「遭難」 (劇団、本谷有希子第16回公演) 東京芸術劇場シアターイースト
作・演出:本谷有希子
出演:菅原永二、美波、佐津川愛美、松井 周、片桐はいり
2006年の初演で鶴屋南北戯曲賞を受賞した本谷有希子の舞台の再演を、10月23日(火)千秋楽に見た。
パンフレットは未読だが、この芝居の題は何故「遭難」なのだろう。みんながあたふたしているから?それとも「道」を踏み間違うということ??
生徒の自殺未遂で4人の教師が教員室を出され、校内の別室に。そこへ毎日訪ねて来て教師を追及するモンスター化した自殺生徒の母親が加わり事態は泥沼化。5人のバトルの中から徐々に自殺の真相が明らかになるのだが・・・・・。
今回の舞台は主演予定の黒沢あすかが病気になったため急遽菅原永二が代役で上演。
女教師(里見)の役を男性がやることになったのだが、意外に違和感はない。すべてを「トラウマ」のせいにして逃げようとする女教師を菅原が好演。前作を見ていないので比較は出来ないが、これはこれで完成の域に達している。かえって男性がやることで、怪しさが出て面白かったかも。
女教師(里見)については殺人こそないものの、その身勝手さは最近読んだ貴志祐介の『悪の教典』の主人公高校教師蓮実の考え方に近いものを感じた。
ところでリニューアルしたはずの東京芸術劇場、遅刻した人が入って来るたびに床がぎしぎし大きな音。どうなってるの???