酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

読書三昧(27年2月)

2015-02-28 13:16:10 | BOOK


読書三昧(27年2月)

抗がん剤の副作用で頭の毛が抜け、手入れの必要もなかったのだが、薬が変わったらまた毛が生えてきた。それも黒い毛が。少し伸びて来たので、一年ぶりに理髪店に行ってきた。自分の体にもまだ元気な所があると思うとそれなりにうれしい。


2月に読んだ本
阿部和重・伊坂幸太郎共著『キャプテンサンダーボルト』
谷川悠里『ダンテの遺言』
林真理子『綺麗な生活』
米澤穂信『満願』
万城目 学・湊 かなえ・小路 幸也・向井 湘吾・藤谷 治『みんなの少年探偵団』
大沼遊魚句集『風の彩り』


☆阿部和重・伊坂幸太郎共著『キャプテンサンダーボルト』
売れっ子作家二人の共作。最初はそれぞれ章を決め書いたそうだが、途中で交換しお互いが手を入れたとのこと。そのせいか拍子抜けするほど違和感がなくすらすら読める。

☆谷川悠里『ダンテの遺言』
現存しないはずのダンテの『神曲』の直筆原稿の謎を、ボローニア大学で美術を学ぶ留学生香田節子、図書館員カシワ・タカシ、ボローニア大学のオルタ教授の三人が、解き明かしてゆく物語。禁書問題に絡めガリレオやロダンなども登場する。肝心の『神曲』を読んだこともないので、理解不能の部分もあるのだが、わからなくても結構面白い。
例えるなら、『ダ・ヴィンチ・コード』からエンターテイメント性を押さえたような小説とでもいえようか。イタリア在住の作者谷川悠里の処女作らしいが、中々の力作である。

☆林真理子『綺麗な生活』
美容整形に勤務の30歳の独身女性が主人公。付き合っていた2人の男と別れ、年下のイケメン大学院生と付き合いはじめたのだが・・・。
一気に読んだ。作品としては面白い。ただどうも好きにはなれない。私が30歳女性の心理がよくわからないからか、大学院生の人物描写に共感出来ないのか、それとも作者が際物的な題材を散りばめているせいか。もやもやした気分のまま読み終わった。

☆米澤穂信『満願』
書店員の推薦する「本屋大賞(2015年)」のノミネート作品10冊の内の1つ。ミステリー系のユニークな作品6篇からなる。それぞれの主人公の心の動きも丁寧に描かれており重量感がある。ライトノベル愛好者には、胃にもたれる感じもするかもしれないが・・・。中ではフリーライターが主人公の『関守』が好き。

☆万城目 学・湊 かなえ他『みんなの少年探偵団』
「江戸川乱歩」生誕120年の記念企画。乱歩へのオマージュとして書かれた五人の作家の作品。中高年のノスタルジーを掻きたてる面白い企画であるが、内容は子供たちも対象にしているのでそれほど歯ごたえがあるわけではない。
私は乱歩の雰囲気を醸し出しながら、意表を突く結末に持っていった万城目 学の『永遠』に一番魅かれた。

☆大沼遊魚句集『風の彩り』
昼飯を食べてお帰り寒いから
風光るその先ずつと青信号
もう少し酔へば螢になれるかも

ドラマ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』が面白い!

2015-02-24 00:16:05 | テレビ
ドラマ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』が面白い!

昨夜の『デート』面白かったですね。
視聴率は伸びてないみたいですが、私には大受けです。特に藪下依子(杏)の言動。今回では、瀕死の蛇に心臓マッサージを試みたり、初詣の絵馬では谷口巧(長谷川博己)が「彼女と結婚できますように」と書いたのに、依子は「世界平和」と書いたことなど笑ってしまいました。

点滴でぐったりしていたのですが、久しぶりに大笑いして元気出ました。

『エッグ』  

2015-02-14 23:51:28 | 演劇


NODA・MAP第19回公演『エッグ』     (於)東京芸術劇場プレイハウス

作・演出 :野田秀樹、出演:妻夫木聡・深津絵里・仲村トオル・秋山菜津子・大倉孝二・藤井隆・野田秀樹・橋爪功

架空のスポーツ「エッグ」でオリンピックを目指すアスリートたち。その中にはすでに有名選手である粒来幸吉(仲村トオル)や、東北から出てきた新人阿部比羅夫(妻夫木聡)がいた。この二人と人気歌手の苺イチエ(深津絵里)を中心に、人間の純真さ、愚かさ、狡猾さなどが描かれる中で、純粋なスポーツであったはずの「エッグ」の裏に、隠された真実があることが次第に明らかになっていく。 そしてそこには悲劇的な過去の歴史が・・・。


今回は2012年公演の再演であるが、中心の8人は変わっていない。初演では前半の面白さに比較して、後半のシリアスな部分がわかりにくかった気がしたが、今回は非常によく整理されており、結末へなだれ込んでいく勢いがあり感動した。


