風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

絶滅危惧の農作業

2018年11月06日 07時40分51秒 | 随想

飯田市のワーホリでご縁が出来た果樹農家の10日間の干柿の銘品・市田柿の援農奉仕を終えた。61才の年に応募し、連続13年継続した。年に数回多種多様の農作業に熱中した事もあるが、古希を過ぎてからは軽作業の柿の皮むきの機械操作に限定する。

気候変動で今年は開花が早まり、成長も早く、作業が一週間早まった。

快晴の続く10日間は異常気象だろうが、温暖な気候で老骨に鞭打つ必要はなく老人に優しい環境。

春に花咲く柿は初夏に鶉の卵大に成長した時に一枝3個を一つに摘果、晩秋に未熟果を収穫するのは完熟すると皮むき作業が困難になるからである。脱皮した柿は紐に吊るされ30度の加温室で六時間程放置すると熟しが進み、硫黄燻蒸をして黒化を防止、一月程乾燥すると渋が抜け表面が硬化、回転ドラムで表面に亀裂を入れると内部の糖分が滲みだし結晶化し白くなると干柿の完成。

地球温暖化で気温が高いとカビの発生で全滅のリスクが高くなるので温度管理に神経を尖らす毎日が主人の仕事。

頭脳労働で容易に優雅な生活を獲得できる世間であるが、自然相手の農作業は一切皆苦の仏教の実践で報酬は低い。己を忘れ他を利する奉仕精神で顧客に満足を提供するが、モノで栄えて心が荒んでいる現世では絶滅が危惧される。


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