人が得られるべき富が吸い取られ、ますます庶民の生活が苦しくなってしまった。給料も物価も売上も上がらないというデフレスパイラルに陥ってしまったんだ。

 

<新自由主義政策で産業の空洞化が進む>

・新自由主義的経済政策では大企業に有利だが、その大企業だって当時は業績低迷で必死だったから、下請け孫請けのケアどころではなかった。

 

<働く人の懐から掠め取った恥ずべき利益>

・そんな外来種の新自由主義に牛耳られつつある今の日本。そこで大企業がやっていることは、非正規社員をどんどん増やして安い労働力を確保し、会社の利益を上げていくというものだ。その利益を社員に還元するのではなく、株主の配当に重点を置いている。

 

<弱い者いじめの税制・年金・社会保障>

<大儲けの企業からは取らずに庶民から取る>

・現在、日本の企業は全体で300兆円以上の、過去最大の内部留保を貯めている。従業員の懐に入ったり、下請け孫請けに回ったりする分を取って貯めた結果だ。今、そこに法人税減税をやると総理自身が言っている。

 結局、税制においても強者から取らないで一般庶民から取るべく、消費税という形で担税させた。しかも更に10パーセントにするという。

 

<弱い者いじめを批判しないマスコミたち>

・社会保障政策だってことごとく弱いものいじめだ。

 介護だって、医療だって、現政府が進めているのは、全部、お年寄りや弱者に対しての負担増だ。大病院に行く場合には、紹介状がなければ初診料を全額自己負担という話も出ている。カネのないやつは病院に行くなという感じだな。

 介護保険にしたって、年金だって受給年齢や受給期間の条件をやたらと厳しくしている。

 

<社会保障に明るいはずの晋三だが>

・重要なのは、その年金の基本理念だ、国民の信用を取り戻す努力とともに、個々の意識改革も大切。

 例えば、年金の必要のない金持ちまで、もらえるものはもらわなければ損だというのでは、いくら納付率を上げようが税収を増やそうがムダなんだよ。富裕層への支給は控える制度設計にしなくてはね。

 いずれにしても超少子高齢化社会を迎える以上、今のままでは持続は不可能になるし、世代間での負担の格差が広がるばかりで若い人には希望が持てなくなる。だから年金だけでなく社会保障制度全体の抜本的な改革が必要なんだ。

 晋三も、俺が自民党政調会長のときに社会部会長をやっていたから、そういう社会保障問題でついては詳しいはずなんだが、弱者をいじめて、反対に富裕層への恩恵ばかり助長するようなことをやっている。

 

・この調子では日本はどんどん新自由主義的な、強きを助け弱きを挫く政策に染まってしまう。

 

  

 

『世界を見る目が変わる50の事実』

ジェシカ・ウィリアムズ  草思社 2005/4/28

 

 

 

<50の事実>

1.日本女性の平均寿命は84歳、ボツワナ人の平均寿命は39歳

 

2.肥満の人の3人に1人は発展途上国に住んでいる

 

3.先進国で最も妊娠率が高いのは、米国と英国の10代

 

4.中国では4400万人の女性が行方不明

 

5.ブラジルには軍人よりも化粧品の訪問販売員のほうがたくさんいる

 

6.世界の死刑執行の81%はわずか3カ国に集中している。中国、イラン、米国である

 

7.英国のスーパーマーケットは政府よりも多くの個人情報をもっている

 

8.EUの牛は一頭につき1日2.5ドルの助成金を受け取る。年額にすると世界旅行が可能だ

 

9.70カ国以上で同性愛は違法、9カ国で死刑になる

 

10.世界の5人に1人は1日1ドル未満で暮らしている

 

11.ロシアで家庭内暴力のために殺される女性は、毎年1万2000人を超える

 

12.2001年、何らかの形成外科手術を受けたアメリカ人は1320万人

 

13.地雷によって、毎時間1人は死傷している

 

14.インドでは4400万人の児童が働かされている

 

15.先進国の国民は年間に7キロの食品添加物を食べている

 

16.タイガー・ウッズが帽子をかぶって得るスポンサー料は、1日当たり5万5000ドル。その帽子を作る工場労働者の年収分の38年分

 

17.米国で摂食障害を患っている女性は700万人、男性は100万人

 

18.英国の15歳の半数はドラッグ体験済み。4分の1は喫煙常習者

 

19.ワシントンDCで働くロビイストは6万7000人。連邦議員1人に対し125人

 

20.自動車は毎分、2人を殺している

 

21.1977年以降、北米の中絶病院では8万件近い暴力事件や騒乱が起きている

 

22.マグナルドの黄色いアーチがわかる人は88%。キリスト教の十字架はたった54%

 

23.ケニアでは家計の3分の1が賄賂に使われる

 

24.世界の違法ドラッグの市場規模は4000億円ドル。製薬市場とほぼ同じ

 

25.アメリカ人の3人に1人は、エイリアンがすでに地球に来たと信じている

 

26.拷問は150カ国以上で行われている

 

27.世界では7人に1人が日々飢えている

 

28.今日の米国に生まれる黒人新生児の3人の1人は刑務所に送られる

 

29.世界で3人に1人は戦時下に暮らしている

 

30.2040年に原油は枯渇するかもしれない

 

31.世界の喫煙者の82%は発展途上国の国民

 

32.世界の人口の70%以上は電話を使ったことがない

 

33.近年の武力紛争の4分の1は天然資源がらみ

 

34.アフリカのHIV陽性患者は約3000万人

 

35.毎年、10の言語が消滅している

 

36.武力紛争による死者よりも自殺者のほうが多い

 

37.米国で、銃を持って登校し退学になる生徒の数は、平均して週に88人

 

38.世界には「良心の囚人」が少なくとも30万人いる

 

39.毎年、200万人の女性が性器切除される

 

40.世界中の紛争地帯で戦う子供兵は30万人

 

41.英国では総選挙の投票者数よりも、テレビ番組でアイドル選びに投票した人のほうが多い

 

42.米国のポルノ産業の規模は年間100億円ドル。海外援助額と同じである

 

43.2003年、米国の防衛費は約3960億ドル。「ならず者国家」7カ国の防衛費総計の33倍

 

44.世界にはいまも2700万人の奴隷がいる

 

45.アメリカ人が捨てるプラスチック・ボトルは1時間に250万本。並べると、3週間分で月に達する

 

46.ロンドンの住民は、監視カメラで1日300回撮影される

 

47.毎年、西欧向けに人身売買される女性は12万人

 

48.英国で売られるニュージーランド産キウイは、その重量の5倍の温室効果ガスを排出している

 

49.米国は国連に10億ドル以上の未払い金がある

 

50.貧困家庭の子供たちは、富裕家庭の子供たちに比べて、3倍も精神病にかかりやすい

 

<「50の事実」に何ができるか>

・読み進めていくうちに、いくつかのことが明らかになるだろう。何より、世界を取り巻く問題の多くは、富める先進国と貧しい途上国との、醜い不平等に起因していることだ。

 

<私は、これら50の事実が世界を変えると確信している。>

・「思いやりがあり、行動力のある人々は、たとえ少人数でも世界を変えられる――それを決して疑ってはなりません。実際、それだけがこれまで世界を変えてきたのですから」

 

<中国では4400万人の女性が行方不明>

・2002年10月、中国の新華通信社は最新の国勢調査を発表した。それによると、2000年には女児100人に対し、男児は116.8人生まれていた。そこには、かすかだがはっきりと警告の響きが感じられた。過去2回の国勢調査と比べても、この男女比は拡大している。『上海スター』 紙は、こうした傾向が続けば、約500万人の中国人男性が結婚相手を見つけられなくなると伝えた。そうなれば、家庭、経済、社会的サービスにも問題が生じるだろう。ある専門家は、自暴自棄になった男性による女性の誘拐が増えるとさえ警告している。

 

・この不均衡は、中国やインドをはじめ、東アジアや南アジアにおいて男の子を望む傾向が強いために生じた。女の子を望まない親たちは、性別診断で胎児が女児とわかると、中絶に走る。実際に生まれても、女児の多くは生後数日から数週間で殺されてしまう。親たちはそれを自然死に見せかけるために、手を尽くして警察や衛生当局の目を欺く。幸いにも生き延びた女児も、出生届は出されない。その結果、教育や福祉ばかりか、充分な食事さえ与えられない日陰の生涯を歩む。

 

・インド、中国、台湾の出生率は着実に下がりつづけて西欧並みになりつつあるが、それでも女児への偏見は根強い。

 

・出生登録をされない子供たちには、どんな運命が待ち受けているのか?法律的には、彼らは存在を認められていない。だから学校に行くこともできず、公的機関の診療も受けられない。彼らの生活条件は、ひどく限られている。

 

<アメリカ人の3人に1人は、エイリアンがすでに地球に来たと信じている>

・30%の人々が「これまでに報告されている未確認飛行物体の一部は、他の文明からやってきた本物の宇宙船」だと答えており、45%のアメリカ人が地球外知的生命体はすでに地球に訪れていると回答している。

 

・実際、軍の発表と目撃者の言い分には食い違いがあった。エイリアンの死体が、いまやすっかり有名になったロズウェル空軍基地の「エリア51」に運びこまれるのを見たという人々もいる。1994年には、「エイリアン検死」の様子であるとのふれこみの怪しげなビデオも出回った。

 

 

 

『世界を見る目が変わる50の事実』

ジェシカ・ウィリアムズ  草思社 2005/4/28

 

 

 

70カ国以上で同性愛は違法、9カ国で死刑になる

・同性愛が死刑の対象になる国が9カ国ある。モーリタニア、スーダン、アフガニスタン、パキスタン、チェチェン共和国、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE),そしてイエメンである。

 

・1979年のイランにおけるイスラム革命以来、4000人以上の同性愛者が処刑されたと推計されている。

 

・世界で70カ国以上がレズビアン、ゲイ、同性愛者、あるいは性倒錯者を差別する法律を有している。

 

・社会においては同性愛は「病気」として扱われ、ゲイやレズビアンは精神医療による「治療」を強いられてきた。

 

・しかし、多くの国々で事態は変わりつつある。2003年6月、米最高裁判所は、同性カップルの性的行為を禁じるテキサス州法に違憲判決を下した。この判決は、テキサスだけでなく、他の13州における類似の法律を一挙に無効にすることになった。

 

・さらに同性愛のカップルも異性愛のカップルと同じように子供を育て、家族の絆を持ち、結婚に関する判断を下すことができるとした。これらは米国憲法に保障された権利と確認したのである。

 

・米国市民自由連合はこの判決を「LGBT(レズビアン、ゲイ、両性愛者、性倒錯者)にとって、これまでで最も有意義な判例」と呼んだ。

 

・国際人権団体も同性愛を公言する人々の保護を求める働きかけで注目を集めており、おそらくはそれがまた保護手段になっているだろう。

 

 

 

『国家の実力』   危機管理能力のない国は滅びる

佐々淳行・渡部昇一   致知出版社     H23/6/30

 

 

 

<中国に対抗するための「核シェアリング」という発想>

(佐々)アメリカは日本のために核戦争はやりません。ただ、ちょっと心配なのはアングロサクソンというのは撤退するときに、焼土作戦をやって引き揚げていくのです。物を残さないで破壊してしまう。だから、日中を軍事的に破壊することはあり得ないけれど、経済的、政治的に破壊していくケースは考えられなくないんです。中国の一部になられたら困るわけですからね。

 

(渡部)日本には「核シェアリング」という発想が重要だと思うんです。そうすると中国と戦争は起きない。にらみ合っているうちに向こうはひっくり返りますよ。中国が総選挙のできるような国になれば、戦争の危険はあまりなくなるわけだから、それまで日本は核シェアリングをしたいというようなことをアメリカに対して表明すればいい。

 

(佐々)ただ、今は運の悪いことに原発事故が起き、国内で反核ムードが高まっていますからね。まず国内を説得しなければなりません。核シェアリング論にとって、これはとても困った状況ですね。

 

<警察官不足で危機に瀕している国内の治安>

(佐々)「ポリティコ・ミリタリー」や「ポリティコ・エコノミー」や「ポリティコ・ファイナンス」を唱えて研究する人は、いるのですが、「ポリティコ・ミリタリー」をやる人はいません。ましてや治安、防衛、外交の三点セットをすべて学んだ人はほとんどいない。私は、たまたまそれを学ぶことになったわけですね。だから、次の総理には治安、防衛、外交をやってくれる人になってほしい。今の内閣は、正反対です。「治安、防衛、外交だけはやらない」という人たちの集まりですから。

 

(佐々)私が、警察に入ったころから警察庁が言っているのは、人口5百人あたり警察官一人が必要である、と。人口が1億なら20万人の警察官が必要だと言っているのですが、なかなか実現しない。

 

・この間の1万人の増員が完成して5百5人に1人。

 

・しかし、諸外国と比較してみると、イタリアはカラビニエリという警察騎兵隊を入れると272人に1人の割合で日本の倍以上になっています。それから、アメリカは353人に1人。イギリスが366人に1人、ドイツとフランスがそれぞれ314人と286人です。ところが埼玉県などは現在でも639人に1人です。

 

・だから被害者が警察に助けを求めていたのに、警察は忙しいものだから「恋愛沙汰には民事不介入の原則で手を出せない」なんて言って放っておいたら、それで被害者が殺されてしまいました。あの時は、ごうごうたる非難を浴びたけれど、本当に人がいなかったんです。

 しかも、定員を増やさないまま、どんどん仕事が増えました。また、コンピュータ犯罪が出たり、愉快犯が出たり、犯罪の種類もどんどん広がっています。

 

<小泉純一郎元総理の知られざる功績>

(佐々)小泉さんは2回目の自民党総裁選の立会演説会で「空き交番をゼロにする」と言いました。そして、実際に1万人の警察官増員をして平成19(2007)年までに空き交番はなくなったのです。これはすごいと思いました。

 

 

 

『職場のLGBT読本』

柳澤正和、村木直紀、後藤純一   実務教育出版 2015/7/22

 

 

 

<LGBTを知っていますか?>

・LGBTは、Lesbian(レズビアン)、 Gay(ゲイ)、Bisexual (バイセクシュアル)、transgender(トランスジェンダー)の頭文字をとった、性的マイノリティ(少数者)を表す総称です。

 

・欧米ではアーティストからスポーツ選手、企業経営者や政治家に至るまでさまざまな職業の方が、カミングアウト(LGBTであることを公にする行為)をする例が増えています。みなさんもオリンピックで水泳の金メダルをとったイアン・ソープ選手や、アップルCEOのティム・クック、そして2015年にグラミー賞を獲得したサム・スミスなどのカミングアウトのニュースをご覧になられたかもしれません。

 

<日本でのLGBT事情は?>

・調査によると人口の5%~7%強(電通総研2012年、2015年)はLGBTだといわれます。13人~20人に1人です。日本の苗字で多い「佐藤」「鈴木」「高橋」「田中」さんは、合計600万人いるといわれますが、LGBTの推定人口はその数に匹敵する規模というわけです。

 

・本書が、おそらく日本で初めての、「ビジネス書・人事」の欄に置かれるLGBTの本になると思います。

 

<LGBT人口はどれくらい?>

・性的少数者(性的マイノリティ)と言うぐらいですから、ストレートに比べたら少ないのでしょうが、実際にはどれくらいいるのでしょうか。人口の3%~10%というデータを目にしたことがあるのかもしれませんが、これほどの幅が生まれるのはなぜなのでしょう。それは、LGBT人口の統計というのは、さまざまな意味で正確な数値を出すことが困難になっているからです。

・アメリカではその後、何度も同性愛人口についての調査が行われてきました。最近の2003年の調査があり、性的に活発なアメリカ国民男性の4.9%が18歳以降に同性との性的行為を持ったことがあると回答しました。

 

・イギリスでは、財務省などがシビル・ユニオン制定の影響を調べるため、2005年に行った調査によると、イギリスにいるレズビアン、ゲイの数は360万人で、国民の約6%が同性愛でした。

 

<古代ギリシアからルネサンス期>

・自然界にももともとたくさんあるように、人間界にも古来から同性愛はありました。よく知られているのは古代ギリシアです。プラトンは『饗宴』のなかで少年愛を美と結びつけて賛美しています。ポリス(都市)では、年長者が庇護者として少年を愛することが称揚され、それは少年を立派な市民に育て上げるという教育的な意味ももっていました。

 

・しかし、キリスト教が誕生し、同性愛を退廃とみなす中世の暗黒時代へと入っていきます。聖書の「ソドムの市」の記述から同性愛は「ソドミー」と呼ばれ、火あぶりなどの刑が科せられることもありました。

 

・『ホモセクシャルの世界史』を著した海野弘氏は同書で「キリスト教がホモフォビアを作ったのではなく、キリスト教が生んだ抗争がホモフォビアを助長したのかもしれない」と述べています。

 

・ルネサンス期はネオプラトニズムの影響で同性愛に寛容なムードが広まる一方で、取り締まりも行われました。レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロといった芸術家たちの同性愛は広く知られるところです。

 イギリスでは、エリザベス朝時代のクリストファー・マーロウやシェイクスピア、17世紀のフィリップ1世(オルレアン公)、ジェームズ1世、ウィリアム3世の同性愛が有名です。18世紀には産業革命を背景に、今日のゲイバーの原型である「モリー・ハウス」が誕生し、庶民も同性愛や異性装を謳歌するようになったことが知られています。

 

<近代から現代>

・近代になると、家父長制と資本主義、ナショナリズムが結びつき、一夫一婦制が定着し、ジャーナリズムの発展とともに国家と大衆が同性愛者を非難・弾圧するようになり、ホモフォビア(同性愛嫌悪)が蔓延します。

 

・19世紀末、オスカー・ワイルドが同性愛のかどで逮捕・投獄され、フランスではヴェルレーヌがランボーとの恋の終幕に拳銃を発砲し、逮捕されました。20世紀初頭には、ドイツで皇帝ヴィルヘルム2世の閣僚や側近が同性愛者として糾弾される一大スキャンダル、「オイレンブルク事件」が起こりました。第1次世界大戦の遠因ともなる、国家を揺るがすような事件でした。イギリスでは、経済学者のケインズ、作家のヴァージニア・ウルフやE・M・フォスターらの同性愛者・両性愛者が中心となったブルームズベリー・グループが活動し、パリではディアギレフやニジンスキー(ともに同性愛者)のバレエ団バレエ・リュスがセンセーションを巻き起こしました。

 

・女性に目を向けると、「ロマンチックな友情」と呼ばれて称賛された女性同士の友愛が19世紀に頂点を迎え、経済的自立を果たした中産階級の女性たちは共に暮らしはじめます(アメリカ東海岸では「ボストンマリッジ」と呼ばれます)。1920年代にはニューヨークなどにレズビアンコミュニティが誕生します。

 

・しかし、精神科医による同性愛者や異性装者というカテゴライズは、のちにそうした人々が異常だとか病気であると見なされることにもつながりました。そしてナチスは性科学研究所を破壊し、何万人もの同性愛者を収容所で虐殺……歴史上類を見ない悲劇が起こったのです。

 

・第2次世界大戦が終わり、男女平等や公民権運動が進んでもなお、依然として同性愛は違法であり、第2次世界大戦の英雄であったアラン・チューリングが同性愛のかどで逮捕され、ホルモン治療を強制され、自殺に追い込まれるという悲劇も起こりました

 

<LGBTの日本史>

・日本は欧米に比べ、LGBTに寛容な国だといわれてきましたが、おそらくその理由には、日本人が異性装、ことに女装が大好きだからということもあるでしょう。三橋順子氏は著書『女装と日本人』(講談社刊、2008年)において、ヤマトタケルの女装を端緒に、古代日本の女装した巫人(シャーマン)、王朝時代の稚児、中世の持者、江戸時代の陰間………と現代まで連綿と続く女装の系譜を検証しながら、日本文化の基層に「性を重ねた双性的な特性が、一般の男性や女性とは異なる特異なパワーの源泉になるという考え方=双性原理」があると述べています。

 

<「男色」大国だった日本>

・そのことも深く関係しますが、かつて日本は世界に冠たる「男色」大国でした。有史以来、日本の歩みは男色とともにあり、日本の歴史は男色文化に左右されながら、時にはそれが原動力となって動いてきました。

 古代の豪族からはじまり、空海が唐から男色文化を持ち帰って以来、稚児を愛するライフスタイルが爆発的な広がりを見せ(稚児は「観世音菩薩の生まれかわり」として崇拝され、僧侶の間では男色は神聖な儀式でした)、僧侶から公家、貴族、そして武士にも伝播しました。室町時代には喝食(かつしき)と呼ばれる美少年がもてはやされ(足利義満と世阿弥が有名)、戦国時代には武将が小姓を寵愛し(織田信長と森蘭丸をはじめ、ほとんどの武将が小姓を抱えていました)、やがて「衆道」へと至ります。「衆道」は念者と若衆の愛と忠節によって成立する崇高な男の契りであり、ちょうど古代ギリシアのように、少年を庇護し、立派な武士に育て上げる(軍の団結を強化する)意味合いももっていました。

 

・日本の男色は、政治をも大きく動かし、独自の文化を花咲かせ、日本的美意識とあいまって「宗道」と呼ばれる武士の人生哲学となり、江戸時代には若衆歌舞伎という一大娯楽産業(そして色子、陰間という売色のシステム)も誕生しました。この時代、色道の極みは男色と女色の二道を知ることだと言われ、陰間茶屋が栄えました。陰間の中には女形を目指して女装した者もいました。稚児などもそうですが、美少年はしばしば女装もしており、男色は現代とは異なり、疑似異性愛的なものでした。日本の男色史は女装史と不可分なものだったのです。

