試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-124[ツヌ306F-2] (クハ103-48 改番,運転台側TNカプラーSP白濁対策試行) ※TOMIX製High-Grade製品

2017-04-30 21:00:17 | 国鉄/JR103系
黒色化。

TOMIX製103系High-Grade製品ツヌ306F-2は数少ない黄色5号の国鉄仕様である。
ツヌ306F-1はクハ103-48,クハ103-71が非冷房車時代の1979年4月をプロトタイプにしている。
2両のみの竣工だったが後にツヌ325F-2(Tc105)の中間車を異動し10両編成化した。
この時クハ103-105,クハ103-106は一旦保留車になっている。


国鉄103系ツヌ306F (1985/4)。
ツヌ306F-2:Tc61-M707-M'863-T468-M708-M'864-T469-M709-M'864-Tc48
※TOMIX製High-Grade製品。

編成表を確認すると都合良くクハ103-48,クハ103-61がモハ103-707以下8両と車両番号が合致した。
クハ103-105,クハ103-106(元ツヌ325F-2)をクハ103-61,クハ103-48へ改番し1985年4月現在のツヌ306F-2が出場している。
種車のクハ103-105,クハ103-106は中間車8両の先行増備に連動したため配置に苦労した。
103系国鉄仕様では1985年4月という中途半端なプロトタイプになったのもこの影響でもある。
しかしクハ103-71,クハ103-48(非冷房車:ツヌ306F-1)の存在が勝りツヌ306F-2を組成する機会は多くなかった。
加えて所属する103系ではスポットとなるプロトタイプで離合に相応しい編成が少ない事も追い打ちを掛けた。
最近は専ら休車状態に近くせっかくのTOMIX製High-Grade製品を活かせていない。
そこでクハ103-61,クハ103-48からクハ103-123,クハ103-124へ改番し新ツヌ306F-2へ改める。


入工中のクハ103-48。

先発入場はクハ103-48とした。
工程に改番が含まれるため無理せず1両/日の予定を組んでいる。
ツヌ306F-2は殆ど非稼働でありTNカプラーSPの白濁化が極端に進んでいた。
走行機会の多い編成は都度清掃を行っている。
余りにも白濁が激しい車両は保管品と交換する事もあった。
しかし白濁自体は防げずいたちごっこが続いてしまう。
既にTNカプラーSPの保管品は粉を吹いた個体が大半を占めるまでになった。
クハ103-48ではTNカプラーSPの分解清掃という今まで採用して来なかった方式とする。


激しく白濁したTNカプラーSP。

TOMIX製クハ103形High-Grade製品は配管付ステップを持つ。
TNカプラーSP撤去前に配管付ステップを取り外した。
かつてクハ103-277(ラシ336F-1)で配管が歪んだエラー品を引き当ててしまった。
見附向上のためクハ103-774(ラシ337F-2)と交換入場させたのを機に構造を掴めた。
その後もクハ103-774の他にクハ103-485,クハ103-486(ツヌ328F:TOMIX製旧製品)へ装着しており戸惑いは無い。
撤去したTNカプラーSPは内部まで白濁が見られたため連結器部を含めばらばらにした。


分解清掃により減少した白濁部。

試験的にクリーナーを浸した極細綿棒を併用し各部の拭き上げを行っている。
今までは外観から手の届く範囲内で白粉を除去してきた。
初の完全分解とクリーナーでの清掃となり今後の経過が気になる。
材質が変わらない限り白濁現象は防げないと思う。
ただ少しでも進行度を下げられる可能性があり定期的に確認していく予定である。


黒色に戻った運転台側TNカプラーSP。

可能な限り白濁部を拭き上げたが細部までは手が届かなかった。
品番刻印部やジャンパ連結器モールド上部には僅かに白濁した箇所が残っている。
全体的に見れば部分清掃より黒味が強くなり製品状態に近くなったと思う。
なおカプラースプリングが密着自動式とは異なる引掛式だったことを失念していた。
組立時に難儀したがスプリングを伸ばす事無く組立を終えている。


[クハ103-48]。

クハ103-48は製品付属のインレタを使用していた。
TOMIX製High-Grade製品付属インレタのバラ数字は転写に苦労した記憶が強く余り使用したくなかった。
しかしツヌ306F-1が全車製品付属インレタを用いていたためこれに揃えた。
初期形冷房改造車はリリースから時間が経過している。
これに比例しインレタの劣化も進んでいるはずである。
密かに[クハ103-124]がブロックインレタに存在しないか期待したが無駄だった。
再び転写に苦戦すると思いながらも節約式改番を採用した。


