日本は津波による大きな被害を受けるだろう UFOアガルタのシャンバラ

エーテル界の人類の源郷か?神の国か?天上のエルサレムか?
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9月29日(土)のつぶやき その2

2018-09-30 06:09:54 | 森羅万象

9月29日(土)のつぶやき その1

2018-09-30 06:09:53 | 森羅万象

9月28日(金)のつぶやき

2018-09-29 05:59:31 | 森羅万象

陸軍統制派は、高度国防国家をつくって統制経済を進めようという軍官僚たちであった(4)

2018-09-28 21:15:13 | 森羅万象

 


 ■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■

 

・学校の教育制度も明治時代に、各国の制度を急いで導入して近代化を図りましたが、その後、様々な改革が行われたようです。

子どもの教育のことについても、よくは知りません。昔は「情の教育」があったといわれても、現代人はピンとこないようです。日本の子供の教育は優れていたとは必ずしもいえないと思いますが。

現代では英語教育や早期のプログラミング教育について、大きな改革が行われているようです。「ネィティブ・スピーカー・コンプリート・バイリンガル」を国家規模で育てようとする計画はないようです。企業では、「英語を公用語」にしている会社が増えていますが、急激に増えているとはいえないようです。ビジネスマンも英語で苦労する時代のようです。近未来の子供たちは「英会話やプログラミング」の新しい教育を受けるのでしょう。生涯教育の時代です。英語教育も「現状のままでいい」という人と「大胆に改革すべし」という人の2派に分かれるといわれます。日本人は長年英語を学校で勉強するけれど、自信のある人は少ないといわれます。米国の有名な大学で教授をしている日本人でも、自分は英語が、それほど強くないと語っているので、驚きます。学校で学んだ英語では忘れるというのです。英語に幼児から慣れている外国の留学生に比較すると日本人の留学生はおとなしいといわれます。日本語でも老化すれば記憶喪失するといわれます。近未来ではAIの通訳器や翻訳機が、はるかに進んで、外国語を勉強する必要がなくなるのかもしれません。

 

「慶應義塾ニューヨーク学院」のように日米両国の高卒の学歴を取得できる学校もあります。便利に思えますが、その実態はどうなのでしょうか。英語教育には、識者からさまざまな提言がなされているようです。高校時代から、インターナショナル・スクール化、国際学校化をしたほうがよいとか、「インターナショナル・スクールには入るべきではない」とか有識者の議論はいろいろあるようです。一般的には、「甘い国際感覚と貧弱な語学力は日本人特有のもの」ともいわれます。ヨーロッパのように様々な人種が混じって生活していると、数か国語をしゃべれるような人も少なくないようです。

 

・私立大学が、志願者が激減しているので廃校になる時代です。文部科学省の意外な汚職事件もありましたが、どんな時代でも「教育が一番大事」といわれます。

 

学校関係の問題が世間を騒がしましたが、人口減少のために学校経営は厳しいと報道されています。本当に優れた政治家や官僚が登用されなかったので、日本の衰退や劣化が進んだといわれます。

・ユダヤ人については、昔から非常に多くの言及がありますが、欧米社会における現代のユダヤ人社会については不明なことが多いようです。欧米社会では当事者でないと分からないことが多いといわれます。アメリカの歴史においては、奴隷制度とインディアン虐殺、人種差別は、暗黒の残酷史であったといわれます。現代でも、人種差別反対は建前ですが、無意識的にアメリカ人は、人種問題を非常に気にしていると指摘されています。アメリカ社会も一般の日本人にはよく分からないといわれます。バブル崩壊前は日本的な経営が評価された時代もありました。現代ではアメリカのマネジメントが断然、優勢になりましたが、実はITのテクノロジーの「情報革命」によって、世界の経済界は圧倒されたといわれます。

 

・Amazonの「すべて」のカテゴリーに「太平洋戦争」といれると、1万件以上、「第2次世界大戦」といれると1万件以上で、膨大な量の情報があります。戦争ものの本の読者も多いのでしょうか。販売するというよりも「歴史の記録」として価値があるといわれます。

ちなみに、帝国陸軍の統制派と皇道派の対立、争いについて、高校時代の歴史の授業で印象に残った話として、永田鉄山の話がありました。その教師の話ですと「東條英樹の親分格の永田鉄山が暗殺されず、生きておれば、大分、戦争の状況は違っていた。残念だった」としきりに力説するのでした。

永田鉄山は統制派の中心人物として、活躍しました。ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)でみますと、「1884年(明治17年)1月14日 - 1935年(昭和10年)8月12日)は、日本の陸軍軍人。統制派の中心人物。陸軍中央幼年学校を2位、陸軍士官学校を首席、陸軍大学校を2位で卒業したのち参謀本部第2部長、歩兵第1旅団長などを歴任した軍政家として本流を歩み「将来の陸軍大臣」「陸軍に永田あり」「永田の前に永田なく、永田の後に永田なし」と評される秀才だったが、陸軍省軍務局長で階級は陸軍少将時に、陸軍内部の統制派と皇道派の抗争に関連して相沢三郎陸軍中佐に殺害された」とのこと。永田鉄山は、東條英樹の親分格で、相沢中佐に暗殺されなければ、当然ながら、陸軍大臣等で戦争を指導していたであろうといわれます。子分格の東條英樹よりもスケールが大きく、当時の軍部や政財界の人々から期待されていたそうです。もし暗殺されずに生きておれば、「日米開戦」もなかったかもしれませんし、「戦争の様相も大きく変わった」のかもしれません。「太平洋戦争において、将官や将校のほとんどが勝てるとは思わず、戦争に負けるという意味を認識していなかった」といわれます。統制派と皇道派の争いは「2・26事件」で爆発しましたが、映画や読物でよく取り上げられるテーマでした。

 

・多くの戦争に関する本がありますが、「太平洋戦争は、フリーメーソンやユダヤの陰謀だった」とか「ルーズベルト大統領の陰謀だった」とかの荒唐無稽な本もあるようです。戦後数十年になっても、多くの太平洋戦争時代の映画も作られているようです。毎年、夏には空襲の話がとりあげられています。当時は、大不況の社会を突破する政策としては、領土問題からの戦争政策しかなかったようです。現代のように、金融財政政策がなかった時代ですから、膨大な歩兵の人命が失われたそうです 

・@niftyニュース(2017/11/12)によりますと、

<TPPの新名称は「CPTPP」>

「アメリカを除く環太平洋経済連携協定(TPP)参加の11か国が、2017年11月11日にベトナムで開かれた閣僚会合で、協定内容に大筋合意し、新名称を「包括的及び先進的なTPP(CPTPP」にすると発表した。

  それによると、アメリカ離脱前の協定のうち関税の撤廃や削減のルールは変えず、知的財産権などで20項目を凍結する。20項目は、著作権保護を作者の死後70年とすることや、新薬のデータ保護期間を8年とすることなど。アメリカが強みをもつ分野が半数以上を占め、凍結は、アメリカが協定に復帰すると解除されることになっている」とのこと。

 

・TPPについては、日本は、米国とは違う独自の方向に向かっていたようです。米中の貿易戦争はどうなるのでしょうか。理論と実際の乖離がどのような結果になっていくのかが注目されています。著者(日下公人氏)は、グローバリズムからローカリズムへの流れを時代の潮流ととらえているようです。グローバリズムのままだと、様々な面で弊害が出てきているからでしょう。モノの流れを自由化して、人の流れも自由化しようとするところに無理がきているようです。「移民」になれている米国でも移民排斥に動き出しました。1400万人の不法移民が大きな社会問題や犯罪大国の根源にあるという理由からのようです。勤労者の賃金も、右肩上がりで上昇すると、雇用者がコスト削減を目指しますので、衝突が起こります。「人手不足」ということで「外国人労働者」をいれています。ところが、もっと急速に「労働革命」「賃金革命」が起こってくるかもしれません。採算の合わない古臭い職業は消えていき、労働力の移動が起きるでしょう。後継者のいない商店や飲食店の閉店傾向が加速していくことでしょうか。中小企業の統廃合(M&A)がすすむといわれます。街中の商売や雇用が大きく変化していくといわれます。古いものが淘汰していくのは世の中の習いのようです。街中を歩いてみても閉店している店を多く見るようになりました。

 

・日本の防衛問題も大きく変わっていくようです。敗戦ショックから戦後は「非武装中立」を唱える政治家や政党もありました。しかしながら、北朝鮮が水爆ミサイルを持つような時代になって、いわゆる有識者の論調も大きく変わってきています。近未来は、核兵器の保有、スイス型の「民間防衛」や「予備自衛官を50万人に増員」するとか国民皆兵的な「郷土防衛隊」の創設とか、軍備強化の議論が活発になることでしょう。コストのかかる正規空母は保有する必要はないといわれます。数全億円もする空母は、有事になれば敵の対艦ミサイルで簡単に撃沈されるといわれます。その代わりに、核兵器周りの兵器である、抑止力の在る巡航ミサイル、バージニア級の攻撃型原子力潜水艦等を装備する必要があるといわれます。5兆円という限られた防衛予算は費用対効果においてどうなのでしょうか。5兆円という限られた防衛予算で、抑止力のない高価な通常兵器を少数そろえるのでは、費用対効果の点からも問題にされるそうです。アメリカ大統領には「軍歴」が必要だという議論がよくあったといわれます。そのように国防方針を決定する者は、軍歴がある者だと正常な判断ができるという議論だと指摘されています。良識の国会の「ノーシェルター政策」は、「敵の一番の弱点を攻撃する核攻撃を招き寄せる」といわれます。この方面に脳天気(ノー天気)ですと、日本も歴史から消えていくことになるでしょうか。自衛隊の核シェルターはどうなっているのでしょうか。

 

・米国型資本主義モデルが世界を席巻した時代は、終わりに近づいたとも指摘されています。リーマン・ショックが、契機となりました。「金融工学」やAIの普及で、大きく会社システムも影響を受けていると指摘されています。

インターネット情報によると、「ニューヨークにあるゴールドマン・サックス本社の米国株の取引部門には、最盛期の2000年に600人のトレーダーが在籍し、大口顧客の投資銀行の注文に応じ、株を売買していた。現在、この部門にはたった2人しか残っていない株式売買の自動化プログラムが、他のトレーダーの職を奪ったのだ。プログラムを支えるのは200人のコンピューター・エンジニアだ」とのこと。AIによって、多くの職業が影響をうけて、ロボット化がすすみ、雇用が失われるとよく指摘されています。

 

・安倍総理自身もアベノミクスの失敗を認めたといわれます。日銀も金融緩和政策を続けていくようです。しかし、デフレ的な経済状況は変えることができないと語られています。アベノミクスの大幅な金融緩和で、円安になり自動車会社は高収益をえることができました。ところがトランプ大統領の登場で、円高にすすむ可能性が指摘されています。そうなれば、海外投資は、損失を被るといわれます。中国の元安がすすみますと、中国への投資は、大きく失敗するといわれます。海外投資は、為替の変動の問題があり、プロでも非常に難しいといわれます。年金や医療費などの社会保障費が削減され、穴埋めとして消費税を上げる一方、法人税率はずっと引き下げられたままと指摘されています。また公的な年金運用(GPIF)の運用リスクは非常に大きいと指摘されています。結局、有能なファンドマネジャーを見出すことは困難だと指摘されています。つまり、長谷川慶太郎氏の『大局を読む』という本は、非常に楽観的な見解だと指摘されています。言い換えれば、様々な世界の激変が直撃しようとも、何とか切り抜けていかねばならない、日本はサバイバルしてほしいという氏の楽観的な希望のようです。経済問題は、ノーベル賞受賞者の学者でも取り扱いが非常に難しい問題といわれます。「好調な米国、堅調な日本が世界を牽引する」ことであってもらいたいですが、難問山積みともいわれます。

 

・「2015年4月、安倍首相は「来年の2月までに物価目標2%を達成できないのであれば、アベノミクスは失敗であったと言わざるを得ない」と発言しました。約束した期日はとうに過ぎているのですから、その一点だけを考えても、アベノミクスはうまくいっていないと言わざるを得ません」ということで、アベノミクスの失敗は明らかなようです。アベノミクスといっても特別に新しいことをやっていたわけではなく、金融を大幅に緩める方向にもっていっただけだという説もあるといわれます。つまり、金融を引き締めるのか、緩めるのかの両方向しか選択はないというのです。消費増税の議論ばかりのようですが、所得税、法人税の累進課税を元に戻せば、改善されるという説もあるといわれます。これで、エコノミストや政策決定担当者も、意見を大きく変える必要がでてくるでしょうか。とくにグローバリゼーションで中国の13億人の経済が不調になり、世界の経済がそれに引っ張られることになります。経済問題は、多くの経済研究所があるので、これからの見解が興味深いものです。大きな組織が劣化している時代です。大企業や政党や官庁組織も時代の流れにのれずに、制度的疲労が顕著になり「劣化」しているのでしょうか。「先進国とは言えないくらいお粗末なモノなのである」という日本のシステムはどれくらいあるのでしょうか。しかしながら政官財あげた様々な議論や取り組みもされているといわれます。

 

・「昔と違って自由闊達な議論のできない「不自由民主党」になってしまった」といわれます。「小選挙区制導入で劣化した議員の質」といわれ、ベテラン議員の辛辣な指摘があります。「小選挙区比例代表並立制は即刻廃止せよ!」と著者(村上誠一郎氏)は主張しています。これからの政策についても多くの議論があるといわれます。移民の問題についても、世界中に失業者があふれています。移民を認めなくても、近未来には日本に「職」を求めて外国人労働者が1000万程度棲むだろうという説もあります。米国の1100万人から1400万人の不法移民が大きな問題となっているように、難民や移民、失業者の問題は世界的な大問題といわれます。「移民の問題も移民に土地を与えることができないので受け入れられない」といわれます。大規模なイベントで経済効果を狙うことも、費用対効果の効率が悪くなりつつあるといわれます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの費用対効果、経済効果の試算も、建設費、維持費の増大なので、低くなり不確かになりつつあるといわれます。

 

・有名人の麻薬事件がたびたび報道されていました。私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。「世界中が大失業時代なので、売春と大麻、麻薬商売がはびこる」といわれます。ヨーロッパでは「売春とスパイが最古の職業」と語られています。そして、堕天使は地球の女を狙って降りてくると語られています。堕天使の性的な能力は、異常に高いと語られています。それで、堕天使が太古から売春とスパイと麻薬に関わっているともいわれています。目に見えない堕天使や天使の実態は、私たち一般人は、分かりません。ちなみに、海外では日本人観光客を狙う犯罪集団だらけともいわれます。世界中で失業から発する犯罪やテロも増えているといわれます。

 

アベノミクスについても立場の違いにより評価が分かれます。「アベノミクスにより日本経済は活性化した」という説と「アベノミクスの失敗により、格差が拡大し、個人消費が伸びず消費税の増税延期を余儀なくさせられた」という説です。アベノミクスも官庁エコノミストが主導したと思われます。いわゆるリフレ派の理論を導入したといわれます。しかし、この本の著者はリフレ派の政策を批判しアベノミクスに否定的です。「円安誘導政策は間違っている」と主張しています。しかし、アベノミクスに替わる代案を打つことは難しいようです。典型的な古い経済理論では、変化している日本経済再生は無理なのでしょうか。アベノミクスが機能しなくなっているのは、「新しい経済状況」に「古い考えの政策」で対抗したからかもしれません。異次元の金融緩和と財政投融資、構造改革など打つべき手は打たれていますが、次は官庁エコノミストの知恵の出しどころのようです。「はたしてアベノミクスを継続すべきかどうか。それが問題だ」というところでしょうか。

 

・いわゆるアベノミクスによる金融緩和で円安誘導政策をとりましたが、5年も経過して、世界経済の変調もあり、アベノミクスを否定する識者の論調も多くなったようです。原油価格が半分になり、2%のインフレターゲットを達成できなくなりました。本の題名のように『円高・デフレが日本を救う』ということで、政策を逆にして、「円高誘導政策」に方向を変えていくべきなのでしょうか。アベノミクスも「出口戦略」が不透明で明らかになっていません。今後の政府の経済政策が注目されますが、有識者の間では以前から「日銀の政策の誤り」が指摘されてきました。また失政が、残念ながら増えているそうです。国家経営の実務に精通したテクノクラートのドリームチームの「国家改造計画」が求められています。ベスト&ブライテストしか政府を構成できないはずですが?!とにかく、政府にはベスト&ブライテストが集結しているはずですが?!官僚も政治家も劣化が目立つと指摘されていますイギリスのEU離脱問題が懸念されました。今後どのような結果になるのか、想定が難しいといわれます。この問題が為替や株式市場にどの程度のインパクトを与えるのか不明です。英国の金融システムが困難に直面するともいわれました。

 

・社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。本当に優れた官僚や政治家が登用されてこなかったからでしょうか。社会保障制度も劣化が現れています。先進国としては恥ずかしいという説もあるようです。「あまり知られていないことだが、日本の社会保障というのは、先進国とは言えないくらいお粗末なモノなのである」と指摘されています。国恥的なことを国際的に発信することはいかがなものかといわれます。官僚や為政者の認識も自覚もないといわれます。「財源の裏付けのない政策は実現できない」と言われます。「政治は税金なり」といわれますが。税制の劣化、問題点も解決されていないといわれます。

 

・中国経済の減速もエコノミストの周知のこととなり、アベノミクスも当初の勢いはなくなり、為替や株式市場も色あせてきたようです。著者は「期待インフレ率を目的とする致命的誤り」を指摘しています。アベノミクスが当初の目的を達成できないことが明らかになった今、アベノミクスへの批判が高まってくるようです。しかし、財政破綻を警戒する極端な議論は、そろそろでてきているようですが少数説のようです。世界経済が連動する時代ですので、円高誘導政策に転換するのか、経済運営の難しさが、一層鮮烈になっていくようです。貿易戦争も熾烈になるといわれます。

 

・国会の内外とも大騒ぎをして、集団的自衛権の法律も通過しました。が、これで「普通の国」への道が徐々に開かれていくようです。「普通の国」への方向に進みますと、米軍との共同作戦による歩兵の大量出血が強要されることになるでしょうか。海外でのPKO活動でも、自衛隊だけが、死傷者のリスクの多くない他国軍と違った行動規範では、国際的に通用しないともいわれてきました。いわゆる「駆け付け警護」も実際に可能になりました。PKOについても外国軍ではさまざまな問題が起こっているようです。集団的自衛権の議論では、国論が2分されて、今後、違憲訴訟も相次ぐという見方も増えていたようです。この国論を2分した争いは終わったとはいえないようです。また海外援助もリストラを含めて改革すべきだと指摘されています。

 

・「日本が存立を脅かされる」事態は、自衛隊の通常兵器では対応できない事態も議論する必要があるようです。現代では歩兵が戦ったり、機甲師団が激突したり、高価な戦闘機が空中戦をしたりする事態ではなく、最初から核ミサイルの投射で都市住民の職滅が問題となる事態のようです。「いつの時代でも歩兵は必要だ」ともいわれますが将来戦の様相は「歩兵の時代ではない」そうです。「次の戦争では必ず新兵器が使われる」といわれます。近未来の国防では、核兵器と国民皆兵的な歩兵の整備が必要だといわれます。スイスの「民間防衛」を参考にして、目標にすべきだと指摘されています。「敵は一番の弱点(核シェルターのないこと)を攻撃してくる」といわれます。「脳天気(ノー天気)な核シェルターもグローバルスタンダードを適用すべきだ」といわれます。大規模な地震や津波には、多数の救援隊が必要になります。国民皆兵的な救援隊が、その時に活躍します。また核兵器の被爆後の、救援にも多数の要員が必要になります。薬品や食糧をスイスでは備蓄しているといわれます。良識の国会の「ノーシェルター政策」は、「敵の一番の弱点を攻撃する核攻撃を招き寄せる」といわれます。核兵器を1発持っていれば拉致事件は起こらなかったといわれます。スイスのように100%の核シェルターと国民皆兵的な総務省管轄の郷土防衛隊で備える必要があると指摘されています。

 

周辺諸国では「貧者の核兵器」といわれている「生物化学兵器」も熱心に開発しているといわれます。「生物化学兵器」への対応も必要です。核シェルターもない国への都市住民への無差別爆撃、核ミサイルによる直接投射の事態も当然、国会で議論されるべきことでしょう。第2次世界大戦でも戦争がはじまると国際法が無視されたことが非常に多かったそうです。もちろん、損害賠償もありません。米国の核ミサイルによる抑止力だけでは、日本は守れないといわれます。周辺諸国が核シェルターと核兵器の開発に熱心な事態は、あまり新聞には載らないようです。後進国では「核兵器は使えない兵器」ではないようです。先進国の理性が通じるような後進国の状態ではないといわれます。周辺事態には日本の核装備も議論されるべきことのようです。「核の恫喝を受けないためにも核には核を」という合理的な思考が求められているそうです。核兵器を持たなければ歩兵の出血を強要されるといわれます。「脳天気(ノー天気)な核シェルターもグローバルスタンダードを適用すべきだ」といわれます。

 

・また公安調査庁の元部長によれば「日本は諜報機関のない世界的にも珍しい国だ」そうです。「諜報機関のない国は拉致事件にも無力だった」といわれます。「それこそ税金の無駄遣いを止めて、諜報機関の設立運営の財源にあてるべきだ」そうです。また「税金の無駄遣いを止めて、裏金を作らず、国民の血税を費用対効果を考えて政策財源にあてるべきだ」といわれます。

 

良識の国会によって爆撃装置と給油装置を外されてライセンス生産された高価な航空自衛隊のF4ファントム戦闘機は、北朝鮮の拉致事件に何らの抑止力にはなりませんでした。被害者もその家族も高齢化しており、拉致事件はどうなるのでしょうか。この程度の問題に数十年もかかっているようでは政治家の非力が窺われます。核兵器は1発でも抑止力を持つ兵器だそうです。1発でも自衛隊が核兵器を持っておれば、北朝鮮は拉致事件を起こせなかったともいわれます。高価な抑止力のない通常兵器を少数装備しても、5兆円の限られた防衛予算の費用対効果としては、どうなのでしょうか。巡航ミサイルやバージニア級の攻撃型原子力潜水艦などの高価な抑止力のある通常兵器を少数装備する方向に進むべきだと指摘されています。核シェルターなどの何か必要な防衛論議がタブー化されているようです。核シェルターがないことが、核攻撃を招き寄せると指摘されています。「平和運動が核攻撃を招き寄せる」といわれ「日本列島を核攻撃で沈める」という恫喝も頻繁に現実に一般国民がうけています。世界平和を数十年間唱えて活動していたら、今度は「核攻撃を懸念する国民が増え、政府不信になっている」といわれます。この方面に脳天気(ノー天気)ですと、日本も歴史から消えていくことになるでしょうか。

 

・アメリカのマクモニーグルの未来透視に「23世紀と24世紀における2度の大戦で人類の人口が6分の1に大激減する」というのがあります。そのときには生物化学兵器も使われるという未来透視だそうです。23世紀というそんなに未来のことではなく、数十年以内にいわゆる「第3次世界大戦」が起こるという本や説も増えているようです。米ソの核戦争による第3次世界大戦の本も20世紀にはたくさん出版されましたが、21世紀に入ると書店の店頭から消えていきました。現在では、米中によるサイバー戦争が「すぐそこにある危機だ」そうです。軍事専門家ではないので、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。外宇宙のスター・ウォーズでも核戦争が頻繁にあったといわれます。

 

・amazonの「本」に「サイバー戦争」といれますと136件の書籍がわかります。『日本サイバー軍創設提案:すでに日本はサイバー戦争に巻き込まれた』(Kindle Single)があります。「サイバー攻撃 ナウ」というところでしょうか。近未来には、サイバー犯罪が激増するといわれます。プログラミングの教育が普及するからでしょうか。

 

・amazonに「アベノミクス」といれますと904件の書籍がわかります。最近ものでは『アベノミクスによろしく』(明石順平)『ついにあなたの賃金上昇が始まる!』(高橋洋一)『偽りの経済政策――格差と停滞のアベノミクス』(服部茂幸)『日本の死に至る病:アベノミクスの罪と罰』(倉重篤郎)『アベノミクス崩壊』(牧野富夫)、『日本経済崖っぷち  妄念の中の虚像、アベノミクス』(浜矩子)等で、ネガティブなものが増えてきているようです。アベノミクスの評価も立場の違いで、2つのグループに分かれるようです。官庁エコノミストは、痛烈に批判する人は当然ながら、少ないようです。『「新富裕層」が日本を滅ぼす』という本の著者(武田知弘)は、41冊くらいの本を書いているようです。財務省の見解というものは専門家集団ですので、指導力は強いといわれます。「実は日本は社会保障“後進国”」という認識の有識者は多いのでしょうか。

 

著者によると消費税という税は不合理な政策だということになります。しかし、「無税国債」の発行に賛成する官庁エコノミストは多くないようです。「無税国債の発行」を主張する新しい首相はでてくるのでしょうか、社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。「失われた日本経済の20年」といわれますが、その間の経済政策は効果的ではなかったようです。20年の間に「日本経済の劣化」は相当すすんだようです。世界中で「格差の問題」が議論されています。

 

・「格差」は、税制で作られたともいわれます。「財源の裏付けのない政策は実現できない」ということで、「限られた予算、限られた処遇、増えない税収、十分でない福祉予算を削る財政赤字」という状況が続きました。財政・社会保障費の抜本改革が不可欠であることは明らかですが、実施は難しいようです。「もともと国家予算の分配の問題になるようで、財源をひねり出すためにも、行政、立法、司法の大胆なリストラ、近代化、効率化が必要」といわれます。身を切る改革もできませんでした。税金の無駄遣いもなくせないようです。税制が劣化しているのかもしれません。「それこそ税金の無駄遣いを止めて、国民の血税を費用対効果を考えて政策財源にあてるべきだ」そうです。税制そのものが劣化しているともいわれます。

 

「日本は先進国だろうか」という声も街中では増えてきているようです。「女性の登用も先進国とはいえない」そうです。女性の眼から見ると「政治や経済の後進性」を痛切に感じることでしょうか。国恥的なことを国際的に発信することはいかがなものかといわれます。スイスではベーシックインカムの実施が国民投票で否定されましたが、大胆な改革が先進諸国で行われているようです。国家経営の実務に精通したベスト&ブライテストのテクノクラートのドリームチームによる英知を結集した「国家改造計画」が求められているそうです。元都知事だった舛添氏の公私混同がメディアや議会で批判されました。メディアにも大きく取り上げられていました。あまりにも期待された人だったので、反動もとても大きかったようです。「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。

 

・困っている人も増えており、単に政治の貧困としては片づけられないといわれます。いつまでも「政治が遅れている」ということでは複雑化する社会問題に対応できないでしょう。政治家は選挙民の対応に追われて、勉強ができないそうです。「失政」が増えている時代に、私たち一般人は、政治意識を高めていく必要があるそうです。「改革が遅れているのは本当に優れた官僚や政治家が登用されていないからだ」といわれます。

 

・「政治家が劣化している時代だ」ともいわれています。「日本の政治家はアメリカのロビイストのような役割を果たしている」という説もあります。そこで政治の改革がなかなかすすまないといわれます。「民主主義国家においては国民はその程度に応じた政府しか持ちえない」、「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」ということで、「政治が一番遅れている。私たち一般人は、政治意識を高めて政治の近代化を急がなければならない」といわれます。はたして今後の国政の選挙結果はどうなるのでしょうか。

 

 

 

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・ブログ名称: UFOアガルタのシャンバラ

日本は津波による大きな被害をうけるだろう

・第2のブログ名称:UFOパラレル・ワールド

「神の国か?」「人類の原郷か?」 「天上のエルサレムか?」・・・・・・・・・

「パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の殖民星が、地球か?」、「ネガティブのシリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こるのだろうか?」

「金髪碧眼のノルディックが住んでいたアガルタのシャンバラ情報の集大成を目指す・・・・・・・・・・」「金星蛇人と火星霊人の戦争はその後どのように展開したのだろうか」
「日本民族の神話の原郷『高天原(たかまがはら)』は、『都市型の超巨大宇宙船』なのか!?」「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔なのか」
「小人族のグレイの母船に同乗する金髪碧眼のノルディックは、”悪魔の王””ルシファー”なのか?!」

「円盤は神人や異人、悪魔の乗り物なのか!?」「天使は神の秘密諜報員なのか」「神は最初のフリーメーソンなのか」

「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか」

「全宇宙を創ったという“虹の神々”も地球に来ているのだろうか」

「イルミナティなどのフリーメーソン組織に入ると神に会えるのだろうか」「金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けたのだろうか」「フリーメーソン結社はこの大地が創出されるよりずっと前から、さまざまな太陽系をめぐって、存在していたのだろうか」

「国際連合の設立に動いたキリストの星、アプ星人とは」

「人は皆、記憶喪失の異星人だろうか」

「はるかに進化した天使のような宇宙人は、人間の守護霊や背後霊なのだろうか」「セドナ上空に見えないエーテルのシティが滞空するのだろうか」

 

グーグルのブロガーにも書いています→UFOパラレル・ワールド

 

 

 

 


陸軍統制派は、高度国防国家をつくって統制経済を進めようという軍官僚たちであった(3)

2018-09-28 21:13:52 | 森羅万象

 

<大事なことは、通貨安競争をすれば日本は負ける、ということです。>

・日本の場合は違います。下手に通貨を安くしたら、上場企業がドル建てで見たら割安になってしまう。あとから追いかけてくる国、自分たちではとうてい日本が築き上げたノウハウを生み出せない国が、カネでノウハウの詰まった企業を買ったり、優秀な技術者を高い年俸雇ってしまったりするのです。

 

・ですから、日本は通貨安競争などするべきではない。日本以外の成熟国で通貨安競争をしている国はありません。

 ドイツがユーロ安のおかげで輸出が好調で景気がいい、というのはユーロ圏のなかの一領域の話なので、例外です。日本で言えば、東京だけが好調だというのと同じことです。ユーロ全体では、ユーロの価値を維持することに必死なのです。

 

ドル思考で広がるグローバル戦略

・第3にビジネスモデルが古い、円安志向の理由として、時代認識、日本の世界経済における位置づけの認識、これらが共に古いということを述べてきたのですが、さらに、世界経済で戦う個々の企業レベルでも、ビジネスモデルが古いのです。だから、超大企業のトヨタですら円安を喜んでいるのです。

 

グローバル企業とは、ドルで経営戦略を考える企業。そういう企業のことです。>

・米国だけが、世界ではありません。しかし、通貨においては、ユーロの登場により相対化が進んだといってもやはり基軸通貨はドルなのです。とりわけ金融市場においては、すべてはドルです。そうであれば、ドルをどれだけ増やすか。それを軸に据えた企業。それがグローバル企業なのです。

 

・その場合、円高になると、日本本社のドル価値が上がります。円建ての自社の株式の時価総額が上昇します。これをどう利用するか?

