かねうりきちじの新書遍歴

多彩な職務経歴を持つ五十路男が、今読むべき新書を紹介します。

隣人をよく理解するために~益尾知佐子著『中国の行動原理』

2022年01月09日 | 新書
今年、2022年に冬季オリンピックが開催される中国。

国別人口数は第2次世界大戦後一貫して世界首位、2010年にはGDP国内総生産で日本を抜き世界第2位になり、大国となった中国。
経済規模が格段に大きくなった21世紀以降、その対外行動は日本をはじめとする近隣国を戸惑わせ続けています。

けれども著者は、そうした中国の対外行動は、突発的なものでも中華思想によるものでもなく、中国社会特有の行動原理に基づくものだと指摘します。

その中国の行動原理を知るためには2つの鍵があるといいます。
すなわち、”家父長制”と”潮流に乗る”。

この2つの鍵から国内政治のあり方がどのように動き、対外行動に反映されるのか。筆者自身の体験も交え、緻密にしかも分かりやすく解説した1冊です。

本書を読めば、中国に関する報道も、その裏側まで読み込めるはず。

中国という国が隣国であり続ける日本列島人が読むべきだと、かねうりきちじは確信しています。

目次
まえがき
序 章 国内力学が決める対外行動ー中国共産党の統治
第1章 現代中国の世界観ー強調されるづける脅威
第2章 中国人を規定する伝統的家族観
第3章 対外関係の波動ー建国から毛沢東の死まで
第4章 政教分離というキメラー鄧小平から習近平へ
第5章 先走る地方政府ー広西チワン族自治区の21世紀
第6章 海洋問題はなぜ噴出したかー国家海洋局の盛衰
終 章 習近平とその後の中国
あとがき
参考文献
中国の行動原理 関連年表




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