 

<明治以降~現代>

・明治維新以後も「衆道」の名残りが薩摩藩などを中心に見られ、大正時代まで続きました。しかし、明治政府は、江戸以前の男色の文化を封建的な江戸の奇習、西南日本の悪習(それに影響された学生の悪習)、「文明」に対する「野蛮」として周縁化しました。富国強兵・殖産興業の国策の下、どんどん同性愛者は生きづらくなり、戦時中は「非国民」と呼ばれ、弾圧されました。

 

・戦後、待ってましたとばかりに同性愛者や女装者が活動をはじめますが、三島由紀夫の「禁色」に描かれているように、まだアンダーグラウンドなものであり続け(歴史の教科書も男色を隠蔽し続け)、ほとんどの同性愛者は偽装結婚を余儀なくされました。それでも、女装したママのゲイバーやブルーボーイのショークラブ、二丁目のゲイバー街ができ、丸山明宏(美輪明宏)のようなタレントが登場し、ニューハーフやミスターレディがメディアを賑わせるようになり、というかたちで次第に世間に浸透していきました。(その後もカルーセル麻紀、おすぎとピーコ、ピーターらをはじめ、現在のマツコ・デラックスに至るまで、数多くのオネエタレントが活躍してきました)。

 

<同性愛の世界地図>

・西欧や北米、中南米、オセアニアでは同性婚または同性パートナー法が認められている国もありますが、中東やアフリカ、東欧では、まだ同性愛者を弾圧する国がたくさんあります。近年、この二極化が進みつつある一方で、日本をはじめとする東アジア・東南アジアでは、ひどい差別もないが保護する制度もない、という状況が続いています。

 

・同性愛が違法となっている国(国外追放や終身刑、死刑などの極刑に処せられる可能性がある)

イラン、サウジアラビア、イエメン、スーダン、ナイジェリア、モーリタニア、ソマリア。

 

<日本アイ・ビー・エム株式会社>

・1950年代には米国企業としてもいち早く、個人の尊重、機会の均等をコーポレートポリシーとして宣言し、すでに80年代にはLGBTにも注目し、差別禁止規定のなかに「性的指向」「性自認」という文言を入れています。ダイバーシティ施策の一環でLGBTへの特化ではなく、人種の違いや障がい、女性と同様に尊重するものでした。

 

 マイノリティの従業員の定着、意識向上を考え、ロールモデルをいかに輩出していくか、平等な福利厚生、継続性、LGBT市場の開拓やブランディング、賛同してくれる仲間の企業をつくる、といったことに取り組んでいます。客観的な調査機関のサーベイ(調査)にも積極的に応じて、差別のない職場環境の整備と維持を心がけています。

 


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(5)

2021-11-25 21:12:56 | 森羅万象

 

<小泉構造内閣の評価>

・私は今でも、小泉構造改革路線は、あの時点では政策として正しかったと思っている。問題は、この小泉改革の成功によって、「市場原理は常に正しい。小さな政府路線はいつも正しい」ということが「永遠の真理」として証明されたと信じている人々、「市場原理主義」と呼ぶべき輸入品の考えを振り回す人々がいることだ。

 効果的な経済政策の中身は、その時々の世界経済の動きや、国内状況の変化に応じて変わるものだ。いつでもどこの国でも有効な「永遠の真理」のごとき経済政策は、残念ながら人類は発見できていないし、これから先も発見できないであろう。なぜなら、経済の世界を構成する変動要因はあまりに多すぎるのである。

 

<米国は「市場現実主義」>

・少し話がそれたが、アメリカですら、経済を絶対的な市場原理主義に基づいて運営しているわけではないということを再度強調しておきたい。むしろ市場の限界を冷徹に見極め、時々の状況に応じて柔軟に対応している。いわば、「市場現実主義」とでもいうべき立場だと私は理解している。 

 

<落選3回、当選9回>

<結婚と出馬>

・中曽根氏の勧めで、選挙に立候補する決意をしたのは、1971年のことだった。

 

・今考えれば、若気の至りの稚拙な思いつきだったと思う。現に、選挙は得票数4万963票の次々点。後になれば、そういうパフォーマンス的な運動だけでは通用しないことがよくわかる。

 それから4年間、私は黙々と選挙区を歩いた。落選とはいえ、次々点になったという実績は大きく、地元の方がようやくまともに私を相手にしてくださるようになってきたのを感じた。四谷の小さな事務所を拠点に秘書何人かと黙々と地元を歩き、地元のあらゆる会合に必ず顔を出した。

 こうして2回目の選挙を迎えることになった。もっとも、4年間も待つことになるのは予想外であった。人気が4年とはいえ、普通は平均すると3年目には選挙が行われていたからである。過ぎ去ってみれば短かったのだが、ひたすら選挙区を歩いて準備をしている身には、途方もなく長く感じられた。

 

<当選、そしてまた落選>

・当時、東京1区の自民党現職は強固な地盤を持っていた。それ以外には共産党、社会党がそれぞれ当選しているという現状の中で、新人の私が議席を得るのは非常に難しいというのは誰しもが認めるところだった。

 

・このときの経験から言うと、いまの小選挙区制は新人が出にくいという欠点があると思っている。あらゆる選挙区であとに続く者が出やすい中選挙区制の方が、自民党としての活力が維持できるのではないか。私はいまでもそう考えている。

 

・大平内閣が一番重点をおいたのは、財政の再建だった。それが1979年に迎えた2期目の選挙では仇となったかもしれない。それでもこの選挙、当初の世論調査の結果は非常に良く、私としてはトップ当選を目指していた。それも驕りにつながったのだろう。結果は、大雨で投票率が下がったこともあり、千数百票の差で次点となってしまった。2度目の落選である。

 この開票日のことは、いまでもよく覚えている。落選を報告しにきた秘書に、私が「ところで島村氏と鳩山氏はどうなっている?」と聞いたところ、2人とも落選した、とのことだった。

 

<身にしみた温かさ>

・落選後3週間くらいは力が出てこなかったが、1ヶ月もするともう一度挑戦しようという意欲が湧いてきて、再び選挙区を歩くことにした。

 

・落選したにもかかわらず、支持者の皆さんは温かかった。70歳を過ぎたあるご婦人は、私を連れていろんな知り合いのところを歩いてくださった。本当にありがたく、そのような方々に連れられて、毎日毎日100~150軒も選挙区を歩き続けた。そんな励ましを受けながらも、「これから3年間これを続けていくのは辛いな」とも思っていた。

 ところが、前回は4年間も待たされたのに、今度はたった7ヶ月で次の選挙が行われることになった。

  

<野党に転落>

・選挙の後でも自民党は第一党であったが、「政権を作る数にはとても足りない」と思案しているうちに、小沢氏が日本新党の細川護熙代表を担いで、8つの党派による連立政権を樹立し、自民党は野党に転落した。

 その時点で10年以上国会議員をやってきたとはいえ、野党なんてやったことがなかったので、何をしていいのかわからなかった。あるとき、困り果てて中曽根氏のところへ出向き、「先生、野党の仕事って何ですか」と尋ねた。その答えは、

「何が何でもそのときの政権を倒す。政策も何もない。とにかく政権を倒すことが野党の仕事だ」

 という単刀直入なものだった。今の民主党は、ある意味でこの言葉通り、野党の仕事をしていると言える。

 

・帰国しても四谷の事務所で、午後になるといつも本を読んでいた。ふっと見たらウィスキーの瓶がある。昼間の3時ごろ、氷もないので水道水でウィスキーの水割りを作って飲んだ。実にうまい。野党になったときのお酒の味は格別においしいと実感した。以降しばらくは、夕方になると酒を飲んでうさを晴らしていた。

 事務所でひたすら読みふけっていたのは物理学の本だった。マックス・ブランクが創始した量子力学を勉強しようと思って、20冊ぐらい本を買って全部読んだ。

 

<入閣と落選、そしてガン>

・振り返れば、七転び八起きの人生である。最初の挫折が駿台予備校の試験で不合格、次に三菱商事の入社試験に失敗、3回目は最初の衆議院で落選、4回目は2期目を目指す選挙で落選、5回目が2000年の選挙で落選、それから6回目はやはりガンになったことだ。6回転んだが、官房長官としてまた起き上がった。

 安倍改造内閣の顛末を7回目と見る人がいるのだろうが、私はそれを挫折に入れていない。あれは自分の挫折ではない。 

 

<政治家の王道>

<中曽根氏の言葉>

・私に就職先を世話してくれたのも、政治家としてのイロハを教えてくれたのも、すべて中曽根氏である。様々な局面で言われたことは今でもよく憶えている。

 

・秘書になってからも、いろいろ面白い話を伺った。

「派閥の親分というのは、どういう素質が必要なんですか」

と聞いたら、しばらくして返ってきた答えが、「母性愛だな」続けて、

「いろんな性格の議員が大勢いる。それをみんな抱えていかなければいけないんだから、母性愛がないとやっていけないだろう」

 また、「政治家は、人を突き放すようなことができない。そういう職業なんだ」とも話していた。これは母性愛に通じる言葉だ。

 

・私見だが、田中角栄元首相の派閥のあり方は「父性愛かな」と思うことがある。

 

<熟成ゆえの重み>

・常に我々以上に勉強しており、我々以上に人と会って、我々以上に人の話を聞き、外国の人とも会って話をしている。それは「いつか総理に復帰しよう」というような思いからではないだろう。リタイアしても生活に困るはずもない。誰に文句を言われるわけでもない。それでも、自分なりに日本や世界の将来のことを考えるということが、人生に与えられた使命だと思っている。それが中曽根氏の生きがいなのだ。

 だから、中曽根氏はマージャンをやる人間をものすごく嫌う。「あんな無駄なことはない」と言う。私はマージャンが大好きなので、この点では少々肩身が狭い。

 

・そして、熟成にはやはりある程度の年月が必要だと思う。

 地位が人を作る、ということもあるのだから、安倍氏ももう少したてば地位によって熟成できたかもしれない。その点は惜しかった。一方で、周囲の熟成度も足りなかったとも思う。

 

<小沢・与謝野、囲碁対決の真相>

・小沢氏がまだ自由党党首だったころ、「もう僕の楽しみは、日曜日の12チャンネルの朝の碁とNHKの碁の番組しかないんだよ」なんて言っていたことがある。「囲碁・将棋チャンネルというのがあって、囲碁か将棋を朝から晩までやっていますよ」と教えたら、「本当?」と興味津々である。そこで自由党の本部に私がその囲碁・将棋チャンネルの申込書を届けてあげた。

 その後すれ違ったとき、「ご覧になっていますか」と聞いたら「紹介してくれたのはいいけど、あれを見すぎて腰悪くしちゃった」と言う。そのくらい好きなだけあって、囲碁についてものすごく勉強している。

 

<政治家の王道>

・それでは、政治家にとって一番大切なのは何か。

 それは、肝心なときにものを言い、肝心なときに行動をすることである。清潔であることでもないし、演説がうまいことでもない。そういう些末なことではなく、良い世の中を後の世代に残そうという理想の下で、肝心なときにものを言い、行動すること。

 

<役人は使いこなすべき>

・役人は少し褒め、少しおだてて方向性を与え、あとは政治家が責任を取る。そうすれば役人はいくらでも知恵を出すし、いくらでも働く。

 優秀な人たちの能力を活用しなければ、日本国全体として損だ。ずるい言い方をすれば、我々凡人は少々働いて少々遊んでいればよく、優秀な役人たちは遊ばないで働き詰めに働いてもらって、その成果を国民みんなで分かち合う。これがバッシングするよりも利口なやり方だ。

 

・役人の中には立場を利用して悪いことをする者も出てくるが、この種の汚職は何千年も昔からある。なくすように努力しないといけないけれども、とにかく役人を叩けば解決するという話ではない。

 

<国は巨大な割り勘組織>

・国家とは、国民が割り勘で運営している組織に過ぎない。国家の成立は人類史上、何万年もさかのぼれるわけではない。せいぜい5千年ぐらい。人類の歴史のなかでは割合、新しい組織だ。以来、幾多の国家が樹立され、世界中で形を変えつつも続いているのは、国家というものを作っておいたほうが何かと便利だからということに尽きる。

 第一に、かかるコストを割り勘にする上で便利というわけだ。さらに、外交や安全保障上も便利だということがわかってきて、国家が成立していった。あくまでも割り勘でやっている組織なので、国民と遊離したところに国という別の組織があるわけではない。そこのところを、国民の皆様にわかってもらわなければいけない。

 

 

 

『「中国の終わり」にいよいよ備え始めた世界』

宮崎正弘   徳間書店   2015/10/29

 

 

 

<半値8掛け2割引>

・暴落の終着点は「半値8掛け2割引」と昔から言われるように、大雑把に見てもピークから68%下がる計算になる(じっさいに2008年から09年にかけて上海株は71%下げた)。

 

<株式大暴落が次にもたらす災禍とは?>

・次の大暴落は必至の情勢となっているが、中国に残された手段はあるだろうか?可能性は2つあるように見える。

 第1は市場の閉鎖である。1カ月ほど思い切って株式市場を閉鎖すれば、この間に様々な処理ができるだろう。なにしろ一党独裁の国ならばこの緊急事態を乗り切る強引な手段も出動が可能である。

 第2は通貨の大幅な切り下げである。

いまの人民元は完全な変動相場制への移行が難しいうえ、ドルペッグ体制となっているため、対ドル相場を30%程度切り下げるのである。「そんな乱暴な」と思われる向きもあるかも知れないが、実際に中国は1993年にいきなり33%も通貨人民元の切り下げを行った「実績」がある。

 これにより輸出競争力が回復でき、若干の海外企業の直接投資も復活する可能性がある。

 

・デメリットは石油、ガス、鉄鉱石など輸入代金が跳ね上がること、もうひとつは日本に観光旅行へ来る中国人の「爆買い」ツアーが激減することだろう。というより現在の爆買いツアーはもう終わりに近く、中国人の発狂的海外ツアーも沙汰止みになるだろう。

 かくして中国の爆発的投機の時代は終わりを告げ、中国経済全体の崩落が始まる。それは連動して中国共産党王朝の崩壊の始まりとなる可能性が高いのである。

 

<米国の親中派学者も「中国崩壊論」へ>

<旧ソ連は国防費の増大に耐えられなくなって潰えた>

・米国や日本が衰退する危険性はその原因と考えられる少子高齢化の人口動態よりも、もっと見えない変化、すなわち国防費増加ではなく「エンタイトルメント」費用、すなわち「社会保障、メディケア、保険医療(メディケイド)、所得保険」の急拡大にある。日本はこれに失業保険料が差し引かれ、しかも保険料を支払わなかった人々が月100万円ほどもかかる高額の介護を受けているケースもある。

 かくして日米欧先進国や台湾、韓国などは防衛費拡大に予算を回せない隘路に陥没した。インドも貧困層の食料援助予算があり、タイ、インドネシアも然りだ。しかし中国には国民皆保険制度はなく、介護保険もなければ生活保護もない。義務教育も有料である。だからこそ狂気の軍拡が続けられたのだ。

 欧米先進国が共通して陥没した財政危機とは民主制度のパラドックスかも知れない。

 中国の次なる問題は宮廷の内部争い、権力闘争の陰湿性である。

 

・そして、「宦官と官吏による内戦に近い状況は何十年と続いた。朝貢貿易は崩壊し、比類無き明の艦隊は港で朽ち果てた。一方、海岸地域の町の住民はその後の数十年にわたって対外貿易から利益を得たが、明の宮廷はその繁栄ぶりを不快で脅威をもたらすものとみなした。官吏は近視眼的で経済的知識のない官僚の常套手段をとり、潜在的なライバルの力をそぐことにした。もはや仁の政治どころではなくなった」。

 これまで国家の興亡論については、軍事力や海の支配、地政学的観点が主流だったから右のような別の視座からの切り込みは異色である。

 それにしても明がなぜ衰退したのか。

「宮廷ではライバル関係にある各集団が皇帝の関心を引こうと争いあっていた」

 漢の場合、「皇帝への影響力をめぐって、名門一族、軍当局者、官吏である学者・官僚集団、宮廷の宦官という4つの主要な対立勢力が争っていた」

 なるほどまったくと言ってよいほどに現代中国の様相と似ている。

 

・2014年7月に北京大学中国社会科学研究センターが発表した中国のジニ係数は0.73(0.4以上は暴動が多発するレベル)。まさに天文学的所得格差の破壊力によって、史上空前の不均衡状態にある現在、中国は国家の財政が一握りの特権階級によって蝕まれつつあり、王朝の崩壊が近いことを物語っている。

 

<鮮明に表れた中国共産党瓦解の兆候>

・このように、米国における対中穏健派が雪崩を打って中国への失望を表明しはじめたのである。

前述したシャンボーは、共産党体制崩壊は次の5つの兆候からうかがわれるとした。

 第1に富裕層の海外逃亡、第2に国内での言論弾圧、第3に誰もが政権のプロパガンダを信じていないこと、第4に共産党と人民解放軍にはびこる腐敗、第5に経済縮小と利害集団による改革阻止である。

 シャンボーはこう結論している。

「一度、この体制が崩れ始めると中国は長期的かつ複雑に停滞し、より暴力的な社会となるだろう」

 

・――危機管理とは考えられないこと、あるいは考えたくないことを考えることである。

 日本人が嫌がる防衛論議、日本の核武装、戦争、これら考えたくないことを、じつは真に近未来のシナリオとして考えなければならない。それは指導者の役目だ。

 

<迫り来る米中戦争の行方>

<米中戦争は不可避だとするロシア>

・こうなると、米中の関係悪化はどこまでいくか、ロシア紙『プラウダ』(英語版、2015年6月24日付)は米中戦争の蓋然性を検証し、11の根拠を描いていた。

 その行間には米中戦争への「期待」(なぜなら「最大の漁夫の利」を獲得できるのはロシアだから)が滲み出ている。

 

<米国が想定する米中軍事衝突3つのシナリオ>

・南シナ海問題で一歩も譲らす、重大なチャンスを逃がしたのである。

偶発戦争は起こり得ない可能性が高いものの、危機を危機と認識できない指導者が、党内権力闘争の生き残りをかけて軍事衝突に出てくる場合、俄に起こり得る危険性に繋がるのである。

 たしかに国内矛盾を対外矛盾にすりかえることは歴代独裁者の常套手段とはいえ、中国の軍事外交の突出が続けば、いずれ本格的な米中衝突を招来し、結末は中国の敗北が明らかであり、中国共産党の指導力の信用が撃滅され、共産党の一党独裁は激しく揺さぶられることになるだろう。

 

<そして中国に大破局が訪れる>

<機密文書まで海外に持ち逃げし始めた「赤い貴族」たち>

・「これ以上、反腐敗キャンペーンを続行すると、指導部の安全に問題が出てくるだろう。いまですら執行部の安全は深刻な状況であり、反対派は絶滅されていない。もし、キャンペーンを続行するとなると党そのものが深刻な危機に瀕することになり、このあたりで手打ちにしないと、状況は危うくなる」

 

<中国共産党の命運は尽きようとしている>

・黄文雄氏や福島香織氏が口を揃えて言う。反日の中国人と韓国人は本当は日本が好きで、できれば日本人になりたいと願望している、と。

「来生は中国人に生まれたくない」とする若者が3分の1もいて、これは韓国でも同じ比率という。「来世はブタでも良いから中国人には生まれたくない」と回答する者もいる。いや、その数は夥しい。

 

・世代交代が著しくなり、軍人でも朝鮮戦争体験組は誰もいない。

 公式の発表より、民衆は裏の情報を選別して入手している。若者はネット世論の行間を読み、暗号で通信しあう。

 過去の話より現実の腐敗、権貴階級への不満と憎しみが噴出しはじめ、いずれ巨大なうねりとなって、より暴力的になり、社会は乱れきって無法状態に陥るかもしれないという明日への恐怖が中国の統治者の間で認識できるようになった。状況はそれほど悪化している。

 

・国家の基盤が安定を欠いて根本から揺らぎはじめ、特権階級も安穏としてはいられなくなったとき、共産党幹部自らが、「そろそろ俺たちの時代は終わりだな」と自覚しはじめる。だからあれほど夥しい中国共産党幹部が賄賂で得た資金ごと海外へ逃亡を始めたのである。

 余命いくばくもなくなったのが中国共産党である。

 

 

 

『晋三よ!国滅ぼしたもうことなかれ』

~傘張り浪人人生決起する~

亀井静香    メディア・パル  2014/11/29

 

 

 

<小学校3年生のときに迎えた敗戦のショック>

・吉田茂や岸信介は小さな抵抗はしたかもしれないが、大きな流れでいえば従米路線を進め、それが自民党、つまり日本の政治の主流となっていったんだ。

 

<交渉は相手の力を利用して制す合気道の極意で>

・ただ、集団的自衛権はまずかった。

 世論の大方の反対を押し切って、閣議決定で変更することをやってしまったことも。開けてはならないパンドラの箱をいじってしまったんだな。

「実際問題、集団的自衛権が使えるか」って晋三に問い質したが、

彼はただ黙って聞いていた。

使えるわけがないのだ。ダメだと話をしたが、本人も今になって「しまった」と思っているんじゃないかな。

TPPは、大企業含めてそれで得する連中もいるが、集団的自衛権の問題は、カネではなく命の問題であり、日本の平和と秩序の問題だ。

 

<純ちゃんの改革を総括する>

<「政治の従米化」「マスコミの洗脳」「国民の劣化」>

・この章の目的は、俺のほんとうの意味での敵が外来種の新自由主義であることと、その新自由主義の出鱈目な正体を明らかにすることだ。そのためには、どうしても純ちゃんの改革について語らないわけにはいかんだろ。