 

 コストが安いという理由だけで、生産拠点を移すのは、実はよくありません。なぜなら、為替レートは変動するので、一時的なレートの安さでそこを選んでも、高くなってしまう可能性があるからです。

 

・為替がずっと円高なら、いつでもいい企業を見つけた瞬間に買えます。毎日がバーゲンセール。それも、円という世界に住んでいる自分たちだけへのバーゲンセールなのです。このチャンスを逃してはいけません。

 

日本企業の価値の源泉

・こういう状況においては、逆説的ですが素晴らしいモデルをひとつつくり上げて、それを世界に売り込むというのが、ひとつの道です。

 

・日本企業が日本企業であり続けるためには、日本という「場」、東京という「場」、あるいは京都という「場」、日本の本社や研究所が立地するその「場」が、何かそこでしか生み得ないものを生み出す「場」でないといけません。

 

・ドルで戦略を考え、生産拠点、市場をグローバルなポートフォリオと考え、同時に、企業の根源的な価値を生み出す「場」を日本に据え、世界のどの企業とも違う企業であり、世界唯一の製品を生み出し、それを世界市場に打ち出していく。

 

クルーグマンは間違っている

・クルーグマンの理論には、同時にもうひとつ大きな前提があります。それは、消費者は十二分な資産や所得があるということです。

 

・一般的なインフレーションでは、多くのモノの値段が上がるわけですから、生涯の所得が減るのであれば、今から少しずつ倹約しなければなりません。日本経済の将来は依然として不安で、公的年金の将来の支給額の減少や将来の消費税の増税などを考えると、さらに不安になってきます。

 

 ですから、現在、デフレに対応して広まっている節約生活が、一時的な負景気対策ではなく、生涯にわたるものになります。日本の消費者の大多数は、倹約家になり、インフレの下で景気はさらに悪化することになるのです。

 

・駆け込み需要を促すような役割をマイルドなインフレが果たすためには、給料、所得も、インフレに連動して同じ額だけ上がらないといけません。

 同時に、消費者は、十分に所得または資産があって、お金が余っている人でないと、モノの値段が上がってしまう前にあらかじめ買っておこうとは思いませんから、駆け込み需要があるとしても、それは、相当なお金持ちだけの話なのです。

 

デフレスパイラルは存在しない

・一方、デフレスパイラルも話も誤りで、価格だけが勝手に動くと考えているところがおかしいのです。

 もう一度整理すると、デフレスパイラルとは、物価が下がり続け、それにより、企業の売り上げが減り、それに応じて給料が下がり、その結果、人々が消費を減らし、その結果、モノの値段はますます下がり、この悪循環が継続し、経済は縮小し続ける、ということでした。

 

・物価が下落するには理由が必要です。そして、それは需要不足です。マクロレベルでも、ミクロレベルでもそれは同じです。企業は売れないから、価格を下げる。経済全体で需要が弱いから売れないので、すべての企業は価格を下げる。だから、全体的な価格が下落し始める。

 つまり、物価が下落する結果、景気が悪くなるのではなく、景気が悪いので、需要が弱く、その結果が物価の下落となるのです。

 ですから、デフレスパイラルというのは存在しないのです。

 

リフレではなく何をするか?

・日本経済にとって必要なのは、雇用です。それ以外はありません。なぜなら、人間こそが、経済を動かす力であり、社会を豊かにするものだからです。

 人間は必要とされていないと活力を失います。必要とされることのひとつがお金を得るために働くということです。

 

・人的資本の蓄積をもたらす雇用。そういう雇用を増やす。これが唯一の日本経済の改善策です。

 

・人的資本の蓄積をもたらす雇用とは、働くことによって学ぶ機会があり、やりがいを持って働くことができる仕事です。

 その学びとは、仕事上の蓄積もあれば、人間としての成長ということもあります。個人は成長し、充実感を得ることによって幸福を感じ、そして何より、働き手として、価値のある労働力になっていくのです。これで日本経済は成長します。

 

人的資本の蓄積は、とりわけ若年層にとって重要です

・ですから、政策としては若年雇用の確保、そして、その質の向上。これに全力を挙げるべきです。

 この具体策は、また改めて別の機会にしたいと思いますが、ひとつの提案は、学校をつくることです。日本には素晴らしい学校もあり、一方、役に立たないと言われている大学もあります。

 素晴らしい学校のひとつである、高等専門学校、いわゆる高専を拡大、充実させます。

 

・この高専を、工業以外の分野にも広げ、充実させるのです。

 農業、漁業。これは、2011年の大震災の被災地に建設するのがいいと思います。被災地に必要なのは、人なのです。そして、質の高い仕事、雇用なのです。

 

・これからは、工業はもちろん、農業、漁業でも、グローバルに活動していく必要があります。そのチャンスがあります。そのために、これまでの高専に加え、大学院を併設します。大学はいりません。

 

・若年だけではありません。高齢者も人的資本が蓄積できるように、学校をつくります。定年退職後、働く意欲も能力もある人がたくさんいます。しかし、その場面がない人もいます。そこで、もう一度、教育を受けて、これまでの経験に加えて、その時代のニーズに合わせた知識や技術を身につけて新しい仕事をするのです。これまでの経験とシナジー(相乗効果)が生まれるかもしれません。

 

・中年層も同じです。これからは、海外の工場と低賃金争いをして、従来と同じように比較的単純な作業の雇用まで守ろうとしても無理です。日本人技術者は、プレイヤーではなく、これからはコーチになるのです。プレイングマネージャーでもいいかもしれません。一線で働きつつ、新興国へ赴任、出張して、現地の労働者、スタッフのコーチになるのです。

 そのためには、技術そのもののレベルが高いだけでは駄目で、異文化の労働者、技術者、スタッフをリードするコーチとしての能力と経験が必要になってきます。そういう学校、教育も必要です。

 

・日本経済は、新しい現在の世界経済構造のなかで、新しい役割を担うのです。その場合もすべては「人」です。その「人」に、新しい構造のなかで、新しい役割を持たせ、新しい働き方をつくる。そのために、政府の政策は動員されるべきなのです。

 

 

 

『円高・デフレが日本を救う』

小幡績  ディスカヴァー携書  2015/1/31

 

 

 

<21世紀最大の失策>

しかし、やったことは間違っている。現実経済の理解も間違っている。戦術的に見事である以外は、最悪の緩和だった。

 結果も間違い。現実認識も間違い。最悪だ。

中央銀行としては、21世紀最大の失策の一つとも言える。なぜか?

 

・まず、原油下落という最大の日本経済へのボーナスの効果を減殺してしまうからだ。

日本経済の最大の問題は、円安などによる交易条件の悪化だ。原油高、資源高で、資源輸入大国の日本は、輸入に所得の多くを使ってしまい、他のものへの支出を減らさなければならなくなった。これが今世紀の日本経済の最大の問題だった。交易条件の悪化による経済厚生の低下として経済学の教科書に載っている話そのものだ。

 

・その結果、他の支出へ回すカネが大幅に減少した。雇用が増え、勤労所得が増えても、資源以外は買えるものが減り、より貧しくなったという生活実感だった。

 この実感は、数字的にも正しく、輸入資源以外への可処分所得が減少したのである。これが実感なき景気回復である。

・影響は原油だけではない。円安が急激に進むことによって、多くの生活必需品、原材料が高騰した。パソコンや電子機器の部品を含めて輸入品はすべてコスト高となった。我々は貧しくなった。

 

・そして、さらに根本的な誤りがある。テクニカルだが、将来の危険性という意味では最も危険で致命的な誤りがある。

それは、誤った目的変数に向かって戦っていることである。

誤った目的変数とは、期待インフレ率である。期待インフレ率とはコントロールできない。

それをコントロールしようとしている。不可能なことを必死で達成しようとしている。

この結果、政策目的の優先順位まで混乱してしまった。期待インフレ率のために、あえて日本経済を悪くしてしまっている。

・異次元緩和という、長期にはコストとリスクを高める政策をわざわざ拡大して、わざわざ日本の交易条件の悪化を目指している。長期のコストとリスクを拡大することにより、短期的に日本経済を悪くしている。しかも、それをあえて目指している。

 21世紀中央銀行史上最大の誤りだ。

 

量的緩和による中央銀行の終焉

・ここで、量的緩和のリスクについて触れておこう。

 量的緩和とは、現在では、実質的には国債を大量に買い続けることである。これはリスクを伴う。国債市場がバブルになり、金融市場における長期金利、金融市場のすべての価格の基盤となっている価格がバブルとなるのであるから、金融市場が機能不全になる。

 それを承知で、すなわち、バブル崩壊後の金融市場の崩壊のリスクは覚悟のうえで、国債を買い続けている。中央銀行が買い続けている限りバブルは崩壊しないで、そのバブルが維持されている間になんとかしよう、という政策である。

 

・この最大のリスクは、財政ファイナンスだと見なされることである。それによって、中央銀行に対する信頼性、貨幣に対する信任が失われることである。

 財政ファイナンスとは、政府の赤字を中央銀行が引き受けるということである。実質これが始まっている、という見方もあり、アベノミクスとは異次元の金融緩和に支えられた財政バラマキであるという議論も多い。 

 

・財政ファイナンスに限らない。貨幣およびその発行体である中央銀行に対する信任が失われるのであれば、その原因は、きっかけは何であれ、中央銀行は危機を迎える。危機と言うよりも終わり、中央銀行の終焉である。

 量的緩和は、あえて、自己の信用を失わせるような手段をとりつつ、信用を維持することを目指すという綱渡りのような、非常に危うい政策なのである。

 

米国FEDと日銀の根本的違い

・実は、国債などを大量に買い入れるという、この「量的緩和」は米国も行ってきた。

しかし、「量的緩和」は前述のようなリスクを伴う危うい政策である。このような危うい政策は、どこかで脱出しないといけない、できれば、勝ち逃げして逃げ切りたい、つまり、景気刺激といういいとこどりをして逃げ切りたい……。

 

・米国中央銀行FEDは脱出に成功しつつある。出口に向かい始めたのだ。しかし、日本は脱出に失敗するだろう。なぜなら、米国FEDとは根本的に考え方が違うからだ。日銀は、達成できない目標を掲げ、その達成に向けて全力を挙げているからだ。

 

・なぜ、米国が成功し、日本が失敗するのか?

 米国は、インフレターゲットは手段であり目的ではない、ということをわかっているからだ。

 彼らは、2%のインフレターゲットを掲げながら、インフレ率が2%に達していなくても、出口に向かい始めた。なぜなら、目的は米国経済だからだ。失業率が十分に下がれば、インフレ率がターゲットに達していなくとも、異常事態の金融緩和を解消し、正常化に向かい始めるべきだ、と判断したのだ。米国は手段と目的を取り違えていないのである。

 

期待インフレ率を目的とする致命的誤り

 ・なぜ「期待インフレ率」を目標とすることが、そこまで致命的に誤っているのか?もう少し詳しく述べておこう。

 第一に致命的なのは、目標を達成する手段を持っていないことである。

 期待インフレ率という目標を達成する手段を中央銀行は持っていない。手段のない目標は達成できるはずがない。だから、これは永遠に達成できない目標であり、たまたま運良く経済インフレ率が2%に来て、そこにたまたまとどまってくれることを祈るしかない。これは祈祷である。祈祷だから、異次元であることは間違いがない。

 

 

 

『「新富裕層」が日本を滅ぼす』

金持が普通に納税すれば、消費税はいらない!

武田知弘 著  森永卓郎 監修  中央公論新社 2014/2/7

 

 

 

必要なのは経済成長や消費増税ではなく、経済循環を正しくすることなのだ

・世界の10%以上の資産を持っているのに、たった1億数千万人を満足に生活させられない国・日本、必要なのは経済成長や消費増税ではなく、経済循環を正しくすることなのだ。「富裕層」と「大企業」がため込んで、滞留させている富を引っ張り出し、真に社会に役立てる方策を考える。

 

バブル崩壊以降に出現した“新富裕層”とは?

・今の日本人の多くは、現在の日本経済について大きな誤解をしていると思われる。たとえば、あなたは今の日本経済について、こういうふうに思っていないだろうか?

 

・バブル崩壊以降、日本経済は低迷し国民はみんなそれぞれに苦しい。

 

・金持ちや大企業は世界的に見ても高い税負担をしている。日本では、働いて多く稼いでも税金でがっぽり持っていかれる

 

・その一方で、働かずにのうのうと生活保護を受給している人が増加し、社会保障費が増大し財政を圧迫している

 

日本は巨額の財政赤字を抱え、少子高齢化で社会保障費が激増しているので消費税の増税もやむを得ない

 

・これらのことは、きちんとしたデータに基づいて言われることではなく、経済データをきちんと分析すれば、これとはまったく反対の結果が出てくるのだ。

 

<消費税ではなく無税国債を>

日本経済の最大の問題は「金回りの悪さ」

・「失われた20年」と言われるように、日本の経済社会は、長い間、重い閉塞感に包まれて来た。アベノミクスで若干、景気は上向いたものの、消費税の増税もあり、今後、我々の生活が良くなっていく気配は見えない。

 なぜこれほど日本経済は苦しんでいるのか?

現在の日本経済の最大の問題は「金回りの悪さ」だと言える。

 

・政府は、財政再建のために消費税の増税にゴーサインを出した。しかし、消費税は「金回り」を悪くする税金なのである。消費税を導入すれば、もともと大きくない内需がさらに冷え込むことになる。また消費税というのは、国全体から広く浅く徴収する税金なのである。

 

・筆者は、お金の循環を良くして財政を再建するために、ある方法を提案したい。それは、「無税国債」という方法である。

 

「無税国債」とは何か?

・無税国債の狙いは、国民の金融資産1500兆円の中に眠る“埋蔵金”を掘り起こすことにある。

 

・実は無税国債にはモデルがある。フランス第四共和制下の1952年、時の首相兼蔵相のアントワーヌ・ピネー(1891~1994年)が発行した相続税非課税国債である。

 フランスは当時、インドシナ戦争で猛烈なインフレが起きて財政が窮乏していたが、時限的に相続税を課税しないピネー国債を出したところ飛ぶように売れ、ただちに財政が健全化して戦費の調達もできた。これをブリタニカ国際大百科事典は「ピネーの奇跡」と書いている。

 

莫大な個人金融資産を社会に役立てることができる

・ただ、この個人金融資産を社会に引っ張り出すのは容易なことではない。個人金融資産は、個人の持ち物である。これを勝手に国が使うことはできない。国が使うためには、合法的にこの資産を引っ張ってこなくてはならない。

 もっとも手っ取り早いのは税金で取ることである。しかし、個人金融資産に税金を課すとなると、非常な困難がある。というのも、金持というのは、税金に関して異常にうるさいからだ。国民の多くは気づいていないが、この20年間、富裕層に対して大掛かりな減税が行われてきた。個人金融資産がこれだけ激増したのも金持ちへの減税が要因の一つである。

 

<極端な話、無税国債は返さなくていい借金>

・個人金融資産は1500兆円あるのだから、750兆円を無税国債に置き換えるというのは、夢の話ではない。ちょっと頑張れば可能なことなのである。

 750兆円を税金で徴収しようと思えば、大変である。消費税率を10%に上げたとしても、20兆円程度の増収にしかならない。もし消費税によって財政の健全化をしようとすれば、税率15%にしたとしても40年近くもかかるのである。

 

・またもし税率20%にすれば、日本の国力は相当に疲弊するはずである。消費が激減し、景気も後退するだろう。そうなれば、予定通りの税収は確保できず、さらに税率を上げなくてはならない。日本経済はどうなることか……。

 消費税に頼るよりも、無税国債をつくる方が、どれだけ健全で現実的かということである。

 

無税国債は富裕層にもメリットが大きい

・そして無税国債の販売にも、そう問題はないのである。「マイナス金利の国債?そんな国債を買うわけはないだろう」と思う人もいるだろう。確かに、ただマイナス金利というだけならば、買う人はいない。しかし、この国債には、相続税などの無税という恩恵がついているのだ。

 これは富裕層にとって、かなり大きなメリットと言える。

 

実は日本は社会保障“後進国”

・あまり知られていないことだが、日本の社会保障というのは、先進国とは言えないくらいお粗末なモノなのである。

 本来、日本は世界有数の金持ち国なのに、社会のセーフティーネットがお粗末なために、国民は安心して生活ができないのである

 今の日本人の多くは、「日本は社会保障が充実している」「少なくとも先進国並みの水準にはある」と思っている。

 しかし、これは大きな間違いなのである。日本の社会保障費というのは、先進国の中では非常に低い。先進国ではあり得ないくらいのレベルなのだ。

 

・そして、この社会保障のレベルの異常な低さが、日本経済に大きな歪みを生じさせているのだ。日本人が感じている閉塞感の最大の要因はこの社会保障の低さにあると言ってもいいのだ。

 

・日本は、先進国並みの社会保障の構築を全然してきていない。社会保障に関しては圧倒的に“後進国”と言えるのだ。

 

・また昨今、話題になることが多い生活保護に関しても、日本は先進国で最低レベルなのだ。

 

・日本では、生活保護の必要がある人でも、なかなか生活保護を受けることができないのだ。

 

・日本の生活保護では不正受給の問題ばかりが取りあげられるが、生活保護の不正受給件数は全国で2万5355件である。つまり生活保護には不正受給の数百倍の「もらい漏れ」があるのだ。

 

なぜ経済大国日本に「ネットカフェ難民」がいるのか?

・日本では、住宅支援は公営住宅くらいしかなく、その数も全世帯の4%に過ぎない。支出される国の費用は、1500億円前後である。先進諸国の1割程度に過ぎないのだ。しかも、これは昨今、急激に減額されているのである。1500億円というのは、国の歳出の0.2%程度でしかない。

 フランスでは全世帯の23%が国から住宅の補助を受けている。その額は、1兆8000億円である。またイギリスでも全世帯の18%が住宅補助を受けている。その額、2兆6000億円。自己責任の国と言われているアメリカでも、住宅政策に毎年3兆円程度が使われている。

 もし、日本が先進国並みの住宅支援制度をつくっていれば、ホームレスやネットカフェ難民などはいなくなるはずである。

 

日本は他の先進国よりも失業率は低い。にもかかわらず、ホームレスが多かったり、自殺率が高かったりするのは、社会保障が圧倒的に不備だからなのだ。日本の自殺率は、リストラが加速した90年代以降に激増しており、明らかに経済要因が大きいのである

 

税金の特別検査チームを!

・税金の無駄遣いをなくし、必要な支出をきちんと見極める。

 そのためには、予算をチェックするための強力な第三者機関のようなものをつくるべきだろう。

 今の日本の税金の使い道というのは、複雑に絡み合ってわけがわからなくなっている。これだけ税金の無駄遣いが多発しているのは、税金の使途の全貌を把握している人がほとんどいないからである。

 

平成の“土光臨調”をつくれ

・今の行政制度、官僚制度ができて60年以上である。いや、戦前から続いている制度も多いので、100年以上になるかもしれない。

 同じ制度を100年も使っていれば、絶対に矛盾や不合理が生じるはずである。

 

<先進国として恥ずかしくない社会保障制度を>

・財界も参加した第三者機関により、社会保険料の徴収と分配も合理的に考えることができるはずである。これまで財界は社会保険料を取られるだけの立場だった。そのため、なるべく社会保険料を小さくすることを政府に要求し続けてきた。

 

・これまで述べてきたように、日本の社会保障制度というのは、先進国とは言えないほどお粗末なものである。

  しかし世界全体から見れば、日本はこれまで十分に稼いできており、社会保障を充実させ、国民全員が不自由なく暮らすくらいの原資は十二分に持っているのである。

 今の日本の問題は、稼いだお金が効果的に使われていないこと、お金が必要なところに行き渡っていないことなのである。

 

「高度成長をもう一度」というバカげた幻想

・バブル崩壊以降、国が企業や富裕層ばかり優遇してきた背景には、「高度成長をもう一度」という幻想があると思われる。

 

・そういう絶対に不可能なことを夢見て、やたらに大企業や富裕層を優遇し続けてきたのが、バブル崩壊後の日本なのである。

 

今の日本に必要なのは「成長」ではなく「循環」

・極端な話、景気対策などは必要ないのである。

 必要なのは、大企業や富裕層がため込んでいる金を引き出して、金が足りない人のところに分配することだけなのである。

 

・大企業や富裕層がため込んでいる余剰資金のうち、1%程度を差し出してください、と言っているだけなのである。

たったそれだけのことで、日本全体が救われるのである。

 

国際競争力のために本当にすべきこと

・バブル崩壊後の日本は、「国際競争力」という“錦の御旗”のもとで、企業の業績を最優先事項と捉え、サラリーマンの給料を下げ続け、非正規雇用を激増させてきた。

 

無税国債は一つのアイデアに過ぎない

・何度も言うが、バブル崩壊後、富裕層や大企業は資産を大幅に増やしている。その一方で、サラリーマンの平均収入は10ポイント以上も下がっている。

 国民に広く負担を求める消費税が、いかに不合理なものか。

 

もう一度言うが大事なことは、一部に偏在しているお金を社会に循環させることなのである。

 

日本の企業はお金をため込み過ぎている

・この10年くらいの間に大企業はしこたま貯蓄を増やしてきた。「内部留保金」は、現在300兆円に迫っている。

 

設備投資には回らない日本企業の内部留保金

・「バブル崩壊以降の失われた20年」などという言われ方をするが、実は、日本企業はその間しっかり儲けていたのだ。

しかも、それに対して、サラリーマンの給料はこの十数年ずっと下がりっぱなし(一時期若干上がったときもあったが微々たるもの)である。リストラなどで正規雇用は減らし、非正規雇用を漸増させた。

 

<「日本の法人税は世界的に高い」という大嘘>

しかし、実は「日本の法人税が世界的に高い」というのは大きな誤解なのである。日本の法人税は、確かに名目上は非常に高い。しかし、法人税にもさまざまな抜け穴があり、実際の税負担は、まったく大したことがないのである。法人税の抜け穴の最たるものは、「研究開発費減税」である。

 

バブル崩壊以降、富裕層には大減税が行われてきた!

・そもそもなぜ億万長者がこれほど増えたのか?