幕(ブレヒト幕というのかな?)を左右に動かし場面転換をしたり、「エッグ」の選手が使うロッカーから役者が出入りするなどでスピ―ディな面も舞台効果を高めている。


東京公演(2月22日まで)の後、3月にはパリでの公演もあるようだが、どんな評価を受けるのか今から楽しみ。


中島みゆき「縁会2012~3 劇場版」

2015-02-08 19:02:43 | 映画


映画 中島みゆき「縁会2012~3 劇場版」

上映期間が先月で終わったと諦めていたら、まだ「109シネマズ川崎」でやっているのを発見(2月12日まで)。急遽行ってきました。

「空と君のあいだに」「地上の星」「最後の女神」「化粧」「時代」など20曲が入っています。もちろん映画なので、臨場感では劣りますが、舞台では遠くて見えない中島みゆきや演奏者の表情が見え、約2時間面白く楽しめました。

ただ残念なのはラストの挨拶を除き中島みゆきの楽しい語りがカットされていること。理由はわかりませんが、前回もそうだったので方針なのでしょう。
まあどちらにしても迫力の中にも心地よい歌声を堪能できたので満足です。

『ボンベイドリームス』

2015-02-06 00:08:49 | 演劇


マサラ・ミュージカル『ボンベイドリームス』

作曲:A.R.ラフマーン、脚本:ミーラ・サイアル、演出・訳詞:荻田浩一
出演:浦井健治・すみれ・加藤和樹・朝海ひかる・久野綾希子・安崎 求・阿部 裕・川久保拓司ほか

貧民街からインドの国民的映画スターになる若者アカーシュ(浦井健治)の物語。他にネタはないのかと思うのだけれど、このミュージカルも最近のドラマや映画と同じように住民の立ち退き問題がからむ。
映画プロデューサーのマダン(安崎求)に認められたアカーシュは人気者になるのだが・・・。

前半は、ミュージカルなのに音響は悪いし、貧民街の人々の部分は騒がしいだけ。筋も平凡でどうなるかと思ったが、やっと後半に浦井健治がスローバラードを歌うようになってから落ち着いて見られるようになった。彼の歌は聞いているだけで心をうつ。

作曲はインド映画の傑作「ムトゥ 踊るマハラジャ」のA.R.ラフマーンだったようだが、今回の曲は映画ほどのときめきは得られなかった。

カーテンコールで観客も一緒に歌えるように劇中歌「SHAKALAKA BABY」の歌詞も配られていたのだが、役者から指示もないままなんとなく終わってしまった。会場には一緒に歌い踊りたそうな人がいっぱいいて、上手くやれば盛り上がっただろうにもったいない。
東京公演は2月8日まで

読書三昧(27年1月)

2015-02-02 18:31:52 | BOOK


読書三昧(27年1月)
変更になった薬の副作用もパターンが分かってきたので、少しはうまく付き合えるようになってきた。
1月はアジア杯のサッカ―やテニスの全豪オープンがあり少し気分がまぎれた。早くプロ野球や大リーグが始まらないかな。

1月に読んだ本
東野圭吾『マスカレード・イブ』
中島京子『パスティス(大人のアリスと三月兎のお茶会)』
伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジ―ク』
カズオ・イシグロ『夜想曲集(音楽と夕暮れをめぐる五つの物語)』
村上春樹『図書館奇譚』
小野寿子句集『角巻』

☆東野圭吾『マスカレード・イブ』
『マスカレード・イブ』を入れて4編の短編小説集。ホテルフロントの山岸尚美と若い刑事の新田浩介が単独で活躍。二人が出会ってからを描いた『マスカレード・ホテル』に続くシリーズ第二弾。相変わらず面白い東野圭吾の小説である。

☆中島京子『パスティス(大人のアリスと三月兎のお茶会)』
太宰治の『富嶽百景』など有名な小説から想を得た16の短編集。作者の発想が飛び過ぎていて頭が混乱。だんだん慣れるにしたがって面白くなる。私は原発や都市化への皮肉がさりげなくこめられた『青海流水泳教室』が特に好き。

☆カズオ・イシグロ『夜想曲集(音楽と夕暮れをめぐる五つの物語)』
五編の短編集。少し年配の男女の微妙な関係が音楽を背景に描かれている。カズオ・イシグロの作品を読むのは初めてであるが、静かな詩を読むような独特の雰囲気がありすごく魅力的。
今年5月には、東出昌大と安田成美主演で五編の中から「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」を一つの戯曲にして『夜想曲集』として舞台化が決まっている。

☆小野寿子句集『角巻』
耕して夕日まみれの髪直す
目刺食ひ死後の話のあかるかり
滝行者まなこ窪みてもどりけり