 あれから10年、郵政民営化とは結局なんだったのかって考えると、「政治の従米化」「マスコミの洗脳」「国民の劣化」を痛感するね。

 政治家は国民のための政治をするのではなく、それを権力におもねったマスコミが情報操作、アレンジして伝え、一方、国民も痛みを痛みとも感じず生体反応を起こさないほど劣化した。それが今も続き、ますます悪くなっている感じだ。

 あのとき純ちゃんは「官から民へ」とか、「改革なくして成長なし」ともっともらしいことを言っていたね。「痛みなくして改革なし」とも言ったが、結局、ほとんどの人に「痛みだけあって改革なし」だったってことだ。

 

・聖域なき改革とか三位一体の改革とか、改革が素晴らしいもののように思わせ、マスコミもそう誘導した。彼らのバックには、郵政民営化で得する大スポンサーがいたから当然だろう。

 郵政民営化だけを争点に、衆議院を解散して選挙に臨んだのは狂気の沙汰だった。法案が参議院で否決されたからといって、衆議院を解散するというのは憲法違反の暴挙だな。民主主義を冒涜する以外の何物でもなかった。自民党内でも多くの人が反対していたが、党執行部は彼らを脅したりあやしたりして鞍替えさせていた。

 俺は郵政民営化が明らかにアメリカからの年次改革要望書(日本の弱体化を狙う勢力や、郵政の財産を狙ったアメリカの保険や金融資本の意図した)に沿ったものであると承知していたので、徹底的に反対した。

 

・郵便にしても、簡保にしても、郵貯にしても、あるいは、それ以外のサービスを含め、郵便局は地域に密着したコミュニティーの拠点だから潰すわけにはいかないんだ。日本の重要な社会基盤の一つなんだが、やつらはそれを壊そうとした。

要は「官から民へ」ということを、十把一絡げでやるのはあまりにも単純過ぎるということ。

「改革」にしたって中身が問題ってことだよ。

 

<結果は「働けど働けど我が暮らしよくならず」>

・この10年、改革によって日本がよくなったと思っている人はほとんどいないだろう。いるとしても1パーセントのカネを握っている連中だけだろうな。あとの99パーセントの人々の生活はますます苦しくなって、全然いいことないと感じているのではないか。

 つまり、その改革が国民のためではなく、自分たちに都合のいい、つまりバックにいる新自由主義のグローバリストたちに都合がいいものだったってことだ。日本の財産が掠め取られ、「働けど働けど我が暮らしよくならず」という風になってしまった。その、日本人の富を吸い上げる仕組みが、この10年でつくられてしまったんだ。

 

<我が反骨と抵抗の半世紀>

・カネがないからアパートにも住めない。それで、東大・本郷のキャンパス内にある合気道部の道場『七徳堂』の隅に布団とミカン箱を持ち込んだ。俺は合気道のヌシだったからできたんだ。

 全日本学生合気道連盟を俺はつくって委員長だった。東大の合気道部を同好会から部にしたのも俺だ。副委員長が大平(正芳元首相)さんの息子だった。彼は慶応の合気道部のキャプテンで金持ちだから、飲んだら全部払ってくれた。

 家から仕送りをしてもらうわけにもいかない。飯が食えない。仕方がないからアルバイトを見付けるしかなかった。石油モーターの消費実験をするアルバイトを見付けてきた。夜間のアルバイトもやって、朝方に帰ってきて、勉強を始めたんだ。

 

<嵐を呼ぶ警察官時代>

<自治省のおごりでピンサロ三昧>

・あまりにやることが派手だったから亀井対策として、後に新党さきがけの代表となる武村正義が自治省から地方課長として埼玉に送られてきたくらいだ。

 で、夕方5時くらいになると、「亀ちゃん、行こう、行こう」とハイヤーを待たせて誘いにくる。俺も嫌いじゃないから、ピンクサロンなんかへ1軒、2軒と付き合ってやった。

 ところがあいつは、「亀ちゃん、もう一軒行こう」って誘うんだ。仕方がないから付いて行ってやったけどね。

 あいつが村山政権で大蔵大臣をしているとき、大蔵官僚のノーパンしゃぶしゃぶ接待疑惑が持ち上がったんだよな。あいつが彼らを、「首にする」と言い出したから、「何言っているんだ。おまえだって、遊びまくったじゃないか」と脅すと、「昔のことは言わないでくれ、言わないでくれ」って懇願してきた。

 結局、懲戒処分にするのを諦めて処分保留にしてたな。

 

<社会のゴミをなくすために国会を目指す>

<誰にも相談しないで出馬を決意>

・いくら警察で頑張っても所詮、社会のゴミ掃除だ。社会のゴミを出さないようにするしかない。そんな考えで政治家になろうとした。

 

<晋三の親父さんから「帰ってこい」と言われ>

・代議士となり、自民党では清和会に入った。俺を推挙してくれた永山先生の流れからだ。当時は晋三の父晋太郎さんが派閥の長で安倍派と呼ばれていた。

 実は一度、清和会(安倍派)を除名処分になっている。

 

<政権内でも暴れまくり>

<今でもスチュワーデスに礼を言われる俺>

・村山政権が誕生して、野坂さんが俺に、「組閣では、好きな大臣を選んでくれ」と言ってきた。俺も久し振りに日の当たるところでやれるんだなあ。よかったわいと思って涙が出たよ。そして運輸大臣になったんだ。

 

・「ダメだ。俺は認めない。日航に取り消させろ。スチュワーデスは、お茶汲みじゃない。あれは重要な安全要員なんだ。同じキャビンで同じ仕事をしているのに待遇が全然違う。更に、安く使おうというのか。そんなことでコスト削減を図ろうなんてとんでもない話だ。ただちにやめさせろ」と指示した。

 

・どの会社でも試用期間っていうのはあるから、3年間は試用期間。アルバイトじゃない。3年経ったら無条件で正社員にする。事故のときは正社員並みに扱うという文言を、自ら書いたんだ。給料も2倍以上に引き上げた。

「これは最終案だぞ。文句があるなら辞めろ」と通達したんだ。今でも、国際線や国内線に乗っていて、年配のスチュワーデスから、

「私は、先生のおかげでアルバイトからスチュワーデスになれて、今は責任者の立場で働いています」と何人も礼を言うんだよ。スチュワーデス神社ができたって言われるくらい、俺は救いの神になったんだ。

 

<ハワイでゴルフをしながら2兆8000億円の財源確保>

・俺がハワイでゴルフをしていたわずか10日ほどで、223事業を中止にし、2兆8000億円くらいをカットしたのだ。

 結果、2兆8000億円の財源をつくったわけだ。財源づくりまでこっちはしてやったんだから、大蔵省がガタガタ言うことではない。そして、建設省、農林省に必要と思われる新規事業をバーンと付けた。

 

<自衛隊全軍をすぐ福島に派遣しろ!>

・「どのくらいだ」

「8000名の陸上自衛隊を派遣しました」

「おまえ、何を言っているんだ。こういうときに頼りになるのは、自衛隊と警察と消防だぞ。特に自衛隊だ。陸海空を全部派遣しろ。全指揮を統幕議長にとらせろ」と命じたのだ。その後、菅に、「副総理をやってくれ」と2時間近く口説かれた。菅は、俺が一応剛腕だというイメージがあるから、それを副総理にすることで格好付けようとしたんだ。

 

<真の敵は外来種の新自由主義>

<人類は文明から大反逆を受けている>

・自然環境だけじゃない。人間社会でも異常が常態化し、人々の心も文明から反逆を受けている。原発事故や公害、あるいは薬害問題など、人々の命を脅かすことが頻発している。

 

<人々の幸福や生命までも奪われていく>

・彼らは国を超え自由に経済活動をすることで人類の繁栄をもたらすと考えているようだ。「グローバリズム」(世界主義)とも呼ばれているが、要は自分たちが独占したいだけ。自分たちの価値観やルールを「グローバルスタンダード」とか言って世界中に押し付け、自己の止まるところを知らない欲望を、ただ満足させようとしている連中である。

 

<日本人よ、洗脳から目を覚まして立ち上がれ>

・そんな新自由主義的なグローバリズムに対して、「冗談じゃない!」と声を上げる人々が現れた。何が正しくて何が間違っているかを自己判断でき、行動できる人たちだな。

 お膝元のアメリカでもヨーロッパでも。またアジアの国々でも新自由主義的なグローバリズムに対して、デモや言論による抵抗と反発の動きが起こり始めている。

 

<外来種の思想ではなく土俗の政治が日本を救う>

<地方再生は農漁業がカギ>

<日本人の根っこは農漁村にあるんだ>

・そこにTPP(環太平洋パートナーシップ協定)でしょ。TPPは新自由主義の典型的な政策。日本の農家が大打撃を受けるのは明らか。関税が撤廃された、安い米やら野菜、果物が大量に入ってきたら、間違いなく壊滅する。アメリカやオーストラリア、ニュージーランドといった農業大国と戦ったら、中小零細の日本の農業なんかあっという間に木端微塵だ。

 今でも食料自給率は40パーセントだが、TPPでは10パーセント台になると言われている。文明の反逆を受ける現在、天候不順などで日本に食料が入ってこないと、餓死者が続出することだってあり得るんだ。俺は、農業は森の番人、漁業は水の番人として大切に守らなければならないと言ってきた。これらの風景は日本人にとって心の原風景だけでなく命の支えでもあるんだよ。

 農業と漁業は食糧安全保障の要。それを価格で勝負が決まる自由競争の場に出すということ自体、そもそも考えが間違っている。

 

<狙われた農協と農業潰しの背景にある意図>

・食べるものがなければ、いくら最新の車や電化製品があっても生きていけない。日本にとって大事なのは、TPPで輸出を促進したり安い農作物を輸入したりするのではなく、日本の農業を立て直すことだ。

 

<アベノミクスは絵空事だ>

<所信表明演説から消えたアベノミクス>

・今まで、わかっていても書かなかったが、各週刊誌もいろいろ書き始めている。隠し子騒動の話まで飛び出した。上り調子のときには書けなくても、今なら大丈夫というところだろう。見るに敏というか、マスコミもいい加減なものだ。

 

<晋三に注意した、博打場となった株式市場>

・だから俺は総理に直接電話でも言ってやった。

「なあ晋三、今、兜町はどうなっていると思ってる。近頃の株式市場は産業資金を調達する場ではなく、ただの博打場になっているじゃねえか」

それに対して信三から特に否定する言葉は返ってこなかった。だから心のどこかでそう思っているのかもしれないな。

 

<株価が上がれば景気がよくなるというのは嘘>

・アベノミクス実施後、株価は上昇し、兜町界隈の懐は暖かいかもしれないが、それ以外の場所で景気がいいという話はほとんど聞かない。むしろ、寂れて荒廃しているのが今の姿なんだよ。

 

<今の日本では円安はマイナス要因だ>

・現在の日本の産業構造では、円安というのは、日本人が一所懸命つくっているものを外国に安売りしていることに他ならない。

 円高対策で数兆円程度の為替介入をしたところでその効果は一時的だ。逆に投機的な動きがある中、「虚の世界」にもてあそばれるだけ。ここでも、まさにグローバルな資金を使った外資たちが、儲けている。

 もちろん為替を安定的に推移させるためにはいろいろな施策をやらなければならない。だが、実体経済を伴わず、ただ日銀がカネを出しまくって円安に持っていくというのは通貨の価値が下がるだけだ。

 

<アベノミクスは日本を叩き売っている>

・アベノミクスは円安で日本売りを図る政策だが、バナナの叩き売りみたいもの。日本の財産を投げうっているというもんだ。

 


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(4)

2021-11-25 21:11:56 | 森羅万象

 

<成都市の空室率は46.9%にも>

・大都市の上海でもこのありさまだから、地方の中小都市の景気がいかに悪化しているかが窺い知れよう。

 

・いま、地方都市で、オフィスビル空室率が全国ワーストワンとなっているのは、四川省の成都市だ。2010年から空室率はうなぎ上りに上昇し始め、2012年に34.6%、さらに2014年には43.9%という驚くべき数字にまで達した。

 

<廃墟化する全国の「経済開発区」>

・中国には、もう一つの経済バブルが確実に弾け始めている。それは、「経済開発区」と呼ばれるものである。その損失規模は、オフィスビルの開発より数倍大きいといわれている。

 

・いろいろな呼び名があるだけではなく、経済開発区の数は想像以上にあり、全国各地に夥しく存在している。正確な統計数字はいまだに出ていないが、国だけでなく省や市が認可したものも含めると、数万以上あると推測される。

中国には22の省(台湾を除く)、4つの直轄市、2つの特別行政区、5つの自治区があり、それらの下には2856の県があり、さらに4万906の鎮と郷がある。香港とマカオ特別行政区を除けば、経済開発区のないところは見つからないのだ。

 

・開発区の敷地内には雑草が生え、空き地が目立っている。堀で囲まれた工場は数ヵ所あったが、窓から中を覗き見ると、床が裸土のままで機械は1台も置かれていない。現地の人々は、もし稼働している工場が見つかったら「国宝級のパンダ」という称号を送りたい、とよく揶揄している。

 

<氾濫するニセの外資企業>

・原因はいろいろあるが、やはりひどいGDP依存症にかかっているため、正常な経済活動に歪みがでていることが大きい。実績を粉飾するのは当たり前になっており、将来性や持続性のない外資企業の導入が盲目的に行われていた。

 高汚染、高エネルギー消費、かつ本国で禁止された生産品目を扱う外資企業が続々と中国に進出してきた。結局、そのつけが回ってきて、やむをえず閉鎖や破産に追い込まれたのである。

 

<6000万戸の空き住宅>

・2014年6月、西南財経大学の調査チームが、「2014年、中国住宅空室率および住宅市場の発展趨勢」という報告書をまとめた。その報告書の中で、都市部の販売済み居住用住宅の空室率23.4%にも上り、約6000万戸は誰も住んでいないという驚くべき真相が明らかにされた。このニュースが伝わると、大きな反響を呼んだ。

 

<30%にも及ぶ「無効GDP」で地方債務は爆発寸前>

・重複プロジェクトとは、全国的に企業の生産過剰が広がっているのに、同じものを生産する新規事業のことをいう。コストの回収はほぼ絶望的で、地方債務が膨らむ一方である。

 中国ではGDPのうち、「無効GDP」の部分が非常に大きい。無効GDPとは、帳面上は入金が記載されているが、実際にはその金は消えており、存在していないということである。日本ではあまり聞きなれない現象だ。専門家の試算では、いままでに、この無効GDPが全体の20~30%を占めるとされている。

 

<役人の監視体制は機能しない国>

・このようなことが可能になるのも、地方(県)の最高指揮権は党委員会書記(党委書記)にあり、党委書記の裁量ですべてのことが決められるからだ。

 日本の場合、県や市にはそれぞれ県議会、市議会があり、知事といえども勝手に公共事業の立案や予算などを決めることはできない。だが、中国では党委書記がすべての権力を持っている。だから、地方の党委書記は「地方皇帝」と呼ばれているのである。

 

<老齢人口の増加と実体経済の低迷が年金制度を直撃>

・いま、中国では60歳以上の人口が約2億人に達しており、総人口の約14.7%を占めている。35年後の2050年には高齢者人口が総人口の40%まで占めるようになるという試算が、ほぼ確実なものだと見られている。

 

・ちなみに、1998年まで中国には本格的な年金制度が存在せず、誰も年金の掛け金を納付していなかった。したがって、定年退職の年から平均寿命の年までに受け取る年金総額は、在職期間中に納付した掛け金の15倍にもなってしまうのである。このデータはすでに明らかだ。

 年金財政が破綻の危機に陥っているもう1つの原因は、年金制度の設計における重大な欠陥が挙げられる。

 前述したように、中国の年金制度は1998年から本格的に実施したもので、あまりに歴史的に浅く、年金財源の備蓄不足は大変深刻な状態である。

 

<7000万人の役人はただで年金が受け取れる>

・中国の公務員数は約1000万人で、「事業単位」と呼ばれるところで仕事をしている準公務員は約6000万人いる。

 事業単位とは、学校、病院、学術研究所、文化団体、新聞社、テレビ局などを指しており、仕事は政府の行政指示のもとで進め、政府から運営経費をもらっているのが特徴である。

 実は、この7000万人の年金が大問題なのである。彼らは昔も今も年金保険金を納付していないが、一般の国民より多額の年金を受け取り、年金生活を享受するという非常に不公平な現状があるのだ。

 

<「理財商品」で税収の5倍に膨れ上がった地方債務>

・実は、地方債務は、土地を強制買収して大型プロジェクト建設を進めようとしている。しかし、資金がなければどうしようもない。

 

<国家に還元される利益は10%にも満たない>

・中国企業には、投資対象国の政治的、経済的リスクをまったく無視して、無理やり勢力拡大をしようとする傾向がある。さらに、中国国内と同様に、現地の法律や法規を無視する行為もよく見られる。そうしたことが、海外進出で多額の損失を招いているのである。

 だから、中国では、国有企業が「第2の税務署」という渾名で呼ばれている。もちろん、国民の富を容赦なく吸い上げるという皮肉が込められているのはいうまでもない。

 にもかかわらず、前述のように11万社に上る国有企業のうち、利益をあげている企業は10社くらいである。ほとんどの国有企業は破綻寸前の状態に陥り、国からの資金注入を頼りいいかげんな経営をしているのだ。

 

  

 

『チャイナ・リスク』

黄文雄   海竜社   2005年3月9日

 

 

 

<中国の破局は突然やってくる><農村の崩壊が引き金となる>

・中国の破局は突然やってくるだろう。というのも、歴史を見ると、中国の場合は、そういう傾向があるからだ。

 

<通常、大きい国は没落に時間がかかる>

・中国の場合、没落には時間がかかるが、破局は突然やってくる。どのような環境変化によって、あるいは歴史的条件の変化によって破局を迎えるかと言うと複合的にやってくる。

 

<今、中国が抱える大きな問題点の一つに、「三農問題」がある>

・中国の農村人口は約8億6000万人だが、農作業を行っているのは5億4000万人、実際せいぜい1億~2億人程度で十分だ。それ以外は余剰人口ということになる。

 

・中国以上に耕地面積を持つ、アメリカの実労人口がたったの300万人と比べれば一目瞭然だ。農村で仕事にあぶれた農民は、都市に出稼ぎに出る。年平均9000万~1億人の農村人口が都市に流入している。

 

・が、都市部の建設ブームが去り、農村の経済を支えていた出稼ぎ人口が、仕事にあぶれて農村へ帰ることになると農村問題はより深刻化する。それをきっかけに農村が一挙に崩壊する可能性はある。歴代王朝の末期に見られた流民の大噴出が再現するのは避けられない。

 

・歴代王朝を見ると、水害、旱魃、飢饉がおこり、流民が100万、1000万単位で出てきて、疫病が流行し、カルトつまり法輪功のような新興宗教が出てくると、それが易姓革命になる可能性が出てくる。

 

  

 

『100年予測』

世界最強のインテリジェンス企業が示す未来覇権地図

ジョージ・フリードマン  早川書房  2009/10/10

 

 

 

・「影のCIA」と呼ばれる情報機関ストラトフォーの創立者でCEOをつとめる政治アナリスト・フリードマンが予想する衝撃のこれからの世界は……。

 

・アメリカ・イスラム戦争は近く終局をむかえる。

・勢力を回復したロシアは、アメリカと第2の冷戦をひきおこす。

・アメリカへの次の挑戦者は中国ではない。中国は本質的に不安定だ。

・今後、力を蓄えていき傑出する国は、日本、トルコ、ポーランドである。

 

・今世紀半ばには、新たな世界大戦が引き起こされるだろう。その勝敗を左右するのはエネルギー技術であり、宇宙開発である。

・そして、今世紀の終わりには、メキシコが台頭し、アメリカと覇権を争う。

 

・地政学の手法を駆使してフリードマンが見通す未来は、一見荒唐無稽に感じられても合理的で、的確な洞察力を感じさせる。示唆に富む未来覇権地図がここに描かれている。

 

<2020年の中国―張子の虎>

・中国は過去30年にわたってとてつもない発展を遂げている。これほどの成長が無期限に、あるいは永久に続くというのは、経済の基本原則を無視した考え方だ。いつか景気循環が醜い顔をもたげて脆弱な企業を淘汰するはずであり、実際そうなるだろう。そして技術力を持った労働者の不足が持続する成長にいずれ終止符を打つだろう。成長には構造的限界があり、中国はその限界に達しつつある。

 

<中国の政治危機>

・中国では忠誠は金で買うか、強制するものだ。金がないなら、強制するしかない。景気低迷時には、企業倒産や失業が多発するため、一般に社会不安が起こる。貧困が広く存在し、失業が蔓延する国に、景気悪化の圧力が加われば、政情不安が広がる。

 

・あり得るシナリオの二つ目が、中国の再集権化である。景気低迷をきっかけに相反する諸勢力が台頭するも、強力な中央政府が秩序を打ち立て、地方の裁量を強めることによってこれを抑え込む。

 

・第3の可能性は、景気悪化がもたらすひずみにより、中国が伝統的な地方の境界線に沿って分裂するうちに、中央政府が弱体化して力を失うというものだ。

 

・これが実現すれば、中国は毛沢東時代と同じ状況に陥る。地域間の競争や、紛争さえ起きる中、中央政府は必死に支配を維持しようとするだろう。中国経済がいつか必ず調整局面に入る事、そしてどんな国でもそうだが、これが深刻な緊張をもたらすことを踏まえれば、この第3のシナリオが中国の実情と歴史に最も即していると言える。