 その理由は、いくつか考えられるがその最たるものは、次の2点である。「相続税の減税」「高額所得者の減税」

 信じがたいかもしれないが、高額所得者は、ピーク時と比べれば40%も減税されてきたのである。

 

実は、日本の金持ちは先進国でもっとも税負担率が低い

金持ちの税金は抜け穴だらけ

・前項で紹介した大手オーナー社長のような「配当所得者」に限らず、日本の金持ちの税金は抜け穴だらけなのである。だから、名目上の税率は高いが、実際はアメリカの2分の1しか税金を払っていない、ということになるのだ。

 

相続税も大幅に減税された

・バブル崩壊以降、減税されてきたのは所得税だけではない。相続税もこの20年間に大幅に減税されている。

 

 


陸軍統制派は、高度国防国家をつくって統制経済を進めようという軍官僚たちであった(2)

2018-09-28 21:12:52 | 森羅万象

 

日本の防衛は、これでよいのか

・日本にはさまざまな力がある。だが、それをいかに束ねて活用していくかという国家戦略に欠けている。かりに日本は現状維持でよいと考えたとしても、何もしなければ現状維持はできない。

 

自主防衛の「コスト」は「新たな需要創出」でもある

「国防」に関心の薄い政治家や官僚が日本の底力を損なっている

<なぜ「核の傘」の信用性について言及しないのか>

・核保有の可能性を含めた日本の国防上の現実問題を考えようとしない、怠惰を決め込んでその必要性を説く者に非難を浴びせようとする人たちは、「平和の毒」が回り切った「戦後派」である。彼らの多くが「反米」で「反核」であるにもかかわらず、アメリカの「核の傘」への盲信がある。ただ、その逆説を見ないようにしている。

 

<さまざまな前提を設けて核保有を進めればよい>

・日本人はなぜ「核の傘」を信じてきたのか、これが「戦後体制」であって、日本が真に独立国家であろうとするならば、自国の領土領海と自国民の安全を守るために核を保有する選択をしたところで、どこかから非難を受ける謂れはない。

 

日本人の独立の意志、心のあり方が問われている

役者が代われば状況も変わる

・これまでさまざまな日本の課題について論じてきた。日本に問題があるとすれば、それは「力」のないことではなく、「力」のあることを自覚できていないことである。そして、その力の源泉が日本の長い歴史と庶民の「暗黙知」にあることを確認する必要がある。

 現実の世の中は常に動いている。うろたえず、恐れず、いかに対応していくか。庶民の日常は、その連続である。

 

日本人の力を発動させるのは、長い歴史の中で培った「情緒」

・「新しい日本人」による「新しい日本」の時代の到来について述べてきた。新しい日本人は、グローバリズムや競争原理を持てはやす人たちではない。力の源泉は心の在り方に帰結する。何を大切と思い、何を守りたいと思うか、それが日本人の「暗黙知」となる。

「暗黙知」による生き方は、けっして複雑ではない。

 

・次期米大統領のトランプ氏はTPPに反対の立場である。米議会の批准承認を得ることはあるまい。そもそも、我が国の「美しい田園風景を守っていく」ことを第一にするなら、TPPの矛盾に気づいていなければならない。TPPには、戦後秩序と自由貿易に対する幻想がある。日本人は、国家主権の重みをいま一度噛み締めてみるみるべきである。

 

 

 

『世界はこう激変する』 

 2016-17長谷川慶太郎の大局を読む

◎米国利上げで浮かぶ国、沈む国 ◎悪貨(中国元)が世界を脅かす

◎IS不況のヨーロッパ ◎好調な米国、堅調な日本が世界を牽引する

長谷川慶太郎   李白社  2016/2/12

 

 

 

結局、イランとサウジとは実害のない範囲内での争いに終始するだけである

・宗教指導者の処刑に対して中東各地でシーア派の人々によるサウジへの抗議デモが巻き起こり、イランの首都テヘランでは抗議デモの民衆の一部が暴徒化してサウジ大使館を襲撃し火炎瓶などを投げ付けた。そのため1月3日にサウジはイランとの外交関係を断絶すると発表、翌4日にはバーレーンとスーダンもイランとの外交関係を断絶すると表明し、UAEも駐イラン大使を召還して外交関係の格下げを決めた。サウジとイランの両国はそれぞれシリアとイエメンで代理戦争を繰り広げている。それが今回の問題で面と向かってぶつかる様相となってきた。両国の外交関係が緊迫化すれば全面的な紛争に発展するとの報道も出始めた。

 

・中国経済についていえば、きわめて悪くなっているのは確かだ。だが、2014年のドルベースの名目GDPで世界全体に中国の占める割合は13.4%でしかない。たとえ中国経済がゼロになっても世界経済に対する影響は13.4%のショックに留まる。とすれば世界経済も中国経済の崩壊で一時的短期的には沈んでも、それが長期化することはありえず、すぐに再浮上する。

 日本についても中国の隣国だから中国経済が崩壊すれば日本経済に悪影響が及ぶという錯覚を世界の投資家が持っているだけだ。確かにそれで一時的には日本の株価も大きく下がるだろう。しかし日経平均は短期間のうちに必ず元に戻る。中国のパニックで株価が下がれば、むしろ押し目買いのチャンスなのである。

 

・水爆実験に成功したと称している北朝鮮はもはや断末魔である。崩壊したら北朝鮮難民が韓国へと押し寄せて来るが、そのとき、韓国は日本から援助を受けなければならない。だから最近の慰安婦問題でもわかるように韓国も日本に歩み寄ってきているのだ。北朝鮮の難民問題では日韓両国のほかアメリカをはじめとする国際社会で対応していけば解決の方向に持っていけるだろう。

 

・回復してきたアメリカ経済が世界経済を力強く引っ張っていくし、日本経済もアベノミクスが第二ステージに入って徐々に勢いをつけてきている。先行きには何も心配はない。

 

新三本の矢と1億総活躍社会

<アジア諸国のなかでさらに高い地位を占めていく日本>

・2016年は中国経済の失速によって東アジアの政治構造と経済活動の基盤が変わる可能性があって、東アジアにとって決定的な年となりうる。

  だが、日本は東アジア周辺諸国で何が起ころうと安泰だ。それは第一に日本が世界で最も多くの余裕資金を保有している国だからである。しかもそれは長期にわたる融資の対象となる資金だから、その下で日本経済にも揺るぎがない。第二には、日本経済が世界で最も高い技術水準を身に付けているということだ。その結果、日本から特許を買わずには世界のどの国も経済活動を満足に行うことができない。第三には、日本の科学の水準が世界的に高いということだ。その証拠に2000年以降ではノーベル賞における自然科学3部門の受賞者は16人(アメリカ籍取得の2人も含む)を数え、これはアメリカに次いで2位である。イギリス、ドイツ、フランスを抜き去っており、今後もこの3ヵ国については日本が追い抜かれるどころか、逆に引き離してしまうだろう。

 以上の3つはいずれも他の東アジア諸国には存在しない大きな財産である。この3つをうまく活用することによって日本経済は東アジアでの政治危機、経済危機の進行と関係のない安定した成長ができる。

 

・ただし日本は東アジアでの冷たい戦争を遂行するうえでアメリカをサポートし、冷たい戦争に打ち勝つための西側世界の中核でもある。2016年は東アジアでの冷たい戦争が終結するかもしれない。そのときには東アジアの政治情勢、経済情勢は激変を遂げていくだろうが、東アジアで何が起ころうと日本は我関せずの態度を取るべきだ。すなわち東アジアの政治情勢、経済情勢の激変を対岸の火事として静観することが求められる。

 今後、日本は東アジアだけでなく東南アジアや中央アジアにおいても、現在のドイツがヨーロッパで占めている以上の高い地位を占めるようになる。なぜなら今や日本からの資金援助なしには東南アジアや中央アジアのどの国も公共事業投資ができないからだ。

 

ハードランディングしかない中国経済

ボディーブローのように中国経済を弱らせていく天津での爆発

・中国経済は悪化の一途をたどると予測される。上海株の乱高下の一つの背景にはまず中国経済全体にわたる金融の拘束、すなわち金詰まりがある。加えてもう一つが中国の北半分の物流が大きく支障をきたしているということだ。

 原因は2015年8月12日深夜に起こった天津市での爆発である。

 

・こうした状況はいわば徐々に効いてくるボクシングのボディーブローのようになっており、当然ながら中国の経済危機を一段と深刻化させ、金詰まりを一層厳しいものにしていく。天津港を含む浜海新区の復旧が終わらない限り、そのボディーブローは終わらないどころか、どんどんきついものになっていくだろう。

 となるといずれ華北の広範な地域で企業の大量倒産が起こりうる。それは即大量の失業者の量産につながる。2016年はこのような中国の経済危機に端を発した社会不安がどこまで広がるか、言い換えれば、それは習近平政権がどこまで抑えることができるかが問われる年になる。

 

<ダンピング輸出向け鉄鋼の減産で国有企業のリストラが始まる>

・輸出量が増えるうえに輸出価格は安いというのだから、中国のダンピング輸出に対して反ダンピング課税などの措置を取る国も増えてきているが、各国の鉄鋼メーカーには生産量を落として耐え忍ぶしかないというところも少なくない。生産量を落とすためには操業短縮だけでは不十分なので、高炉の閉鎖や従業員のリストラに追い込まれるところも出ている。

                                                

・であれば中国政府としても、いよいよ鉄鋼生産で1億トン分を減らすということだ。それはまた同時に中国の鉄鋼業界で働いている30万人の労働者のうち少なくとも1万人前後のクビが飛ぶということにほかならない。

 1億トン分の鉄鋼生産を減らすというのは、これまで強気だった中国政府も急失速する中国経済の現実に向き合わざるをえなくなったことを示している。日本の経済界の訪中団と李克強首相との会談の模様を見て、中国に進出している日本企業も現地法人の本格的なリストラに乗り出したのだった。

 

中高速成長の維持と一人っ子政策の放棄は何をもたらすのか

・中国もデフレ時代に入っている。もはや安かろう悪かろうの時代は終わったのだ。だから中国でもこれまでのような量的な拡大は不可能であり、また量的な拡大を目的にする経営計画も成功しない。必ず過剰生産が生まれて売れ残りが大量に発生する。しかし少しずつでも良い製品をつくっていきさえすれば必ず生き残る道が開けるから、技術の研究開発が不可欠となる。

 

・ただし中国のバブルは弾けてしまった。となったからには6.5%以上の中高速成長は無理だ。中国経済についてはもはやハードクラッシュしかない。問題はハードクラッシュの後で中国企業がデフレ時代に対応して生き延びていけるかどうかということなのである。

 

・人口減少となれば、当然ながら世界の工場としての中国の役割は終了するばかりか、中国の経済成長もおぼつかなくなる。けれども少子高齢化が始まっている中国において、一人っ子政策の撤廃が人口増に結び付くということもない。このまま少子高齢化が続いて中国経済が落ち込んでいくのは避けられないのである。

 

<不良債権を抱えた国有企業の処理で窮地に立つ習近平政権>

・それで習近平政権は今回の中央経済工作会議の方針でも国有企業の再編ということで御茶を濁している。この再編とは国有企業を合併させるだけのことにすぎない。そういう生ぬるいやり方ではいずれ国有企業がいくつも潰れていくだろう。となるとやはり大量の失業者が発生する。

 ハードランディングでも御茶を濁しても大量の失業者が生まれるということだ。大量の失業者は社会不安を引き起こす。今や習近平政権は国有企業の問題で窮地に立っているのである。

 

爆発の可能性が大いにある人民解放軍> 

南シナ海の人工島領海を自由に航行し始めた米ミサイル駆逐艦

・したがって中国海軍は最初から米海軍はもとより海上自衛隊とも戦争がする気がないということだ。負けるとはわかっている戦争をする軍人はいない。中国海軍もそういう状態である。

 

<陸軍中心の軍構成を改めて7軍区を4戦区に統廃合する>

・廃止された3軍区は4戦区のなかに吸収されることになるが、組織改革とともに軍縮も同時に進め、現在の兵力230万人から30万人が削減される予定だ。

 

人民解放軍の大規模改革は習近平の危険な賭け

この大規模改革は失敗する可能性がきわめて高いのである

・しかし空軍の力の拡大も陸軍には許せるはずがない。もし陸軍が完全に習近平首席および中国共産党に反旗を翻したらどうなるか。人民解放軍の最も基本的な役割は国内の治安の確立である。中国経済は急速に落ち込んできているから企業のリストラで多くの失業者が生まれて収入のないホームレスも増えていく。ホームレスが増えていくとそれが社会不安につながって国内の各地で激しい暴動が頻発するに違いない。そのとき、中国共産党に背いている陸軍が、お手並み拝見とばかりに何の動きもしなければ国内の治安は回復できないだろう。中華人民共和国も崩壊の淵に立つことになるはずだ。

 

 

 

『自民党ひとり良識派』

村上誠一郎   講談社   2016/6/15

誰よりも自民党を愛するからこそ覚悟の正論!

 

 

 

日本をおかしくした5つの法律

・私は最近の自由民主党の方向性を非常に心配しています。

 昔と違ってなぜ自由闊達な議論のできない「不自由民主党」になってしまったのか。

 

・私の自民党衆議院議員生活30年間、自民党が国会に提出した法案で、私が猛然と反対を表明した6つの法案があります(うち一つは廃案)。

 

1987 スパイ防止法(廃案)

1993 小選挙区比例代表並立制

2005 郵政改革法案

2013 特定秘密保護法

2014 公務員法改正案

2015 集団的自衛権の行使容認

 これらの6つの法案によって自民党は徐々に変容し、現政権による集団的自衛権の行使容認」という、解釈改憲、立憲主義の否定に至るのです。

 

小選挙区制導入で劣化した議員の質

・国民の支持率が高いあいだは官軍ですから、政権の言いなりになって、ウケのいい政策だけを言っている方が楽ではないでしょうか。自らあれこれと政策を考える必要がない。ただ、党の言うことに、従っていればいい。

 逆に従っていないと、次の選挙では公認はもらえないし、比例代表では、よい名簿順位をもらえなくなります。

 小選挙区比例代表並立制とはそのように政治家が選挙とポストだけを考えてしまうようになる制度なのです。その結果、選挙とポストのすべてが官邸や党幹部次第ということになるのですから、時の権力者の言いなりになってしまう危険性をはらんだ選挙制度だと私は思います。

 

言うことを聞けないのなら自民党を辞めろ!

・「自民党をぶっ壊す」

 というのが、その時のセリフですが、実は特定郵便局というのは、自民党田中派以来の経世会の有力な支持母体です。「自民党の経世会支配をぶっ壊す」というのを感じました。

 ともかく、小泉政権の郵政選挙で「郵政民営化」に反対した自民党の政治家はすべて公認を取り消され、その上に刺客まで送り込まれました。

 郵政民営化反対を言ったら政治家が政治生命を奪われたのです。「俺の言うことを聞けないのなら自民党議員を辞めろ!」と。

 

小選挙区比例代表並立制は即刻廃止せよ!

・小選挙区制はできるだけ早く見直すべきだと思います。

 小選挙区制が政権交代で民主党中心の連立政権をもたらして失敗、さらに解釈改憲を許す遠因となったわけですから。

 衆議院選挙制度の抜本改革を目指す議員連盟は2011年に発足しています。中選挙区制の復活を議論する議連で、選挙制度に欠陥があるというのは、今や自民党、民進党はもちろん、社民党や共産党など各政党すべての共通認識なのです。

 

・そもそも、私が最初から反対していたように、斡旋利得罪と連座制の強化を行っていれば、選挙制度を中選挙区制から小選挙区制にしなくても、金のかからない選挙ができたのです。

 ちなみに、私が考える選挙制度改革は、150選挙区定数3人は良いとしまして、実現は難しいでしょうが、一人2票制にするのはどうかと考えています。

 義理やしがらみで1票を投じる有権者も多いでしょうが、残った1票は、政党なり政治家の政策に対して投じてもらいたいのです。もちろん、2票とも、継続的に支持している議員に投票しても構いません。

 これによって、個々の政治家の政策の継続性がある程度、担保されますし、人の顔色、雰囲気、風頼みといった、およそ政策とは無関係な事柄が政治活動に悪影響を及ぼすことを排除できるのではないでしょうか。

 

派閥崩壊がもたらしたもの

・中曽根首相から、2回連続の当選の重要性を指導していただいたというわけです。

 さらに、中曽根首相自身が、初当選後からずっと、日本の今なすべき政策は何かを考え続け、これと思う政策や提言には真摯に耳を傾け、重要だと思う政策等はすべて大学ノートに書き留めてきたという話がありました。

 私は中曽根元総理の精神を取り入れ、今も政治活動のため収集した資料や、制作をパワーポイント化して、国政報告、講演の場ではすべてパワーポイントを使って説明することにしています。

 

河本派に所属した理由

・このような環境の中で育った私は、東大に進学したあと、司法試験を目指していました。ある日、農林大臣、郵政大臣、三木内閣の官房長官を歴任した、当時、三木派の重鎮だった井出一太郎先生が私に会いたいと言ってきました。

 井出先生は、私の顔を覗き込むようにしてこう言いました

「君は票が取れそうな顔をしているな」

 

・「政治家には休みはありません

 そのときに河本先生からは、座右の銘が“政治家は一本の蝋燭たれ”だということなどを伺いました。蝋燭は、わが身を焦し周囲を明るくするのだ、と話されました。

私は、この先生についていこうという決心をしたのです。

 

議論するより携帯で撮影

初当選の頃、ある先輩が、

「自民党は1回生でも10回生でも発言は自由であり、皆、黙って聞いている。しかしアナタが発言している間、頭のてっぺんからつま先まで人物鑑定しているんだよ。発言する場合はよく勉強して理論武装を完璧にしておけよ」

 と、忠告してくれたことがありました。

 徐々に、その助言が、先行きの政治活動に大きな影響を及ぼすことになることがわかってきたのです。政策をめぐって意見をするのは自由ですが、しっかりと勉強をしておかなければいけません。逆に何か問われてもきちんと反論や返答ができるようにしておかなければいけないのです。

 しっかりした議論ができて初めて、派閥や党の幹部に認められて大事な仕事を任されるようになっていくのですから、我々が若い頃は、部会や党の税制調査会等が言わば登竜門、大切な真剣勝負の場のひとつでした。

 

・若手の皆さんが自分のツイッターやブログなどの更新に熱心なようなのです。もちろん政策の議論がないとまでは言いませんが、どちらかというと勉強会や部会に参加したことを、有権者に情報発信することに重きを置いているような気がします。

 せっかくの真剣勝負の場、政治家としての質を高める場が十分に生かされていないのではないでしょうか。

 

部会や勉強会の形骸化が、政治の劣化、政治家の劣化につながっているような気がします

・それもこれも、次の選挙が不安だからだと思います。政治家として、確立した選挙基盤と支持者との信頼関係が構築されていないことに原因があるのではないでしょうか。

 

小選挙区制が導入されて、小泉政権以降、派閥が力を失った結果、自民党も野党も政治家の質が落ち、知性や専門性を持つ人物は、だんだん少なくなっているのです。

 

自民党が健全だったころ

・小泉政権以降、現在の安倍政権まで、天下の自民党がこのようなことをしてはならない、総裁辞めなさい、などと言える雰囲気が自民党に残っているでしょうか。

 今は何も言わず、選挙の公認をはずされるような問答無用の状況に追い込まれるのですから。

 若手から、政権幹部まで今はあまり見識が感じられないのです。

 

意見が言えない優秀な官僚たち

・国民の皆さんは誰が政治をやっても変わらないとよく言われますが実は違います。政治や行政が失敗したら取り返しのつかないことが起こるのです。小選挙区制の導入が政治家に人材が集まらなくなった要因ですが、公務員法の改正で官僚にも人材が集まらない危険性を持っているのではないか。非常に憂慮しています。

 

公務員法を改正してしまった結果、官僚たちが本音と正論を言いにくくしてしまったのです。公務員法改正は、国民の皆さまには関心が薄いか、あるいは日本の意思決定を遅らせたり、無責任な行政が続くのは官僚制に原因があるから、良いことなのではないかとみる向きも多いでしょう。けれども、実はこの法律によって有能な官僚が意見を言えなくなってしまったのです。

 

政権に迎合する官僚ばかりになる

遠ざけられた財務省

・財務省の影響が落ちたのは1998年に発覚した大蔵省接待汚職事件からで、官僚は小狡い輩と国民からみられるようになりました。

 

官僚を活用できない

・公務員法改正は能力本位にするためだと言いますが、政権に異を唱えるような言動をすれば、人事権をいつでも発動できるという脅しが効いています。

 

名こそ惜しけれ

「名こそ惜しけれ」とは、名を汚すような恥ずかしいことをするなという日本人独自の道徳観だというのです。

 ところが、司馬遼太郎が想像もしなかったような政治家の不祥事が、大臣の収賄報道から若手議員の女性スキャンダルまで、2016年に入って続出しているのが、今の自民党なのです。言語道断です。

 いくら官僚たちが、「清潔」だったとしても、公務員法改正で、彼らに「ニラミ」を利かせやすくなった政治家たちに問題があったとしたら、「この国の将来のかたち」は、いったいどうなってしまうのでしょうか。

 

最優先事項は財政再建

<金融緩和、自国通貨安で繁栄した国はない>

つまり、アベノミクスはこの3年半の間、ずっと金融緩和と当初の機動的財政出動によって経済を刺激し続けているだけなのです。実体経済は、すなわち賃金上昇と個人消費は、デフレ下の経済状況からなんら変わりがありません。新たな提案もしくは産業による雇用の創出が求められてきましたが、骨太の成長戦略が打ち出されないままですから、アベノミクスは金融緩和に頼っただけの経済政策であったという結論になります。

 

・2015年4月、安倍首相は「来年の2月までに物価目標2%を達成できないのであれば、アベノミクスは失敗であったと言わざるを得ない」と発言しました。約束した期日はとうに過ぎているのですから、その一点だけを考えても、アベノミクスはうまくいっていないと言わざるを得ません。

 実態経済が伴わず、自国通貨を安くする経済政策で繁栄を築いた国はどこにもないのです。

 

子や孫にツケを回してはならない

・このまま、量的緩和でお金をばら撒いていけば国債の金利の上昇を招き、国債の価値は暴落するかもしれません。国債を保有している個人、銀行、生命保険会社や日銀が大きな損を被り金融資産を失うとともに、悪性のインフレになりかねません。

 そこまでいかなくても、成長戦略の成果がないままお金をばら撒いているので、賃金が上がらないのに物価が上がる傾向が出てきます。

 

国民一人当たりの借金額は830万円!?

消費税は予定通り10%に

・では、この経済状況をどのように乗り切ればいいのかと言えば、やはり、財政再建を行うことが日本の経済危機の最善の処方箋なのです。国が安定すれば、経済活動も活発化し、国民は安心して暮らすことができるのです。

 そのためには、予定通り消費税を10%に引き上げ、財政再建路線を明確に打ち出すことで、国民も国際社会も日本に対する信用を取り戻すことができるのです。

 

社会保障改革へ

・私は、消費増税を予定通り10%に引き上げるという主張をしました。私自身の選挙を考えればマイナス材料となるばかりですが、日本のため、国民のため、次の世代のためを思えば、反発されることを承知で消費増税を有権者に説得し続ける覚悟です。選挙のための間違った財政政策、経済政策はやるべきではありません。

 

中福祉・中負担

・社会保障制度についても、現在は高福祉・低負担でありますが、将来、中福祉・中負担への改革を提案したいと思っています。

 自分の受けたサービスに見合う費用は受益者負担として応分に負担しなければならないと思うのです。方策としては、電子レセプト、電子カルテルの活用、末期医療の改革、オーバートリートメント(過剰診療)の解消、初診システムの見直しなどが挙げられます。

 

人口問題と移民政策

要は、国民はすでに、アベノミクスでは経済再生は一朝一夕には立ち直ることがないとわかってしまったのです。政治に対して国民はまったく期待感が持てないということが、徐々にわかってきているのではないでしょうか。

 

・これまでの経済統計から、日本の潜在成長率は1%程度しかないことがはっきりしていますので、税収を50兆円とすれば、翌年には5000億円の税収増しか見込めません。これ以外のほとんどは赤字国債に頼っているのが日本の財政実態なのです。1300兆円の借金を返すには直ちに消費税を30%近い高水準にしなければならないという試算を財務省が公表していますが、これほど、財政状況は危険水域に達しているのです。

 

・一方で、人口は減り続け、生産年齢人口は2010年時点で8000万人と推計されています。2030年には17%前後減り、6700万人と予想されています。人口減少によって十数年後には50兆円の税収も見込めないことになるのです。一刻も早く、財政再建をしなければならないということがご理解いただけると思います。

 そこで、私は、自民党内で移民問題検討会議のメンバーとなり、移民受け入れのルール、有り様を模索しています。

 

・20年前からヨーロッパ並みの消費税率にしていれば、私たち世代が作った膨大なツケを子や孫に回すことにはならなかったのではないでしょうか。私たち政治家がこうした将来設計を怠り、国民への説明を避けてきたというそしりは甘受しなければならないのです。

 

 

 

『リフレはヤバい』

小幡績   ディスカバー携書   2013/1/31

アベノミクス 円安、インフレで国債暴落から銀行危機、そして日本経済危機へ

 

 

 

<リフレとは、インフレをわざと起こすことである>

・この金融政策を支えているのが、リフレ派と呼ばれるエコノミストや

経済学者であり、その政策をリフレ政策という。

 メディアは、このリフレ政策を中心とする安倍首相の経済政策に関する主張をアベノミクスと呼んではやし立てた。

 

なぜ、インフレを意図的に起こすことである「リフレ政策」が悪いのか。日本経済が崩壊する可能性があるからだ

 確かに日本経済は停滞している。構造的変化も必要だ。しかし、それはリフレでは実現できないし、それどころか、日本経済が破滅してしまう恐れすらある。

 

それは、リフレが国債を暴落させるからである。国債が暴落するのは、円安と名目金利上昇となるからだ。国債が暴落すれば、国債を大量に保有している銀行は、経営破綻に追い込まれる。銀行が破綻あるいは、その危機に陥れば、すなわち、銀行危機となる。貸し渋り、貸しはがしとなり、中小企業はひとたまりもない。

 このときに、国債が暴落しているから、政府が銀行に資本注入して救済しようとしても、その資金を調達するために発行する国債を買ってくれる人がいない。それを日銀に引き受けさせようとすれば、それはさらなる国債暴落を招き、銀行の破綻は加速する。

 これこそ、スパイラル的金融危機だ。

 

リフレ政策は、インフレをいったん起こしてしまうと、そのインフレが制御不能になってしまうことが問題なのではない。インフレを起こせないのに、インフレを起こそうとすることが問題なのだ。

 インフレが起きないのに、インフレを起こそうとすれば、歪みだけが蓄積する。その歪みが副作用という言葉を超えて、日本経済を危機に追い込むことになる。

 

円安戦略はもう古い

通貨価値上昇=国富増大

・経済学的には、通貨は高いほうが基本的にその経済にはプラスなのです。自国の資産はほとんどが自国通貨に連動していますから、国富の増大とは、通貨価値の上昇にほかならないのです。

 

・このように、自国の国富、とりわけ、土地や企業などのいわば国の経済を動かす「資産」を守るためには、自国の通貨が値下がりすることは、最も避けなければいけないことなのです。

 

フローからストックの時代へ

・しかし、オイルショックを経て、1980年代から世界経済の構造は変わったのです。右上がり成長の時代は終わり、低成長時代に入りました。

 この時代、内需成長の限界から、各国が輸出競争に走ったのかというと、そうではありません。かつて日本は1980年代、米国との貿易摩擦が激しく、また、1985年のプラザ合意以後は急激な円高が進みました。このため、通貨安競争、輸出競争こそが、21世紀の今の日本の戦うツールと戦場だと思っている人が多いのですが、それは現実とはまったく異なります。

 世界の先進国は低成長時代を迎え、低成長、つまり年々の所得の伸びに限度があるのであれば、これまでに蓄積した国富を有効活用しよう、膨らませよう、という時代に入りました。

 つまり、フローからストックの時代に入ったのです。フローとは毎年の所得。フローの積み重ねがストックで、年々のGDPの積み重ねが国富、国の資産になるわけです。

 

・80年後半の日本の国際的な存在感も、円高、株高、不動産高による急激な資産拡大がもたらしたものであり、貿易黒字というフローではなかったのです。

 

・したがって、1980年代以降はストックの時代。そのストックの時代には、通貨は高いほうがいい。ストックが、つまり、資産が高く評価されるということですから。

 

