酢豚のひとりごと

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ミュージカル『スリル・ミ-』

2012-07-28 11:06:29 | 演劇


ミュージカル「スリル・ミ-」(天王洲 銀河劇場)
  
原作/脚本/音楽:ステファン・ドルギノフ、演出:栗山民也、
出演:松下洸平・柿澤勇人

出演者二人だけ(松下洸平・柿澤勇人)のミュージカル。別にピアノ演奏者も舞台にいるが。
ミュージカルといえば楽しいイメージが浮かぶが、シカゴの実際に起きた事件が下敷きだというこの舞台の内容はかなり過激。

登場人物は裕福で知的な若者である「私」と「彼」。二人は同性愛の関係にあるのだが、「私」の方が「彼」にのめり込んでいて、「私」は「彼」のいうがままにあやつられている。「彼」はニーチェの思想に共鳴しており、自分は超人であるからなんでもやれるという思想の持ち主。スリルを求めて窃盗や放火をするが、いつも「私」が協力者。「彼」は今までのスリルに飽き足らず、とうとう誘拐殺人までやろうと言い出す。その計画は完全犯罪のはずだったのだが・・・。

緊迫感漂う1時間40分。歌とセリフがうまく溶け合ってずんずん引き込まれてゆく。
若い二人の俳優も役柄にぴったりの雰囲気で、演技も完ぺき。
男同士の愛の物語という点に違和感がないわけではないが、「私」の「彼」への一途な愛は心を打つ。
観客の熱烈なスタオベがこの芝居の出来を示していた。

東京公演は29日まで(違うペア4組が同じ芝居を演じる)