 

<日本の場合>

・大方の予想に反して、中国が世界的国家となることはない。

 

・中国のもっともともありそうなシナリオは、日本をはじめとする強国が中国に経済進出を活発化させるうちに、中央政府が力を失い分裂するというもの。

 

<アメリカの力と2030年の危機>

・アメリカは50年周期で経済的・社会的危機に見舞われている。

 

・次の危機は労働力不足で、2028年か2032年の大統領選挙で頂点に達する。アメリカは移民の受け入れ拡大政策で問題の解決にあたるだろう。

 

<新世界の勃興>

・2020年代のロシアの崩壊と中国の分裂が、ユーラシア大陸に真空地帯を生み出す。

 

・その機会を利用して勢力を伸ばしていくのが、アメリカと同盟を組んだ、日本、トルコ、ポーランドである。

 

 

 

『チャイナクライシスへの警鐘』  2012年中国経済は減速する

柯隆   日本実業出版社    2010年9月20日

 

 

 

<「市場経済」という言葉自体はタブーだった>

・実はその当時は、「市場経済」という言葉自体を公にすることができなかった。

 

・なぜなら、「市場経済=資本主義=反社会主義」という考え方が、当時はまだ根強かったからだ。そこで、苦し紛れに付けられた名称が「商品経済」というものだった。そういう状況だったから、「民営化」とか「私有化」という言葉など口にしようものなら、当時の中国社会では厳しく批判され、人生の前途が台無しになる恐れがあった。

 

<自浄システムが欠如している>

・経済格差や政治的腐敗がどんどん拡大していった先にあるのは何だろうか。それは、おそらく「暴動」という形で表面化する。中国の国民もバカでないから、そうした実態を目の当たりにすると、怒って暴動を起こす。それが鎮圧され、また暴動が起こるということを繰り返している。あまり日本では報じられないが、中国では年間8万件もの暴動が起こっている。

 

<貧者も富者も不幸せな社会>

・なぜ富裕層なのに安心感が得られないのか。それはいつ、財産を没収されるかわからないからだ。経済的にも資本主義でも、政治的には共産主義だから、政府の一声で、財産を没収される恐れがある。

 

・私有財産を安心して自国内に置いておくことができないから富裕層にとっても安心できる国ではないということになる。

 

<飢饉が起こる恐れすらある>

・このままいくと飢饉が起こる恐れすらある。飢饉というものはそう頻繁に起こるものではない。数十年に一度の割合で起こる程度のものだ。ちなみに、中国では直近、1960年に飢饉が起こっている。このときは飢饉が3年間続いた結果、実に3000万人もの人が亡くなった。

 この数字は第二次世界大戦で戦死した人の数よりも多い。食糧危機というのは実に怖いのだ。

 

<北京の地下水は枯渇寸前>

・中国ではいま。水が完全に不足している。中国の大河、揚子江よりも北に位置する都市は、すべて水不足に悩んでいるといってもよい。

 

・しかし、中国には自力で水不足の問題を解決する力はない。

 

<中国のカントリーリスクに備えよ>

<減速と混乱は通過儀礼>

・したがって、個人、法人を問わず、中国に投資している人は、仮にXデーを迎えたとしてもパニックに陥る必要はない。求められるのは情報収集力を強化して、それを解析して戦略を考えることだ。仮にXデーを境に中国が谷に向かって進み始めることになったとしてもリスクを軽減できるようにいまから資産の分散を図っておくとよい。

 

 

 

『中国沈没』

沈才彬   三笠書房     2008年3月25日

 

 

 

・中国には「居安思危」という諺がある。この諺には、平時に有事を想定し、危機管理を徹底するという意味である。

 

・近い将来、中国が沈没するようなことになれば、このところ続いている10%を上回るGDP成長率が、一気にマイナス成長へと転落する可能性も否定できない。それを回避するためにも、中国は自国の状況に対して危機意識を持たなくてはならないのだ。

 

<中国沈没―9つのケース>

1、「政治闘争」になる社会・経済の不安定化

・66~76年までの文化大革命(文革)によって、中国は10年間という長期間の沈没を経験した。

 

・中国の「失われた10年」は、日本とは比べものにならないほど悲惨だった。文革の10年間、約2000万人の国民が非正常死したといわれている。

 

2、“爆食”による経済成長の行き詰まり

 ・エネルギーを非効率的に消費し、高度成長を達成する「爆食経済」。この言葉は、今の中国の高度成長の特徴を表すために私が作った造語である。爆食経済はいつか必ず破綻する。

 

3、アメリカ経済が、かって陥ったマイナス成長パターン

 ・ベトナム戦争は、アメリカを深刻なトラウマ状態に陥れた。さらに経済的な沈没だけでなく、価値観の崩壊まで招いてしまった。長期的な戦争は必ず国を沈没させる。

 

4、「格差問題」「腐敗蔓延」「失業問題」

 ・ラテンアメリカ諸国を不安定な状態に陥れた「格差拡大」「腐敗蔓延」「失業問題」という3つの問題は、中国が抱えている問題と完全に一致している。ラテンアメリカでは、こうした問題への国民の不平不満が政変へとつながっていった。

 

5、「民主化運動」による中国政府の分裂

・とう小平の南巡講話が行われ92年、中国は14.2%という経済成長率を達成し、天安門事件によってもたらされた沈没から脱却することに成功したのだった。

 

6、日本の「失われた10年」型長期低迷パターン

・バブル崩壊によって失われた資産価格は、約2000兆円といわれている。2000兆円は、今の日本のGDPの4倍に相当する額であり、驚異的な額の資産がバブル崩壊とともに消滅してしまったことになる。

 

・バブル崩壊後、日本は深刻な不況に陥った。90年代は景気低迷が続き、その10年間は「失われた10年」として、日本経済に大きなダメージを与えた。いまある問題を解決し、さらなる成長のための目標を決定することができなければ再び沈没してしまうことも十分に考えられる。

 

7、旧ソ連が経験した国家崩壊型の沈没

・国家崩壊は計り切れないほどの負のインパクトをもたらす。もし中国がソ連のように崩壊や分裂するようなことがあれば、とてつもない数の人々が犠牲になるのは間違いない。中国の人口はソ連崩壊当時の人口より4~5倍も多いのだ。

 

・中国とても、ソ連が経験したような国家崩壊型の沈没だけは何としてでも避けなければならない。

 

8、アジア「通貨危機」型のリスク

・アジア通貨危機はASEANに大きなダメージを与えた。98年のASEAN全体の経済成長率はマイナス8%にまで落ち込む。

 

9、アメリカ経済失速による世界経済の崩壊

・ただし、アメリカ経済はITバブルの崩壊からわずか2年後に再び回復軌道に乗っている。その理由は、ITバブルが日本のバブルとは違った特徴を持っていたからである。

 

<中国が抱える問題は、最後は「政治」に行き着く>

・民主化を定着させるためには、厚い中流層が形成されなくてはならない。しかし、中国では厚い中流層が形成されておらず、いわば発展途上国と中進国が混在している状況だ。こういった状況では、民主化は時期尚早といわざるをえず、中国民主化はかなり先の話になる可能性が高い。

 

<中国沈没の回避の方法は見いだせるか?>

・中国にとっての最善策はこれからも「気功療法的な改善」を進めていくことだ。農村地域や貧困層にも経済発展による恩恵を行き渡らせ、中流層を育てていくことが中国にとって何よりも大切である。

 

 

 

『数字が証す中国の知られざる正体』

「21世紀は中国の世紀」のウソを暴く

石平   日本文芸社   平成14年9月20日

 

 

 

<繁栄の集中的「演出」と普遍的貧困>

<各地で労働者による大規模な抗議デモが発生>

<失業率28%、1億7千万人の失業者がさまよう中国>

・2001年に全国の失業率はすでに26%に達しており、2002年には失業者数が1億7千万人に上り、全労働人口の28%が失業状態にあるという。要は、日本の総人口をはるかに超える大量の失業者が中国には存在していて、勤労能力を持つ国民の5人に1人が定職についていないという状況にあるというのである。

 

<コーヒー三杯分の月収で生活する千四百万人の貧困層>

・大量失業とともに発生しているもうひとつの深刻な問題は、広がる一方の貧富の格差である。

 

・中国では、都市部だけでも実に千四百万人もの人々がコーヒー三杯分以下の月額収入で生活している、ということになる。

 

・中国で最も貧しい雲南省では、農村部の「貧困人口」が2001年には1千万人以上という統計数字がある。さらに、そのうちの6百万人は食事も満足にできない「食うか食わず」の生活状態にあるという。

 

・一省の貧困人口が1千万人以上ともなれば、中国全国にはどう考えても億単位の貧困層が存在しているはずだ。

 

・「中国の繁栄と未来」という途方もない世紀の神話の中の日本人たちは、隣国において生ずるかもしれない不測の事態に対する備えも、自らが負うことになるかもしれない多くのリスクに対する冷静な計算も棚上げにしたまま、空気だけに流されて過熱な中国ブームに安易に乗ろうとしている。

 このままでは、中国社会に内在する危機が総爆発して、神話が破滅する日もさほど遠くないかもしれない。

 

<「7%台の高い経済成長率」は果たして本当なのか>

<専門学校卒が60%も就職できない経済繁栄とは?>

<8年間で生み出された総生産の42%は『在庫』>

<中国経済はもはや完全に赤字債務経済>

・中国経済はもはや完全に赤字債務経済となっているわけである。

 

・以上の一連の数字から浮き彫りになるのは、財政赤字と負債によって支えられ、巨額の不良債権を抱えながら大量の在庫を生み出し続けるという中国経済の実態である。

 

・経済成長の最中にありながら、中国はすでに経済衰退期の「末期症状」を呈しているのである。ならば、経済成長が鈍化し、あるいは停滞してしまえば、この巨大国はいったいどうなるのか・・・。

 

 

 

『堂々たる政治』

与謝野馨   新潮社   2008/4

 

 

 

<官房長官として30日>

・「与謝野さんは事務所費の件、大丈夫ですか」

「うちは事務所費に関しては税理士を入れ、ちゃんと過去の分も監査しているし、いまは1ヶ月に1回、税理士の人が来て、全部点検していますよ」

 

・こうして私は、安倍改造内閣の官房長官に就任した。

 官房長官として第1に考えたことは、私自身が記者会見や何かの発言で、絶対に間違わないようにしようということである。記者会見での言葉遣いには、とくに神経をつかった。

 

・通常の閣僚は、記者会見前に官僚から説明を受けるのだが、私は、とくに必要な時以外はこうしたブリーフィングをあまり受けなかった。

 

・内閣の基本的な方針は総理大臣が決めるものだが、個人的には、永田町を含めた巷にはびこる「市場原理主義」的な考えと戦うということを密かに心に決めていた。

 

<率直さが魅力だった安倍総理>

・このとき信三氏は、ミサイル防衛など専門的な事について、アーミテージ氏とも対等に話していた。アーミテージ氏が「アベさんは、非常によく物を知っている」と驚いていたことは今でもよく憶えている。最新の知識のみならず、戦前も含めた外交史、中国、韓国などの権力構造にまで詳しかったことに、私も驚いた。

 

<官房長官は番頭役>

・官房長官を重要ポストに変えたもう一つの要因として、財務省の力が落ちたことも挙げられる。

 

<梶山氏から学んだ役人操縦術>

・官房長官としての梶山氏は、「良い奴」と「悪い奴」の区別、識別がとにかく早い。そして「悪い奴」と判断した相手は、徹底的にどなりまくって対決していく。官僚の言うことなんか聞かない。ブルドーザーみたいにとにかく推し進める。後藤田氏とは対極のタイプだったという。

 

・梶山氏ならではの手腕で官僚をコントロールする場面は、何度も目の当たりにした。

 

・「与謝野たちの世代は、戦争の本当の悲惨さを知らねえだろう」とよく言われたものである。この言葉は今でも耳に残っている。

 

・梶山氏が亡くなった後、追悼文に思い出話を書けと言われて書いたら、原稿用紙で30枚にもなってしまった。それを届けたら1人3枚だと言われて書き直したが、私の書いた元の原稿は、聞くところによると、茨城にある梶山氏の家の仏壇に飾ってあるらしい。

 

<天才的なカンとひらめき>

・郵政民営化、構造改革を掲げた小泉純一郎元総理は、5年5ヶ月という戦後3番目の長期政権を担った。小泉氏の長所というものは、訓練によって得られたものではない。生まれつきもっている天性のカンとひらめきが、経験の中で磨かれていったというところだろう。自分が目指す改革が実現できなければ「自民党をぶっ壊す」。とまで宣言した小泉のやり方を、普通の政治家が真似しようとしても無理である。生まれつきのカンとひらめきが備わっていないから、多分、真似はできない。

 

・後で小泉氏の秘書官だった飯島勲氏に聞くと、小泉政権での登用にあたっては、徹底的に「身体検査」をしたという。この「身体検査」という言葉は、安倍内閣のときに一気に有名になった、一種の隠語である。要するに、登用しようとする政治家に金銭や異性の問題はないか、事前に行う調査のことだ。小泉内閣のそれは非常に徹底していたので大きなスキャンダルがなかったのに対して、安倍内閣は甘かったから様々な問題が続出した、とはよく指摘されるところである。

 しかし、小泉内閣の身体検査は、通常イメージされる金銭や異性絡みのスキャンダル調査だけではなかったようだ。その政治家の主義主張も、国会での過去の質問をはじめ何から何まで全部調べあげたらしい。それが私の登用につながっていた。

 

<肝心な時は人に相談しない>

・要するに、人に相談すると平均的な答えしか返ってこないということが、よくわかっていたのだ。このときに、参院で否決されて衆院を解散などということまで想定していたかどうかはわからない。ただし、小泉氏ほど「自分で決める」という信念を強く持っている人はいないのは確かである。

 この点で思い出すのが、安倍内閣の組閣だ。安倍氏が他人に相談せずもっと好きなようにやっていたら、ああはならなかったのではないか。いろんな人の意見を聞いて話を広げると、往々にして結論は平凡になってしまう。組閣という「肝心なとき」に人と相談しなかった点でも、小泉氏は天才だったのだろう。

 

<ワンフレーズ・ポリティクスの恐ろしさ>

・しかし、郵政という問題にまず熱狂したのは実は、政治家ではないだろうか。それも対抗勢力である郵政民営化反対派が、大した問題ではないのにもかかわらず、これに命を懸けてしまった。それでこの問題が実際よりも大きくなってしまったのだ。

 当時はこんなことを言ったらおかしいと思われただろうが、現実的には、郵便局が民営であろうと公営であろうと、国民の生活を決定的に変えるような話にはならない。少なくとも短期的にみて、国民が不自由するようなものではない。ところがこれを天下の一大事だと、まず政治家が思ってしまった。ここには事実認識、時代認識のずれが相当あったと思う。

 

・しかし、小泉氏に常識は通用しない。ただ、これはほとんど本質的な問題ではないし、今後もああいうタイプの天才がそうそう出てくるわけではないだろうから、あまり考えても仕方がない。

 

・むしろ、このとき改めて感じ、今でも忘れてはならないと思うことは、小選挙区制度の恐ろしさである。以前、カナダの与党が169あった議席を2議席まで落としてしまったことがあった。これも小選挙区制ゆえに起きたドラマである。

 日本の場合は、小選挙区とはいえ比例代表もあるので、そこまで極端なことは起きないだろう。それでもほとんどそれに近い地すべりというか、表層雪崩のような現象が起きたからこそ、自民党が圧勝することになった。

 

・今思えば、解散した瞬間に、国民は勧善懲悪の精神から小泉氏に軍配を上げていたのではないかと思う。

 

<自民党はぶっ壊れたか>

・土木建築業者は、バブルがはじけた時には53万~54万社あった。そのときに補正予算をバンバン使ったものだから、不況下でも土木建築業者だけは増えて58万~59万社になった。約60万社として300の選挙区で割ると、1選挙区に2000社の土木建築業者があることになる。つまり2000人社長がいる。

 ところが、小泉政権以降、その人たちが「公共事業を何とかくれ」と文句を言っても、中央はやらない。地方自治体もロクにできない。仕事も作れない自民党なんか応援できない、という話になる。

 

・こうなったいま、政治家に出来ることは、個人レベルでの努力しかない。当たり前すぎてつまらないと思われるかもしれない。しかし、最終的に問われるのは、政治家としてきちんとしているかどうか、そのことに尽きる。ちゃんと地元を回って、地元の声をよく聞いているかどうか。人格的にも物の考え方も、高い志に支えられているかどうか。

そういうことによって政治家が選ばれる時代になった。

 

<新聞の社説にとらわれない>

・以来、日本の政治は、支持率など世論の動向を見ながら運営される傾向が強まる一方である。世論主導型政治となってしまった。


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(3)

2021-11-25 21:11:02 | 森羅万象

 

ローン返済をめぐる自殺も多発

・2019年3月1日、中国の最高人民法院は「2013~2018年 中国裁判所司法改革白書」を発表した。それによると、2018年までに「誠信制度」でブラックリストに入れられた「老頼」の人数は、なんと1288万人にも達しているという。

 また、前述した河北省の裁判所のウェブサイトでは、2018年末までに借金を返済できず、飛行機の利用を禁止されたのは延べ1746万人以上、高速鉄道の利用を禁止されたのは延べ547万人で、351万人がこうした罰則を回避するために返済義務を履行したと報告されている。

 

・ローン返済に悩んだ末、自殺する者も増えており、「ロイター」(2017年9月30日付)は、オンライン貸金業者から金を借りた学生が返済不能になり、自殺するケースが増えていると報じている。

 また、住宅ローンに関連する自殺者についても、政府系の新聞がその深刻さについて報道している。

 

住宅をもたない者の就職は厳しい

・住宅価格が暴騰し、貸し出しが鈍り、返済不能の債務者が急増する、この現象は、住宅ローンに苦しむ家庭の増加を意味している。

 また、「公積金報告」では公積金制度加入者の9割が平均年収レベルで、返済能力が低く、違約のおそれが十分にあると報告している。

 中国では住宅ローンに苦しむ者も多いが、マイホームをもたない者も再就職や転職が難しい。会社側からいつでも仕事を辞めていく不安定な人間だと疑われるからである。

 住宅ローンの返済が不能になれば、住宅を失い、かつての貧乏な生活に戻ってしまう。生活苦のうえにメンツも潰れ、自殺を図る人が多くなるわけである。

 現在の中国不動産の時価総額は43兆ドル(あるいは65兆ドルとも)見積もられ、これはGDPの4倍である。1990年代、日本のバブル崩壊前夜、東京の不動産の時価総額は東京のGDPの2倍でしかなかった。

 たとえば北京のマンションを例にすると、平均的収入の家庭では夫婦二人で3カ月働いた収入でようやく買える面積は、たった1平方メートルしかない。それほど高価なのだ。

 中国の不動産バブルがいかに異常かわかるだろう

 

失業手当は少なく、企業破産法さえもない

・中国では、政府所轄の職業安定所はあるものの、ほとんど機能していない。社員募集の情報はなく、職員の対応もお粗末である。ネットワークの構築ができておらず、就職斡旋はあまり重視されていないようだ。

 ある調査によれば、失業者で職業安定所に行く者は100人のうち1人だけだという。職員の学歴は高卒までで、大卒者がいない。

 失業手当はあるものの、その額は非常に少ない。支給額は地域の最低賃金の8割程度だ。最低賃金(全国平均)はおよそ月額1500元だから、失業手当は1200元くらいだ。1人分の1カ月の食事代を賄える程度で、家族を養うことまでは無理である。

 しかも、自己都合で会社を辞めた場合は失業手当がもらえない。

 生活保護の制度はあるものの、存在していないに等しい。体の不具合などで働けず、さらに親戚もおらず住む場所もないような場合にしか対象にならない。このような極端なケースは都会部には少ないうえ、支給額も数百元と少ないのである。

 

企業破産法は理屈上はあるものの、それも存在していないに等しい。というのは、現行の企業破産法の実施対象は国有企業のみであり、民営企業や外資系企業などが除外されているからである。

 中国では、民営企業が企業全体の8割も占めるようになっている。にもかかわらず、これらの企業が法律適用対象外にあるとすれば、法律の存在意義そのものが疑われる。

 中国では民営企業の社長の自殺事件がよく報じられている。印象だが、住宅ローン返済をめぐる自殺件数より数倍も多いような気がする。

 民営企業の経営者にとって、とくに資金繰りが厳しくなっている。もちろん建て前上は銀行から借り入れできることになっているが、実際は銀行の融資先のほとんどは国有企業だ。民営企業にはいろいろ理由をつけて貸し渋る。

 

呉英裁判の衝撃

・また、融資を受けられる3割の民営企業にしても、資格審査や手続きが厳しくて、結局、大手の民営企業かつ役人とのパイプをもつものだけしか認められない。

 そのために、大多数の中小民営企業は地下金融、すなわち民間資金の借り入れに頼っているのが現状である。

 しかし、2007年に起こった「本色集団」の呉英社長の逮捕事件は、民営企業ばかりでなく、多くの国民にかなり大きい衝撃を与えた。民間資金を借り入れた呉英社長が「金融詐欺罪」に問われて死刑を言い渡されたからだった。あまりにもひどすぎる判決だった。

 中国では民間借款が禁止されているわけではないが、合法か違法かは検察側の思惑次第で、判定基準が矛盾だらけなのだ。

 中国では数千人という不特定多数の投資家から高利を餌に巨額の資金を騙し取った犯罪で、犯人が死刑になった司法案件があったが、呉英社長の場合は知り合い11人から借金しただけで、しかも彼らから詐欺の被害届が出されたわけでもなかった。