・時代は変わったのです。通貨は安いほうがいいというのは、1970年代までの古い常識なのです。

 

<円安戦略では、日本は勝てない>

・時代そのものが変わったので、通貨は強いほうがよくなったのですが、日本が変わったことも、日本にとって円が強いほうが国益になる第2の理由です。

 

・日本はもはや超成熟経済国家です。高齢化ばかりに話題がふられていますが、実は、これまでのノウハウなど蓄積がものすごい。経済にとって大きな財産が蓄積されています。

 同時に、日本文化やライフスタイルが、世界的に貴重で価値あるものだと思われています。

 今や、日本そのものの価値、社会の価値はものすごいものなのです。

 

・そして、これらの貴重な資産は、経済的には、円またはドルで金銭的に評価されます。ですから、この評価をグローバルには下げることになる通貨安というのは、問題外なのです。

 通貨を安くして韓国と競争するという発想自体が時代遅れであり、おかしいのです。

 

・そして、韓国のような国は世界中にたくさんあります。それらのすべての国と戦うのは、美学としてはいいかもしれませんが、無理です。本来日本が有利な土俵ではありません。日本のよさが最大限発揮できる、きちんとした利益が出る土俵で戦うべきなのです。

 日本の土俵とは、今から大規模投資をして、コスト競争、品質競争をするような分野、スタイルではなく、ソフトの戦いとなる土俵。つまり、人間のアイデアや文化、ライフスタイルの厚み、歴史、独自性が発揮されるような分野です。そういう分野に力を入れて稼ぐべきなのです。


陸軍統制派は、高度国防国家をつくって統制経済を進めようという軍官僚たちであった。(1)

2018-09-28 21:11:13 | 森羅万象

 

 

 

『「情の力」で勝つ日本』

日下公人  PHP 2018/5/17

 

 

 

以心伝心と直観力のアナロジーの威力

日本人の強みは何か。これまで、いろいろな機会を捉えては、そのことについて語ってきた。いの一番を挙げるとするならば、やはり「情」ではなかろうか。

 一昔前の日本人なら、「情」は、ごく当たり前のものだった。「情」がなければ世の中は動くものではないと思っていた。

 

・皆までいわずとも以心伝心なのだから、考えてみれば、こんな効率の良いやり方はない。これもすべて、「情」と「信頼」のなせるわざである。

 これは、最近流行りのロジカルシンキング(論理的思考)などよりも、遥かに高度で優秀な手法である。日本が世界の中で圧倒的に強いのも、まさにこの手法の達人だからである。

 

・日本人は心と心で通いあう境地がある。そもそも日本は、昔から知と情の二本立て、「漢意」と「やまと心」が並び立つ国であった。

 

さらにいえば、日本は長い期間にわたって民族が固定しており、いわばメンバー固定制だった。民族大移動を経験しているヨーロッパはじめ世界の他の地域と比べて、「以心伝心」が成立しやすい環境だったといえる。

 

・つまり、日本人は全員が詩人の才能を持っているのである。やまと心を持った日本人とは、言葉でなく心がわかり、詩で表現し、行動で結論を見せる人のことである。

 そのすごさを、いまこそ日本人はしっかりと認識したほうがよい。これぞまさに、日本の強さの根本部分なのだから。

 

「子供は神の子、仏の子」の素晴らしさ

・では、日本人はなぜ、「情」をよく理解できるのだろうか。

 そこで大きいのは、「子供をいかに情愛をもって育てるか」ということについて、日本人は欧米人とはまったく違っていることである。

 

・反対に日本では、「子供は神の子、仏の子」といわれて、授かった子供をとても大切にした。3歳、5歳、7歳で、神の子、仏の子から少しずつ人間になっていく。7歳になると、「これでもう人間になりました」と、お宮参りに行ってお礼をいう。つまり日本人は、「神様・仏様から人間になっていく」と考えてきたのである。

 

子供のころ、親と一緒に寝ることができなかった西洋人は、日本人と比べれば根本的なところで「情愛欠乏症」といってもよい。家庭にいても愛情が少ないから、子供は18歳になると、追い出さなくても自分で出て行く。ベビー・シッターというアルバイトがあり、女子大生などが子供と遊んでくれるが、ベビー・シッターは親の代わりに愛情をかけることはできない。

 西洋人が「論理」ばかりに偏ってしまうのは、子供のころからあまり愛情をかけられずに育つので、「情」が育たず、情で納得するという経験が少ないからではないかとさえ思えてくるのである。

 

順番は「情」「知」「意」

さらに戦前の日本では、学校教育でも「情」の教育を重んじていた。戦前の教科書を見ていると、「義理人情を兼ね備えた人間をつくろう」という方針だったことがわかる。よく「知情意」といわれるが、当時の人たちは、子供たちには最初に「情」を教え、次に「知」を教え、最後に「意」を教えるようにしていたのである。

 

・昭和初期の教科書になると、文部省唱歌の『兵隊さん』という歌が入っていた。先生がオルガンを弾いて、みんな歌っていたが、歌詞には「兵隊さんはきれいだな 兵隊さんは大好きだ」「兵隊さんは勇ましい 兵隊さんは大好きだ」「とっとこ とっとこ 歩いている」などとあって、兵隊さんの情景が描写されている。

 このようなものを挙げると、「日本は軍国主義を進めようとしていたのでしょう」と批判する人も出てくるだろうが、それはあまりに短絡的なものの見方である。当時の学校では、子供に軍国主義を教えようとしたわけではなく「勇ましさ」を教えることが目的だった。先生たちは、勇ましいけれども、優しいことが大事だと教えていた。

 

このように小学校3年生までは。子供たちの情感を育てることに、ことさら力が入れられていた。

「お花がきれいです」「兵隊さんは勇ましい」といったことを習って、「情」が育っていくと、いろいろなことに好奇心がわいてくる。「花のことを知りたい」「自然のことを知りたい」「兵隊さんのことを知りたい」「艦船や飛行機のような機械のことを知りたい」という気持ちになって、「知」を求める気持ちが出てくる。

 そういう気持ちが出てきたところで、「知」の教育を始める。

 3年生までは「桜の花はきれいです」と教えていたが、4年生になると、「桜は花びらが5枚あります」と教える。数量の単位と計算が出てくる。

 子供たちは、桜がきれいで、桜が好きだという感情を持っているから、桜のことに興味がわいて「花びらが5枚」ということは、すぐに覚える。情が育った子供たちは、ものすごい勢いで「知」を吸収していく。4年生から「知」を教えはじめてもまったく遅くない。無理やり覚えこまされた知識と違い、「情」を前提にした知識なのですぐに身について、知識が非常に生かされる。

 

・「知」が育っていくと、「俺も上の学校に行くぞ」「私も女学校に行きたい」という気持ちになって、「意欲」が出てくる。まさに「意」が育つのである。

 このように、「情」が育てば、「知」が育ち、続いて「意」が育つことを、明治、大正の人たちは、よくわかっていた。

 この方針は非常にうまくいき、日本は多くの人材を輩出した。

 

<日本の兵隊が強かった本当の理由>

さらにいうならば、日本の場合、実は教科書を読まなくても、教科書に書かれているような内容は全国の子供たちはすでにわかっていた。それは、おばあちゃんから聞いていたからだった。

 昔の農村、漁村にはお坊さんがいて、お坊さんが法事のたびごとに法話を語っていた。それを散々聴いていたおばあちゃんたちが、ありがたい話としてそれを孫たちに語って聴かせていたのである。これで「情」が育たないほうがおかしい。

 

<日本人とユダヤ人が手を組むのは自然な成り行き>

・いうまでもなく、ユダヤ人を迫害したのはドイツ人ばかりではない。戦争中に白人はユダヤ人を救ったかのように見えたが、元来、キリスト教徒である白人は、宗教が違うユダヤ人とは仲良くしたくないと思っている。

 私はキリスト教で育ったからよくわかるが、戦前、ヨーロッパの人たちはユダヤ人の友達と思われないように、みんな用心していた。キリスト教徒がユダヤ教徒と仲良くしていると見られるわけにはいかなかった。

 

・戦争が終わって以降、アメリカでは白人がユダヤ人を露骨に差別するのではなく、論理を使って差別をした。この世の中には論理的なインチキというものがある。

「こいつを上にしたい。こいつを落としたい」と思えば、配点を変えればいい。そうすると、論理的な理屈をつけて、気に入らない人間を落とすことができる。「ユダヤ人だから落としたんじゃないよ。点数が低いから落としたんだよ」といえる。ユダヤ人はそのようなインチキに対して猛烈に怒った。

 1960年代の公民権運動のときには、黒人とユダヤ人が一緒にバスに乗り、「公平にせよ」と抗議の声を上げた。日本では公民権運動は黒人の運動と伝えられているが、実際には、黒人とユダヤ人の連合だった。

 そのようなことを考えてみると、日本人とユダヤ人とが手をくむことは、むしろ自然な成り行きだったかもしれない。

 

・ユダヤ人はキリスト教徒に迫害されて、仕事でも差別をされた。ユダヤ人が金融業で成功したのは、そもそもキリスト教徒たちが金融業を毛嫌いしたので、ユダヤ人がそれを担うしかなかったことも大きい。金融に行けなかったユダヤ人たちは、流通や娯楽産業に流れた。

 ユダヤ人にテレビを売ってもらうことで、ヨーロッパのソニーはうまく行き始めた。私は、欧米人から「日本人はなぜユダヤ人といつもくっついているのか」と聞かれたことがある。「それは、あなた方が日本人とユダヤ人を差別するからですよ」と答えた。はぐれ者同士だから仲良くなった。

 

<欧米名門大学の「クラブ」の役割>

・西洋社会では、市民革命が起きた時代以降、貴族という「身内」の代わりに、新しい「身内」として独特のインナーサークルが作られた。フリーメイソンなるものの存在が指摘されたことがあるが、それほど特別なものではない。

 そのようなものばかりでなく、欧米社会では、大学に進んだエリートのなかで、そのような「身内」が形成される。

 

<「ロジカルシンキング」で日本経済は弱くなった>

・このようなことを見ていくと、日本経済が弱くなったのは、「情」を大切にしなくなり、アメリカの「使用人根性」の理屈で考えるようになったからであることが、しみじみ実感される。

 日本経済が成長しているころは、経営者も社員も「理屈」などどうでもよかった。先人たちが形づくってきた人間関係の財産を生かし、日本人としての「情」を大事にして相手との関係をつくっていったら、結果的に会社が伸びていった。

 ところが、いつのまにか欧米のまねをして「ロジカルシンキング」が重要と言い出す人間が出てきた。世の中で「ロジカルシンキング」に関連する本が売れ始めてから、日本経済はどんどん弱くなった。

 

<性悪な者たちを打ち破る方法>

・われわれ日本人から見れば、世界はまさに性悪の国ばかりだ。人を騙そうとして悪智恵コンテストをやっているような人間がゴロゴロいる。

 そういう性悪な人間にかかれば、日本人は人がいいから、1回くらいは騙せるだろう。だが、1回かぎりである。

 

<バスの黒人席に座ってみると>

・黒人にも、日本人に大変な尊敬心を抱いてくれている人が多い。

 だいぶ昔の話だが、サンフランシスコでバスに乗ったとき、前のほうは白人ばかりが座っていて、後部座席はすべて黒人で埋まっていた。私が行ったとき、仕切りはなかったが、その前の時代には黒人席と白人席で仕切りがあったはずだ。

 

・白人住宅街を過ぎると、日本人街、ベトナム人街、韓国人街、黒人街がある。黒人街のまっただ中に日本人街があった。

 満員のバスの中で、白人と黒人が前と後ろにはっきりと分かれているのを見て「これが、アメリカか」と興味深かった。

 白人が降りてゆくと、バスが空いている。黒人たちは私に白人席に座るようにいった。「お座りください」と非常に丁寧な対応である。日本人は、黒人から見ると名誉白人みたいなもので、白人がいないときには白人席に座れるようだった。

 

<帝国陸軍の派閥争いの悲劇>

・まず指摘すべきは、当時の日本は残念ながら一丸となって戦争を戦い抜くような状況ではなかったことである。陸軍も海軍も、まず資材の取りあいなどで、お互いに戦っていた。戦争に勝つよりもそれが大事で、次は自分の出世だった。

 

・たとえば陸軍では、昭和6年(1931)ごろから皇道派と統制派のあいだの派閥抗争が激化した。結局、昭和11年(1936)の2・26事件で、皇道派の青年将校たちが蹶起して反乱軍となったために、派閥争いは結果的に統制派が勝ちを収めることになるが、統制派が勝ったことで、ガチガチの日本軍になって戦争に負けたのではないかと思う。

 統制派は、高度国防国家をつくって統制経済を進めようという軍官僚たちであった。ひと言でいえば、ソ連やドイツの全体主義的な手法に感心して、日本もその手法で総力戦を戦えるような国にしようとした人びとである。

 それに対して、皇道派を率いた軍人のなかには対ロシアのインテリジェンスを担っていた人たちも多く、彼らは共産ロシアの脅威を骨身に染みて知っていた。戦争に強い人材も、皇道派のほうが多かった。

 皇道派が派閥争いに勝ったら戦争に勝っていたとはいえないが、少なくとも、日本陸軍のなかで多様性がなくなってしまったことは間違いない。統制派の天下となって、統制派に迎合する人がたくさん出てきた。

 統制派が「国家統制」の名を借りて何をしたか。「どうすれば戦争に勝つか」ということを研究したのではなく、派閥の得になることだけをやったように思える。東條英樹も統制派の重要人物だが、後年、「昭和17年は1年間もったいないことをした」といっていたといわれる。そんなひと言で済む話ではない。

 

・彼は昭和19年(1944)には、統制への熱情からか、首相、陸軍大臣、参謀総長の三職を兼任することになる。だが、近代戦争という複雑な状況を、一人だけの力で乗り切れるはずがない。彼が三職を兼任するようになったのは、軍の指揮を行なう軍令(参謀本部)と政府との連携がうまくいかなかったことが理由だが、これはつまり、日本が一丸となって戦争に臨む体制になっていなかったことの証左である。

 

<もし日本が参戦せず、あと10年頑張ったら………>

もう一ついえること、それは、ちょうど開戦の直前のころが、日本の経済力や工業技術力が、ようやく欧米と肩を並べはじめた時期だったということである。もう少し時間が経てば、その面での状況も大きく変わっていたことだろう。

 実は、大東亜戦争に突入する前、日本は高度成長が続いていた。その勢いはすごかった。私が生まれたのは昭和5年(1930)だが、そのころから高度成長が始まった。昭和15年ごろには、高度成長が10年間も続いていた。昭和14年ごろが戦前の日本経済のピークだった。

 日本中にたくさんの小型車メーカーができた。国民は「もうしばらくしたら、小型車を買えるかもしれない」と思いはじめた時期だった。

 工業技術も、ようやく追いついてきた時期だった。なにしろ当時の日本で、2千トン大型のプレス機を持っているのは、民間の川西航空機ぐらいで、そのプレスで4発機用の主桁(翼を支える桁)を圧延する能力が、日本の4発機生産能力のすべてだった。毛織物で巨額の富を築いた川西清兵衛は、「儲けた金は好きに使う」といって、川西航空機を設立し、大型のプレス機を買った。プレスして大型機の主翼をつくれるから、彼の買ったプレス機は大きな力を発揮した。

 

戦後になって分かったことだが、アメリカは川西航空機にしか大型プレス機がないことを知っていた。川西航空機の製造能力以上には大型機をつくれないことを見抜いていた。

 昭和16年(1941)になると、日本は大型プレス機を海外から買えなくなった。アメリカが輸出禁止にしたのである。だから、その前にアメリカやドイツから大型プレス機をたくさん買っておけば、かなり違った戦い方ができたであろう。支那事変に大軍を派遣して、多額の人件費を使うくらいなら、大型プレス機を買っておいたほうが、対米戦に備えるためにはよかった。そして日本の工業力は、十分にそれを使いこなせるレベルにまで来ていた。

 軍備においては。もっと潜水艦の戦力を増強する方法もあった。そのほうが遥かに実際の日米戦の役に立っただろう。やろうと思えば、ハンコ一つでできることだった。

 

・アメリカはたくさんの国の集まりだ。アメリカ合衆国憲法の下では、各州は独立国で、いつでも合衆国を離脱できるとされている。それをリンカーンが「分かれ争う家はもたず」といって、離脱しようとする南部を止めて連邦制を維持すべく、南北戦争を仕掛けた歴史がある。

 イギリスは、ヨーロッパでの戦争に介入してくれそうな大統領を当選させるために、盛んにインテリジェンス工作を行なった。中国も、アメリカを戦争に巻き込もうと、アメリカ留学歴のある蒋介石の妻・宋美齢を送り込むことまでして、工作活動を行なっていた。ならば逆に日本は、日本と手を組めそうな大統領を当選させるべく、力を尽くしてもよかったし、中国の排日活動はあまりに卑劣だったから、戦争を仕掛けてきたのは中国だという事実を、もっと大がかりに宣伝してもよかった。

 

当時はアメリカに対して「こんな大きい国には勝てない」と、はじめからあきらめていたが、やりようはあった。いろいろな手を打てば、もう少し戦いようがあった。

 アメリカとしては、中国市場の争奪戦で日本に追い越されると困るから、ルーズベルトは躍起になって日本潰しを画策した。

 

あるいは、日本が第2次世界大戦に参戦せず、あと10年頑張ったら、アメリカにかなり迫ることができたのではないか、とさえ思う。

 

世界に伝える努力が圧倒的に足りなかった

・日本が戦争のためにやるべきことは、ほかにもたくさんあった。

たとえば、もっと早くから「大東亜共栄圏」の構想を打ち出して、アジア解放を高らかに謳っていれば、日本人が善意で戦っていることを世界に対して明確にできた。

 

また、日本は国策としてユダヤ人を丁重に扱っていたが、それを世界に報せる努力が圧倒的に足りなかった。

 ユダヤ人を救ったといえば、外務省の杉原千畝の話が有名だが、そのほかにも陸軍の樋口季一郎などの活躍があった。ユダヤ人が数多く亡命してきていた満州のハルピンで、昭和12年(1937)に第1回ユダヤ人大会が開かれたとき、かの地の特務機関長を務めていた樋口が支援をしている。また翌昭和13年には、シベリア鉄道経由で迫害から逃れてきたユダヤ人を、樋口が先頭に立って救っている。オートポール事件と呼ばれる出来事である。

 だが、日本はドイツと同盟してしまっていたので、ドイツに気兼ねしたところがあった。げんに、オートポール事件が起きると、ドイツのリッベントロップ外相が抗議してきた。日本は「人道支援のため」とはねつけてはいるが、しかしドイツの顔も立てなくては、などと遠慮して、あまり大々的に宣伝したりはしなかった。

 それが日本の悪いところである。ドイツなど蹴飛ばして、もっと毅然とした態度で世界に対して、「日本はユダヤ人の人道も守ります」と訴えればよかった。

  

・戦争開始直前にハル・ノートを突きつけられたときにも、日本はハル・ノートを公表するべきだった。そうすれば、「これを受け入れれば、戦争にならないのなら、まずは受け入れてはどうか、明治天皇も日清戦争のあと、ロシア、ドイツ、フランスに三国干渉をされた際、臥薪嘗胆を貫かれたのだから、まあ、これで済めば御の字だ」と考える日本人も数多く出てきたに違いない。日本の庶民は、元来、賢い、そういう世論が高まれば、大東亜戦争は起こらなかったかもしれない。

 私はこの話を渡辺昇一さんに話したところ、渡辺さんは、「ハル・ノートを公表せずに隠したのは、支那事変で毎年3万人くらいの戦死者が出ていたからだ。陸軍は、その責任を問われたくなかった。要するに失敗隠しだ。その結果、英霊がさらに増えてしまった」と怒っておられた。

 

・昭和天皇は、毎年3万人も戦死しているような戦争をやめるように東條英樹首相に伝え、それを聞いた東條首相は、最初は「大御心は平和であるぞ」といって走り回っていた。中国相手の戦争ならば負けることはない。中国との戦争に踏み切ったことで、軍人たちはお金をもらえるようになり、勲章ももらい、出世もした。

 

・お金や出世のために戦争をするようでは本末転倒だが、陸軍が暴走したといわれる背景には、そういう下世話な考えもあった。結局、東條は昭和天皇のいうことも聞かず、陸軍の「情」に流され、大東亜戦争に突入したたぶんドイツ必勝説に目が眩んだのだろう。戦争をもっと長期戦で考えるべきだった。チャーチルを失敗者にする方法も考えるべきだった。早くいえば、日本陸軍には田舎者しかいなかった。

 

<苦境にも日本人の使命と希望を語りつづけられた昭和天皇>

・そこで昭和天皇はこのような趣旨のことをおっしゃったと伝わっている。

陸海軍のしてきたことは予定と結果が大変に違う場合が多い。このような状態で本土決戦に突入したらどうなるか、自分は非常に心配である。自分の任務は祖先から受け継いだこの日本を、子供に伝えることである。自分は明治天皇の三国干渉のときのお心持ちを考え、自分のことはどうなっても構わない。耐え難きこと、忍び難きことであるが、この戦争をやめる決心をした

 かくして日本は終戦へと至るのだが、このときの昭和天皇の「自分はどうなっても構わない」というお言葉は、何の嘘偽りもなかった。

 

<情の力>

ギリシア人は「人が考えることは、エロスとパトスとロゴスの合計だ」と考えたが、日本人は「すべてはエロスが基底にある」と考える。ギリシア人も人間の根源は「エロス」にあると考えていたが、日本人の考え方や感じ方は、さらに透徹している。「情」の国、日本らしい発想である。

 

・日本人は、「上司からも仲間からも、情をもって話してほしい。命令してほしい。そうしてもらえばやる気が倍になるのに」と思っているが、欧米人は「情は、理や意と関係ない」と思っている。

だが、「情の力」がとてつもないものであることは、本書で述べてきたとおりである。岡潔も、俳句の本だけを持ってヨーロッパへ行き、俳句がわかったとき、数学の三大難問が自然に解けたといっている。「情」があれば、頭もよくなるのである。

 とすれば、科学の進歩も先端開発は日本人がすることになると思っていたら、山中伸弥氏のノーベル賞受賞があって、それに続く日本人が何人も出てきた。そこに「情の力」があると考え、いまは「情の力」を伸ばす子供の育て方について考えているが、非力のため、まずはここまででご勘弁ください。

 

 

 

『新しい日本人が日本と世界を変える』

日下公人  PHP     2017/1/12

 

 

 

世界が待ち望む「新しい日本人」の出動

さて、こんな時代は終わりを告げている。「新しい日本人」による「新しい日本」が始まっている。「新しい日本人」とは、こんな人たちである。

  1. 歴史伝統の連続性を尊ぶ
  2. 学校秀才ではない
  3. 優位戦思考を持っている
  4. 先入観、固定観念に囚われない
  5. 物事をストーリーとして表現できる
  6. 一生懸命に働く

<日本人が英語を主体に考えると「知」が劣化する>

・私の経験から言えば、日本人が英語を主体にモノを考えはじめると「知」が劣化する。これは日本語にあって英語にはない単語やニュアンスがたくさんあるかかもしれない。

 アメリカ人を相手に講演するとき、通訳つきでも話がなかなか伝わらなくてくたびれるのは、根本的に文明や文化、思想が違うからである。そのなかでアメリカ人にわかることだけを伝えようとして、彼らの言葉で考えると、ものすごく程度が下がってしまう。

 

・「新しい日本人」は「夷を以て夷を制す」ということと、「夷によって夷に寄り添う」ことの違いを理解しなければならない。そして、その苦悩を引き受ける必要がある。

 しかし、苦悩はやがて日本の常識や価値観が世界に伝わるにつれ、軽減されてくる。逆に世界が日本化してくる時代の到来まで辛抱することが大事である。時間がかかったが、その時代の足音をはっきり聞こえてくる。

 

「地球人類の理想」より「気概を持ったローカリズム」を

・日本国憲法は、戦前と戦後の歴史的紐帯を断ち切られている。米国に次ぐ「民主主義の実験国」を建設することを日本国民に強いたものといえる。

 いささか極端に聞こえるかもしれないが、その本質を「言葉」から見れば、日本語ではなく英語でモノを考える日本人をつくることである。70年余を経て、それは「世界標準」とか「グローバル・スタンダード」といった言葉で日本人に浸透し、アメリカ主導の価値観を普遍性と見なし、それに日本という国が従属していくことを求められる過程を示している。

 

そして1国の憲法とは、普遍的な地球人類の理想を追求するものである必要はなく、そこに暮らす人間のローカリズムに根ざした価値観、歴史的な慣習や常識に照らしてつくればよい。そこに立ち返ったとき、日本は自らを守る力を持つと同時に、もっと自由で豊かな国になれると私は思っている。

 

<なぜスイスは第2次世界大戦中も中立を守れたか>

・戦う覚悟と準備を持つことは必要である。それを発動するかどうかは相手と国際情勢による。覚悟と準備という視点から見れば、永世中立を宣言しているスイスは、平和愛好国のイメージから日本人には意外かもしれないが、「国民皆兵」を国是とし、徴兵制を採用している。

 

こうしてスイス政府は最大で85万の国民を動員し、スイス空軍は自ら約2百機を失いながら、連合国側・枢軸国側を問わず領空侵犯機を迎撃し、強制着陸させたり撃墜したりした。

 

軍隊を持つことは、戦争に対する最も有効な抑止力であり、戦争を仕掛ける準備だから保持しないと考えるのは幼稚でしかない。平和維持にはそれだけの覚悟と労力がいることを、彼らは理解していた。

 

スイス国民の平和を守るための覚悟、努力、負担、気迫

・平成27年の安全保障法制論議の際に叫ばれた「戦争法案反対!」という空疎なスローガンに共鳴するスイス国民はいないだろう。

 

金融工学を駆使したモラルなき秀才たちがもたらした後遺症

・米国型資本主義モデルとは、世界最大の債務国米国が日本をはじめとする外部からの資本をニューヨーク・ウォール街に引き寄せることで成り立つ。そのための枠組みはグローバルな金融自由化ばかりではない。株主利益を最優先する企業統治という仕掛けとグローバリゼーションは一体化している。

 

わかりやすくいえば、「会社は従業員とその家族のものではなく、雇われ社長のものでもなく、株主と投資家のものである」となる。さらに最も効率よく利益を上げられるのは「モノづくり」ではなく、金融商品の開発と売買であり、その自由化を推し進めることが正しいと見なされている。

 

結果としてハイリターンを謳ったサブプライム住宅ローンの証券は紙くず同然となり、それを組み込んだ金融商品の価格も下落して、市場では投げ売り状態に陥った。金融主導で「強欲」を商品化した報いといえばそれまでだが、2008年9月にサブプライムローンに乗っかった大手投資銀行グループの「リーマン・ブラザーズ」が倒産し、それが引き金となって世界的な金融危機が起きた。

 金融工学を駆使したモラルなき秀才たちが経済を動かした結果である。この後遺症は、いまも続いている。

 

白人中間層は「モノづくり」の復権を求めている

・金融主導のグローバリズム経済の直撃を受けたのが、アメリカでは白人中間層の労働者たちだった。そもそも経済のグローバル化を称揚する国際金融資本や多国籍企業にとって、国境はまったく関係はない。

