「時計じかけのオレンジ」赤坂ACTシアター
演出:河原雅彦 出演:小栗旬・橋本さとし・武田真治・吉田鋼太郎・キムラ緑子
印象は劇画。騒音に近い大音響の音楽、背景に映し出されるきらめく映像、
目の周りを真っ黒にしたメーク、傍若無人に暴れまわる若者たち。
前半は騒がしいだけでどうなるかと思ったが、人間の精神改造を行う
医者役の橋本さとしとキムラ緑子の二人が出てきてやっと落ち着いた。
悪の若者の中心的人物であるアレックス(小栗旬)は殺人で獄中へ。政府の犯罪者対策で
精神改造の治療を受け、無害な人間になって刑務所を出るのだが・・・。
キューブリックの映画が公開された頃には、衝撃的だったであろう内容も、現代ではそ
う驚きはない。悪に復活したアレックスが、年のせいだけで普通に戻るというのも安易。
ただ普通の人間に戻り、観客に語りかける小栗旬はチャーミング。あのシーンだ
けでも、ファンなら十分満足したはず。
前から感じるのだが、赤坂ACTシアターは音響が良くないと思う。音楽中心の舞台
だけに劇場を選べば印象はもっと良くなったかもしれない。
公演は1月30日まで