 このようなひどい判決が出た裏には、呉英社長の財産をねらっている腐敗役人の存在があるといわれている。

 

・その一方で、腐敗役人らが暗躍し、地下の闇金融組織を牛耳って暴利を貪っている。

 呉英社長は逃亡もしていないし、会社も破産していない。金を借りたことだけで死刑判決が出たことに国民はまったく納得せず、全国で呉英社長を応援するキャンペーンが繰り広げられた。結局、死刑判決は再審により見直され、死刑執行猶予から、無期懲役を経て、最終的に懲役25年という判決が2018年3月に出た。この決定まで10年の歳月が費やされていた。一方、呉英社長は無罪を訴えて上訴しつづけている。

 

P2P詐欺をめぐって

・中国ではP2P金融も大変な社会問題となっており、家庭崩壊や自殺事件が相次いでいる。

 P2P金融とはネット上の金融で、好リターンを条件に民間から資金を集め、それを中小企業や個人の借り手に高金利で融資する金融業者のことである。

 

中国医療保険制度の重大な欠陥

・2019年3月の第13期全人代では、李克強首相が政府活動報告で医療制度改革にふれ、「できるだけ早く糖尿病、高血圧などの一般疾病を治療する薬を医療保険制度に入れるよう努力する」と語った。

 世界2位の経済大国である中国だが、現状では多くの病気の治療が医療保険制度に含まれていない。

 国民の健康がどのくらい保障されているかということは、一国の実力や国民の幸福度につながることだ。日本で長年暮らしていた筆者は、日本の国民皆保険制度については馴染みが深い。健康保険組合の種類などに違いはあっても、日本の保険制度はシステムとしては統一されている。

 一方、筆者が中国の医療システムについて調べると、その複雑さや不透明さにめまいがするほどだ。

 中国では医療体制が農村部と都市部によって異なるし、都市部でもそれぞれ違っている。個人負担額など規定は複雑で、はっきりと答えられる人がほとんどいない。

 

・これにより、制度としてはほとんどの国民がカバーされることとなり、中国政府は2020年までに、全国民に保険制度を提供することを目標としている。

 だが、これはあくまで建て前上のことであり、現実とはかなり乖離している

 

高すぎる医療費

このように中国の医療保険制度は不備や不平等、不合理な部分が多い。日本ではほとんどの疾病が健康保険で治療を受けられ、すべての地域で統一された医療保険制度が実施されているが、中国はまだまだ立ち遅れている状態である。だから、中国人の多くが北京、上海、広州、深圳など医療条件の優れている都市へ押しかけて都市戸籍を取ろうとするのである。

 一方、中国の医療費は高すぎて、自己負担が重すぎるという苦情も跡を絶たない。歯の治療でも抜歯や差し歯程度で2万~3万元(約30万~45万円)、胃潰瘍の手術で10万~20万元、がん治療など大きな手術となると30万~50万元もかかる。日本のような高額療養費支給制度が実施されていないために、一般家庭にとっては医療費の支出がかなりきつい

 大きな手術を受けるのに必要な金がないため、テレビやネットを通じて助けを求める人がよくいる。とくに子供が重病にかかったケースなどは非常にかわいそうで、政府が責任をもって対処すべきことだと思うが、現実は厳しい。

 

少ない医療予算は役人がほぼ独占

・これまでの話をまとめれば、中国では個人も企業も破産法が確立しておらず、国民の健康を守るための社会保険制度も不完全なものとなっている。

 経営も家計も健康も、セーフティネットがない状態で国民生活が不安定化しているのだ

 そこへ米中貿易戦争がのしかかり、中国経済の衰退がさらに加速することで、国民生活はかつてない危機に巻き込まれようとしている。

 

・一方、中国の役人の厚遇が、国民から批判されている。

 2015年の数字だが、当時の国家歳入は10兆元に達しているものの、医療予算はわずか2000億元だった。少なすぎる。

 日本の場合、2019年の税収は60兆円超であるのに対して、医療関連予算は34兆円とされ、半分以上があてられている。アメリカなどほかの先進国でも、およそ同様な割合で予算が組まれている。

 中国では2000億元の医療予算のうち、1600億元は数百万人にも及ぶといわれる公務員や役人幹部のためのもので、14億の民に使われるのは残りの400億元だけだとされる。1人あたり約30元という悲惨な金額である。

 

それでも中国が崩壊しない理由

・このような社会保障の不備に米中貿易戦争が加わることで、中国は「崩壊」してしまうのだろうか。

 近年の破綻国家といえばベネズエラがあげられるだろう。ベネズエラでは、デノミで経済が完全に麻痺状態となり、仕事を失った人びとは家に引きこもり、1日数千人の難民が国外脱出している。

 

いずれ中国も、ベネズエラのような国家崩壊状態になるのだろうか。日本でもそのように予測する識者がいるが、筆者はそうならないと思う。その理由は以下のとおりだ。

①  中国では各地方の格差が大きい。公務員の給料が出ないほど財政が逼迫しているところもあれば、まるで外国の都市にいると錯覚させるほど豊かなところもある。だから、1カ所がだめになったにしても、すぐに全体が崩れてしまうわけではない

 そのうえ、経済発展に必要な工業生産システムは健在しており、戦争によって破壊されて麻痺状態になったわけではない。

②  社会福祉や国民の自由度が低いなど、社会統治のコストが低い。公安の安定維持費が高いという説があるが、高額な社会福祉予算を組むことに比べれば低い。

③  外貨準備高が十分にある。中国の外貨準備高の額については疑問視されることも多いが、とくに破綻は見えていない。

④  社会・国民への監視は厳しく、政権を脅かすような暴動の兆しがあれば、すぐに対応・改善する態勢が整っている。

⑤  海外在住の華人からの投資などによる中国国内への送金が多い。

⑥  外国資本の進出は完全にとまっているわけではない。

⑦無人探査機、AI、5G通信、キャッシュレスシステムなど、いくつか

の領域において中国のハイテク技術が先行しており、イノベーションが進み、国際的な競争力が強まっている。

⑦  一般国民、とくに農家は国家転覆や外国人による政治介入はほとんど望んでいない。

⑧  西側諸国も中国の崩壊を望んでいない。経済の相互依存が進んでいるグローバル時代の現在、よほどのことがなければ相手国を崩壊させることは自分の利益にも合わない。自分の首を絞めることに等しい。そこが冷戦時代のソ連崩壊とは異なる点だ。

 

 中国人のあいだでは、「中国は政府が美化しているような美しい国でもなければ、外国人がさんざん貶めるような汚い国でもない」という言葉がはやっているが、そのとおりだと思う。

 

子供の誘拐事件が多発

・中国では子供の誘拐事件が多発しているが、被害の実態については正確な情報がない。民間では毎年20万人にのぼる子供が行方不明になっているといわれるが、政府系の新聞は年間100人くらいだろうと、まったくケタの違う情報を伝えている。だが、報告されない事件もあり、筆者は毎年少なくとも数万人の子供が誘拐されているだろうと推測している。

 長らく一人っ子政策を実施してきた中国では、1人以上産むと罰金を科されるために、親が出生届けを出さずに無戸籍となっている子供たちが数多くいる。彼らは「黒孩子(ヘイハイツ)」と呼ばれており、中国国家統計局の2010年の調査では、その数は約1300万人となっている。

 こうした子供たちは、人知れず人身売買や誘拐の対象になっていることが少なくない。違法なかたちで生まれ、戸籍もないため、誘拐されても警察当局に届け出ることができないからだ。

 

・家族の誰かが必ず毎日子供を学校に送り、迎えにくるというように、大人が付き添っていないと教師も安心できない。だから、日本の子供が1人で登下校することは、多くの中国人家庭から羨ましがられている。

 

電光掲示板で幼児虐待防止

・中国では公立の幼稚園が足りないため、ほとんどの幼児が私立の幼稚園に通っている。一概には言えないが、私立の幼稚園は学費が高いうえ、教員による幼児虐待が多発して社会問題になっている。

 

農家の生活を見れば、その国の経済がわかる

・中国に行けば世界旅行ができるというジョークがある。中東のようなイスラム教圏の地域、ヨーロッパのような歴史ある街、ニューヨークやシリコンバレーのような最先端シティなど、中国各地を歩けばすべて体験できるという意味である。

 しかし、中国には、アフリカにも劣らないほどの貧困地域もたくさんある。人口の約9割が貧困生活を強いられているからだ。

 

<9割近くの農家は生活が貧困>

・もちろん、中国の農村部にも、比較的裕福なところもあれば、貧しいところもある。だが、基本的に7~9割近くの農家はまだまだ貧しい。子供や老人を除いて、家族全員が出稼ぎに行かなければならないのが現状であり、農業だけで生きていけるというのは、神話に等しい話だ。

 

・ただし、南方であろうと北方であろうと、農民の収入は出稼ぎに頼っている。出稼ぎに行かなければ、金は極端に少なくなる。もっとも、出稼ぎ先では、いろいろな身分的制限があり、不公平に取り扱われることが多い。

 

中国でいちばん小さな役職が中国一の金持ち

基本的に、農村では村長が村を管理しており、村の財産の用途や配分について絶大な権利をもっている。そのため、汚職事件が跡を絶たない。

 筆者が貧困地区を訪れた際、農民と話をしたことがある。

 農家には、病気、子どもの教育、凶作など心配事がたくさんあるが、何よりも恐れているのは村の役人の汚職である。村民は毎年、村の運営費を出しているが、役人の汚職によって自分たちの血と汗の結晶が水の泡となるのではないかと、毎日、不安に思っている。ネットで検索すれば、村役人の汚職に関しておびたただし数のニュースが出てくる。

 だから、中国には、「村長は中国でいちばん小さい役職だが、中国一の富豪だ」という言葉まである。農村には一見すると何もないようだが、山や川の使用権など、利用価値のある宝物がたくさん隠れている。村長はこうした財産をすべて思いのまま支配しているのである。

 

農村にはびこる汚職の手口

村の役人の汚職には、おもに八つのルートがある。

①  土地徴用賠償金

②  地方発展助成金

③  老朽化住宅改築助成金

④  村道建設助成金

⑤  貧困家庭生活補助金

⑥  山、川、荒地などを勝手に第三者に売買して、莫大な利益を獲得する。

⑦  特定プロジェクト助成金

⑧  農機購入補助金

 

⑥を除いて、補助金については必ず村の役人を経由する。このことが汚職の温床となっているのだ。

 

村長制度が撤廃される?

・ところで、集団所有制の変革はしばらく望めないものの、村の権力者である村長のポストがこれから撤廃されるという噂が立っている。2018年の年末から取り沙汰されているが、中央政府による公式見解や政策発表はまだ出ていない。

 ただし、ネット上では関連文章が急増し、民間から支持の声が上がっている。いままで村長の権力があまりに大きすぎて、汚職し放題だったため、国民から強い反感を買っているからだ。

 

「中国模式」という幻

・中国模式とは、中国人にしかできない独自の発展モデル、発展基準、発展方式を指しており、これがあるからこそ、中国は西側先進国が歩んできた長い道のりを短時間で立派に走り抜くことができたのだという。

 中国人は、何でも独自に事を運ぶのが好きな民族である。

 

・中国が急速に発展した理由として、毛沢東時代の極端な圧政が終了し、国民にビジネスをする自由空間が広がったことなど、いろいろとあげられるだろうが、筆者にいわせれば、中国経済発展のエネルギー源となったのは、ただ一つ、安い労働力だ

 大量で、安い労働力が中国に存在していた。それを支えていたのは、農民工という集団である。

 

・中国では労働法が定められているが、現実には、工場の経営者が法規、法律を遵守しようとせず、政府の労働部門も法に基づく監督をほとんどしていない。理由は、彼らが農民工だからである。農民工は臨時工の身分であり、無視されてもかまわないような存在なのだ。

 

法治国家には「中国模式」が似合わない

・農民工の現状は、いまでも昔のままだ。実は、中国では、改革開放後に現れた農民工の後に、もう一つ、「都市部農民工」ともいうべき大軍が現れた。彼らはもともと農民ではなく、国有企業の労働者であった。

 1998年、当時の国務院総理、朱鎔基は、国有企業に近代的な管理制度を導入するとして、4000万人ともいわれる労働者の早期退職政策に踏み込んだ。

 その4000万人の労働者のほとんどが40代、50代の中年世代で、仕事を失った彼らは家族を養うために給料の低い町工場で働かざるをえなかった。技術系の労働者が多かったので、行き詰っていた中国経済の活性化に大きな力を発揮した。

 

深刻な農民工への賃金未払い問題

・最近、筆者が読んでいる本に『中国農民工40年』というものがある。非常に勉強になる一方、悲しくなる内容だ。

 著者は盛明富といい、元「工人日報」新聞社の総編集長である。農民工誕生の歴史、生存状況、社会的差別、奴隷的扱い、過酷な労働環境、戸籍問題、都市化と農民など、40年にわたる農民工の生活ぶりや社会環境の変遷を克明にレポートしている。いままで筆者が読んだ関連書籍のなかではいちばんの良心作だと思う。

 そのなかで、印象的かつ衝撃的だったのは、農民工の賃金未払い問題である。もうとっくに解決されたと思っていたが、話が全然違っていた。

 

 

 

『ついに中国で始まった大崩壊の真実』

急落する経済と社会混乱の実態を現地から衝撃報告

邱海涛      徳間書店  2015/7/24

 

 

 

<株も土地も大暴落、年金破綻、無法がまかり通り、AIIB、外交、国内政治も大波乱>

<経済崩壊で好戦的気運が高まる中国>

・2015年4月25日付の「経済観察報」は、東莞市が第2次企業倒産ブームに見舞われていることを報じている。工場閉鎖が大量に相次ぎ、この1年で少なくとも4000社が倒産に追い込まれた。2008年から2012年までの5年間で、東莞市ではなんと計7万2000社が倒産し、数百万人の労働者が失業に追い込まれた。

 

<実体経済の崩落が止まらない>

・中国の景気が落ち込み始めたのは2008年からであった。

 

・企業の生産も鈍い。2015年4月の工業生産は前年同月比5.9%増だった。伸び率は同年3月より0.3ポイント改善したが、8%超だった2014年の通年の水準を大きく下回る。4月の乗用車の生産台数は11.2%減と2008年12月以来の2桁の減少幅となった。石炭、粗鋼、板ガラスなど、設備過剰が目立つ業界の生産量も前年割れが続いている。

 要するに、景気悪化が加速し、企業の経営が苦しく、ほとんどの企業は利益をあげられず、重大な危機に直面しているということである。

 

<40年前の生活水準に戻る中国>

・GDPが相当に上がらないと、社会福祉も国民生活への保障なども消えてなくなってしまうからだ。

 かつては、そのために必要なGDP成長率は8%といわれ、「保八(8%を維持する)」が絶対条件だとされていたが、もはやそれを唱える政府関係者や学者はいない。無理だからだ。

 平たく言えば、工場からの製品出荷が鈍り、デパートには買い物客の姿が見られなくなるということである。生産も消費も激減する。成長率4%とは、40年前の生活水準に逆戻りするということを意味する。

 

<2015年の「3つの重大事件」から始まる中国崩壊>

・まず2015年だが、中国では3つの重大事件が起こると予測されている。それは、次のようなものだ。

  1. 理財商品のデフォルト

 

・中国の経済学者、李迅雷は2013年に、「これから2、3年のうちに、中国には全面的な経済危機が起こる。不動産市場が一番危険な火薬庫だ」と警告したことがある。

 彼によると、中国銀行の貸付総額のうちの約30%は不動産市場に流れ込み、地方政府の財政収入のうちの約30%は土地と絡んでいる。そのために、いったん不動産や土地の価格が下落すると、中国経済が崩壊しかねないという。彼の予言は現実味を帯びてきている。

 

・②労働人口減による激震リスク

 2つ目の重大事件は、2015年から中国の生産年齢人口が急減し始めることである。毎年400万人近くの労働力が失われ、経済発展に大きな打撃を与える。人件費の高騰が予想され、成長率の失速が避けられそうもない。

 一人っ子政策のつけが回ってきたのが原因であろう。2014年から一人っ子政策が見直されたが、もう遅すぎるのは明らかである。これから20年間は逆転の望みがまったくない。

  1. 日中関係は重要な節目を迎えるのか

3つめの重大事件は、2015年8月に中ロ共同主催の「世界反ファシスト戦争勝利70周年記念行事」が行われることだ。同時に、中国では抗日戦争勝利70周年を迎え、中国国民の反日感情が高まり、反日行事が各地で行われるであろう。

 

<2016年の「第13次5カ年計画」が中国経済に波乱に輪をかける>

・2016年は、中国の「第13次5カ年計画」が始まる初年度である。第13次5カ年計画にどんな内容が盛り込まれるかを大いに注目したい。

 

・実際、5ヵ年計画は宣伝されているような完備無欠で信頼性の高いものではなく、いままでも問題点がいろいろ指摘されている。

 たとえば、設定された目標が達成できなかったことはよくあった。1991年の5ヵ年計画では、教育支出予算の目標をGDPの4%と定めたが、それは十数年連続で達成できなかった。やっと実現させることができたのは、20年も経ってからである。

 

・しかし、問題が1つある。それは、2016年から始まる第13次5ヵ年計画を策定する際、李首相は現実路線を踏襲しにくい状況に陥る可能性があるということだ。

 その理由は、第13次5ヵ年計画の期間には、大変重要なイベントと重要な時期が控えているからだ。重要なイベントとは、次のようなものだ。

・2017年 中国共産党第19回全国代表大会(党大会)

・2019年 中華人民共和国建国70周年

 そして、2021年には中国共産党誕生100周年にあたるが、その前年の2020年まで継続していた第13次5ヵ年計画の成果が、改めて問われることになる。

 

<2017年に起こる政治体制の激変>

・最終的にどうなるかは、大会が開かれてからしかわからないが、中国共産党第19回党大会では改革派(共青団派)が党の中核に大いに躍進するのはほぼ間違いない。

 もっとも、この党大会を睨んで、2017年に入ると、各地方で大規模な開発ラッシュが始まるだろう。借金してでも巨大なプロジェクトを建設する。地方と地方との背伸び競争が激しくなる。というのも、ポスト昇進のチャンスだからだ。

 

・GDPの伸びを役人の評価基準とすることは害が大きく、見直すべきだと声があがっているが、世の中はそう簡単に変わらない。何よりGDPのほうが一番はっきりと見える実績だからだ。

 

<「1国2制度」が限界となった香港は捨てられる>

・サービス業の対外開放、規制緩和など、数多い経済改革のテスト措置の中で、もっとも重要なものが金融の改革開放であり、成功すれば、上海は国際金融センターとしての基盤づくりができることになる。核心となるのは、資本移動の開放と預金金利の自由化であり、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への早期参画も目論んでいる。

 もし、これが成功すれば、香港は完全に孤立させられ、没落していくだろう。

 

<2018年に経済構造の変化が起こる?>

・前述したように、上海自由貿易試験区で得られる成果は2017年に新自由経済モデルとして全国各地に広げることになっているので、第19回

3中全会では、上海自由貿易試験区で成功した経験を取り上げる決議文書が発表されるであろう。これをきっかけに、中国の経済構造は大きく変わる可能性がある。

 

・成思危の予測では、2019年に成長率が9%に達する可能性があるという。

 その理由は、前年に全人代と全国政協が開かれ、多くの有能な新人幹部が政府の各部署に抜擢され、彼らが非常に情熱的に経済活動に取り組むので、実績がどんどん積み上がるのだという。

 ただし、2019年以降は、経済の成長率が6~7%に落ちるとも成思危は指摘している。

 

<2020年から一気に総崩れとなる中国>

・2020年に東京オリンピックが開かれ、日本経済はいっそう活力がみなぎることになるだろう。また、待望しているメタンハイグレード(メタンを主成分とする化石燃料)の実用化も、この年の実現が予測されている。

 一方、中国では翌年に中国共産党誕生100周年を迎えるが、解決しなければならない問題が国内に山積しており、それが原因で一気に坂道を転げ落ちる可能性が高い。深刻な高齢化問題が、その1つである。

 中国は2020年になると、3人の若者が1人の老人を養い、さらに2035年になると2人の若者が1人の老人を養うという、大変厳しい社会人口構造に直面することになる。いままでは一人っ子政策による制限が人口減少の原因だと言われてきたが、学歴社会が定着し、婚姻意識が多様化しているなど、その原因はいろいろ挙げられるだろう。

 

・中国人、とくに農村部の人々は男尊女卑の意識が根強く、一人っ子政策のもとで男児を出産するためには手段を選ばなかった。妊婦が超音波検査を受けて胎児が女児とわかると、堕胎させることはよくあった。そのため、中国では男女の人口比のバランスが崩れてしまい、結婚適齢の男性が女性より3000万人も多く、結婚できないでいる。このことも急速な人口減につながった。2020年になると、結婚適齢の男性が6000万人も余ると言われている。

 このような極端な社会生態のもとでは、いろいろな社会問題が起きるだろう。婚姻売買、婦人誘拐、性的犯罪が多発することは容易に考えられる。

 

・ある学者が、大胆な予言をしている。それは、これから10年の間に、数千万人に上るアフリカの結婚適齢期の黒人女性が中国へ嫁にやってくるというのである。理由は、アフリカにも美人が多いし、コストが世界一安いからだ。中国政府は奨励措置を講じるともいう。

 

<「1億3000万人を都会人に」の無謀>

・2013年の中国の総人口は13億5000万人で、都市部人口は7億1000万人。2020年に総人口が14億人に達すると予測され、「都市部人口は60%以上」という目標を掲げるならば、8億4000万人にまで増えなければならない。言い換えれば、あと数年の間に1億3000万人が都会人になるということである。