 彼らは事業を展開する国々の歴史伝統や慣習に関心はなく、尊重する気もない。むしろビジネスの障壁と考えている。

 安い労働力を確保できるなら国籍は問わない。極端にいえば、不法移民でもかまわない。それなら、なおこの低賃金で社会保障も考えなくて済む。

 トランプ氏は選挙戦で、アメリカ社会の中核である白人中間層の職を奪う自由貿易協定の破棄や移民排斥を訴えて支持を集めたが、それはこうしたグローバリズムを推し進める存在への反発を掬い上げる政治家がこれまでいなかったからである。

 グローバル企業はメディアに大きな影響力を持っている。トランプ氏の過激な発言は、そうした構造に風穴を開け、マスメディアに現れない「民意」を刺激しようとするものだった。大衆の感情に訴え、挑発し、扇動したのは一種の計算だったと私は見ている。

 

・たとえばハーバード大学を卒業するには、学部にもよるが、約3千万円が必要だとされる。ところが、その奨学金ローンの金利が上がっている。2015年の卒業生1人当たりの学費ローンの平均は約3万5千ドルだという。

 

<グローバル経済は、あらゆるものを金儲けのビジネスにする>

・現在、アメリカの若年層失業率は14%である。日本が5%未満であることと比べると、就労そのものが厳しいといえる。働いて奨学金を返済しようにもできない現実が、若者の前にある。それが奨学金ローンの金利は下がらない。

 これらは何を意味するか。金融資本に主導されたグローバル経済は、あらゆるものを金儲けのビジネスにするということである。これらを正当化するためには彼らは「自由競争」「市場原理」「自己責任」を主張する。

 ちなみに日本も、この言葉が溢れかえった時代がある。いまもこれを声高に口にする政治家や経済学者がいる。安倍首相もその仲間に数える向きもある。

 

・環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に反対の立場でトランプ氏は次期米大統領になった。日本では「自由貿易の経済ルール」を主導するためとして国会で条約案を批准したが、これは当初構想されたようなかたちでは成立しないだろう。

 TPPを含めた日本の経済問題については後述するが、安倍首相はいま一度日本の何を守るのかという根本に立ち返って経済政策を考えてほしい。

 

<世界は新しい秩序を求めはじめている>

・英国のEUからの離脱は国際金融資本が主導する経済体制への「国民」の反発の現れである。米国の有権者も英国民と同じくグローバリズムに反発を強めた結果、「敵はウォール街だ」という、劇薬の塊のようなトランプ氏を大統領に選んだ。

 一般化していえば、英国のEU離脱や米大統領にトランプ氏が選ばれたことは、反グローバリズム、反普遍主義、反エスタブリッシュメント(支配層)という、それぞれの国民意識の底流が反映されたものである。

 世界は新しい秩序を求めはじめている。それは欧米が主導した秩序の行き詰まりを意味している。これからの時代はグローバリズムからローカリズムの時代に移っていく。言葉を換えれば、グローバリズムに対するエスニックの時代、エスニシティの時代ともいえる。

 

「構造改革」に日本の「国益」はあったか

・この30年近くを振り返れば、日本はアメリカの望む規制緩和を行い、市場を開放し、金融を自由化して、グローバリズムを受け入れてきた。しかし問題なのは、それを主導したのが主に「崇洋媚外」の人々だったことである。

 政治家や官僚、学者や経済人は国際化の重要性を語ったが、はたしてそこに日本の「国益」はあったか、「国民」の利益はあったかということを改めて問わねばならない。

 

誤魔化さず正視すれば、近年の日本におけるグローバリズムとは、結局、アメリカにいかに寄り添うかということだった。「新しい日本人」はこの認識からスタートし、そこから脱却しなければならない。

 

日本国家の歩みは“終わりのない芝居”

「北朝鮮はやがて内部から自壊する」という見方は甘い

・独裁者は常に周囲に敵をつくっておかなければもたない。それによって内部を統制し、自らの立場を守るのが常である。

 

・亡命幹部は平壌での民心動向の把握が担当で、金氏に対する平壌市民らの感情が悪化していると韓国当局に証言したという。だが、これはどこまで本当かわからない。金一族への民心の離反はこれまで度々伝えられたが、「北朝鮮のように人民に貧困を強いる体制が長続きするはずはない」「やがて内部から自壊する」という見方は甘い。

 それは日本やアメリカのような豊かな国の発想で、彼らは豊かさを現実に経験したことがないから、彼我を比べて貧しいという実感に乏しい。北朝鮮の人民が餓死する前に反乱を起こすというのは、民主主義国に住む人間の希望的観測である。

 

中国には経済の基本である「信用」がない

・経済の実態としては“張り子の虎”のようなもので、製造しているものは日本をはじめとする先進国のコピーにすぎない。共産党官僚などの特権階級が地方からの農民工(出稼ぎ労働者)を低賃金で酷使し、低価格を売りに世界に輸出攻勢をかけた結果の数字である。国内の不動産バブルは、本来存在しない需要を無理に生み出したものでしかない。

 中国当局の統計数字は当てにならないが、国際決済銀行(BIS)の統計によれば、2015年末までの3年間で中国の企業、政府、家計の債務合計は約920兆円増加したという。経済の実態が健全で透明性があれば借金が増えても信用不安は起きないが、中国はその条件を満たしていない。共産党の強権が綱渡りを可能にしているだけと見てよい。

 

・中国の国有企業でさえ、それらの地域に逃げはじめた。IMFの推計によれば中国の不良債権は2016年3月末の時点でGDPの2割を超え、さらに増加している。それでいて人民元をSDRに加えたのだから、国際機関がいかに国際社会のことを真剣に考えていないかがわかる。

 

<あちこちに出てきている中国経済の綻び>

・現実に中国経済の綻びは、あちこちに出てきている。中国が日本に対抗して進める高速道路計画を中心としたインフラ輸出が、世界各地で頓挫や延期などの事態に陥っている。

 

<「日本も原子力潜水艦を建造する用意がある」と言えばよい> 

・さらに中国海軍のフリゲート艦や駆逐艦、潜水艦、海洋局の公船などの稼働率は全体で4割に満たないという情報もある。戦闘機も同様で、中国空軍の「殲」シリーズの母体はロシアのスホイ戦闘機だが、ライセンス国産以外のエンジンはロシアでオーバーホールしているため稼働率が著しく低く、保有数どおりの戦力になっていない。ショーウインドウに一見豪華な玩具を並べているようなものである。

 日本としては、彼らの行動を横目で見ながら「日本も原子力潜水艦を建造する用意がある」とでも言っておくことが優位戦思考による抑止力の発揮となる。

 

「歴史戦」の反撃強化で「新しい日本」が登場する

・反論の先頭に立つべき外務省が及び腰で、これまで民間有志が国に代わって抗議の声を挙げてきたが、公的機関である自治体が加われば、「歴史戦」の反撃強化となる。「新しい日本」の登場である。

 


9月27日(木)のつぶやき その2

2018-09-28 05:58:42 | 森羅万象

9月27日(木)のつぶやき その1

2018-09-28 05:58:41 | 森羅万象

彼ら全員に大都市の戸籍を与えていけば、大都市はすぐにパンクしてしまう。だがそうかといって、「現代版アパルトヘイト」と揶揄される中国の戸籍制度は、隣国の北朝鮮を除けば、世界に類を見ないものだ。(4)

2018-09-27 14:54:12 | 森羅万象

 

・イギリスのEU離脱の国民投票で、ヨーロッパの経済は大激変を受けるともいわれました。「ポンド安」「円高」の影響が、英国経済に大打撃を与える懸念もいわれましたが、現在ではポジティブに受けとめるエコノミストが増えているそうです。米国の様に「最高情報機関」が予測を公表することは、先進的なことでしょう。ヨーロッパ情勢、アジア情勢、イスラム国のテロ情勢と戦争等、世界では急激なトレンド・シフトが起きているようです。米国の学者も「2016年に中国は昏睡状態に陥る」と予測していたようです。また米中間のサイバー戦争が懸念されています。サイバー戦争はどのようになっているのでしょうか。サイバー犯罪も不安です。近未来には、サイバー犯罪が激増するといわれます。「サイバー戦争をみても第3次世界大戦はもう始まっている」という説もあります。いわゆる情報のプロの間では、そのような認識だといわれます。米中間の外交の駆け引きは私たち一般人には、分からないことがほとんどのようです。社会問題に起因する国民の不満の爆発を対外戦争で抑え込もうとする遅れた国の古典的な手法が懸念されているそうです。中国の経済減速がどのようになるのか世界から注目されています。

 

<●●インターネット情報から●●>

<大阪府警、4300事件を放置・時効に 61署、書類・証拠品1万点超ずさん管理>(産経ニュース、2016.2.11)

 

・大阪府警の全65警察署のうち61署で取り扱った計約4300事件で捜査書類や証拠品などを放置し、公訴時効が成立していたことが1日、府警への取材で分かった。放置された証拠品や書類は少なくとも1万点以上にのぼるとみられ、容疑者がほぼ特定できていたケースもあった。府警では過去に証拠品の扱いをめぐる不祥事件が明らかになっており、ずさんな管理が常態化していたことが改めて浮き彫りになった。

 

<大阪府内の警察署で証拠品8300点余を放置>(NHK WEB、2016.7.1)

 

・「大阪府内の警察署で保管されていた事件の証拠品や捜査書類のうち、8300点余りが検察に送られずに放置されていたことが、大阪府警の調査で分かりました。大阪府警は、いずれもすでに時効になった事件のもので、捜査に影響はなかったとしていますが、それぞれの警察署に適正な管理を徹底するよう通達を出しました」と報道されていました。

 

・様々な「大組織の劣化事件」が明らかになっています。大企業の劣化や政治の劣化は直接庶民生活に響くようです。「警察も劣化してきている」といわれます。これでは「治安の劣化」が心配です。また振り込め詐欺にしても被害者が高齢者で被害額も多額ですが、犯人グループを一網打尽にできない警察捜査の劣化が窺えるそうです。「この程度の犯罪グループも捕まえられないのかなア?」と私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。コンピュータの人工知能や監視カメラの時代に不思議です。

 

・アメリカ政府はCIAのような諜報機関や調査会社などに近未来のシナリオを描かせて、今後の外交政策や作戦計画の参考にしているようです。日本にはまだ公式な「近未来の世界情勢のシナリオ」を描く機関や社会習慣はないようです。諜報機関の情報PRがないのは、根本的には日本に戦後から諜報機関がないからだそうです。

 

・CIAのような諜報機関がないために戦後から大きく国益を損ねてきたそうです。占領軍が情報組織の設立を禁止したために、そのままになったようです。公安調査庁の元部長によれば「日本は諜報機関のない珍しい国だ」そうです。自慢にもなりませんし国家組織の中で最も重要な組織を欠く欠陥国家だそうです。欧米先進国のように情報機関が政府を主導する形が必要でしょうか。

 

例えば、北朝鮮の拉致事件もしっかりとした情報組織があれば、起こらなかったといわれます。そのことを元警察官僚の政治家が語っているので私たち一般人は、不思議に思います諜報機関を欠く「甘い国際感覚」では、数十年たちましたが拉致事件程度の問題も完全解決ができていません数十年を経て拉致被害者やその家族たちも亡くなっている人々が多いことでしょうか。当時は餓死者が多数出たので、日本にでも戦争を仕掛けたのでしょうか。自衛権の発動で自衛制裁を狙った事案ではなかったのでしょうか。憲法改正と条文解釈に凝って亡国にいたるといわれます。自衛権のおかげで核兵器も持てるし、自衛のための武力制裁もできると語られています。「専守防衛」といってノーシェルターの国ですが、「専守防衛」で核兵器も持てると解釈できると語られています。とにかく真面目な政治家の間でも諜報機関の設立問題もタブーになっているのでしょうか。情報機関については私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。この方面に脳天気(ノー天気)ですと、日本も歴史から消えていくことになると指摘されています。

 

カシオペア座方面の宇宙人の未来予測が、日本人のコンタクティから報告されているようです。金髪碧眼のかなり進化した異星人ですから、彼らはタイム・トラベラーなのかもしれません。エスパー(超能力者)を捜査活動や未来予測等に利用する米国の例もあるようです。サイバー戦争では、既に「米中戦争」が始まっているそうです。私たち一般人には、サイバー攻撃については専門家ではないので理解不能なことが多いようです。

 

・国内が乱れるとむやみに対外戦争に打って出た中国共産党の思考行動様式が世界中の有識者から懸念されているそうです。硬直した政治経済軍事システムでは、莫大な人口を持つ国内を安定統治できないそうです。「誰も13億人を喰わせることはできない」といわれます。「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」といわれます。中国人は国を捨てた人でないと信用ができない」という中国社会特有の国内事情があるそうです。

 

・人間の未来予測は誤ることが多いそうです。しかし、米国には戦後から多くの異星人が飛来してきており、彼らはタイム・トラベラーであることも多いので地球の未来情報がわかるようなのです。4次元以上のパラレル・ユニバース(並行宇宙)とは、「時間」の概念がないということだそうです。過去、未来、現在が混然と一体となっているそうです。異星人の地球に関する未来情報は膨大なものでしょうが、国家安全保障上の最高機密(トップ・シークレット)の数段階上の厳秘(アバブ・トップシークレット)扱いの異星人情報のために公表されることはないそうです。20世紀には宇宙人が多く飛来しましたが「米ソ核戦争の第三次世界大戦の危機を警告するために」地球人とコンタクトしてきたそうです。またマスコミをにぎわした「20世紀の第三次世界大戦の危機説」も、21世紀になったので、すべて誤りの予言となりました。

 

・諜報機関や米軍のごく一部がその異星人情報を扱えるそうです。また、戦後米軍は、小柄なバイオ・ロボットのグレイかゼータ・レチクル星人とか、ラージノーズグレイとか、金髪碧眼のノルディックとか、オレンジと呼ばれる異星人とコンタクトができたそうです。つまり宇宙連合とコンタクトができたようなのです。異星連合とコンタクトができれば、神々のような宇宙人ともコンタクトしていることでしょうか。金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けた、といわれます。金髪碧眼のマスター・レイス(支配人種)が火星より地球へとやって来て、古代伝説の神々(gods)となったと語られています。アヌンナキとかサナンダといわれる金星のマスター(長老)が活動の中心ともいわれます。「神は最初のフリーメーソンだ」そうです。神々は最高神「イ・アム」を頂点として7つの位階に分類されると語られています。フリーメーソンの主神はグノーシスのデミウルゴス(悪の創造主)であるという説もあるといわれます。また「フリーメイソンは神の嫌悪である」ともいわれます。

 

・また、「神々や天使は、背後霊や守護霊となり人間に憑依している」とか「神々も市井の人となり普通の生活をしている」ので誰も分からないそうです。はるかに進化した宇宙人が人間の精神体に侵入してくる時代だ」そうです。時空を超えた宇宙人の「この世」への介入・影響力は普通人には分からないそうです。タイム・トラベラーが「この世」を支配しているそうです。

 

戦後、国際連合の設立に協力したといわれるアプ星人とのコンタクト・ストーリーが南米にあります。アプ星人はキリストの出身星の異星人だそうです。キリストも様々に転生しているようなのです。キリストの転生体である「サナンダ」という異次元の金星のマスター(長老)とのコンタクト・グループが日本にもあったそうですが、どうだったのでしょうか。「キリスト(アプ星人)の一族が地球を管理している」という奇説もあるそうです。欧米イルミナティは、日本のイルミナティは竜座人階層の下等な種の末裔であると主張しているといわれます。「竜座人(ドラコ)が遥かに進化しており、このレプティリアン型生物の交雑種がイルミナティである。交配人種であるイルミナティが地球を支配している」そうです。リゲル人と爬虫類人の交配人種が築いた国が現在の日本と中国であるといわれます。サナンダはヤマトタケルでもあったという説もあるといわれます。神々はさまざまな歴史的な人物に変身すると指摘されています。

 

・「夢の中でアストラル・トリップしてクリスタル・シティでキリストと会った」という欧米のチャネラーが多いそうです。ちなみに、『銀河間トラベラー「アプ星人」との170時間』(5次元文庫)という本があります。キリストの出身星はアプ星だったそうですが、アプ星人は国際連合の設立に尽力したという話もあり、今も影響力があるようです。アプ星人は現代では南米にも飛来しているようです。遥かに進化したアプ星人が現代でも「地球の管理」を担当しているという話は、私たち一般人には、訳の分からない奇説だそうです。

 

神の様な存在とコンタクトして、予知夢を見るというブラジルのジュセリーノ・ノーブレガ・ダルースという人物がいましたが、彼の予知夢の当たる確率も高いとはいえないそうです。昔のマスコミに登場したようですが、今はどうなのでしょうか。メディアも相手にしなくなったのでしょうか。詳しくは知りませんが。彼の予知夢が正確に当たらないのは、ジュセリーノの能力による解釈の不正確さに起因するともいわれています。また未来におこることも変化するし、パラレル・ユニバース(並行宇宙)なので、一つの事象に多くのパターンが存在するともいわれています。

 

人間のする未来予測は当たらない場合のほうが多いとも言われています。明日のことも正確に予測できないのですから当然でしょうか。日本には「未来予知学」というものはないそうですが、未来のシナリオを描く研究機関や調査会社が少しはあってもいいのではないでしょうか。このような世界経済が激変している時代には、未来のシナリオを描いてこそ、将来の需要予測から企業の長期・中期計画が立てられるというものです。

 

・日本も戦後禁じられた諜報機関でも作らないと数十年(40年以上)の懸案の北朝鮮の拉致事件ですら解決できないでしょうか。この程度の問題を40年以上もかかっても解決できないのは政治家の非力が窺えるといわれます。イスラエルのモサドのような実力のある諜報機関の設立を急ぐ必要があると指摘されています。公安調査庁の元部長によれば、日本はCIAのような諜報機関のない欠陥国家だそうです。ちなみに、イスラエル諜報特務庁のモットーは「助言なしには人は倒れる、安全と救済は多くの助言者の中にある」とのこと。「イスラエルがシリウスと通商協定を結んだ」といわれます。これが「イスラエルと日本がシリウスと通商協定を結んだ」ということにならないのでしょうか。「あなたは空飛ぶ円盤を信じますか」の段階だといわれます。

 

・マクモニーグルの未来透視に「23世紀と24世紀における2度の大戦で人類の人口が6分の1に大激減する」というのがあります。また「貧者の核兵器」といわれる生物化学兵器の生産に熱心な近隣諸国もあるようです。生物化学兵器がそのとき大量に使われるというのです。「戦争狂人と呼ばれる人民解放軍の将軍たちが執拗に米中戦争のシナリオを研究している」といわれます。「イルミナティ・エージェントが第三次世界大戦を引き起こす」という不気味な予言もあるようです。「竜座人(ドラコ)が遥かに進化しており、このレプティリアン型生物の交雑種がイルミナティである。交配人種であるイルミナティが地球を管理している」といわれますが、イルミナティの空飛ぶ円盤はタイム・トラベルができ、「米軍の将軍が同乗していた」ともいわれます。核兵器が拡散しますと「核戦争はすぐそこにある危機」といえるのかもしれません。良識の国会の「ノーシェルター政策」は、一般国民が不安を覚え、また恥をかくといわれます。「ノーシェルター政策は、敵の一番の弱点を攻撃する核攻撃を招き寄せる」といわれます。ノーシェルター政策で国民の生命財産を守れるのでしょうか?総務省と地方自治体の管轄の「郷土防衛隊」の創設が必要だといわれます。スイスのように100%の核シェルターと国民皆兵的な郷土防衛隊で備える必要があると指摘されています。そして「将来はスイス型の『民間防衛』を参考・目標にすべきだ」といわれます。スイスは第3次世界大戦があってもサバイバルできるトップの国だそうです。

 

・この本(『世界を見る目が変わる50の事実』)をみると世界の深刻な問題がわかります。13年前に出版された本ですが、50の事態は改善されているのでしょうか。トレンドは変化しているのでしょうか。近年のイスラム国の女奴隷の話も陰惨ですが、「世界の警察官」は、大規模な地上部隊は送らないで、もっぱら空爆を実施していたようです。女性の最古の職業も盛んですし、人身売買や奴隷の問題も現在でもネガティブな状況のようです。世界の「女性、子ども」の悲惨な状況は、その国に英明なリーダーが出てきていないからでしょうか。「国連や国際人権団体も活動している」といわれるのですが。「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。

 

「アメリカ人の3人に1人は、エイリアンがすでに地球に来たと信じている」といわれ、アメリカ人の大衆は「彼ら」を知っているようです。

国家安全保障上の最高機密(トップ・シークレット)の数段階上の厳秘(アバブ・トップシークレット)扱いの宇宙人情報は、関係者にのみ知ることができるといわれます。今では映画のようにアメリカ大統領でさえ、情報が制限されているのかもしれません。「いざ大統領に就任すると、この話題には関与せずという概要が出されるのだ。こうした態度は“大統領の黙秘症候群”と呼ばれている」とも伝えられています。宇宙人情報を公開すると主権が危うくなるともいわれます。

地球があまりに遅れているので宇宙人連合に参画できないと述べられています。「日本はUFO後進国だ」といわれます。しかし、限られた人だけが、知っている「知る人ぞ知る」宇宙人話のようです。異星人はとうに地球を訪れていて、地球人社会にまぎれ混み、密かに地球と我々の文明を監視調査し社会生活をしているといわれます。「はるかに進化した宇宙人が人間の精神体に侵入してくる時代だ」そうです。あの世の5次元世界とこの世の3次元世界を自由自在に幽体離脱(アストラル・トリップ)して神人は往来しているのかもしれません。

 

ゲイ(LGBT等)の科学的、医学的な研究については私たち一般人は、よく知りません。昔は「気持ちの悪い」現象だったようです。しかし、ゲイは世界的に増えており、ひとつの社会的現象となっているようです。ゲイの社会的な取り扱いもなぜか日本的なようです。アラブ諸国は反西欧という背景があるそうで、宗教規律には厳しいようです。ゲイは死刑になるという国は、減ってきているのでしょうか。

 

・「ゲイは宇宙人の人格転換の結果である」という説もあるそうです。人格転換といっても男が別の男の人格に転換される場合や、女性が別の人格の女性に人格転換される場合もあるでしょう。また精神病の一種で多重人格症もあるようで、複雑です。ゲイの多い地域に宇宙人が多いという与太話もあるそうです。ニューヨークやカリフォルニア、オーストラリアではよく話題になるようですが、世界的に広まっているようです。カリフォルニアではホモの宇宙人の話が喧伝されたそうです。

 

・ネガティブなシリウス星人クラスの宇宙人が人間のゲイなどを創造するのかもしれません。パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人もネガティブな者とポジティブな者がいるといわれます。ネガティブ派がオリオンの邪体霊ともいわれ、対立から最大のスター・ウォーズ(オリオン大戦)となったともいわれております。宇宙の諸悪の根源なのかもしれません。かつて神だったものが魔神になって世界を襲うというまるでスター・ウォーズのストーリーのようなファンタジー物語。

 

欧米では著名人がLGBT(性的少数者)でよく話題になっているようですが、彼らのパフォーマンスには影響がないようです。米国ではゲイが社会問題となり、結婚の問題や軍に入隊ができるかどうかメディアの話題になっていたようです。また、ゲイの文化も商業主義にのっているようで、ビジネスとしてはなりたっているのでしょうか。

 

・私たち一般人は、このゲイの問題には疎いですが、日本でもゲイは増えており、大きな社会問題とはいかなくても街中では話題になっているようです。普通の人々にとっては、LGBT(性的少数者)の生態は想像を絶するようです。法律的にもいわゆる「進んだ改革」が普及しているとも伝えられています。

 

・歴史的に見ても中国は人口問題が深刻で、飢饉などで膨大な人口が死んでいるようです。人民解放軍の戦争狂人といわれる将軍の階層では「13億人を食わせられないので米中核戦争で人口を半減させる」という戦争シナリオがあるといわれます。核戦争で人口を半減させて7億人になったとしても、今の社会主義システムでは7億人も食わせることができなくなるのではないのでしょうか。マクモニーグルの未来透視に「23世紀と24世紀における2度の大戦で人類の人口が6分の1に大激減する」というのがあります。ということは、24世紀まで中国の共産党一党独裁が続いているということでしょうか。中国が民主化すれば米国との(核)戦争はありえないといわれます。

 

・とにかく人口問題の深刻さは、日本の有識者の想像を絶するもののようです。人口問題は中国最大のタブーなのではないのでしょうか。中国には、政治的にも多くのタブーがあると指摘されています。13億人のマーケットと考えている日本のビジネスマンの甘い考えが、ここ数年で変わってきたようです。中国人の人生を規定する人口問題の深刻さは、普通の日本人には理解ができないといわれます。

 

・イルミナティの「世界人口削減計画」というものがあるそうですが、内容は荒唐無稽・支離滅裂で爬虫類人(レプタリアン)のような異類のアジェンダとしか思えないもののようです。『これが中国の国家犯罪だ』(ジャムヤン・ノルブ・文藝春秋、2006/1/11)という本があります。それは中国の一端を示しています。

 

・インターネット情報によると、「多数の死刑囚からの移植用臓器摘出、強制堕胎、チベット仏教をはじめとする宗教弾圧、ならずもの国家への核兵器供給・・・。チベットを代表する作家が、中国の限りない非人道的行為を糾弾、「中国製品不買運動」を呼びかける」という内容だそうです。強制堕胎の実態もひどいものだったようです。荒唐無稽、奇妙奇天烈、支離滅裂で眉唾物で疑念がわくような話だといわれます。

 

・ちなみにイルミナティの「世界人口削減計画」といえば、14世紀の中世ヨーロッパのペストの大流行があります。ペストの大流行によって全世界でおよそ5000万人、当時のヨーロッパの人口の3分の1から3分の2、約3000万人が死亡したと推定されています荒唐無稽な奇説として「当時UFOが霧状のペスト菌をバラまいていた」「ペストは宇宙人の細菌兵器だった」というのがあるそうです。中世ヨーロッパ上空では多数のUFOが目撃されていたようです。しかし、イタリアのクラリオン星人のコンタクティ、マオリッツオ・カヴァーロによると、爬虫類人(レプタリアン)といっても神に近い人間タイプは、知性的な顔をしているそうです。

 

 

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・ブログ名称: UFOアガルタのシャンバラ

日本は津波による大きな被害をうけるだろう

・第2のブログ名称:UFOパラレル・ワールド

「神の国か?」「人類の原郷か?」 「天上のエルサレムか?」・・・・・・・・・

「パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の殖民星が、地球か?」、「ネガティブのシリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こるのだろうか?」

「金髪碧眼のノルディックが住んでいたアガルタのシャンバラ情報の集大成を目指す・・・・・・・・・・」「金星蛇人と火星霊人の戦争はその後どのように展開したのだろうか」
「日本民族の神話の原郷『高天原(たかまがはら)』は、『都市型の超巨大宇宙船』なのか!?」「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔なのか」
「小人族のグレイの母船に同乗する金髪碧眼のノルディックは、”悪魔の王””ルシファー”なのか?!」