 しかし、高価な住宅、立ち遅れる地方都市のインフラ整備、教育・医療・社会福祉の問題など、難題が山積している。真っ先に解決しなければならないのは、何といっても就職問題だろう。仕事がなければ、どんなに立派なスローガンであっても、絵に画いた餅にすぎないからだ。

 

<株バブル崩壊が招く中国発の世界金融危機>

・このように、重大な経済危機が7年周期で起きており、2015年は2008年9月のリーマンショックから7年目を迎える。

 しかし、中国の株式暴落は彼の予想より早まった。そしてその破壊規模はギリシャの破産より十数倍も大きいものだ。中国発の世界金融危機が起こる可能性する否定できない。

 中国の株暴落の元凶は、言ってみれば、政府そのものにある。

 

<いま中国社会で起きている悲惨な現実>

<上海でもオフィスビルはガラガラ>

・2013年に上海のオフィスビルの空室率は8.1%に達し、2014年には13%にまで上った。2015年は、さらに上昇している。前述した日本の空室率とは雲泥の差が見られる。


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(2)

2021-11-25 21:09:49 | 森羅万象

 

 

(2021/7/27)

 

 

 

 

『バイデン大統領が世界を破滅させる』

親中に傾く米国と日本に迫る危機

宮崎正弘  徳間書店   2020/12/19

 

 

 

「暗黒の4年」が始まる

消去法で選ばれた男

・世界的に感染が拡がり未曽有の疫病災害となったが、当時の情勢から判断して、チャイナ・ウイルスがなければトランプの圧勝となるはずだった。それというのも「武漢コロナ」以前までジョー・バイデンは泡沫候補にすぎなかったのだから。

 

大戦末期と酷似

舌の根の乾かぬうちに、もううそをつく、世界では「暗黒の4年」がこれから始まるのではないかと筆者は考えている。いやそれどころか、バイデン政権が自由世界そのものを破滅に導いてしまうのではないかという危惧さえも抱いている。 その「バイデン・ショック」が日本を揺らすことは間違いない。南シナ海では力による現状変更という前科をもつ中国は、太平洋進出へのドス黒い欲望を隠そうとしていない。バイデン新大統領の誕生は、日本が中国に侵略される危機的状況ともいえるのだ。

 

ジョー・バイデンの履歴書

・その後、バイデンは36年の長期にわたって上院議員を務めた。議員歴が長いだけが取り柄で、ほかにこれといった政治的業績は聞いたことがない。ただし、ワシントンという特殊な政治都市の雰囲気、その社会での遊泳術は心得ている。

 アメリカ議会議員はシニオリティ(先任権の意味で、議会においては当選回数による序列)で部会の委員長を務めるが、日本の国会と異なり「委員長」は大きな権限をもつ。法案審議をするか、しないかも委員長の裁断によるの、バイデンは上院の外交委員長を務めて、知らないうちに議会の重鎮となっていった。

 

既成事実を積み上げる

・2020年のアメリカ大統領選挙はアメリカ憲政史上でも未曽有となる混戦、乱戦となったが、開票作業についても膠着状況が続いた。開票から数時間はトランプの圧倒的な優勢で進んだが、後半に入ると激戦州でバイデンが逆転する現象が起こった。

 

トランプ敗北を喜ぶ者たち

・しかしトランプ敗北によってもっとも高笑いしたのは、米国内で「反トランプ」策謀を巧妙に続けてきたディープステート(影の政府)だ。

 この「ディープステート」という用語はトルコでつくられたもので、諜報機関、軍事、治安、司法、組織犯罪の高レベルの要素で構成されるシステムであるとされる。

 

・選挙によって選ばれるワシントンが、市民にとって「見える政府」であるのに対して、ロフグレンはアメリカ国内のディープステートを、

選挙という正式な政治プロセスを通じて表明された有権者の同意に関係なく、アメリカを効果的に統治することができる政府機関と、トップレベルの金融および産業の一部企業とのハイブリッドな協力体制を意味する

 としている。トランプ政権では「ディープステート」がトランプを弱体化させたい民主党寄りの官僚の略記として使用された。ロフグレン的な意味でも、トランプ的な意味でも「ディープステート」にとって「居眠りジョー」は「操り人形」で、その「操り人形」を「操る」ためにトランプ政権成立前から動いていた。

 

ポピュリズムを扇動したメディア

・アメリカのメディアもまた「ディープステート」の一角だ。ほとんどがリベラルで民主党支持だから、その書き方は最初からバイデンの応援どころか「当選確実」というトーンで、報道の公平性からはほど遠い有様だった。

 

・このことで予測できるのは、バイデン政権が誕生しても、民主党の思いどおりに政治が実践できないということである。外交、軍事、予算を握る上院で共和党が辛うじて多数派を獲得するため、多くの法案成立は困難になるだろう。

 

・バイデン時代が訪れることで、日本にとっての最大の問題は米中関係がどうなるかである。オバマ時代を考えればバイデン外交は親中、反ロシアになることが濃厚だ。投票日を目前にして明らかにされた息子ハンター・バイデンの醜聞は、リベラルなメディアが大火事になる前に「報じない権利」をふんだんに利用して揉み消した。

 

無知日にして反日

オバマと中国の蜜月関係は有名で、異母弟は中国政府が新たな金融センターにしようと力を入れている深圳市のイメージ大使だ。また2020年6月には、バイデンがペンシルベニア大学傘下に設立した外交公共関係の団体ペン・バイデン・センターが、中国からの数千万ドルの寄付金を公開しなかったことが明らかになった。

 

・訳せば、「日本が核兵器を持てないように、われわれが日本国憲法を書いたことをトランプは知らないのか? 彼はどこの学校にいたんだ? この判断力が欠如した人物を信用できる人間はない」ということになる。

 そもそも非核3原則は憲法条文ではない。長く外交畑を歩いてきたにもかかわらず、バイデンは驚くほど日本に無知であり、かつ反日的だ。

 いくらバイデン本人と取り巻きが中国とズブズブだからといって、ワシントンの政治は「中国は仮想敵国」という方向で収斂している。そのワシントン遊泳術にだけは長けたバイデンだが、いくら反日的だからといって、中国との防波堤になる日本を敵にまわすような選択をすることは考えにくい。

 

ハンター・バイデン・スキャンダル

・バイデンのアキレス腱といえるのが、息子、ハンターだ。

 大きく二つ、金銭についての爆弾がある。一つがウクライナ、もう一つが中国についてである。

 ハンターは2012年から米海軍に入隊して予備役将校に就いていたが、翌2013年にコカインの薬物検査で陽性反応が出て除隊処分を受けている。

 

・ハンターは、オバマ政権の国務長官、ジョン・ケリーの義理の息子で、ケチャップで有名なハインツの御曹司であるクリストファー・ハインツと大学時代から知人であり、そのハインツの大学時代の友人のデポン・アーチャーと3人で、2009年にローズモント・セネカ・パートナーズを設立している。

 以降、3人でつるみ、父親の威光を使ってビジネスに腐心していた。

 

・またバイデン訪中から12日後に、上海で「渤海華美股権投資基金管理有限公司(BHRパートナーズ)」というファンドが法人登記されている。このBHRパートナーズの株をハンターは10%保有し、上海での登記当初から取締役を務めている。

 

・また、前出のデポンはウクライナでビジネスをしたことをきっかけに、ウクライナの天然民間ガス会社、ブリズマの共同設立者ミコラ・ズロチェフスキーと接点をもつ。2014年にデボンがブリズマの取締役に就任すると、同年にはハンターも同社の取締役に就任。

 

・その2019年に発生した「ウクライナ危機・ウクライナ東部紛争」に、バイデンが積極的に関与したのはこの利権があったためだ。クリミア危機はロシアの勝利に終わり、アメリカはこの失敗を挽回しようとロシアに強力な経済制裁を発動し、ロシアをG8から追放した。

 父、バイデンがカネでアメリカの外交を売ったことについては疑惑のままとされてきた。ところが2020年アメリカ大統領選挙の投開票直前の2020年10月20日、「ニューヨーク・ポスト」がハンターが所有していたパソコンのハードディスクの内容を公開した。パソコンは2019年4月にバイデンの出身地であるデラウェア州の修理店に持ち込まれたものだった。

 

ところが、この大スキャンダルを、ほとんどのメディアは事実関係が不明であることを理由に報道しなかった。SNSでも同様の理由で、ユーザーの書き込みが削除されるなどした。だが、トランプに同様の疑惑がもちあがれば「事実関係が不明」でありながら報じつづけられ、SNSは大炎上する。

 

ゴマすりに失敗すれば企業は例外なくつぶされる

・孫大牛という中国人実業家がいる。ソフトバンクグループCEOの孫正義と姻戚関係はない。孫大牛は日本では無名だが、中国では飛び抜けて著名な実業家である。

 孫大牛は貧困から身を起こし、小規模な養鶏事業に着手、やがて牛、豚、養殖産業から、観光、医療にも進出し、グループの従業員は約9000人。

 無名の農民から出世したのだから庶民の尊敬を集める。

 ところが民間の成功者ほど中国共産党にとってうとましい存在はない。

 

・だからといって、こうした集団が、民間企業の合理的で効率的な経営を真似ることはない。代わりにうとましく嫉妬し、あげくにつぶそうとするのが、共産主義の常道的なやり方だ。共産党になびき、常に忠誠を誓い、幹部に賄賂を届ける民間企業なら重宝もされる。だが、歯に衣を着せずに共産党的な非効率経営をちょっとでも批判すると逮捕されるのだ。

 庶民の英雄だった孫大牛も、このような共産主義の被害にあうことになった。共産党批判をネットで行っただけで、6カ月の営業停止と罰金1万5000元の処分を受けたのだ。2020年5月には、クラウドファンディングの農村版ともいえる「講」形式で新事業展開の資金を農民から集めようとしたところ、違法だと難癖をつけられ逮捕されたのである。

 

こうやってつぶされた民間企業は山のようにあるが、アリババとて当初は江沢民、胡錦濤政権にさんざんゴマをすって大きくなったのである。大連の実徳集団や幇達集団も、あるいは香港を拠点にして急成長をとげた明天証券も、権力者が代わりゴマすりのタイミングに失敗すると冤罪をでっち上げられる。唐突な会計検査、税務調査が入り、取り調べを経て全財産を没収されるのがパターンだ。

 

官製半導体バブルは早くも崩壊

・かように共産主義社会での「健全な資本主義経営」は難しいものだが、再び共産主義的振興策の顛末を眺めてみよう。

 米国の制裁を受けたファーウェイがインテル、クアルコムばかりか台湾のTSMCからも半導体の供給を受けられなくなったため、中国国内半導体メーカーであるSMICがその代替供給企業となった。

 

・2020年12月の時点でSMICが製造している半導体は、よくても一世代前のもの、多くが二世代前の半導体だ。これまで最先端の半導体については輸入に頼っていて、中国が年間に外国から輸入してきた半導体の総額は約3000億ドルに達していた。サプライヤーで潤った筆頭は台湾のTSMCだが、米国の制裁以後は、中国企業への供給もぷっつんと切らして、TSMCの軍事部門の半導体工場はアメリカへ移る。

 

・中国政府による半導体バブルは早くも崩壊しているのが現実だ。この米中激突の半導体戦争が大きく影響して、日本では2020年9月28日に、キオクシアが10月6日に予定していた新規株式上場を見送った。

 米中激突の衝撃波は日本にも襲いかかっている。日本企業への影響はかなり深刻で、問題は半導体そのものよりも半導体製造装置にある。

 

・しかしバイデン時代に突入してどうなるのか。バイデンはトランプの行った中国への関税政策の「一部見直し」を公約していた。その「一部」がどの規模になるのかはいまだわからない。バイデンは息子、ハンターの金銭スキャンダルというアキレス腱を中国に握られている

 

・日本政府は半導体産業を「産業のコメ」として、旧通商産業省(MITI)が主導するかたちで政府補助金と育成予算を出していた。アメリカが日本のMITIを蛇蝎のごとくに憎み、攻撃したのも昔の物語になった。日本はこのような大事なときに最先端産業分野に対して政府資金の効率的分配ができず、ますます技術力で台湾、韓国、そしてアメリカに水をあけられている。

 バイデン時代到来で、産業政策の抜本的見直しが喫緊の課題となっている。

 

中国国家統計局は「嘘の伏魔殿」

・中国国家統計局が、「2020年第3四半期のGDP成長率が前年比4.9%に回復した」と、発表したのは2020年10月19日のことだ。戦時中の大本営発表に似て、信じてはいけない数字である。

 

しかし中国国家統計局なる部署は、何を隠そう「嘘の殿堂」だ。

 前局長の王保安は数字改竄の常習犯で、2016年1月下旬に突如失脚した。巨額の賄賂を受け取り、愛人と欧州への逃亡を企てて偽名を使い分け、ファーストクラス4枚分の航空券を用意したうえ、偽パスポートを保有していた。すでに中国当局の監視対象となっていた王保安は、役所での会議を終えて車で逃亡寸前に逮捕された。愛人も空港で逮捕されたのだが、この事件は中国国家統計局がいかに腐りきった体質であるかを如実に物語っている。

 中国国家統計局による公式発表の裏面にある赤字の増大に関して、中国当局が覚知していないかといえば、そんなことはなく、ただ目をつぶってきただけだ。

 

失業者が溢れる「好景気」の不可解

・都市部の調査失業率が5.4%(2020年9月)という中国国家統計局による発表も、人工的に操作された「低すぎる」数字で信用に値しない。

 あまりにも現実と乖離しているとする根拠は大きく二つある。

 第一に、たとえば失業によって農村から都市部へ来ることを「出稼ぎ」として、「失業者数」に計上していない。このような潜在失業者は、低く見積もっても1億人を超えていると考えられている。

 第二に、新卒者の就労事情が悪化していることだ。

 2020年の中国の大学新卒は約874万人。脅威の数字だが、「まともな職」あるいは「希望する職」につけたのは3割前後しかおらず、残りの新卒者は中小零細、現場労働に散る。

 

・それでも職を得られたのは幸運であり、残りは詐欺行為や五毛幇に走る。五毛幇は日本のネットスラングで「五毛党」と呼ばれ、中国政府に有利な書き込みをすると1回ごとに報酬が5毛(約8円)もらえたことからこの名がついた。

 それでも20%が就活中、すなわち、「失業状態」である。この数字のうえに「海亀派」と呼ばれる海外からの帰国組が加わる。就労状況も悲惨なことになっている。

 

・2020年4月7日に日本政府が決定した「2020年度補正予算」にはコロナ禍を受けての経済対策が盛り込まれた。その一環として「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」として2200億円、「海外サプライチェーン多次元化等支援事業」として235億円が計上されている。

 マスクや手袋など医薬品を中国に依存していたことから、中国政府はコロナ禍を利用して「マスク外交」を始めた。予算内に「中国」を名指ししていないものの、影響力拡大のために平気で人命も利用するチャイナリスクの恐ろしさにようやく気がつき、脱中国を促すことが目的の費目だ。

 中国に進出した日本企業はその申し込みに殺到し、中国撤退第一陣として選ばれた87社に、574億円の移転補助金が出た。第二弾では、2020年7月末までに中国撤退を表明した日本企業は1670社。移転補助金の合計は1兆7600億円となる。

 

・将来の中国ビジネス展開にリスクと縮小が予測され、日本企業にも中国市場にとどまりつづけることが不安視されているのだ。一方で、トヨタを筆頭に70%の日本企業は中国にとどまるとしている。バイデン時代を迎えて、こうした日本企業が平穏でいられるかはわからない。

 

国有企業が相次いでデフォルトに

・2020年11月16日、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行が、金融政策ツールの「MFL(中期貸出ファシリティ)」を通じて8000億元(12兆8000億円)を市場に緊急供給したと発表した。じわりと金利が上昇するほどの巨額投入である。

 理由は国有企業大手の連続的なデフォルトだ。日本のメディアは大きく報道しないので知らない人が多いけれども、中国では企業倒産が急増しているのである。

 たとえば、独BMWのパートナーである「華晨汽車」が、2020年10月23日にデフォルトに陥った。名車BMWも、こうなると評価に傷がつくだろう。

 

鳴くオウムを食べる

日本国内のメディアが引用のかたちで伝えている、「中国は好景気」という中国報道が信用できないことは明らかだ。

 実態として中国経済は断末魔に近い

 アメリカの制裁に対する駆け込み輸出入を行い、内需を喚起しても戻らなかった。2030年には4万キロメートルにすると豪語している中国の新幹線事業の現在までの累積債務は82兆円である。この一例だけではなく、嘘の伏魔殿が発表するGDPの真相はマイナスである。中国政府は株式と不動産相場を人工的に支え、銀行倒産を黙認しはじめた。

 とはいえ、筆者の読者の一人で中国と対峙している日本の防衛関係者から、「先生に中国がつぶれると繰り返していただけているのはとても励みになりますが、簡単につぶれてはくれないのです

 とこぼされたことがある。中国ではカネが不足すれば人民元を刷って「謎の資金」が国有企業に投入され、政府の命令により強制的にカネを循環させる。当然、経済の歪みが生まれるのだが、中国国家統計局を頂点とする「嘘の伏魔殿」が連なってそうした問題をなかったことにしてしまう。

 

・トランプ政権から始まった米中貿易戦争の象徴は、ファーウェイとZTEをアメリカ市場から排除したことだった。

 貿易戦争の第一幕は、高関税をかけあうことでサプライチェーンの改編が促された。第二幕は、5GとAIを巡るハイテク覇権争奪戦で、これによって大々的なスパイ駆除がなされた。そして、第三幕が金融戦争である。

 

・トランプの中国制裁は、中国に内在していた基本的な諸問題をより深刻化させた。

 第一に、かなり控えめに推測しても、中国が抱える債務残高が9900兆円に達している点だ。このうち何%が不良債権なのかは誰もわからない。

 第二に、中国政府は外貨準備について約3兆ドルを基準に前後していると主張しているが、実態はゼロに近いという点だ。

 第三に、対外債務が急速に不良債権化している点だ。

 

・第四に、地方政府が発行した債券のほとんどに対して、債務不履行の危機が迫っている点だ。

 

・第五に、「ドル建て社債」が償還を迎えているにもかかわらず、その返済が絶望的な状況にある点だ。

 

自宅に火を付けて焼け太りする放火犯

・中国不動産企業の黄昏もリアルに迫っていて、大手「恒大集団」の社債償還は絶望的になった。不動産開発会社「碧桂園」は82%、大手デベロッパー「万科集団」は76%と恐ろしい負債比率数字が並んでいる。

「第3四半期は4.9%成長、中国は『V字回復』」という中国政府の発表は真っ赤な嘘で、いわば政治宣伝だということがわかるだろう

 ところが、習近平は中国の状況を逆方向へ回天させている。香港国家安全維持法による「一国二制度」破壊で、香港の国際金融の自由都市としての価値は崩壊した。

 このことでドルによる起債、ドルの調達、ドル送金は今後ますます縮小し、香港から外資が逃げ出すだろう。ドル社債の起債も海外送金もできなくなると人民元はドルの交換ができなくなるが、その日は案外近いかもしれない。

 

中国共産党と悪性がん細胞の類似点

・林健良『中国癌との最終戦争』(勉誠出版)によれば、現在のあらゆる疫病の元区は中国にある。不衛生、毒性の土壌、不潔な住民、毒素の強い食べ物、汚染された河川――とくに家畜と同居する生活習慣は、動物にしかかからないウイルスがヒトに感染するウイルスへと進化させる培地になる。この「天然の生物兵器生産工場」によって疫病を常に培養してきたうえ、それを諸外国へ輸出してきたのだ

 武漢ウイルスの前にアジアをどん底に叩き落した新型コロナウイルス「SARS」(重症急性呼吸器症候群)も中国発である。また中国国内でとどまってパンデミックとならなかった奇病などは枚挙に暇がない。

 中国は経済大国ではなく、疫病大国なのだ。

 著者の林健良氏は医師ゆえに医学の見地を取り入れながら、人類の敵である中国共産党がつくりつづけている生物兵器に関しての豊富な知識も持っている。

 がん細胞について林氏は、

・正常な細胞同士は、自分に必要な栄養だけを摂取するという共存共栄の秩序がある

・ところが、がん細胞はその共存共栄の考えをもたず、必要以上の栄養を摂取して他の細胞を押しのけて増殖する

・悪性であるがん細胞にも性質が良いものと悪いものがあるが、悪性であればあるほど増殖速度が速いため、周囲の正常な細胞を食い荒らしてさらに増殖を続ける

 と解説しながら、

 

・「自分だけが巨大化する癌細胞の略奪行為には際限がない。(いわば)軍拡、勢力拡大、資源戦争などに狂奔する

と説く。中国共産党が支配する中国の姿は凶悪ながんそのものということだ。米国は、この悪性がんを世界から取り除く決意をした。日本は悪性のがんの拡大にさえ、まだ気がついていない。凶悪ながん細胞である中国共産党がどのように世界に浸潤、転移していったのかを見てみよう。

 人民元という自国の通貨や、中国共産党がつくる社会を信用していないのは、他ならぬ共産党の幹部たちだ。そこで共産党の幹部は、アメリカで出産して子どもに米国籍を取らせたり、子女を欧米へ留学させたりする。中国共産党中央委員の直系親族の92%が欧米の国籍を所有している。中国の省部級幹部の子女のうち75%がイギリスの永住権あるいは米国籍を所有しており、孫の代になるとその91%が米国籍だ。

 

米政権の寄生虫たち

・政権が交代しても、このようなパンダ・ハガーが寄生虫のごとくアメリカの中枢に食い込みつづけていたのだ。

 トランプはパンダを駆逐する方向に舵を切った。

 2020年10月1日、国土安全保障省傘下の市民権・移民局は、共産党や全体主義の政党に所属する外国人の、アメリカでの永住権や国籍の取得の許可を認めないという新指針を発表した。

 

・2018年までの累計で、アメリカへ移住した中国人は250万人あまり。メキシコ、キューバに次ぐ第3位で、全移民の5.5%を占める。2018年単年度だけでも6万7000人の中国人がグリーンカードを取得した。ちなみに、グリーンカードを取得している中国人の総数は49万人と推定されている。

 当初、トランプ政権は「中国共産党員の『入国』を認めない」としていた。しかし、ビザ申請時のチェックで、共産党員を識別することは不可能だ。検討した結果、「移民を認めない」という方針に後退したものの、画期的な措置だと評価できる。

 

「経済制裁」もパクった
・しかし、これまでにも中国は、あえて法律を成立させずにフィリピンからのバナナを税関でとめ置いて腐らせたり、日本にレアアース供給を中止したりした。オーストラリアの首相、モリソンが武漢ウイルスについての独立調査を求めて以来、中国はオーストラリアに嫌がらせを始めた。オーストラリア産の牛肉などを輸入停止にして豪産ワインに220%の関税をかけ、石炭を港湾に放置して通関させないようにしている。

 中国は「輸出入」を外交戦略の武器として、西側のアキレス腱をつき、貿易交渉を中国有利に押し戻す狙いがある。そのアキレス腱の代表格が「レアアース」だ。

 

バイデン時代に日本はどうする

21世紀型の地政学

・地政学とは、大きく言えば地理と戦術の関係を明らかにして、戦争の準備と戦争のやり方を教える学問と言える。地政学は戦争準備が安定を支える抑止力となることを教える。

 

・この海洋戦略をいち早く理解したのがイギリスで、イギリスは7つの海のチョーク・ポイントを抑えるように各地に植民地をつくり覇権国となった。逆に、この海洋戦略を理解できなかったスペイン、オランダは後退した。

 第ニ次世界大戦後は、イギリスの覇権を継いだ米海軍が、空母の戦略的展開にチョーク・ポイントを利用している。

 

・「リムランド」は、マッキンダーが指摘した「ハートランド」を覆っている。すなわちスパイクマンは「ハートランド」を防衛するためには、「リムランド」を防衛しなければならないとした。またスパイクマンは戦争形態の変化から「エアパワー」の重要性も説いている。

 アメリカは、「リムランド」に位置する国と同盟関係を結んでいるが、このリムランド理論と「エアパワー」が今日のアメリカの国際戦略の基礎となっている。

 大陸国家である中国は、これまでの地政学とは無縁の存在だった。

 

「核」から「宇宙」へと移る地政学

しかし新たに戦場となっているのが、宇宙空間である

 偵察衛星、観測衛星、通信衛星、気象衛星などおびただしい衛星が宇宙に浮かぶ。日本人が身近に感じているのは気象情報とグーグルの地図情報だろう。安全保障と直結しているのに、日本人の多くは国家の防衛と宇宙を結びつけて考えないのだ。

 

ここまで状況が激変すると、マハンもマッキンダーもスパイクスマンも古典的地政学となる。いずれ新たに宇宙地政学が考案されるだろう。

 実際に中国の戦略は既存の陸海軍戦力で出遅れた軍事劣勢を、いきなり宇宙で挽回しようとする方向に傾いている。

 中国は国を挙げた軍事力躍進という富国強兵政策によって、短期間でキラー衛星の実験に成功した。つまり英米EU、日本が打ち上げている衛星を打ち落とし、通信機能を無効にできるというパワーを手に入れたのだ。

 

いずれサイバー空間の地政学も生まれるだろう

 日本がこの技術的優位を交渉とつなぐ武器として外交に活かせる知恵があれば、またまだ大国の一員として振る舞えることは可能だが、現代に日本人はそうした発想さえ浮かばないのである。

 

伝統を守る重要性

・日本人は戦後民主主義教育によって共同体意識を久しく忘れてきた。我だけが良く、他人は放置して顧みないというエゴイズムが間違いであることに気がついているだろうか。人のために生きるという意味は、戦いを避ける、争いごとを治めるということなのである。

 

15世紀なかばからスペインは南米を征服しはじめたが、南米ではスペインがもちこんだ疫病によってばたばたと先住民族は死んだ。その恐怖が語り継がれて、都会からきた部外者が疫病を運んでくると信じている。麻薬密売の取り締まりが主任務だった地元警察は、外部の侵入者を防ぐために村の入り口にバリケードを築き、出入りを入念に警戒した。

 鎖国をしてでも伝統を守る決意を示したのだ。

 

バイデン時代にあるべき日本人のあり方

・ここまでバイデンの人柄、政権に関与する人間、その思想、過去などについて記述してきた。そのバイデンが率いるアメリカとの絆をさらに強く、さらに深めようとする発想は、日本から文化の独自性を守るという発想を失うことと同じである。「バイデンのアメリカは、いかなる世界秩序をもたらしてくれるのか」と期待する言葉がメディアに踊るが、それは「期待」という名の他律的な発想、すなわち無責任な他力本願だ。

 常に情勢の変化に対応するしか能のない政治と、アメリカの定めたルールを疑いもなく受け入れつづけてきた戦後の日本にあって、いまこそ古来あったはずの日本的自立性が求められているのである

 

・非営利法人の「言論NPO」が実施した「第16回日中共同世論調査」の結果が、2020年11月17日に発表された。実に90%の日本人が中国にネガティブな印象を抱き、「好ましくない」と回答しているのだ。同じ設問で中国人に調査をした結果、日本を好ましくないと回答したのは52.9%だった。

 この、中国を好ましくないとする世論調査は過去20年近く高止まりしたままで、2005年の反日暴動以降、ほとんど変化がない。

 

・この路線を踏襲する習近平は、「いつでも戦争ができる準備をせよ」と軍に命じつつ、外交的には「中国の平和路線」と矛盾したことを平気でうそぶき、権力を固めている。

 いったい、この政治体制のどこにマルクスの革命理論があるのか

 ところが、それでも日本では政財官界をあげて中国との友好関係を維持し、これからも発展させることが重要だとしている。与党と公明党の連立政権は中国の独裁者、習近平を国賓で来日させようと画策し、また財界の多くは中国が日本の貿易相手のナンバーワンであるとする。

 

・「中国はすべての人間を犠牲にしてしまっているのです。国家資本主義は民主主義的資本主義よりも有効です。しかし、文化的にもイデオロギー的にもこの2つのシステムは水と油です」

 

 

 

『中国でいま何が起きているのか』

米中激突、香港デモ、経済ショック………激動の中国社会を現地レポート

邸海涛  徳間書店   2019/10/31   

 

 

 

・頻発する子供誘拐、農村の深刻な貧困状況、暴力化する若者まで、

日本では報じられない中国の「新たな現実」をレポート

 

5000万人失業予測とリストラの嵐

・森峰主任は、米中貿易戦争の激化によって中国に860万人の失業者が発生すると言っているが、この「失業者」が誰のことを指しているかは不明である。

 中国では、戸籍が農村出身である者は失業者統計に入らないため、実際の失業者はもっと多くなる可能性が高い。

 数年前、中国のあるネット記事では、これから中国では5000万人もの失業者が発生すると推測していた。その執筆者によれば、2014年時点で中国の民間中小企業の従業員は約1億5000万人で、もし5年以内にその3分の1が破産すれば、5000万人が仕事の場を失うことになる、というわけだ。もしも半分が破産すれば、7500万人が収入源を断たれる。

 

・日本では経済産業省や商工リサーチなどが年間倒産件数をまとめているが、中国にはそうした統計数字がない。しかも、中国の民間中小企業の寿命は3~5年という通説が定着しており、倒産はありふれた現象である。

 

2019年初、重大な警告

・学習会のテーマは、中国がいかに危機を乗り越え、重大なリスクを回避するかというもので、習近平主席がみずから開会式に出席して重要な講話を行った。

 習主席は、「中国はいま政治、イデオロギー、経済、科学技術、社会、外部環境、党の建設などの領域において重大な危機に襲われている」ことを認め、「ブラックスワン(黒い白鳥)」と「灰色のサイ」が現れるのを強く警戒しなければならないという認識を示した。

 

「マイナス成長」を示唆した大学教授

・向松祚教授の演説の要点は、次のとおりである。

①  2018年は、中国にとって尋常ではない1年だった。中国経済の落ち込みが激しいからだ。

②  米中貿易戦争については、誤判断があった。アメリカを甘く見すぎていたのだ。

③  民間投資が大幅に減少している。経営者たちがひどい目にあう事件が起こっている。2018~2019年にかけて、私有制を廃止し、民営企業を退場させるといった類いの議論が横行している。

④  中国経済の下降局面は長期間にわたって続いていく

⑤  2018年の社債の不履行は、合計1200億元(約2兆円)を超えていると思われる。国有企業を含めて多くの企業が倒れかかっている。

⑥  株式市場はかなり悪化している。1929年のウォール街の崩壊を彷彿させるほど、数多くの株式がピーク時から8割、9割も下落している。

⑦  ブラックスワンと灰色のサイは身の周りにたくさん存在している。金融詐欺事件や社債デフォルトは立派なブラックスワンで、不動産はもっとも大きい灰色のサイである。

⑧  中国はすぐにでも三つの改革を行わなければならない。それは税制改革、政策改革、国家改革である。企業減税を実施し、政府の機構を簡素化し、その権限を減らす。中国の最大の問題は、社会統治コストがあまりに高いということである。

 

30年間で驚異的な物価変動

・以下は主婦たちがまとめた1988年から2018年までの30年にわたる、中国の物価変動の比較表(北京、上海、広州、深圳などの大都会)であるが、庶民の日常生活に密接にかかわる物価が異常なほど暴騰していることがわかる。なお、学費は小学校から大学までを含む。

米  1988年0.12元/500g  2018年4.4元/500g  36.66倍

白菜 1988年0.02元/500g  2018年1.8元/500g  90倍

豚肉 1988年0.7元/500g  2018年17元/500g   25倍

学費 1988年140元     2018年約15万元    1071倍

病院 1988年0.98元/平均1回 2018年90元/平均1回 91.8倍

住宅 1988年10元/月平均家賃 2018年1500元/月最低家賃(郊外)150倍

 

 では、庶民の収入は、この30年間でどのくらい変わっただろうか。

 1980年の都市部における平均月収は64元だったが、1989年には161元に上がった。

 30年前の1989年の平均月収を基本に考えると、現在、月収4000元の場合は24倍、6000元の場合は37倍、1万元の場合は62倍となる。

 現在、中国の一般庶民の平均月収は4000元近辺だから、この物価変動倍率に照らせば、この30年では物価上昇のほうが大きく、月収1万元でも決して楽な生活ではないことがわかる。

 

・現在では、交通が不便な郊外の新築住宅を購入する場合でも、最低200万元はかかる。平均月収の500倍、年収の41年分だ。都心では300年分以上にもなるだろう。

 食、教育、医療、住宅は庶民の暮らしの基本だが、それがネックになると、庶民は暮らしの豊かさを実感できなくなるだろう

 中国の農村部では、医療費が高くて農村は医者にかかれないことが多い。骨折でも医者には行かない人が少なくない。1回重病にかかっただけで、30年間にわたって貯めてきた大事な貯金が底をつき、家族全員がきわめて厳しい貧困生活に陥ったという悲しい話がよく聞かれる。

 

「環境保全」「長江経済帯」で失業者が続出

・2019年1月10日、中国農業農村部は、「ここ数年のあいだ、多くの農民工が都市を離れて故郷に戻り、農産品加工・流通、地方観光などの新事業に取り組んでいる。この数は780万人にも達している」と発表した。

 

・筆者は、帰郷した農民工は、政府発表の2倍はいるのではないかと思っている。また、景気悪化が原因の失業もあるが、政府の命令で、環境保全のために工場が強制閉鎖され、その結果、職を失うケースも多くある。失業者の割合としては、半々という感じだ。

 

所得税を払っているのは14人に1人以下

・中国人の消費が低迷している理由はさまざまなだが、中国人の中産階級は、海外から想像されているほど豊かではない。

 

・中国で貧困層が想像以上に多いことを示す、もう一つのデータを紹介しよう。

 中国メディアが報じた統計によると、中国での大卒者人口は総人口の4%以下にすぎず、労働力は7億人以上あるが、個人所得税を支払っているのは6000万人しかいない。すなわち、労働者14人のうち所得税を支払っているのは1人だけということだ。

 ということは、中国での個人所得税徴収の最低基準額は月収3500元(2018年10月に5000元に引き上げられた)からとなっているが、平均的に中国人の月収がそれを下まわっていることを意味する。

 

自己破産法がない中国で起こるカタストロフ

・前述したように、中国では現在、家計債務が急速に積み上がっている。すでに50%を超えた中国の家計債務の対GDP比だが、これについて「20%から50%の水準まで、アメリカは40年間かかったが、中国はわずか10年間で調達した」ともいわれており、その増大スピードはかつてないほどである。

 このような状況下において非常に危険なのは、中国には自己破産法がないということだ、これは重大な制度的欠陥だ

 

・先進国では、いずれも自己破産法が確立されているが、中国にはこの制度がないのだ。

 そのため、中国国民は破産しても、残債があれば死ぬまで借金の返済を続けなければならない。農村部では、その返済義務が借主の子供や孫の代にまで継承されていくことも多い。

 中国では住宅価格が高騰したため、失業者が大量に発生すると、住宅ローンが返済不能となり破産するケースがいちばん目立つ。

 

返済能力の限界へ到達しつつある中国の家計

・上海財経大学は2018年に中国家計債務危機に関する報告書をまとめ、2017年の中国家計債務の対可処分所得比が107.2%に達したことを発表したが、これについて同報告書では、リーマンショック発生前のピーク時の数値に近づいており、中国の家計債務はすでに返済能力の限界に到達していると述べている。さらに、表に出ていない民間ローンなどの闇金融の氾濫を考えれば、事実上、中国の多くの家計はすでに“火の車”状態にあると論じている。

 このような状態であるため、すでに中国では住宅を放棄して夜逃げする者が多数出ている。

 

・中国の銀行が住宅ローンの取り立てに容赦ない一方で、中国政府はローン返済責任を履行しない者に対し、「誠信制度」(社会信用システム)という手段で懲罰措置を行っている。

 「誠信制度」とは、政府が全国すべての企業や個人に点数をつけて信頼度や素行の良さを判定する制度であり、素行不良などの記録がない者には加点して合格者とし、不道徳・違法・違約などの行為のある者は減点してブラックリストに入れる。この制度は全国の企業・国民の名誉や信用度などをランキング化するようなものだ。

 個人でブラックリストに入れられると、大変なことになる

 とくに、返済能力があるのに返済しない債務者は中国で「老頼」と呼ばれているが、「誠信制度」において「老頼」と認定されると、名前がネットで公表される。

 

・だから、いまの若者の合言葉は「どんな事情があろうと、絶対に仕事を辞めない」なのである。「老頼」のレッテルを貼られたら、人生が終わるからだ。


中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう。(1)

2021-11-25 21:08:42 | 森羅万象

 

 

(2021/11/25)

 

 

 

『米中「利権超大国」の崩壊』

アメリカに中国を切って生き延びる道はあるのか

増田悦佐   ビジネス社   2021/6/23

 

 

 

中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう

・利権集団の弱い日本には、とんでもない大富豪はめったにない。国民の大部分がそこそこにカネを持っていて、多少なりとも自分の趣味に合った生き方ができる。消費の多様性が経済発展を牽引する状態をつくり出しやすい。利権集団の力が強い国では、なかなかそうはいかない。

 米中利権大国が共倒れしたあと、日本は世界のどんな貢献ができるだろうか。

 

中国経済をめぐる謎

中国経済をめぐる謎は、なぜあれほど大きな対外純資産を持っている国が、対外金融所得収支では赤字なのかという一点に収斂する。私なりの考えがおよぶかぎりでいちばん論理的な整合性の高い答えは出せたと思う。

 つまり中国共産党は一党独裁体制維持のために国有企業群を始めとするさまざまな利権集団の助けを借りている。そして国民がおこなった貯蓄の大部分を、国有企業群への利権分配で使ってしまう。だから民間企業の成長のための原資は、アメリカに無利子で貸しておいたカネを、アメリカに高い金利・配当を払って借り戻している。

 

・少なくとも中国と同じ程度に贈収賄がはびこっているアメリカ政治の現状を取り上げた。なぜか日本ではめったに論ずる人がいないが、アメリカは贈収賄が合法的な政治活動と認められている数少ない国のひとつだ。ひょっとして唯一なのだろうか。その影響は政財界にとどまらない。

 

・中国農村の闇に少しでも近づく努力をしてみた。都市戸籍を持って生まれ育ち、都会暮らしをしている中国人にとっても、まったく同じ時代に同じ国で生きている人たちという実感が持てないほど異なる環境で生きているのではないか。

 

中国の金融業界が今後6~7年間のうちに大激震に見舞われないはずはないと思う。だが、もし金融破綻の連鎖などが起きなかったとしても、農村で頻発する「群体性事件」が現政権を衰弱させる可能性は高いだろう。あるいは都市に居住する民工の暴動が起きるかもしれない。

 

・中国もアメリカも利権社会であると同時に大変な格差社会だと論じた。とくにアメリカの都市間の所得格差は、国民が居住地を自由に選ぶ権利を持っている国としては、異常に大きい。

 

中国が次の覇権国家?ご冗談でしょう

GDPが世界最大になれば、世界一豊かな国と言えるのか

・早ければ2030年ごろ、遅くとも2035年までには中国の国内総生産(GDP)が、アメリカを上回って世界最大になるという。これで世界経済の覇権がアメリカから中国に移ると主張する人さえいる。

 ほんとうにそんなことになるのだろうか。まず、この予測は「中国政府が発表している公式統計を信じれば」という大きな前提条件が付く。だが中国政府の公式統計はあまりにもずさんで、信用できないと考える研究者のほうが多数派だ。

 

・「中国については、毎年GDP成長率が約2パーセンテージポイントずつ過大評価され、現在のGDPは約12%実勢より大きく表示されている

 この推定を受け入れれば、中国のGDPがアメリカを追い抜くのは10年や15年先ではありえず、もっと遠い将来の話となる。

 

・中国の人口はアメリカの5倍に近い。だからGDP総額がアメリカより大きくなっても1人当たりで見れば20%を超える程度に過ぎない。具体的に言えば、2020年の段階でアメリカのGDPは約21兆ドルに対して、中国のGDPは約14兆7000ドルだった。しかし、それぞれ人口で割って1人当たりにすれば約6万3000ドル対約1万ドルという大きな差になる。

 

・波乱万丈となりそうな今後15年間を年率5%の実質成長率で駆け抜けるというのは、そうとう楽観的な予測だ。それでも中国は、いわゆる先進国にはとうてい及ばない生活水準にとどまるわけだ。

 

都市住民対農村住民のすさまじい格差

中国では都市住民と農村住民とのあいだに、所得格差どころか身分差と言えるほど大きな格差が存在する。中国では「農民」という単語にはふたつの意味がある。ひとつは農業従事者ということで、これは日本語の農民と同じだ。もうひとつは農村住民ということだ。どんな職業に就いていても、農村に住んでいる人は全部農民ということになる。

 

・ところで中国では、現在でも農村から都市への人口移動を厳重に制限している。中国国家統計局のデータでも、2018年の時点で都市住民は農村住民の約2.7倍の可処分所得を得ていた。年収の低い人ほど所得税率も低くなっているはずなので、粗収入ベースで見れば農村住民は都市住民の3割程度の年収しか稼げていないだろう。

 

国民の4割にものぼる人たちを世界各国中で下から数えたほうがずっと早いほど貧しい境遇に放置しておいて世界覇権を握ろうとは、おこがましいのではないか。いや、放置しているどころではなく、この格差は政権を握った直後の中国共産党が意図的につくり出したものである可能性が高いのだ。

 

ここでは中国政府首脳は世界覇権を夢見るより、自分たちの政権を支える経済基盤がいかに脆弱かを心配したほうがいいとだけ、忠告しておこう。

 

巨額の経常黒字を出しながら経済発展は外資頼み

・何より重要な経済成長のための原資をどこから調達するかという点で、中国は独立国とは言えない。外資、しかも主として米国債購入というかたちでアメリカに貸したカネを、自国への投融資というかたちで「又貸し」してもらうことで資金循環をかろうじて成立させている。

 貸すときにはほぼ全額無利子で貸して、そのうちほんの一部を「又貸し」してもらうときに高い金利や配当を支払っている。

 

なぜ莫大な対外純資産国が金融赤字?