「円盤は神人や異人、悪魔の乗り物なのか!?」「天使は神の秘密諜報員なのか」「神は最初のフリーメーソンなのか」

「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか」

「全宇宙を創ったという“虹の神々”も地球に来ているのだろうか」

「イルミナティなどのフリーメーソン組織に入ると神に会えるのだろうか」「金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けたのだろうか」「フリーメーソン結社はこの大地が創出されるよりずっと前から、さまざまな太陽系をめぐって、存在していたのだろうか」

「国際連合の設立に動いたキリストの星、アプ星人とは」

「人は皆、記憶喪失の異星人だろうか」

「はるかに進化した天使のような宇宙人は、人間の守護霊や背後霊なのだろうか」「セドナ上空に見えないエーテルのシティが滞空するのだろうか」

 

グーグルのブロガーにも書いています→UFOパラレル・ワールド

 

 

 

 

 


彼ら全員に大都市の戸籍を与えていけば、大都市はすぐにパンクしてしまう。だがそうかといって、「現代版アパルトヘイト」と揶揄される中国の戸籍制度は、隣国の北朝鮮を除けば、世界に類を見ないものだ。(3)

2018-09-27 14:53:11 | 森羅万象

 

 <2030年のシナリオ4   「非政府主導」型  グローバルな人材がネットワークを駆使して世界を牽引する時代に>

・このシナリオでは、政府以外の機関や人々が、世界のリード役となります。例えば、非政府団体(NGO)、大学などの教育機関、富裕な個人などです。

 テクノロジーの進歩で、個人や小さな団体でも大きな成果を挙げられる環境が整います。また、課題によっては自由自在に小さな団体同士が連携しあうといったことも簡単にできるようになります。大学などでは国境を越えた人材交流が盛んとなり、グローバル規模で“同窓生”が生まれるようになります。こうした人材が、非政府の団体や個人をつなぐカギとなります。

 

・世界規模でエリート層と中間所得者層が増加することで、グローバルな世論が形成されやすくなります。環境問題、貧困、腐敗撲滅といった課題に、世界中の人々が一丸となって取り組みます。

 

・非政府主導型の社会では、課題ごとにうまくいく場合といかない場合の差が大きくなりそうです。うまくいく場合には、政府が対応するよりも迅速に問題解決に取り組めますが、その一方では大国の反対にあって何も実現できないケースも出てくるかもしれません。

ほかの4つのシナリオと比べると、経済は「米中協調」型に次ぐ成長をみせます。また、「欧米没落」型や「格差支配」型よりも協調ムードが高く、国際社会は比較的安定したものになります。

 

・(中国)一党独裁体制の考え方から抜け出せずに、国際社会で孤立。

 

 

 

『2030年世界はこう変わる』

アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

米国国家情報会議       講談社  2013/4/19

 

 

 

<特に、高齢化は日本とドイツの2カ国で深刻>

<最も不安な国・日本>

・いままでみてきたように、西側先進国のほとんどの国が、“頻発する経済危機”に対して強い抵抗力を持っているとはいえません。

 その中でも特に不安なのが日本です。急速な高齢化と人口の減少で、日本が長期的に経済成長を実現させる潜在力は極めて限定的です。例えば、2025年までに年金暮らしの高齢者1人を労働人口2人で支える社会が到来します。こうした高齢者社会を政府が財政的に支えるのは簡単ではありません。

 

・国際通貨基金(IMF)は、たとえ、一時的な政治的混乱を招いたとしても、日本は「財政上のバランスを長期的に保つ大規模な政策転換を実地すべき」と進言しています。短期的には経済成長を犠牲にしないと、膨らむ一方の負債を解決することは出来ないとみています。

 

<失速する中国経済>

・世界銀行の試算によると、2025年までの世界の経済成長の約3分の1を中国一国だけで担うことになります。もちろん、その貢献度はほかのどの国よりも大きなものです。

 

・順調にみえる中国経済ですが、中国もまた、危機を頻発する世界経済の打撃からは無縁ではいられません。中国経済が抱える弱点をみていきましょう。第一に、中国は経済先進国と同様、高齢化の問題に直面しています。現在、65歳以上の人口比率は8パーセントですが、2030年には16パーセントを超えます。

 

・経済が成長すると、国民は生活水準が上がることを期待します。豊かさを充分に感じられないと、国民の不満が爆発する危険が出てきます。景気が急失速し、政情不安が広がると、中国政府が内向き志向を強める可能性も高まります。経済がうまく回らない理由を国外に求めて国民を納得させようとするからです。

 

<インドの躍進>

・世界銀行は、2025年までにインドが中国と並ぶ世界経済の「成長の柱」になると予想しています。成長の柱が1本から2本に増えることで、世界経済はより安定したものになるかもしれません。

 15~20年後、インドは日本やドイツを追い抜く、中国、米国に次ぐ経済大国に成長しているはずです。2025年、中国とインドの経済力を合わせると、その世界経済への貢献度は米国とユーロ経済圏を合わせた規模の約2倍にあたる見通しです。

 

<再生エネルギーは不発>

・天然ガスの生産量が増えることで、2030年までに石炭から天然ガスへの切り換えが進みます。

 

・国際エネルギー機関(IEA)は、2007~2050年の間にエネルギー全体に占める再生可能エネルギーの割合は4パーセントしか増加しないと見積もっています。2050年でもその状態ですから、2030年の世界では再生可能エネルギーが大きな存在になっているとは考えにくいのです。

 

 2030年の世界  異常気象は増加傾向に

・最近、洪水や干ばつ、竜巻(トルネード)や熱波などの極端な気象異常が頻発しています。こうした異常気象は、2030年に向けて増加する見通しです。

 

・気象変動は“食料の安全保障”にも重大な影響を及ぼします。最新の科学調査で、気温の異常変動や干ばつが穀物の収穫量に大幅なマイナスの影響を与えることが立証されました。食糧不足が続くと、各国が主要穀物の輸出制限などに乗り出す危険があります。

 

・氷塊や氷河が溶け出せば、海面が上昇します。専門家の試算では、21世紀が終わるまでには今より1メートル上昇するとみられています。しかし、最近の傾向を加味すると、この試算を上回って海面が上昇する事態を想定せざるを得ません。

 

・現状の排出ペースが続けば、2050年までに大気中の温室効果ガスの量は2倍に増加してしまいます。これは気温が約2°C上昇することを意味します。

 

 <メガトレンド  権力の拡散  アメリカを始め欧米各国の力が衰え、世界は「覇権国家ゼロ」状態に

・2030年までには、国際社会の権力構造も大きく変わります。権力は「独占」状態から「分散」されていくようになります。具体的には、発言権を持つ国家の数が増える一方、国家ではない非公式な団体やネットワークの発言力も増すでしょう。

 

・2020年代のどこかで、中国は米国を抜き世界第1位の経済大国になります。相対的に、低成長を続ける欧州や日本、ロシアの経済力は弱まります。

 

・ゴールドマン・サックスは、今後高成長が期待できる国家11ヵ国を「ネクスト・イレブン」と呼んでいます。含まれるのは、バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、韓国、トルコ、ベトナムです。我々独自の試算によると、2030年までにこの11ヵ国の国力の合計は、EU27ヵ国の合計を抜くことになります。

 

中国の覇権は短命?

・それまでに中国はアジアのトップとしての地位を不動のものにしているでしょう。2030年には、中国のGDPは日本のGDPを140パーセント上回るとみられています。

 

・ただし、「世界一の経済大国」としての中国の地位は意外にも短命となる可能性があります。

 

2030年のインドは、「世界景気の牽引役」と呼ばれる現在の中国のような存在になっているでしょう。2030年の中国にとって、年率8~10パーセントの経済成長を続ける現在の中国は「遠い過去の栄光」になっているはずです。

 

・世界のあらゆる地域内で覇権国の交代が起きます。

 

・2030年までにはブラジルが「南米の巨人」としての地位を確立するでしょう。EU27ヵ国の間では、ドイツが安定的にリーダー役を務めるでしょうが、ドイツは高齢化社会とどう向き合うかという難問を抱えています。

 

抜かれる先進国

・旧モデルでは、2030年ごろに米国と中国の国力が並ぶとみられていましたが、新モデルでは中国はまだ米国に追いつけていません。米国が中国にトップの座を譲るのは、2040年以降になります。

 また、どちらのモデルでも日本の国力がじりじりと低下していく点は見逃せません。米国や欧州など、すべての先進国のグラフが右肩下がりです。

 

前例なき「覇権国ゼロ」時代へ

・2030年までに、一国で国際社会をリードするような「ヘゲモニー=覇権国」は消滅します。米国も中国もその役割を果たせません。その一方で、国家ではない団体やネットワークが国際社会での発言力を増すようになります。

 

・すでに、米検索サイトの「グーグル」や、「フェイスブック」といった巨大ネット企業が、政府よりも巨大でリアルタイムの情報を保有していることはご存知の通りです。人々はネットの情報から知識を得て、行動を起こすようになっています。そのため、こうしたネットの系の民間企業が、政府に負けない民意を動かす力を持つようになっています。

 

メガトレンド 個人の力の拡大  貧困層が激減し、アジアを中心に10億~20億人もの新たな中間所得者が誕生する

・今後15~20年間に世界が直面する多くの課題を解決するうえで、個人の力の拡大という要素はとても重要な役割を果たすでしょう。

 

・個人の力は強まりますが、職を得るための競争は激しくなります。そのため、個人の力は高まっているにもかかわらず、多くの人が将来や政府への不安を抱えたままの状態になる懸念もあります。

 

<貧困層は5割(5億人)減る?>

・現在、世界で約10億人が「極度の貧困」状態にあり、栄養失調であるとされています。極度の貧困とは、1日の収入が1.25ドル以下の状態と定義されています。

 

・極度の貧困層の現象は、東アジア、特に中国で顕著です。現在のジアの経済成長から推測すると、今後もこの減少傾向が続くことは間違いないでしょう。

 

<台頭する新・中間所得層>

・ひかえめに見積もっても、世界の中間所得者数は現在の約10億人から20億人超に増えるといわれています。2030年までに30億人を見込む試算もあります。

 

購買力が衰えていく米国と日本

・中間層の台頭は、政治へも影響を与えます。歴史的にみて、中間層が増えると民主主義を求める声が高まるとともに、ポピュリズム(大衆迎合型の政治)や独裁政治が生まれやすくなります。一方で、1人あたりのGDPが1万5000ドルに達すると民主主義が定着し、独裁政治に戻る可能性はなくなるといわれています。

 

・米国や日本の中間層の購買力は、将来的にはとても小さなものになります。

 

・北米や欧州の中間層の購買力は今後十数年、年率0.6パーセントしか伸びません。

 

<なくならない男女格差>

・2012年に世界で男女の経済格差は60パーセント、政治参加格差は20パーセントしか改善されていません。男女格差の撲滅に成功した国はまだありませんが、女性の社会進出に一番積極的に取り組んでいるのは北欧の国々です。

 

・残念ながら、2030年の段階でも男女格差は残ります。

 

<広がる「外部」との交流>

・スマートフォン(スマホ)と呼ばれる高機能携帯端末のような第二世代の携帯技術の登場で、個人の力はますます強くなります。特に、こうした技術が発展途上の国々に導入されたときの影響力は図り知れません。

 

2030年までにはイスラム社会に住むさらに多くの女性がソーシャル・メディアを通じた情報交換に参加することになるでしょう。そうなれば、保守的なイスラム教社会やそうした価値観を標榜する政府などが変革を求められる可能性があります。

 

<人類は、より健康に>

・2030年までに、人類の健康問題はより改善するでしょう。特に、高齢者の生活の質はますます向上するはずです。

 

・最新の医療が届きづらいサハラ砂漠以南アフリカでも。2030年ごろには感染症による死者数と、(心臓病のような)感染症以外の死者数が逆転するとみられています。

 

・幼児の死亡率も劇的に減っています。ただ、豊かな国と貧しい国の間にある寿命の格差は、2030年になってもなくなることはないでしょう。

 

<「イデオロギーの衝突」が不安材料>

・経済のグローバル化に伴い、欧米流の考え方が世界のあらゆる地域に浸透していきます。例えば、「科学的な立証」「個人主義」「政教分離」「法の順守」などが欧米を代表する価値観ですが、西欧的な豊かさを求める非・西欧国の多くがこうした理念を取り入れようと試みることでしょう。同時に、地元独自の文化や政治風土と相容れないと分かった場合に、こうした欧米化を拒否する可能性もあります。

 

・ナショナリズム(国家主義)の高揚にも注意が必要です。特に、未解決の領土問題が多く、急速な経済発展が進む東アジア地域の動向などが懸念されています。

 

 

 

 『私は宇宙人と出会った』

秋山眞人  ごま書房    1997年4月30日

 

 

 

<宇宙人の未来予測(世界編)>

(中国) 

・「中国はこれからの地球の変化の大きなポイントになっていく。とくに内乱が起こる可能性が強く、それが引き金となって第3次世界大戦へと進むかもしれない香港の返還によって思想的・経済的な大きな遅れがあり、アメリカとの対立構図が更に強くなる。これは東洋文明対西洋文明の対立といってもいい。た、2015年から2030年の間に4つの国に分割される可能性もある」。

 

 

 

『世界を見る目が変わる50の事実』

ジェシカ・ウィリアムズ  草思社 2005/4/28

 

 

 

50の事実

•日本女性の平均寿命は84歳、ボツワナ人の平均寿命は39歳

•肥満の人の3人に1人は発展途上国に住んでいる

先進国で最も妊娠率が高いのは、米国と英国の10代

中国では4400万人の女性が行方不明

•ブラジルには軍人よりも化粧品の訪問販売員のほうがたくさんいる

•世界の死刑執行の81%はわずか3カ国に集中している。中国、イラン、米国である

•英国のスーパーマーケットは政府よりも多くの個人情報をもっている

•EUの牛は一頭につき1日2.5ドルの助成金を受け取る。年額にすると世界旅行が可能だ

70カ国以上で同性愛は違法、9カ国で死刑になる

世界の5人に1人は1日1ドル未満で暮らしている

•ロシアで家庭内暴力のために殺される女性は、毎年1万2000人を超える

•2001年、何らかの形成外科手術を受けたアメリカ人は1320万人

•地雷によって、毎時間1人は死傷している

•インドでは4400万人の児童が働かされている

•先進国の国民は年間に7キロの食品添加物を食べている

•タイガー・ウッズが帽子をかぶって得るスポンサー料は、1日当たり5万5000ドル。その帽子を作る工場労働者の年収分の38年分

•米国で摂食障害を患っている女性は700万人、男性は100万人

•英国の15歳の半数はドラッグ体験済み。4分の1は喫煙常習者

•ワシントンDCで働くロビイストは6万7000人。連邦議員1人に対し125人

•自動車は毎分、2人を殺している

•1977年以降、北米の中絶病院では8万件近い暴力事件や騒乱が起きている

•マグナルドの黄色いアーチがわかる人は88%。キリスト教の十字架はたった54%

ケニアでは家計の3分の1が賄賂に使われる

•世界の違法ドラッグの市場規模は4000億円ドル。製薬市場とほぼ同じ

•アメリカ人の3人に1人は、エイリアンがすでに地球に来たと信じている

拷問は150カ国以上で行われている

•世界では7人に1人が日々飢えている

今日の米国に生まれる黒人新生児の3人の1人は刑務所に送られる

•世界で3人に1人は戦時下に暮らしている

•2040年に原油は枯渇するかもしれない

•世界の喫煙者の82%は発展途上国の国民

•世界の人口の70%以上は電話を使ったことがない

•近年の武力紛争の4分の1は天然資源がらみ

•アフリカのHIV陽性患者は約3000万人

•毎年、10の言語が消滅している

•武力紛争による死者よりも自殺者のほうが多い

米国で、銃を持って登校し退学になる生徒の数は、平均して週に88人

•世界には「良心の囚人」が少なくとも30万人いる

•毎年、200万人の女性が性器切除される

世界中の紛争地帯で戦う子供兵は30万人

•英国では総選挙の投票者数よりも、テレビ番組でアイドル選びに投票した人のほうが多い

•米国のポルノ産業の規模は年間100億円ドル。海外援助額と同じである

•2003年、米国の防衛費は約3960億ドル。「ならず者国家」7カ国の防衛費総計の33倍

世界にはいまも2700万人の奴隷がいる

•アメリカ人が捨てるプラスチック・ボトルは1時間に250万本。並べると、3週間分で月に達する

•ロンドンの住民は、監視カメラで1日300回撮影される

毎年、西欧向けに人身売買される女性は12万人

•英国で売られるニュージーランド産キウイは、その重量の5倍の温室効果ガスを排出している

•米国は国連に10億ドル以上の未払い金がある

貧困家庭の子供たちは、富裕家庭の子供たちに比べて、3倍も精神病にかかりやすい

 

「50の事実」に何ができるか

・読み進めていくうちに、いくつかのことが明らかになるだろう。何より、世界を取り巻く問題の多くは、富める先進国と貧しい途上国との、醜い不平等に起因していることだ。

 

私は、これら50の事実が世界を変えると確信している。>

・「思いやりがあり、行動力のある人々は、たとえ少人数でも世界を変えられる――それを決して疑ってはなりません。実際、それだけがこれまで世界を変えてきたのですから」

 

中国では4400万人の女性が行方不明

・2002年10月、中国の新華通信社は最新の国勢調査を発表した。それによると、2000年には女児100人に対し、男児は116.8人生まれていた。そこには、かすかだがはっきりと警告の響きが感じられた。過去2回の国勢調査と比べても、この男女比は拡大している。『上海スター』 紙は、こうした傾向が続けば、約500万人の中国人男性が結婚相手を見つけられなくなると伝えた。そうなれば、家庭、経済、社会的サービスにも問題が生じるだろう。ある専門家は、自暴自棄になった男性による女性の誘拐が増えるとさえ警告している。

 

・この不均衡は、中国やインドをはじめ、東アジアや南アジアにおいて男の子を望む傾向が強いために生じた。女の子を望まない親たちは、性別診断で胎児が女児とわかると、中絶に走る。実際に生まれても、女児の多くは生後数日から数週間で殺されてしまう。親たちはそれを自然死に見せかけるために、手を尽くして警察や衛生当局の目を欺く。幸いにも生き延びた女児も、出生届は出されない。その結果、教育や福祉ばかりか、充分な食事さえ与えられない日陰の生涯を歩む。

 

・インド、中国、台湾の出生率は着実に下がりつづけて西欧並みになりつつあるが、それでも女児への偏見は根強い。

 

・出生登録をされない子供たちには、どんな運命が待ち受けているのか?法律的には、彼らは存在を認められていない。だから学校に行くこともできず、公的機関の診療も受けられない。彼らの生活条件は、ひどく限られている。

 

アメリカ人の3人に1人は、エイリアンがすでに地球に来たと信じている

・30%の人々が「これまでに報告されている未確認飛行物体の一部は、他の文明からやってきた本物の宇宙船」だと答えており、45%のアメリカ人が地球外知的生命体はすでに地球に訪れていると回答している。

 

・実際、軍の発表と目撃者の言い分には食い違いがあった。エイリアンの死体が、いまやすっかり有名になったロズウェル空軍基地の「エリア51」に運びこまれるのを見たという人々もいる。1994年には、「エイリアン検死」の様子であるとのふれこみの怪しげなビデオも出回った。

 

 

 

『世界を見る目が変わる50の事実』

ジェシカ・ウィリアムズ  草思社 2005/4/28

 

 

 

70カ国以上で同性愛は違法、9カ国で死刑になる

同性愛が死刑の対象になる国が9カ国ある。モーリタニア、スーダン、アフガニスタン、パキスタン、チェチェン共和国、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE),そしてイエメンである。

 

・1979年のイランにおけるイスラム革命以来、4000人以上の同性愛者が処刑されたと推計されている。

 

・世界で70カ国以上がレズビアン、ゲイ、同性愛者、あるいは性倒錯者を差別する法律を有している。

 

・社会においては同性愛は「病気」として扱われ、ゲイやレズビアンは精神医療による「治療」を強いられてきた。

 

・しかし、多くの国々で事態は変わりつつある。2003年6月、米最高裁判所は、同性カップルの性的行為を禁じるテキサス州法に違憲判決を下した。この判決は、テキサスだけでなく、他の13州における類似の法律を一挙に無効にすることになった。

 

・さらに同性愛のカップルも異性愛のカップルと同じように子供を育て、家族の絆を持ち、結婚に関する判断を下すことができるとした。これらは米国憲法に保障された権利と確認したのである。

 

・米国市民自由連合はこの判決を「LGBT(レズビアン、ゲイ、両性愛者、性倒錯者)にとって、これまでで最も有意義な判例」と呼んだ。

 

・国際人権団体も同性愛を公言する人々の保護を求める働きかけで注目を集めており、おそらくはそれがまた保護手段になっているだろう。

 

 


 ■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■

 

・どこの国でも常に社会問題を抱えているといわれます。また「どこの国でも完璧な社会はない」といわれます。中国が「旧ソ連崩壊」のようになるのか、どうか私たち一般人は、分かりません。当時の「ソ連崩壊の時代」と、IT全盛の今では「時代環境が大きく違う」のかもしれません。

専門家やチャイナ・ウオッチャーでも「中国の未来」を予測することはできないといわれます。ただし、人口統計を未来に延ばすことで、未来社会をある程度予測できるそうです。中国やインドの場合は、人口大国ですから、未来的には世界に与える影響が無視できなくなると語られています。10年の長期計画も、人口予測が基本のようです。1年の予算の結果も不確かだそうです。森羅万象の情報が爆発している現代は、私たち一般人には、全貌を把握することはできず理解不能なことが多いようです。森羅万象には常にプラスとマイナスの面があるといわれます。

 

現代では情報操作や隠蔽をしても メディア機器の極端な発達・普及によって、世界中に飛び散ります。フェイク(偽)・情報、フェイク(偽)・ニュースも膨大な量になっており、真偽のほどは分かりませんが、個人の記憶に刻み込まれます。

 

・「群盲象を評す」と言われますが、人口大国で広大な中国は、私たち一般人には、理解不能です。チャイナ・ウオッチャーもチャイナ・リスクを盛んに書き立てますが、実態は、多種多様だそうです。「象」のイメージの一部でありますが、その量が圧倒的な量になりますと、全体の「象」の実像が見えてくるのかもしれません。マイナスもプラスも極端に大きい、世界の60億人の人口ですが、一般の国民に対しても世界の人々に対しても、その実態がガラス張りになっていくということです。見るか見ないかの違いだといわれます。

 

街中を歩いて見てみると、さまざまな社会問題が頭に浮かびます。確かに街中は、10年前の街中と大変違ってきているそうです。外国人観光客の姿もいたるところで見られるようになっています。しかしながら、街中の人々の生活状態は、大きく格差が開いているようです。特に商店街が後継者不足で、閉店している所が増えていること。中小企業の人手不足や後継者不足で、廃業や合併の問題が多くなってきていること。人口減少で、そもそも、「需要」が激減すること。飲食業界も大きく打撃を受けています。さまざまなビジネス社会の淘汰が起こっていることです。人口減少で「労働革命」「職業革命」「賃金革命」も極端に起こってくるといわれます。採算のとれない古臭い職業や、顧客志向でない時代遅れの商売は、消えていくことでしょう。「優勝劣敗はこの世の常」でしょうか。「需要供給の法則で淘汰が始まる」と指摘されています。

 

現在「労働」に関しては多くの問題があります。長時間労働、過労死、正規雇用、非正規雇用、格差、外国人労働者の問題等、時代が大きく変わっていく前兆が見られています。医者も将来は、過剰になると指摘されています。介護や社会福祉、年金等の社会保障の問題も、増大する防衛費等で削られてきています。分け前の問題、利益や税金の分配、再分配の問題になり、赤字財政のもと財源をひねり出すためにも大胆なリストラが必要だといわれます。あまり知られていないことだが、日本の社会保障というのは、先進国とは言えないくらいお粗末なモノなのであるという説もあります。生産性を上げて、時間給や給与も上昇すべきでしょう。「働きかた」が大きな関心事となっています。ヒューマンリソースの活用では、女性が最も活用されていないと指摘されています。国恥的なことを国際的に発信することはいかがなものかといわれます。そして人手不足で高齢者も活用すべきと語られています。変革には痛みを伴うといわれます。

 

・「日本財政の破綻」や「経済破綻」を大げさに語るエコノミストもいるといわれています。国恥的なことを国際的に発信することはいかがなものかといわれます。増大する社会問題に政治や行政は、適切な対応ができていないといわれます。社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。限られた予算、限られた財源、限られた処遇、増えない税収、十分でない福祉予算を削る財政赤字も深刻だといわれます。「失政」が増えている時代に、私たち一般人は、政治意識を高めていく必要があるそうです。「政治に関心のないひとはいるが、政治に関係のないひとはいない」と語られています。政治の費用対効果の向上、行政サービスの効率等、問題は山積みといわれます。「政務活動費の問題も氷山の一角」と指摘されていましたが、政治の貧困が窺えると語られています。政府にはベスト&ブライテストが集結しているはずですが?!そして、ベスト&ブライテストしか政府を構成できないはずですが?!

 

・国の単位の地政学も第2次世界大戦後は大きくかわってきているようです。国の外交の基本戦略も、常に流動的のようです。私たち一般人は、分かりませんが、「外交には常に地政学的な思考が働いている」といわれます。「しかし、日本はユーラシア大陸の地政学がどれほど恐ろしいものであるかに無知だったし、いまもそれは変わらないように見える」と指摘されています。第2次世界大戦も日本の戦争戦略の地政学的な敗北だったと語られています。 

 

日本でも政府の機関が「未来予測」を「白書」のように出版するようになれば、便利になると思います。しかし、肝心の情報機関がないと語られています。「日本には政府の政治研究所がない」といわれます。経済研究所が多いのですが、政治研究所はなぜないのでしょうか。政府の政治研究所でだす結論が影響力を持つと困るからでしょうか。「未来学」の現状はどうなのでしょうか。私たち一般人には、各々の学界の動きには理解不能なことが多いようです。「日本未来学会」というものもあるそうですが、活動状況は分かりません。詳しくは知りませんが、本格的な学会はまだできていないようです。『未来学』は経済研究所やシンクタンクの活動分野でもあると思います。ところで「官庁はわが国最大のシンクタンク」ですので、活発に機能しているのでしょう。

 


彼ら全員に大都市の戸籍を与えていけば、大都市はすぐにパンクしてしまう。だがそうかといって、「現代版アパルトヘイト」と揶揄される中国の戸籍制度は、隣国の北朝鮮を除けば、世界に類を見ないものだ。(2)

2018-09-27 14:52:11 | 森羅万象

 

<未来地政学>

・米国の情報機関、国家情報会議(NIC)は2013年、「グローバル・トレンズ2030」と題する報告書を発表した。米政府部内の衆知を動員し、世界の戦略問題研究者とのブレーン・ストーミングを行った上で20年ほど先の世界を予測する試みである。

 

2030年までの世界のメガトレンドとゲーム・チェンジャーの相互作用を分析し、起こりうるシナリオを描き出している。例えば次のシナリオ。

・中国の栄華は長続きしない。

・イスラム原理主義のテロはピークを過ぎ、下り坂に向かうだろう。

・米国はヘゲモニー国家にカムバックすることはない。ただ、エネルギー独立を成し遂げ、世界の安定勢力として、なおかけがえのない存在であり続けるだろう。

 

・もう少し紹介しよう。

2030年、中国は世界一の経済大国として君臨している日本の経済規模の2倍半近い規模になっているだろう

 しかし、中国の生産年齢人口は、2016年を頂点にその後下降に向かう。中国の2020年の成長率は5%、2030年は3%へと減速していく。生産性は向上せず、1人当たりのGDPは先進工業国にいつまでも追いつかない「中所得国の罠」にはまる危険が強い。低成長になればなるほど指導層は対外的に強硬姿勢を示すことになるかもしれない。世界の最大の不確実性は「中国の弱さ」かもしれない。

 

・イスラム原理主義テロは、ピークを越えた。アルカイダはもはや生命力を持っているようには見えない。

 米国を究極の敵と見なす反米感情は今後、アラブ社会で中産階級が台頭し、「アラブの春」のような民主化が進むにつれ、退潮していく可能性が強い。

 米国は、ヘゲモニー国家としての性格を薄めていくだろう。

 

・しかし、世界の安定勢力としての米国の存在は今後、ますます重要視されることになる。中国の台頭にリスクを感じつつある東アジアの国々の中にそのようなリバランシング志向が際立っているが、それは世界的傾向となるだろう。

 2030年までに米国は「エネルギー独立」を達成しているだろう。米国はエネルギーの輸出国として登場する。すでに2007年からオイルシェールの産出量は毎年50%増加している。

 

<ブラックスワンは何か>

・グローバル・トレンドのトレンドという言葉は継続を前提とした語感がする。

 しかし、今後20年は継続よりショックと破断、切断をむしろ常態とするかもしれないそれらのショックや切断の中に、気候変動と関係する大災害も含まれるだろうし、食料・水・エネルギーをめぐる闘争が激しさを増すだろう。中国とインドが水をめぐって対立を深めるリスクも高い

 

・その時、司会をしたバローズがわれわれに重ねて聞いた質問が「何がブラック・スワン(黒い白鳥=事前に予測できず、起きた時の影響が大きい事象のこと)だろうか」だった。

 その時、ブラック・スワンは、「米国のエネルギー独立」達成だ、米国がエネルギー輸出国に遠望することだ、と答えた人は1人もいなかった。「中国の弱さ」だと答えた人もいなかった。

 

ブラック・スワンを空想の世界に思い描いてみてもそれほど意味はない

・今回の報告書が「個人のパワー化」をメガトレンドの最初に取り上げたのは慧眼である。どこのどの個人がどのような“違い”を生み出していくのか。それは、われわれの想像力の中に潜んでいる。日本の再生戦略はそれを引き出すことでなければならない。

 

<地政学の逆襲>

<「米国は、地理的に孤立しているが、政治的に人気がある。ソ連は多くの国に地理的に近接している結果として、政治的に孤立している」>

・人間の歴史の中で、気候、海、川、山脈といった地理はつねに、歴史のパターンに大きな影響を及ぼしてきた。

 とくに近世以降は、貿易ルート、資源の偏在、国境のありようは、国々の富とパワーを左右してきた。

 そのような地政学的現実を的確に捉え、それに柔軟に適応する地政学的戦略を展開できるかどうかが、「国々の興亡」に大きな影響を及ぼしてきた。

 第2次世界大戦後、地政学と言う学問は、忌み嫌われた。ナチがそれをドイツの侵略とアーリア人の優位性を正当化する決定論的イデオロギーとして悪用したことが背景にある。

 それを研究する必要性も減じた。米国が、圧倒的な海軍力を背に、世界の警官として「航行の自由」を保証したことで、「航行の自由」も自由貿易も「フリーランチ」(タダメシ)のように享受された。戦後の米国は世界でもっとも地政学的制約を感じない国家だっただろう。

 

<米国の「アジア回帰」>

・しかし、冷戦後、より伝統的な地政学的パワーの伏流水もまた、流量を増した。

 1993年、中国は石油純輸入国となった。中国はその後、世界のエネルギー政治を根底から揺さぶることになる。世界の石油生産の8割以上はいまでは国家が握っている。

 

2010年に噴出したアジアの海洋をめぐる中国と近隣諸国の緊張も90年代から徐々に高まっていた。日米同盟の基盤でもある「航行の自由」と自由で開放的な海洋レジームが中国の挑戦を受けている。

 地政学とは、石油・ガス、貿易ルート、国境、民族、宗教といった「地理と歴史」の要素を濃厚に含む。

 アジアは地政学のるつぼといってもよい。アジアの台頭そのものが、地政学の逆襲をもたらしている。

 

・それだけに米国が、アジアとの関係において、過剰関与を避け、適度の距離感を保ちたいという願望は分からないでもない。米国は距離感を保つことで「人気」を挽回したいのだ。「人気」は米国人にとってはほとんど徳目である。

 

米国の未来はアジアに「回帰」する以外ない。米国の地政学的アジア回帰とどこでどう折り合うのだろうか

 それが、21世紀最大の地政学的難問である

 

<灰色の地政学 >

・米国では、リーダーシップ論がかまびすしい。(もっとも、この国では建国以来、リーダーシップ論に関する本を総計すると、国民5千人に1人がこのテーマを書いた勘定になるそうだ。)

 そのほとんどがオバマ米大統領に手厳しい。「頭でっかちで、分析過剰のグズ。実務オタク」とこき下ろしている。

 

米国では、危機に立ち向かい、克服したリーダーというのは、どこかに狂気を宿していた、などという学説がもっともらしく説かれる。

 リンカーンしかり、FDR(フランクリン・ルーズベルト)しかり、ニクソンもしかり、といった具合である。

 それらのリーダーに共通しているのは、「トップダウン」、「正面突破」、「陣頭指揮」の雄々しいリーダーシップ像である。

 

<「灰色の地政学」の到来>

・危機が、善対悪の戦いでなく、善対善の戦いである場合、対応はさらに難しい。

 

・冷戦後、そのような危機が各地で現出した。「バルカンの国々にボーイスカウトはいない」といったジェームズ・ベーカー米国務長官の洞察は、灰色の地政学の到来を告げていた。テロとの戦いはそれに伴うモラル破綻の陥穽を思い知らせた。G20時代の「新世界」の中で、善対悪、友対敵の区分はさらにあいまいである。世界はどこもライバル関係となりつつある。

 

朝鮮半島=終わりの始まり

<おぞましい正恩の性格>

・いや、結局のところ、金正恩の究極の敵は金正恩自身かもしれない。

 2009年春、米情報機関の北朝鮮専門家と意見交換したことがあるが、その際、彼から聞いた話がある。

 米情報機関が、金正恩がかつてスイスの寄宿学校に通っていた時、彼と知り合いになったありとあらゆる人間にインタビューし、彼のプロフィールを徹底的に調査した。

そこに浮かび上がった金正恩の性格はおぞましいものだった。

(残忍、疑い深い、つねに不安、復讐心が強い)、要するに、sociopathという結論だった。Sociopathとは、社会病質者、つまり、社会にとけ込めない異常人格というほどの意味である。

その残忍さと攻撃性は、内だけでなく外に対しても向けられる可能性が強い。金寛鎮・韓国国防部長官は、国会国防委員会全体会議に出席し、次のように発言している。

北軍部の強硬派勢力が強まる場合、忠誠競争により誤った判断をする可能性があるので備える必要がある

張成沢の粛清と処刑は、権力基盤を固めようとしてその実、それを壊してしまう致命的失敗になるかもしれない。

 最後に頼りになるのは血(親族)だけの体制である。

それを脱ぎ捨ててしまったことで、金正恩は裸になってしまった。スケープゴート(生け贄の山羊)を殺してしまった以上、次は自らが炙られるおそれが強い。

終わりの始まり—―そんな予感がする。

 

ユーラシア地政学

90年代からの長い「失われた時代」で日本が失ったものは多いが、その一つに日本のロシア外交がある。

 

・ソ連が崩壊して2カ月後、エリツィン政権のアンドレイ・コズイレフ外相は「地政学がイデオロギーに代わって登場してきたことを痛感している」と語ったことがある。その場合の地政学とはユーラシア地政学のことを指している。

 ただ、ユーラシア地政学は鬼門である。中央アジアは民族、宗教紛争の激流が覆い、下手に介入すると命取りになりかねない。それは英国、ソ連、米国のアフガニスタンへの悲劇的な介入で実証済みである。

 

・地政学者のロバート・カプランは「カザフスタンこそ、マッキンダーのいうハートランドではないのか」と言う。ユーラシア・ハートランドを支配する国が世界を支配する、と主張した20世紀初頭の英国の地政学者、ハルフォード・マッキンダーのことを指している。

 

マッキンダーの「予言」

・20世紀初頭、マッキンダーは次のように述べた。

中国は世界の自由にとっての黄禍となるかもしれない。巨大な大陸の資源に加えて海洋正面(フロンテージ)を持つだろうからである。それはロシアが持ち得ない優位性である

100年後、マッキンダーの予言が現実のものとなりつつある。

冷戦後20年経って、中国は勝ち組となり、ロシアは負け組となった。

 

・石油・ガス安全保障とユーラシアにおける対中リバランシングの面で、日本とロシアは戦略的補完関係の可能性を秘めている。対中リバランシングは対中封じ込めではないし、対中敵対でもない。それは中国の一国主義的行動を抑制するための抑止力の強化である。

 

<マッキンダーのハートランド理論>

・現代地政学の開祖とも言える、20世紀初期に活躍したイギリスの地理学者・マッキンダーの理論。ユーラシア大陸を世界島とし、その心臓(ハートランド、東欧周辺)と位置づけた。第1次世界大戦はイギリスを代表する海洋国家(シーパワー)と、ドイツやロシアなどの大陸国家(ランドパワー)が奪い合う戦争であったと論じた。

 

<マハンのシーパワー理論>

・19世紀から20世紀にかけての海軍士官・マハンが作った海洋戦略論。国家の繁栄には貿易の拡大を必要とし、シーレーン確保や海軍力増強が重要であると唱えた。マッキンダーにも影響を与えた。

 

<中国のカリブ海>

米国が警戒しているのは、中国が南シナ海を“中国のカリブ海”にしてしまうことである。

 戦前の米国の地政学者であるニコラス・スパイクマンは「米国は、大カリブ海(ベネズエラ、コロンビア沿岸を含む)をコントロールしたことで世界パワーとして登場した」と論じた。

 米国は、1898年の米西戦争の勝利によって大カリブ海を支配することになった。その結果、西半球におけるホンモノの挑戦者の出現の芽を掴むことができた。そして、それによって東半球の勢力均衡のゲームに勤しむことができた。

 同じように、中国は南シナ海を“中国のカリブ海”にすることで、ここを制圧し、それによってインド・パシフィックへの勢力拡大に乗り出すのではないか—―米国の戦略家たちの脳裏をそのような漠とした不安がよぎりはじめている。

 

<真理は地域に宿る>

・中国はロシアと共通の利害と懸念を持っている。いずれも下からのオレンジ色のような“カラー革命”に対する恐怖感は強い。テロリズム、分離主義、宗教上の急進主義のいわゆる“三悪”はともに容赦なく弾圧する。アフガニスタンからの麻薬ルートには力を携えて戦う。そして、何よりもユーラシアから米国の影響力を排除しようとする点で、両者の思惑は重なる。

 中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンからなる上海協力機構(SCO)が、中ロ協力のシンボルとなっている。これは“三悪”退治に照準を合わせている。反米同盟ではないが、この地域での米国の影響力を殺ぐことも視野に入れていることは間違いない。

 なかでも中ロを誘引する磁力となっているのはエネルギー取引である。両国は、ウクライナ危機後、ロシアのガスを30年間にわたって中国に供給する取り決めに調印した。それまで10年近く妥結できなかったのに、プーチン直々の決済によるバーゲン価格で決まったという。ユーラシア大陸のエネルギー地政学が中ロの特殊関係を生み出しつつある。

 対ロ禁輸と対中リバランシングは、攻撃的にしすぎると、中ロの特殊関係をさらに強固にする可能性がある。

 しかし、その一方で、中国とロシアの間には深い溝がある。

 

世界のメガトレンドとゲーム・チェンジャーの相互作用  日本の五重苦  >

・英エコノミスト誌の『2050年の世界』(文藝春秋刊)は、この雑誌の特色である調査ものの強みを遺憾なく発揮した力作である。

 

・さて、2050年の世界はどうなっているか。

最大の人口を擁する国は17億人のインドである。中国、ナイジェリア、米国がその後を追う。インドネシアも向こう40年間、人口ボーナス国である。

 

アジアは世界経済の半分の規模を占める。この時点でのG7(7大経済大国)は、中国、米国、インド、ブラジル、ロシア、インドネシア、メキシコとなる。

 

中国の繁栄は長続きしない。最大の要因は、人口減の重圧である。中国の出生率は2.1に落ちる。日本、欧州と並んで最大の人口“負け組”となる。これに伴って、経済成長率も2.5%に下がる。

 

・米国は、先進国のなかで異形のキリスト教原理主義的な“宗教国家”となりつつある。この国の人々は、つねに競争、解雇、収奪、殺害のリスクにさらされ、脆弱感を持ち続けている、だから宗教にすがる

 

グローバル化は止まらない。それは、国民経済と国民国家と国民そのものを根底から揺さぶる。貧しい国では億単位で貧困層から中産階級へと人々はのし上がる。豊かな国では中産階級が貧困層にこぼれ落ちていく。

 

・強権政治の国々では民主主義は前進するが、民主主義国ではそれが後退する。カネまみれの政治と政治指導力の劣化が、民主主義体制の芯を蝕む。

そんなところだろうか。

日本はどうなるのか。

『2050年の世界』では、日本の存在はいかにもかぼそい。世界のGDPの1.9%にずり落ちている。人口減のためGDPはやせ細る

 エコノミスト誌は、日本人は権威に挑戦することを嫌う、自己規制するから革新が生まれにくい、と指摘する。

 日本の問題は人口ではない。それは、挑戦精神の衰えである。いや人口こそ大問題だと思うが、言われてみればたしかに。

 

 

 

『シフト  2035年、米国最高情報機関が予測する驚愕の未来』 

マシュー・バロウズ  ダイヤモンド社  2015/11/20

 

 

 

迫りくるメガトレンドと、急速に変化する国際環境

日本では少子高齢化が急速に進んでいる。それは、高齢化が進んでも経済の活力が失われるわけではないことを世界に示すチャンスでもある。世界経済の成長が減速すれば、あらゆる国の未来は暗くなる。日本は、ロボット工学や自動化技術など新しいテクノロジーを考案し、実用化するリーダーだ。こうした技術は雇用の減少につながるおそれがあるが、日本、アメリカ、そして中国も含む先進工業国が現在の生活水準を維持するには、退職年齢の引き上げや、働く女性の増加、労働市場の流動性確保や移民の受け入れ拡大など、より破壊的な改革が不可欠だ。西側世界の衰退を食い止めるには、日本とヨーロッパとアメリカが、高齢化問題に取り組むことが非常に重要だ。

 

中国の動向は、日本だけでなく世界じゅうに重大な影響をもたらす。中国は過去30年にわたり目覚ましい成長を遂げてきた。世界の歴史を振り返っても、これほど長期にわたり一貫した高成長を維持した国はない。しかしいま、その勢いは鈍化し、政府指導部は右肩上がりの成長に慣れた人民に、雇用などの経済的機会を与えるのに苦労している。

 

・こうした困難に直面したとき、多くの国の指導者はナショナリズムをあおり、人民の目を国内の問題からそらしてきた。ナショナリズムは、2度の世界大戦に先立つ帝国主義をエスカレートさせ、20世紀半ばのヨーロッパを衰退させた。一部の専門家は、アジアが同じ道を歩むことを危惧している。東シナ海と南シナ界における中国と日本など近隣諸国の緊張の高まりは、危険な大戦争の前兆であり、21世紀のアジアの繁栄をむしばむおそれがあるというのだ。

 しかし歴史が繰り返すとは限らない。人類は過去の失敗から学ぶことができると、私は強く信じている。

 

・CIA本部のロビーには、聖書の一節が壁に刻み込まれている。「………されば汝は真実を知り、真実は汝を自由にする」。これこそが未来のトレンドを分析する目的だと、私は思う。未来について知識がありながら、それに基づく行動を起こさないなら、物事がうまくいかなくなったとき、私たちは自らを責めるしかない。

 

<軍事だけでは21世紀の競争を生き残れない>

・未来は予測できるのでしょうか――私はよくこう聞かれる。もちろん答えはノーだ。未来を映し出す水晶の玉はどこにもない。

 

・ホワイトハウスの戦略顧問室は、オバマ政権にも引き継がれて、省庁横断的に戦略を見直し、「国家安全保障戦略」を定期的に作成している。しかしいまも危機管理計画には長期的な戦略が欠けている。国防総省には体系的な計画があるが、非軍事分野にはない。

 

フランス革命に匹敵する「シフト」

・ディケンズが小説で描いたフランス革命や産業革命が、ナショナリズムと階級闘争と民主主義政治の新しい時代をもたらしたように、現在もこれまでとはまったく異なる時代をもたらすディープな構造変化が起きている。アメリカ原住民のことわざにもあるように、「新しい音楽には新しい踊りが必要」だ。

 

・未来がSF小説のようになるとは、私も思わない。確かに大きな構造変化はもう起きていて、SF小説家ウィリアム・ギブソンが言うように「未来はすでにここにある。ただ均一に広まっていないだけ」かもしれない。

 

<国家機密に関わり続けた半生>

・NIC(米国国家情報会議)は、1990年代半ばから、大統領選のサイクルにあわせて4年ごとに未来のトレンドを予想する大がかりな報告書を作成するようになった。NICのメンバーは、人口動態やグローバル化や環境の変化など、それまで十分な関心が払われていなかった要因が世界に変化をもたらしていることを認識していた。報告書作成のもう一つの目的は、これまでにない専門知識を情報コミュニティに取り込むことだった。こうして15~20年先を見据えた報告書『グローバル・トレンド』が誕生した。

 

「米中戦争」の現実的な可能性

・未来の国際関係を語る場でも、最後は中国とアメリカの関係が話題になった。ある人物は次のように語った。「新冷戦が起きるとは思わない。ゼロサムの競争にはならないだろう。アメリカも中国も最悪のシナリオを避ける戦略を取っている。ただ、その最悪のシナリオの可能性が両国で高まっていることが心配だ。最悪のシナリオを目立たないようにし、協力のチャンスを逃さないようにする必要がある」

 

・だが、悲観的な見方もあった。「当然の帰結として、中国とアメリカが対決するときが来るだろう。軍事的な衝突でなくても、一方が相手に自分の意志を押しつけようとする。紛争になれば、地域と世界の安全保障を著しく脅かすことになる。中国の台頭が米中関係のハードルになると考えるアメリカ人もいるようだ」。

 

<遠のくアジアでの覇権的地位>

・私がこうした意見を聞いたのは、2012年5月のことだ。それ以降、中国は東シナ海で日本と、南シナ海でフィリピン、ベトナム、マレーシアと領有権争いを繰り広げ、東アジアの緊張を高めた。また、これらの国はアメリカと接近し、中国がアジアで覇権的な地位を固めるチャンスは遠のいた。アメリカがいわゆる「軸足」を東アジア地域に置くと宣言したことは、世界経済の新しい中心で国益を守ろうとするアメリカにとって大きな「押し」となり、東アジア諸国は中国と距離を置く「引き」につながった。中国指導部は、愛国主義的な主張をすれば、人民の目を国内の問題からそらし、新たな経済目標に動員できると考えているようだ。しかしその代償は大きい。

 

・だがアメリカでは、中国に対する不信感が大きくなっている。2013年半ばのビューの世論調査では、アメリカの中国に対する意識が2011年以降急激に悪化したことがわかった。中国を好ましくないと考える人は52%にも上り、好ましいと答えた人は37%しかいなかった。

 

<世界に関わらないわけにはいかない>

・ただし現実的に可能性が高いのは、中国が強くも弱くもなく、しばらくは移行に苦しむシナリオだ。中国は今後も世界最大の経済大国の座に向けて成長を続けるだろうが、1人当たりの所得の伸びは鈍化し、既得権益層の反発で経済改革が進まず、一般市民の不満は高まるだろう。そのはけ口として愛国主義は今後も利用されるだろうが、大戦争が勃発するきっかけは見当たらない。このシナリオで大きく懸念されるのは、愛国主義が高まって、政府がその暴走を食い止められなくなることだ。とりわけ日本が関係している場合は難しくなるおそれがある。中国ではいまでも、日本は第2次世界大戦中に中国でやったことに対する反省が足りないという意識が強い。

 

<日本は「過去」の国になる> 

日本は中国との差が拡大しているが、「中の上」程度のパワーを維持するだろう。ただし大規模な構造改革を実行すれば、という条件がつく。日本は政治、経済、社会の改革を進めて、少子高齢化、産業基盤の老朽化、不安定な政治情勢に対処する必要がある。人口が減るため、出稼ぎ労働者に対する長期滞在ビザの発給など、新しい移民政策を検討する必要にも迫られるだろう。ただ、日本人は外国人の受け入れに消極的なため、この問題はなかなか乗り越えられないだろう。

 

・日本の労働年齢人口は絶対数が減る反面、10代後半~20代には仕事がない未熟練労働者が大勢いる。このことはホワイトカラーの人手不足をもたらすだろう。女性の社会進出(企業幹部への登用を含む)推進政策は、人手不足を補う助けになるかもしれないが、それが出生率のさらなる低下をもたらしたら元も子もない。日本ではいまも文化的に、母親が家にいることが理想と考えられており、女性が家庭と仕事のバランスを取るのは難しい。しかし実は、日本の女性の労働力参加率はさほど低くない。61%という数字は、アメリカ(62%)。イギリス(66%)、ドイツ(68%)と大差ない。

 

<ドイツはイギリスより先に没落する>

・経済が好調なドイツは、当面はEUのリーダーの役割を果たすだろうが、少子高齢化という時限爆弾を抱えている。現在、ドイツの人口はフランスやイギリスよりも多いが、2050年までに逆転する可能性がある。フランスとイギリスのほうが移民が多いからだ。最新のCEBR(ロンドンの経済経営研究センター)の予測では、イギリスは2030年までに西ヨーロッパ最大の経済大国になりそうだ。イギリスの人口動態がドイツよりも好ましいことがその一因となっている。

 

<アメリカは日本を守らない>

・日本は20年にわたる経済停滞を経て、安倍晋三首相が思い切った措置を取り、緩やかな衰退とは異なる未来をつくろうとしている。日本は少子高齢化に伴うきわめて難しい問題に直面しているが、依然として世界第3位の経済大国であり、技術的にも最も進んだ国の一つであり、世界的な企業を数多く生み出してきた。高成長は実現できなくても、今後の経済は一部で言われるほど悪くならないかもしれない。

 

・日本にとって最大の課題は、国際情勢の急速な変化にどう適応するかかもしれない。中国は世界最大の経済大国に躍り出る勢いで、アジアにおける牽引力も大きい。そしてこれまでの新興国と同じように、中国は今後ますます自己主張を強める可能性が高い。もし中国と衝突しても、アメリカが自動的に日本の味方をしてくれると、日本の指導者たちは誤解しているようだが、現実にはアメリカは自国の利益と中国の利益の間に折り合いをつけ、紛争は回避しようとする可能性が高い。アジア情勢の急速な変化と新しい国際秩序のなかで、どのような舵取りをしていくかは、日本の取り組みが遅れている領域であり、今後の大きな課題となるだろう。

 

 

 

『2030年 世界はこう変わる』

アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

 米国国家情報会議       講談社  2013/4/19

 

 

 

本書を誤読する人と精読する人では大きな差がつくだろう(立花隆)

・アメリカの国家戦略を策定する者、ならびに、アメリカの国家戦略に関心を持つ者が基本的に頭に置いておくべき、近未来(15~20年後)の世界のトレンドが書かれている。

 

・米国国家情報会議は、このような中・長期予測のために作られた機関だ。前身は1947年に作られたCIAの内部部門だった(1979年に現行の組織に改組)。作成する報告は、第一義的にはアメリカ大統領のために作られる。

 

おそらく大統領には別バージョンのディープ版報告書が渡っている。

 

・未来予測は外れることが多いから、ちがう未来展開の可能性がたくさん書いてある。

 

・最悪のシナリオと最善のシナリオではまったくちがう世界が生まれる。日本は最悪のシナリオなら滅んだも同然だが、最善のシナリオならまだいける。

 

 2030年の世界  国家を滅ぼす災害の可能性

 1飢饉   干ばつや穀物の伝染病などが長期間続き、不作が長期化する事態です。火山の噴火により大気に二酸化炭素が拡散すると、気温が下がり農業に悪影響を与えます。 

 

2津波   津波の影響は、海抜が低いところにある大都市で深刻です。例えば、ニューヨークやボストンなどの米東海岸の都市や、東京などがこれにあたります。こうした世界的な大都市が壊滅的な被害を受ければ、世界経済にも打撃を与えます。

 

21世紀じゅうにプエルトルコ近海で大地震が起きる可能性は10パーセント超といわれています。

 

3土壌劣化   近代農業は土壌の質の低下を招きます。劣化のスピードは、自然回復できるスピードの10~20倍といわれています。健康な土壌を維持するための根本的な解決策なしでは、今後、農業にかかるコストは莫大なものになってしまいます。

 

4磁気嵐  送電網や衛星、あらゆる電化製品を不能にする威力を持ちます。大規模な磁気嵐が起きる可能性は100年に一度といわれています。

 

<オルターナティブ・ワールド>

<「2030年」4つの異なる世界>

 <2030年のシナリオ1 「欧米没落型」 アメリカ・欧州が対外的な力を失い、世界は大きな混乱期に移行>

・「政治的にも経済的にも世界を牽引するエンジン役を果たしてきた米国と欧州が、その能力を完全に失ってしまう」というのがこのシナリオです。

 窮地に陥った欧米諸国は内向き姿勢を強め、グローバル化の動きは止まってしまいます。ここで紹介する4つのシナリオのなかでは最も悲観的な予測です。

 

“第三次世界大戦”が始まるというような、より最悪のシナリオを想定できないわけではありませんが、確率は極めて低いと思われます。第一次・第二次世界大戦が勃発した時代とは異なり、世界各国間の相互依存関係がとても強くなっているからです。本格的な戦争に突入して益を得る国はほとんどありません。

 

・とはいうものの、「欧米没落」型のシナリオが予測する世界像は、かなり悲惨なものです。4つのシナリオのなかでももっとも楽観的な「米中協調」型と比較すると、2030年の世界が稼ぎ出す収入は27兆ドルも小さくなってしまいます。この数値は、現在の米国経済とユーロ圏経済を合わせた規模に匹敵します。

 

このシナリオでは、米国も欧州も世界のリーダーとして振る舞う能力、もしくはその役割を果たすことへの関心を失います。

 

2020年までに、自由貿易圏はほとんど姿を消してしまいます

 

・一方、中国やインドのような新興国は経済成長を続け、世界経済成長の約4分の3を担うようになります。ただし、中国もインドも政治と経済システムの近代化に失敗します。政治腐敗、インフラ基盤や金融システムの弱さなどが仇となり、経済成長に急ブレーキがかかります。例えば、中国の場合、経済成長率は現状の8パーセントから2030年には3パーセントに落ち込んでしまいます。

 

・(米国の役割)内向き姿勢を強める。アメリカの世論は自国が世界のリーダー役であることに関心を失う。疫病発生後は、孤立主義も台頭する。

 

・(中国)政治、経済の構造改革に失敗。政治腐敗や民衆暴動が重荷となり経済成長は落ち込む。政府は国粋主義、排他主義の色を強める。

 

・(不安定地域)中央アジアや中東で統治力が低下。疫病の拡散で東南アジア、インドやアフリカの一部、湾岸諸国などが情勢不安に陥る。

 

 <2030年のシナリオ2   「米中協調」型 第3国で勃発した地域紛争への介入を機に、米中の協力体制が確立する>

 「米中協調」型は、4つのシナリオのなかでもっとも楽観的な予測です。米国と中国がさまざまな場面で協力できるようになることで、世界経済全体が押し上げられるという筋書きです。

 世界経済の収入は2030年までに約2倍の132兆ドルに拡大します。新興国が高成長を維持しながら、先進国経済も再び成長期に入ります。米国人の平均収入も10年で1万ドル増え、「アメリカンドリームの復活」が語られるようになります。

 

・(中国)ソフトパワーが強化され、民主化が進む。世界機構でもアジア地域の仕組みでも重要な役割を果たす。

 

 <2030年のシナリオ3   「格差支配」型  経済格差が世界中に広がり、「勝ち組」「負け組」が明確に。EUは分裂>

・このシナリオは、国際情勢が世界中で広がる「経済格差」に左右されるというものです。

 国内でも国家間でも、経済格差が広がってしまいます。2030年に向けて、世界全体としては豊かになりますが、人々の「幸福度」は下がります。「持てる者」が富を独占し、「持たぬ者」はますます貧しくなるからです。こうした環境下では、政治や社会は不安定になります。

 国家間では、「勝ち組」の国と「負け組」の国が鮮明化します。米国は、勝ち組の代表格です。ほかの国々が弱体化するなかで、安価な国産シェール系燃料の恩恵で経済が回復するからです。ただ、孤立主義的な傾向を強め、「世界の警察官」としての役割には関心を示さなくなります。

 

・(中国)都市部と農村部の経済格差が拡大し、国民の不満が高まる。共産党政権は支持を失う。毛沢東主義が再台頭し、党は分裂の危機に瀕する。

 


彼ら全員に大都市の戸籍を与えていけば、大都市はすぐにパンクしてしまう。だがそうかといって、「現代版アパルトヘイト」と揶揄される中国の戸籍制度は、隣国の北朝鮮を除けば、世界に類を見ないものだ。(1)

2018-09-27 14:51:28 | 森羅万象

 

『未来の中国年表』

超高齢大国でこれから起こること

近藤大介   講談社   2018/6/20

 

 

 

2018年  中国でも「人口減少時代」が始まった

・長年にわたる「一人っ子」政策が、少子高齢化時代を大幅に早めてしまった。しかも日本と違って、国の社会保障制度が十分に整っていないまま少子高齢化へと突入することになる。

 

(出生数が1786万人から1723万人へ)

・少子高齢化が世界で一番進んでいるのは日本だが、中国は日本に遅れること約30年で、同じ道を歩んでいる。

 

・ところが、全面的な「二人っ子政策」元年とも言える2017年に出生数は増えるどころか、63万人も減少してしまったのである。

 

(「子育てする20代女性」が600万人も減っている!)