・中国はほとんど無利子で貸した莫大な金額の対外投融資のうち、ごく一部を高い金利・配当を支払いながら借り戻している。だから巨額の対外純資産を持ちながら、(金融)所得収支は赤字なのだ。

 謎はそこから始まる。なぜ中国は莫大な対外純資産を持ちながら、対外金融収支では金利・配当を受け取る側ではなく、金利・配当を支払う側に立つという愚行を何年もつづけているのだろうかこの問題を突き詰めていくと、国民の貯蓄の大半を利権として既得権益団体にばら撒いている、とんでもない利権大国の実態が浮かび上がってくる。

 

・しかし中国人民銀行の最優先課題は、国民経済をどう銀行業界に有利に導くかには置かれていない。中国共産党の私設銀行としては当然のことながら、中国共産党の一党独裁をどう維持するかに置かれている

 

党員数たかだか8000万~9000万人の中国共産党が、今なお14億人の人民を支配している。この一党独裁体制の維持については、人民解放軍の武力や、中国共産党中央委員会機関紙『人民日報』をはじめとする国有メディアの宣伝力も大いに貢献している。

 だが最大の力となっているのは、国有銀行・国有企業を通じて利権を分配するネットワークなのだ。利権は国有企業経営陣にとどまらず、従業員や系列企業、取引先にまで及んでいる。広範な受益者たちが「この利権を守るために一党独裁の存続が必要だ」と感じているからこそ、こんな体制が維持されてきたのだ。

 

営利団体として見れば、国有企業はとんでもなく非効率

・だからこそ国有企業の大部分は、総資産こそ大きいが収益は微々たるもの、あるいは万年赤字でも存続が許されている。こうした万年低収益で、たびたび赤字も出している国有企業には、経営基盤を安定させなければいけないなどという認識はまったくない。

 

それにしても総資産利益率がわずか2パーセントというのはふつうの国なら、銀行は怖くて融資をためらう水準だ。

 

その国有企業に融資が集中する

・というわけで中国の国有企業の大半は、借り入れなどをせずに自己資本だけで事業をやっていたほうが収益最大化という目的にかなう。これほど低水準の利益率で事業を展開しているのである。

 

・国有企業のほうが民間企業よりレバレッジが高いのは、収益最大化とは違う目的で動いているからだ。

 

・2006年以降になると、もっとひどい。国有企業への融資を増やし、民間企業への融資を減らすという、経済合理性とは正反対の行動をしている。理由としては、中国人民銀行が銀行業界全体に対して国有企業優先で融資しろと指導していることも大きい。

 

民間企業の成長のための原資をどうまかなうのか

・この利権分配システムが健在なかぎり、共産党一党独裁体制は安泰かもしれない。問題は、経済成長のための民間企業の投資をどうまかなうかだ。国有銀行が国民から預金として集めた資金を少しずつ好採算の民間企業優先の融資にシフトしていくという、一見順当な手段は使えない。銀行と国有企業のあいだに強固な贈収賄のネットワークが確立されているからだ。

 

中国製造業成長の資金源、ユーロダラーシステムは崩壊していた

・経済全体がサービス化し、製造業でもハードウェアよりソフトコンテンツが重要になった21世紀の世界経済では、投資のための待機資金は慢性的にたぶついている。その中で、まだまだ重厚長大型製造業での設備投資が活発な中国の民間企業は、ほぼ慢性的に資金需給がタイトで旺盛な資金需要を持っている。

 

・我々は、2007~08年の国際金融危機のどん底は2008年の秋ごろだったと思いこみがちだ。だが国際金融市場の資金循環をどう維持するかという視点から見れば、クライマックスが起きたのは2007年8月という早い時期だった。このときユーロダラーシステムが崩壊した。

 その後も修復できていない。だからユーロダーシステムはひんぱんに目詰まりを起こし、2011年、2015年、2017年と米国債市場への資金逃避が起きている。そのたびに中国の工業生産高成長率は落ちこむ。それだけではなく、落ちこんだまま横ばいになるだけで、ユーロダラー出資金がショートするたびに、工業生産高の潜在成長性自体が下っているのだ。

 

・というわけで潤沢な待機資金を持っているはずの中国では、民間企業がドル建て債を発行して資金を募集したり、ドルによる直接投資を受け入れたりして、高い金利や配当を負担しながら、なんとか資金需要を満たしている。これなら中国内の銀行業界は関与できないので、利権集団に巻き上げられてしまうことはない。

 

巨大化した民間企業の総合金融業化は共産党独裁体制の危機

・巨額の対外債権を持っている中国が、巨額の対外債務を負っているアメリカにたいして、金利・配当のやり方を意味する(金融)所得収支では黒字(収入超過)ではなく赤字(支出超過)になるという資金循環が定着している。

 国内貯蓄は国有銀行網を通じて利権として分配する。民間企業の成長原資は、海外に滞留させておいた貿易黒字を預かっている海外金融業からドル建てのまま民間企業に投融資してもらうというかたちで、「投資」用資金が振り分けられているのだ。

 この振り分けは、中国共産党にとって一党独裁体制を維持しようとするかぎり、絶対に守らなくてはいけない一線となっている。

 

ワイロがすべて――東の利権超大国中国

中国経済が自由競争の市場経済ではあり得ない理由

・国有企業は、債務は銀行が債権放棄をしてくれたり、国が救済してくれたりして自然に消えるものだと思って、放漫経営をつづけている。民間企業は、過去に元利返済の負担をずっしり感ずるほど潤沢な資金を借り入れて経営していた経験があまりない。そういう企業ばかりが集っている国で、突然債務を急膨張させることができるようになってしまったのだ。

 どちらも、いざとなれば土地の転売益で債務を消せると考えて事業展開をしている。だが実際には、債務の重荷は確実に中国企業の経営を圧迫している。

 

中国は2011年に衰退期に入っていた

・中国政府・共産党はいくら拡大しても、実質GDP成長率が加速しないことに危機感を抱いているのは間違いない。

 

中国共産党一党独裁政権と、アメリカ金融業界の癒着の構造を、もう一度おさらいしておこう。

 中国は、アメリカにほぼ無利子で貸したカネの一部を高い金利・配当を支払って借り戻さなければ、自国の経済成長を支える民間企業の資金需要を満たせない。アメリカ金融業界は、中国というお得意様から金利・配当収入を得ていなければ、日本やヨーロッパの同類のように斜陽産業化してしまう。

 

全要素生産性が示唆する中国経済の暗い未来

・2020年の中国の実質GDP成長率が、公式発表どおりにプラスだったかどうかは怪しい。ただ見てきたとおりに国内金融政策もお粗末で国際金融でも資金の出し入れが下手な中国が、少なくとも2019年まではなんとか経済成長を維持できていた。

 先進諸国経済が軒並み製造業主導からサービス業主導に転換する中で、巨額の設備投資さえすれば、それなりの成長は見こめる製造業主導経済にしがみついていたからだ。

 しかし今後は中国でさえ製造業の成長鈍化、衰退に直面し、いやおうなくサービス主導経済に転換しなければならないのだ。

 

権力買えます――西の利権超大国アメリカ

ロビイングを通じてわかるアメリカ政界地図

裁判官や検事が議員に献金したりして司法の独立が保てるのかと思うが、アメリカ的な発想は違う。ありとあらゆる産業・職能団体がロビイングをしているとき、行政府に属しているからとか、司法府に属しているからとかの理由でロビイング活動を禁じられる団体があったら、その団体だけが不利になる。だから彼らにも合法的に贈収賄をおこなう機会を与えるべきだというものだ。

 それでは共和党保守本流を支持しているのは、どんな産業分野だろうか。ご想像のとおり、不動産業界、石油・石炭・天然ガス業界、建築・土木業界といった、いかにもワイロやコネで甘い汁を吸う連中が多そうな業界となっている。

 

ロビイスト集団は、自分たちの飯のタネが争点のはっきりした議案だと知っている。思想傾向などどうでもいいが、補助金や助成措置が出るか出ないかで、有力産業、大手企業の業績にも差が出そうな議案について、賛成か反対かを鮮明に打ち出す議員にカネを渡したいわけだ

 

共産党政権産みの親、農民のみじめな境遇

・毛沢東の『人民戦争論』では「農村から都市を包囲する」と主役を割り当てられているのに、共産党政権樹立後の農民の生活は惨めだった。1958年に農家世帯が一斉に人民公社として集団化され、大躍進運動が始まった。

 異常気象という不運にも見舞われたが、人民公社=大躍進時代には3000万人から5000万人と推定される餓死者が出た。異常気象もさることながら、急激な集団化による労働意欲の衰退も深刻だった。犠牲者の中に本来なら食料には困らないはずの農民が多かったことも、強制的な集団化の誤りを示唆している。

 文化大革命では都市在住の知識人が農村部に下放されて苦労させられた。そのころの農民たちは、精神的に都市の文化人、知識人に対して優位に立てたという満足感はあったかもしれない。だが経済的には、自分たちの食い扶持を稼ぐだけでも苦労が多かったのに農作業に不慣れな都市住民を押しつけられて、ますます生活が苦しくなった農民が多かった。

 

・農村では働き口のない農民が都市に出たとしよう。すでにお伝えしたように、いつまで都市に住んでいても短期滞在扱いしかしてもらえない。だから、きちんとした職業にも就けず、稼げる賃金給与も低いままということが多い。必然的に農村部に余剰労働力が滞留したままの状態がつづいている。その結果、都市住民の所得は農村住民の3倍というところまで格差が広がっている。

 

・もともと1農家当たりの農地も狭く、機械化のための資金も不足していたので、中国の農業生産は第2次世界大戦後もかなり大きく人力に依存した状態がつづいている。

 

・実際には都市部への流出に関する制約も大きかったので、なかなか農村部の過剰労働力は解消されず、いまだに農業機械の導入も遅れている。さらに肥料などの効果的な利用によって生産性を上げる努力は、教育水準の低さも桎梏となってなかなか進まない。

 

・日本の農村では江戸時代中期から、実用的な農学が広く浸透していた。たとえば、人糞堆肥は暗いところで十分バクテリア発酵させ、安全で匂いもほとんどなく、有効成分の濃度を上げたものを撒くといった知識は、ほとんど地域差もなく普及していた。

 ところが高橋五郎著『農民も土も水も悲惨な中国農業』(2009年)には「農民たちは無発酵のまま、いわば『ナマ』のままで畑にまくのが習慣で、それを最良の方法と信じて疑わないのである」と書いてある。こういう話題が出ると、すぐ中国人一般について「知的能力が低い」とか、「学習意欲が足りない」とか言いたがる人がいる。だが、それはまったく違う。中国の農村部では、いまだに学習の習慣を身につけることなく、働かなければならない人が多いのだ。

 

教育水準もなかなか上がらない

・中国では、義務教育の小中学校は完全に無償ということになっている。しかし農村部では、実際には満足に学校にも通えず、働き始めてからも読み書きができないので事務系の仕事はまったくできない人たちが大勢いる。

 

「義務教育が完全に無償の現代中国には、読み書きができない人間などいない。お前のほうがウソつきだ」などという建前論を振りかざしても、説得力がない。農村に読み書きのできない人が大勢いることは、周知の事実だからだ。

 なぜいまだに読み書きができない人が多いのか。上からは日常生活のありとあらゆる場面について、達成しなければならない基準を押しつけてくるが、そのための予算は出ない。

 

・地方の悪徳幹部は、むしろこうした予算配分のない「基準達成」指令を歓迎する。地域住民の懐に直接手を突っこむ口実になるからだ。

 

・こうして、存在しているはずの小中学校はじつは校舎がなくて授業ができないとか、協力金も払えない貧乏所帯の子どもは授業を受けられないとかの事態が出現する。これが改革開放路線の定着以来40年以上も経っている中国農村部の「義務」教育の実態なのだ。

 ふつう経済発展の進んでいる国では、就学率、識字率、平均寿命が1人当たりGDPの成長率を上回るペースで伸びるものだ。ところが中国はこの点で、異常に歩留まりが悪い。

 

・しかし農村部にはまだまだ読み書きができない人たちが残っているのに、総就学率も識字率もほとんど上がらなかった。そもそも1人当たりGDP自体が、農村部ではほとんど伸びていなかったということかもしれない。

 それにしても不思議なことがある。世界中どこの国を見ても、平均寿命はまだ人類はもうこれ以上長生きすることはできないという天井に達してしまったわけではない。しかも中国の平均寿命はトップグループの83~84歳にはほど遠い76.4歳だ。

 それなのに都市・農村ひっくるめて、1人当たりのGDPの上昇による平均寿命の伸び率があまりにも低い。農村部の貧しさに加えて、都市部、とくに工業地帯の公害のひどさも一因だろう。

 

都市戸籍保有者、農村住民の所得はどのくらい違うか?

・都市戸籍を持つ都市住民が約6億3000万人、民工と呼ばれる農村戸籍のまま年に住んでいる人たちが約2億5000万人、そして農村戸籍を持って農村に住みつづけている人たちが約5億9000万人だ。この人たちのあいだでの所得格差はすさまじい。

 大ざっぱに言って、民工の年収は米ドルに換算して約8600ドルで、おそらく4300ドル程度に過ぎない農村居住者の2倍にはなっているはずだ。都市戸籍を持つ都市住民の年収は1万6400ドルで民工の約1.9倍、農村居住者の3.8倍ぐらいだろう。つまり経済面では、都市戸籍保有者が一級国民、民工が二級国民、農村居住者が三級国民となる

 

・だが政治社会的な権利という点では、何十年都市に住んでいても出稼ぎに来ているだけで居住地は農村ということになっている民工のほうが、農民よりさらに抑圧された立場にある。

 たとえば民工同士の夫婦に子どもができても、建前上は完全無償となっている小中学校の教育は、郷里の祖父母のもとに預けなければ受けられない。夫婦の居住する都市では正規の義務教育ではなく、施設も教師もお粗末な私塾に高い授業料を払って通わせなければならない。つまり政治社会的には、農村居住者が二級国民で、民工が三級国民ということになる。

 それでも農村戸籍保有者たちは都市に移住しようとする。

 

・農村では豊かな暮らしをするチャンスはかぎられているので都会に出ようとする。

 ただ中国の場合、もうひとつの大きな動機がある。それは、あまりおいしい利権が回ってこない貧しい村になるほど、権力を握った人間はそれでなくても貧しい村民たちから暴力的にカネとか農作物とか土地とかを巻き上げるからだ。しかも、たいていの場合、警察、検察などの公安当局は、完全なボスたちに取りこまれてしまっている。だから暴力的な収奪に抗議すると、抗議したほうが刑罰を受けることになる。

 

貧しい村ほどむき出しの暴力支配下に置かれる構図

・根本には、そもそも経済合理性のない利権分配組織を守ろうとすれば、末端に行くほど大勢の党官僚・地方政府官僚を配置しなければならないという事実がある。

 

・農民たちは自嘲してこう言う。「一人の農民に数十人の役人がぶら下がっている

 

・なお郷鎮とは、日本で言えば村に当たる行政単位のことで、陳桂棣は中国の行政組織は中央、省・自治区・直轄市、市、県、郷鎮の5階層になっていると述べている。中央集権が徹底している中国では、地域は狭く人口も少ない市が県の上に立ち、県は市の指導を受けるという構造になっている。

 

・行政区画として公認されているか、いないかは本質的な問題ではない。それより重要なのは、経済活動にほとんど貢献していないのに地域の住民にたかる冗員の人数だろう。その典型である書記の人数という視点から言えば、郷鎮が4万人強なのに対して村(村民委員会)は約80万人と圧倒的に数が多い。書記と名のつく役職のあるところ、必ず利権ありだ。

 

群体性事件に希望の芽はあるか

・都市戸籍を持って生まれついた人たちは、経済的にも政治社会的にも、一級国民だ。総数約6億人にのぼる彼らは、利権社会主義大国中国で人口ベースから見て最大の利権グループを形成していると言えるだろう。

 

中国でも時おり群体性事件と呼ばれるような社会騒擾が起きる。たいていは「いいご身分」の都市戸籍保有者たちが、こうした事件を起こす不穏分子の大半を占めている印象があった。

 

・結局のところ、中国社会の激動は、憤懣が鬱積しているはずの民工たちではなく、大国有企業の破綻に始まる連鎖破綻と、これまで優遇されてきた都市戸籍保有者の中で家計破綻に陥った人たちが惹き起こしそうな気がしていた。また家計破綻の萌芽は、大都市圏マンション価格の値上がり率鈍化にあらわれているとも見ていた。

 

現在、都市住民にとって最良最大の蓄財手段だったマンション投資の利回りが確実に低下している。中国の都市在住世帯は、一家で2~3戸の分譲マンションを買ってローンを払いながらマンションの値上がりを待ち、値上がり率の高い物件の売却益で住みつづける物件の残債を消すという行動様式を取ってきた。

 この方針をつづけていると、まだ家を持っていない世帯の数が減少するにつれて、複数のマンションにローンを払いつづけても、どの物件からも値上がり益が出ず、結局ローンが払いきれずに家計破綻に陥る世帯が激増する。

 

・そして中国の人口構成は、成人のうちに占めるひとりっ子政策時代に生まれた人たちの比率が高まるにつれて、夫婦どちらかの親からマンションを受け継ぐことができる世帯が増え、マンション新規購入需要が激減する局面に入っている。

 

・政府が崩さないと感じているからこそ、中国人の心理には土地神話が宿る。まさに土地の錬金術が、そのまま通用している世界だ。だが日本の地価バブル絶頂期にも「銀行業界がこれだけ貸しこんでしまって上がった地価だから、もう大蔵省は銀行破綻が怖くて地価を下げられない」などとまことしやかに言う人がいたのを思い出す。役人がどうあがこうと、下がるものは下がる。

 わからないのはタイミングだけだ。そのタイミングも、そろそろ5年とか10年ではなく、2~3年のうちにやってくるのではないか。

 

群体性事件についても、今までの主として都市住民が起こしているという見方は、間違っていたと感じる。膨大な数の群体性事件について、実情を調査した『中国農民調査』の対象となったのは、安徽省で起きた事件だけだ。GDPに占める比率はわずか2.7パーセント、人口も5950万人で総人口の4.5パーセントに過ぎない。

 その安徽1省で起きた事件が、A5判、2段組みでびっしり300ページに達しようというのだ。全省・自治区・直轄市の群体性事件を網羅したら大変な数になるだろう。そして、その大半はメディアの眼が届かない農村部で起きていたのではないかという気がする。

 

アメリカにとって中国に勝るカモはいるか

利権集団としての国有企業群は、経済的にはとんでもない重荷だ。その重荷を背負った中国経済は間違いなく破綻する。それも1~2世代といった悠長な時間枠の中ではなく、短ければ今後5年以内に、長く見ても10年は保たずに崩壊するだろう。

 アメリカの金融業界はそのときまでに、中国に代わる丸々太っておいしいカモを見つけ出すことができるだろうか。

 

全面監視社会の悪夢を実現した中国

一見順調に国際社会における存在感を高めている中国は、社会経済情勢としては大変危険な状態にある。この事実は、中国の社会情勢にほんの少しでも興味をお持ちの方なら先刻ご承知だろう。具体的には全面監視社会の悪夢を実現していることだ。この点では、中国は世界の最先端を行っている。

 人口1000人当たりの監視カメラ台数で世界のトップ30を並べると、うち25都市が中国にある。

 

貧困層を抱えたアメリカの大都市では治安劣化が進む

・ようするに金持ちはサンフランシスコやロサンゼルスのような大都市の多様なライフスタイルを満喫するにも、小都市ののどかな暮らしを楽しむにも、頻発する犯罪におびえながら生活する必要はない。しかし低所得者層にとって住宅を取得しやすい都市は、ほぼ例外なく暴力犯罪多発地域なのだ。

 

モノ不足型経済はモノ充足型経済に転換していた

・なぜ商品価格やエネルギー価格は低下しつづけるのだろうか? 再三にわたって強調したように、経済を主導する産業が製造業からサービス業に変ったからだ。その底流には、国民を豊かにするには資源を大量投入する必要があったモノ不足型経済から「モノより珍しいコト、おもしろいコト」のほうが国民を豊かにするモノ充足型経済への転換があった。

 

このままではアメリカの大都市は都心部から壊死する

・もう中間層は逃げてしまっている。大富豪と貧乏人しか住んでいない大都市中心部で中小零細店舗の集積が消え去ったら、あとはもう大都市が中心部から壊死していくだけだろう。サービス業主導の経済で大都市だけが提供できる趣味・嗜好の多様性が失われたら、いったい何が残るというのか。

 

どんな国が米中亡きあとの世界経済をリードするだろうか

・アメリカの金融業界は、たとえ中国というおいしいカネづるを失っても生き延びるかもしれない。だが大都市が次々に衰亡していく中で、経済全体の大収縮は避けられないだろう。中国利権社会主義が滅び、アメリカ利権資本主義が衰退する中で、どんな国の経済が輝きを増すのだろうか。

 資産分布の平等性の高さという点で、おそらく日本に勝る明るい展望を持つ国はないだろう。

 

利権集団のはびこる国

・ここまで醜悪な利権大国同士が覇権を争うには、それなりに理由があるだろう。最大の理由は、経済を牽引する産業は製造業からサービス業に変ったのに、製造業の設備投資資金調達のために肥大化した金融業が、そのまま経済の中枢に居続けようと利権をばら撒いていることなのではないだろうか。

 ただしアメリカの金融業界を唯一の例外として、先進諸国の金融業界が軒並み構造不況に陥っている。そろそろ舞台も替わり、主役も敵役も交代する時期が来ているからこそ、製造業全盛時代の主役アメリカと、遅れてきた製造業主導国家中国が、カネと権力の力で舞台にしがみついているのではなかろうか。

 第2次世界大戦後初めて金融業界からの献金をほとんどもらわずに大統領になったトランプは、だからこそ真剣に中国の現政権を潰そうとした。そして再選には失敗したが、トランプ政権末期に着手した中国叩きの諸政策は徐々に中国社会に波紋を広げつつある。

 アメリカの2大政党主流派と中国共産党ががっちり手を組んで築き上げた利権の構造は、はた目には難攻不落に見えるしかし、カネや権力の力で無理を押し通す利権構造が定着しているからには、米中両国が利権の横車を押したために被害をこうむった人たちが確実に増えているはずだと思い当たる。