・出生数が減少した主な原因は、ひとえに一人目の子供の出生数が減少したためだ。

 

・それにしても、一人目の子供の出生数が、日本の3年分近くに相当する年間約250万人も減少するというのは、尋常な社会ではない。いったい中国で何が起こっているのか?

 

(人口激増を懸念した鄧小平)

・そして食糧を豊富にするためには、できるだけ多くの人々を、農作業に従事させる必要があった。古代から中国大陸において戦争が絶えなかったのは、一つは土地の争奪が原因だが、もう一つは人間の争奪戦だった。

 

こうして中国は、憲法で家庭の出産数に制限を設けるという、世界でも稀有な国家となったのだった。

 

(日本の人口よりも多い「中国の一人っ子」)

・2010年の時点で、全人口13億3972万人中、一人っ子の数は、すでに1億4000万人に達していた。これは日本の総人口よりも多い数だ。

 

(親と祖父母が子供を徹底的に甘やかす)

・一般に、中国が日本を反面教師にしている事柄が二つあると言われる。一つは日本のバブル経済の崩壊で、もう一つが日本の少子高齢化である。

 

・特に、中国の人口規模は日本の11倍にあるので、近未来に人類が経験したことのない少子高齢化の巨大津波が襲ってくるリスクがあったのだ。

 

(激論!「二人っ子」は是か非か)

・こうして2016年元旦から、「人口及び計画出産法」が改正され、中国は全面的な「二人っ子政策」の時代を迎えたのだった。

 

(子供を生まなくなった3つの理由)

・①子育てコストの上昇、②公共サービスの欠如、③出産観念の変化(夫婦二人きりの生活を楽しみたい)

 

(病院の診察整理券を狙うダフ屋たち)

・私が北京に住んでいた頃は、病院の「挂号」(診察の順番を示す整理券)を確保するために夜明け前から並んだり、「挂号」を高く売りつける「黄牛」(ダフ屋)が病院内に跋扈したりということが起こっていた。

 

(貧富の格差が定着する)

だが中国は、依然として世界最大の発展途上国であり、あらゆるものが未整備のまま、少子化に突入したのだ。

 

2019年  首都・北京の人口もごっそり減る

・自然減に加え、習近平政権の複雑な思惑と極端な政策により、この年から北京は大きく姿を変えていく。

 

(2万2000人の減少)

・21世紀に入って17年目にして、初めて北京市の人口が減少したのだ。

 

(北京の人口が減る本当の理由?)

・北京市の人口がマイナス成長に転じたことは、北京市の人口は発展の変動の趨勢にマッチしたもの。

 

(3億人の出稼ぎ労働者)

「農民工」の都市部での悲惨な状況は、たびたび社会問題となってきた。

 

彼ら全員に大都市の戸籍を与えていけば、大都市はすぐにパンクしてしまう。だがそうかといって、「現代版アパルトヘイト」と揶揄される中国の戸籍制度は、隣国の北朝鮮を除けば、世界に類を見ないものだ。

 

(「特大都市」「超大都市」への移転はより厳しく)

・北京市の戸籍改革計画では、「中心部6区の人口を、2020年までに2014年比で15%減らす」としている。

 

(自治体が住人を選抜する!)

・習近平政権による戸籍改革で、もう一つ興味深いのは、「積分落戸」と呼ばれる新制度の導入である。これは、「特大都市」及び「超大都市」の戸籍を取得したい中国人を点数づけして、自治体が選別するというものだ。

 

(「第二首都」誕生)

・一つめは、「第二首都」の建設である。

 

(「低端人口」の一掃が始まる)

・その出稼ぎ労働者たちのことを、「低端人口」(下層の人々)と呼んでいるのだ。

 

・「低端人口」は、北京市内に数百万人いるとも1000万人近くいるとも言われた。

 

(本地人と外地人の分断)

・「『低端人口』を追い出さないから、北京の街は汚いし、人騙しは跋扈するし、治安も悪い」

 

(「拆拆拆」される人々)

・これによって、合法と違法の間のような、道路に少し張り出した店舗やレストランなども、すべて撤去させられてしまった。中国語で「撤去する」という動詞は「拆(チャイ)」と言うが、「拆拆拆」という言葉が、たちまち北京で流行語になった。

 

(20年前にタイムスリップ)

・つまり、北京の街並みは、20年前にタイムスリップしたのである。

 

・「低端人口がいないと、ゴミの回収から宅配便の配達まで何もできなくなってしまうことが分かった。それが春節の後、彼らを黙認するようになった」

 

2020年 適齢期の男性3000万人が「結婚難民」と化す

・適齢期の男性が適齢期の女性よりも圧倒的に多い社会が到来する。「剰男」(余った男)たちが選ぶ3つの道とは?

 

(「一人っ子政策」最大の副作用)

・だが、そうした歪みの中でも看過できない「副作用」が、男女比率の歪みである。

 

(女性100人に男性118人)

嬰児の性別の話に戻ろう。中国の農村部では、女児が生まれた場合、役場に出生届を出さなかったり、間引いてしまったり、業者に売りつけてしまったりということが横行した。何と言っても、欲しいのは跡取り息子なのである。

 

・世界の出生数を見ると、男子が女子より多いのは各国に共通な現象で、国連では「102から107の間」を正常な国家と定義づけている。

 

・だが、時すでに遅しだった。中国は2020年には、結婚適齢期とされる20歳から45歳までの人口で見ると、男性の数が女性の数よりも、3000万人も多い社会となってしまうのだ。

 

(「持ち家のない男」は話にならない)

・中国の女性は、マイホームを買えて、「家を成せる」男性と結婚したいのである。

 

(国策ドラマだった『裸婚時代』)

・2011年春、中国全土で『裸婚時代』というテレビドラマが大ヒットした。「裸婚」とは、何とも意味深な漢字だが、「裸一貫(無一文)で結婚する」という意味である。つまり、究極のジミ婚である。

 

(「お一人様の日」で大儲け)

・それは、「1」が4つ並ぶ11月11日を、「お一人様の日」と定めて、結婚できなかったり、彼女や彼氏がいない若者たちに、24時間限定の大規模なセールを行ったのである。

 

(「超男性社会」の近未来)

重ねて言うが、2020年の中国には、20歳から45歳までの男性が、同年齢の女性より3000万人も多いという、人類未体験の「超男性社会」が到来する。

 

将来は「アフリカ系中国人」という人々も、普通に目にするようになるかもしれない。

 

(同性愛大国への道)

・近未来の中国で起こるであろう二つ目の現象は、男性の同性愛者の増加である。

 

・「人民解放軍の若い兵士たちの中には、大量の同性愛者がいる」

 

・社会主義国の中国では、例えば、人民解放軍などの組織では同性愛は禁止しているが、それでもいまどきの若者たちは、意外にあっけらかんとしている。そもそも中国人は他人に無関心なこともあって、同性愛の青年たちは徐々に表に出始めてきているのである。

 

(「空巣青年」の「孤独経済」)

第三の現象は、「空巣青年」の増加である

 

・日本語の「空き巣」とは無関係で、親元を離れて大都市で一人暮らしをしている若者のことだ。

 

2021年  中国共産党100周年で「貧困ゼロ」に

・北京から農村に追放されて貧しい青少年時代を送った習近平は、農村の貧困層の支持を盤石にし、長期政権を実現させるため、ありとあらゆる手段を使って脱貧困を目指そうとする。

 

(中国の「中流」「貧困ライン」の基準)

・長い演説の中で、これでもかというほど「脱貧困」を力説したのだった。

 

(3000万人の「最貧困層」を3年でゼロにする)

・貧困家庭が政府から生活保護を受けるには、地元の役場へ行って、年収が2300元(約3万9000円)以下であるという「貧困証明書」を入手しないといけない。この年収2300元という基準は、胡錦涛時代の2011年に定めた。「貧困証明書」の様式は各地域によってまちまちで、個人がいかに生活が苦しいかを記述し、役所がそれにハンコを押す。

 

習近平主席が言う「貧困を撲滅する」という意味は、「貧困証明を取る人をなくす」ということである。「貧困証明書」取得者は2017年末時点で、約3000万人いる。そこで、2018年から毎年1000万人ずつ減らしていき、2020年にゼロにしようという計画なのだ。

 

(習主席の「貧困」体験)

・「私は前世紀の1960年代末、まだ十何歳で、北京から陝西省延安市近郊にある梁家河という寒村に派遣され、そこで7年間、農民をやった。貧困に喘ぐ村民たちとともに穴倉で生活し、土坑の上で寝た。何ヵ月も、一切れの肉さえ食べられないありさまだった。私はその村の党支部の書記になり、中国の庶民たちが何を求めているのかを理解した」

 

(毒食品問題の深層)

・胡錦涛時代に政権幹部から、「中国は1割のヨーロッパと9割のアフリカだ」という話を聞いたことがあったが、まさに言い得て妙だった。

 

・数年前に日本で問題になった中国産毒食品の氾濫は、まさに貧困の為せるわざである。

 

(「貧困地区の大開発」を利用して利権づくり)

・ともあれ江沢民政権は、西部大開発の名のものに、西部地域を巻き込んだ大規模なインフラ事業などを推し進めていった。

 

(「鬼城」が全国あちこちに)

・中国全土に点在するこのような「鬼城」は、大きな社会問題になった。さらに問題なのは、それらの建設費用の一部が、地方幹部の懐にキックバックされたことだ。

 

(農村を一変させた通販サイト)

・習近平政権になってから始めた貧困撲滅の試みを、二つ紹介した。一つはアリババが始めた農村版の「農村淘宝」である。

 

(最貧困地域をITの牙城に)

・貴州省のような貧困地域でも、3分の2もの地区で深刻な腐敗があったこと自体驚きだが、ともかく腐敗が蔓延しない監視システムを作った。

 その上でIT企業を誘致し、省の振興を図った。

 

(貧困を脱することができない村は潰す)

・脱貧困が可能と判断した村と、不可能と判断した村である。まず、不可能と判断した地域では、村人たちを早期に脱貧困が可能と思える地域まで引っ越しさせる。

 

(貧困層を養う5つの政策とは)

・第一に、インタ―ネット通販と農村を結びつける。第二に、1万の村の村民を100の都市の家政婦にする貧困層扶養計画。第三に、対外投資を行う企業に、農村の人々を海外に派遣する労働者として雇ってもらう。第四に多国籍企業に労働者として雇ってもらう。第五に、国境地域の貿易に貧困地域の人々を巻き込んでいくのだ。

 

2022年  大卒が年間900万人を超え「大失業時代」到来

・国が豊かになるにつれて大学生の数は今後も増え続ける。だが、高度経済成長が終わりつつある中、巨大な雇用を創出できなくなると…………。

 

(世界の大学生の2割は中国人)

・2017年9月現在、中国の現役大学生は3699万人に上り、世界の大学生の2割を占めるという。

 

(卒業生も日本の14倍)

・2022年に卒業生の数が990万人になれば、2017年時点の日本の16倍である。

 

・大卒者に対する社会の需要に対して、供給側の大卒者が不釣り合いに多いという意味だ。

 

(毎年1500万人の新規雇用が必要?)

・いくら中国が日本の25倍の国土を擁しているからといって、800万人もの卒業生に見合う職場など、あるはずもない。加えて、2017年には48万900人もの海外留学組が帰国している。さらに高卒や中卒を含めれば、毎年1500万人規模の職場が必要だ。これは東京都の人口よりも多い数である。

 

(新規就業者数1351万人のカラクリ)

・「2017年の都市部での新規就業者数は1300万人を超え、2017年12月の都市部の失業率は4.9%と、5%を下回った」

 

・一つは、「滴滴出行」という新興IT企業の存在である。別名「中国版ウーバー」だ。

 

(多すぎた運転手)

・そのため、大都市では戸籍を持たない運転手の進入を禁止した。この措置によって8割方の運転手が、再び失業してしまったのである。

 

(「1日に1万6600社が誕生」。だが、その大半は………)

・1日当たり1万6600社ということは、年間600万社!

 

・だがその一方で、100社創業すれば、そのうち90社から95社くらいは、いつのまにか雲散霧消しているのである。創業とは、死屍累々の残酷な世界なのだということを、深圳を視察して思いしった。

 

(「一流大卒」以外は結構厳しい)

・おそらく半数近くの大学卒業生が、自分が望むような職場を得ていないのではないか。

 

(エリートは国家公務員を目指す)

・当時は、学生たちに圧倒的人気だったのが国家公務員で、続いて国有企業だった。

 

(公務員「給与外所得」の実態)

・そもそも国家公務員が最も人気が高いのは、国有企業以上に安定性があるからだ。さらに、多額の「給与外所得」が見込めるということもあった。

 

(贈収賄で1日平均842人を処分)

・「この5年間で、154万5000件を立件し、153万7000人を処分した」

 

(究極の失業対策は「海外への人材輸出」か)

・今後も中国の大卒は増えていくことが見込まれるため、ますます「学歴通脹」(学歴のインフレ)が深刻になっていくのは自明の理だ。中国政府はこの問題を解決するため、海外への留学と海外での就業を奨励していくだろう。

 

2023年  世界一の経済大国となり中間層4億人が「爆消費」

・国際化やIT技術の普及によって、中国人が消費する金額・物量は驚異的な勢いで今後ますます膨らみ続ける。そしてそれは同時に、究極の監視社会にもつながるのか?

 

(1日で3兆円近くを売り上げるイベント)

(ユニクロもシャープも大儲け)

(悲願を達成した日)

・そして、2010年に日本を抜き去った中国が、次に見据えているのが、トップに君臨するアメリカなのである。

 

(その日は「2023年から2027年の間」)

(莫大な消費力――4億人の中間所得者層)

(「爆消費の時代」を予測する)

(中国人観光客の誘致は死活問題に)

(5年後の銀座の姿を知る方法

・私が常々、念頭に置いているのは、「現在の韓国が、5年後の日本」ということである。

 

つまり、5年後の銀座の様子を想像したければ、ソウルの明洞を見学しにいくとよいということだ。

 

(急成長を遂げる中国の「出前」ビジネス)

(クレジットカードは時代遅れ?)

(スマホ決済の履歴で個人に優劣がつけられる)

(『1984年』ビッグブラザーの恐怖)

・ただ、一つだけ警告しておきたいのは、こうしたスマホ決済から応用されるサービスの進化は、国家が国民のプライバシーをすべて管理する社会に直結するということだ。

 

2024年  年間1200万人離婚時代がやってくる

・純粋な愛情の問題から財テク目的まで、中国でさまざまな形の離婚が横行している。このハイペースが続けば2024年には600万人組ものカップルが破綻し………。

 

(華燭の離婚式)

(「別れ」から生まれる「出会い」)

(世界最大の離婚大国)

(「女性主導型」が多い)

(理由なき決断)

・「中国式離婚」の特徴の二つめは、ある日突然、離婚に至るケースが多いことである。

 

(地縁よりもカネの縁)

(偽装離婚でもう1軒!)

 

2025年  「中国製造2025」は労働力減少を補えるか

・「世界一の科学技術強国の実現」という野望を実現させるべく、人工知能(AI)・量子科学・自動運転車・次世代通信ほか、あらゆる分野で凄まじい投資と開発競争が行われている。

 

(中国がこれから傾注する産業分野)

(「労働力不足大国」でもある)

・その結果、中国の製造業における「用工荒」(人手不足)は、日増しに深刻になる一方だ。

(ホワイトカラーよりも厚遇のブルーカラー)

(日系企業の深刻な悩み)

・「慢性的な人手不足で、それはオートメーション化で補っていくしかない」

 

(李克強首相の檄

(「創業」プラス「創新」)

・もう一つの質問、IT企業と共産党政権との関係だが、中国政府の資金は潤沢で、多種多様な補助や優遇策を実施している。

 

(世界最強のAI大国への道を模索)

(巨額投資でAI強国化を目指す)

(量子科学・自動運転車・次世代通信……)

・中国の「IT社会主義」の成否は、もしかしたら21世紀前半の人類を左右する最大のテーマになるかもしれない。

 

2035年  総人口が減少しインドの脅威にさらされる

・「日本を完全に追い抜いた」と確信した中国は、次なる仮想敵国を東から西へ、すなわちインドに定めつつある。労働力人口では今後インドが優勢に立つ。はたして中国はどう出る?

 

(紀元前から人口調査を行ってきた国)

(中華人民共和国建国後の人口推移)

(中国総人口のピークは2035年?)

・2035年の15億7000万人がピーク

 

(隣国インドが世界一に)

さらに2050年になると、インドの人口は16億5897万人に膨れ上がり、中国より約3億人も多くなるのだ。

 

・そして2100年になると、中国の人口は10億2066万人と、なんとか10億人ラインをキープしている水準だ。これに対し、インドの人口は15億1659万人となり、中国の1.5倍の規模を誇ることになる。

 

(巨象が昇り、巨竜が沈む)

・中国で20世紀初頭に起こったマンションブームやマイカーブームが、インドでいま本格化し始めたことを勘案すれば、将来インド経済が中国経済を追い越す可能性は、十分あると言える。

 

(日本を超え、アメリカを超える)

・「2020年から今世紀の半ばまでを、二つの段階に分ける。第一段階は、2020年から2035年までで、小康社会(そこそこ豊かな社会)の建設の基礎の上に、社会主義の現代化を基本的に実現する。第二段階は、2035年から今世紀半ばまでで、富強・民主・文明・和諧・美麗の社会主義現代化強国を建設する」

 

(北朝鮮よりも緊迫している中印国境)

(「老いた金メダリスト」)

その時、彼らが日本のことを「老いた金メダリスト」と呼んでいるのを聞いて、ショックを受けた。

 

(「中印戦争」の可能性は?)

その意味でも、2035年までに中印が、アジアの覇権を賭けて軍事衝突――そんな悪夢のシナリオが起こらないとは言えないのである。

 

2049年 建国100周年を祝うのは5億人の老人

・日本とほぼ同じ速度で、日本の後を追うように急速な高齢化を迎える中国。ただし、日本と違って社会保障制度が整備されていないまま、しかも10倍の規模の超高齢化社会が誕生する。

 

(香港の完全返還で起こること)

・その2年前には、もう一つの祝賀行事が控えている。2047年7月1日をもって、特別行政区の香港が、完全に中国に組み込まれるのだ。

 

(「還暦以上が5億人!」)

・このまま進めば中国は2050年頃、人類が体験したことのない未曽有の高齢化社会を迎えるからだ。

 

(日本と同じ速度で高齢化)

・中国の高齢化は、日本に送れること30年ほどでやってくることを示している。

 

(日本の高齢化と異なる二つの点)

・ただし、中国社会の高齢化が、日本社会の高齢化と決定的に異なる点が、二つある。一つは、高齢化社会を迎えた時の「社会の状態」だ。

 

・65歳以上人口が14%を超える2028年まで、残り10年。中国で流行語になっている「未富先老」(豊かにならないうちに先に高齢化を迎える)、もしくは「未備先老」(制度が整備されないうちに先に高齢化を迎える)の状況が、近未来に確実に起こってくるのである。

 

日本とのもう一つの違いは、中国の高齢社会の規模が、日本とは比較にならないほど巨大なことだ。

 

(「要介護人口」2億人?)

・実際、中国では、すでに高齢化問題が深刻化になり始めている。

 

(社会保障は一部でパンク寸前)

・それでは、中国の社会保障制度は、高齢者をきちんとカバーしているのか。結論から言えば、必ずしもそうなってはいない。

 

(正論を言って解任された財務相)

・このままでは中国の年金制度も、日本と同様、破綻に至るリスクは増していくだろう。それでも、「年金崩壊論」は、中国ではタブーになっている。

 

(「高齢化ビジネス」中国へ輸出のチャンス)

・ともあれ、2050年頃に、60歳以上の人口が5億人に達する中国は、大きな困難を強いられることは間違いない。製造業やサービス業の人手不足、税収不足、投資不足……。それらはまさに、現在の日本が直面している問題だ。

 

(人口不足を補うために台湾を併合?)

・だが、もし万が一、中台戦争が勃発して、長期の混乱に陥れば、「戦乱時に人口は減少する」という中国史が示している通り、逆に中国は大きな打撃を受けるだろう。

 

(2049年の中国社会を予測)

それにしても、5億人の老人社会とは、いったいどんな社会だろうか?

 

・かつて「空巣青年」と呼ばれた自室でスマホばかりいじっていた青年たちは、「空巣老人」となる。この人たちは、生活にあまり変化はないのではないか。

 

アメリカを追い越して、世界最強国家として君臨しているのか、それとも……。「2049年の中国」を、ぜひとも見届けたいものだ。

 

 

 

『21世紀 地政学入門』

舟橋洋一   文藝春秋  2016/2/19

 

 

 

「米国の影響力は、地政学的バランスを回復することではなく、それを超越することである」

米国の衰退により、地政学的リスクが高まっている。地理、歴史、民族、宗教、資源、そして人口を抜きに、国家戦略は立てれない。

 

地政学的直観力とは何か

北朝鮮が崩壊する可能性が強まっている。2016年1月の金正恩体制下の核実験は、この国をさらに孤立へと追いやることになるだろう。北朝鮮はこのままでは、爆発(外)か自爆(内)の暴発のいずれのシナリオもありうる際どい状況に向かいつつあるように見える。そうなった場合、朝鮮半島の行方が日本の安全保障にとって再び、死活的な意味を持つ。

 

・しかし、世界は再び、地政学の世界へと引き戻されつつある。地理と地図が、各国が戦略的計算を行う上で、大きな要素となりつつある。

 外交も経済も市場もどこも、地政学リスクが高まってきている。

 地政学的リスクとは、地理と歴史のような変えようのない要素、さらには民族と宗教のような変えにくい要素が、国の戦略や外交に大きな影響を及ぼし、それが国家間の摩擦をもたらすようなリスクのことである。石油や希少資源のような、その土地、その場所でしか産出できないものとか、人口のように変わるとしてもきわめて長期的、緩慢なプロセスを経るものも通常、地政学的要素に加えられる。

 

日本に関して言えば、朝鮮半島と台湾が最大の地政学的要素であることに変わりはない。日本本土を守ろうとする場合、敵が攻め込んでくる一歩手前で敵の侵攻を食い止めるには、つまりは前方展開でそれを阻止するには、朝鮮半島と台湾を少なくとも敵側に渡さないことが、そしてその地域に敵対的政権をつくらせないことが死活的に重要になる。これは日本の長い歴史において変わらない地政学的真実である。

 

・1910年には韓国を併合し、中国とロシアと直接国境を接することになった。日本は大陸国家となったのである。しかし、日本はユーラシア大陸の地政学がどれほど恐ろしいものであるかに無知だったし、いまもそれは変わらないように見える。

 

・もう1つ、これからは人口が再び、重要な地政学的要素として重みを増す可能性が強い。米国の世界支配力が弱まり、それぞれの地域で地域大国が伸してくるだろうからである。地域大国の場合、人口規模がモノをいう。人口が国力と国勢に与える影響は、日本と中国の21世紀の地政学的課題として登場するだろう。

 

・もう1つ、日本の地政学的位置の危うさと恐ろしさを心に留めておく必要がある。

 日本ほど、地政学的にレバレッジが効きやすい位置にいる国も少ない。アジア太平洋の覇権(希求)国にとっては、日本を抑えるか、それとも日本と友好関係を結ぶかは、どちらになろうが「倍返し」の威力を持つ。ユーラシア東端の第一列島線の中核である日本列島は、決して消極的資産にとどまることはない。それだけに、よほど確固とした戦略と思慮深い外交を持たない限り、日本は戦略的な「駒」として利用されることになりかねない。そのリスクを知っておく上でも、地政学的直観力を身につけることが大切なのである。

 

 


9月25日(火)のつぶやき その2

2018-09-26 05:59:58 | 森羅万象