[クハ103-[1][2][4]]。

ところが予想外な答が返ってきた。
バラ数字インレタは適度に劣化が進みシートから剥離し易く変わっていた。
両側ともバーニッシャーで軽く擦るだけで[クハ103-]+[1]+[2]+[4]での改番を失敗せずに終えている。
グリーンマックス製古インレタの劣化に苦しんだ直後だっただけに意外な結果だった。
今後黄色5号編成増備の際にはTOMIX製High-Grade製品用古インレタを活用した方が作業が捗るかもしれない。
そもそも新品時の転写し難さが不親切だと思う。




TNカプラーSPの清掃を施したクハ103-124。

クハ103-124への改番に伴う変更点は無くクハ103-48時代と外観は全く変わりない。
この点は国鉄仕様から国鉄仕様への異動だったため工程を容易にしてくれた。
清掃により黒色化されたTNカプラーSPは前面を引き締める効果を齎したと思う。
胴受部は浮き立たなくなり除去しきれなかった白濁部も目立たずに済んでいる。
後はこの状態をどの程度保てるかに懸かる。




クハ103-124(ツヌ306F-2:改番)。

思いの外時間を要さずクハ103-124が竣工した。
改番よりもTNカプラーSP清掃の方が手間を要したほどである。
ここは程良く劣化したTOMIX製High-Grade製品付属インレタのお陰だろう。
インレタ転写アレルギーは完全に解消されたと思う。
あくまでグリーンマックス製古インレタの劣化が酷過ぎただけたったらしい。


クハ103-48,クハ103-124 (ツヌ306F-1,ツヌ306F-2)。

クハ103-48(ツヌ306F-1)は比較的走行機会が多くTNカプラーSPは簡易な清掃を行ってきた。
マウント内部には激しい白濁現象が見られるが外観からは伺えない。
しかし分解清掃を施したクハ103-124に比べると胴受周りがやや主張している様に見える。
これは乾式と湿式の違いなのかもしれない。


モハ102-865+クハ103-124 (ツヌ306F-2:TNカプラーSP未清掃)。

なお連結面側は全車放置状態で白濁したままになっている。
連結してしまえば影に隠れる箇所のため性能さえ確保できれば問題無いだろう。
さすがに運転台側は放置できず今回の措置に至った。
続いてクハ103-61(元ツヌ306F-2)が入場する。
クハ103-124と比較のため清掃は乾式で行う予定である。

国鉄103系津田沼電車区312F [Tc817] 朱色1号編成 後期仕様 (旧クハ103-819,旧クハ103-826[旧ツヌ322F] 改番異動)

2017-04-29 21:15:53 | 国鉄/JR103系出場:総武・中央線
異動完了。

KATO製国鉄103系旧ツヌ322F(Tc819)のうち旧クハ103-819,旧クハ103-826はツヌ316F-1(Tc106)への異動対象から外れた。
しばらく留置されていたが各々クハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-2)へ改番され復帰した。
既に在籍するツヌ312F前期仕様(ツヌ312F-1:Tc817)と合わせ12両体制に変更しプロトタイプの隙間を補完する。




国鉄103系ツヌ312F 朱色1号編成 後期仕様(1982/1)。
[ツヌ312F-2]:Tc817(-M754-M'2011-T497-M755-M'2012-T498-M756-M'2013-)Tc824
クハ103-817,クハ103-824 ベンチレーター交換。

ツヌ312Fは(Tc817)は1981年9月に津田沼区へ転入した。
豊田区からの転属初陣は同月転入のツヌ311F(Tc821)でサハ103-772組成が特徴だった。
それから遅れること約1週間でツヌ312Fが登場した。
ツヌ312Fのサハ103形は量産冷房車で揃い朱色1号編成では初めて整った編成になった。
前期転属編成の特徴は[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーが前面用:小形,側面用:全扉上貼付であった。
ツヌ313F(Tc143),ツヌ314F(Tc213:→ツヌ315F)までは前面に小形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーが用いられた。
ところが小形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーは視認性が劣ったらしい。
1981年12月転入のツヌ315F(Tc69:→ツヌ314F)から大形ステッカーが新たに採用された。
津田沼区朱色1号編成では前面小形誤乗防止ステッカーが貼付されたツヌ314F(Tc213)までを前期転属編成と解釈している。


ツヌ312F-1。

編成管理番号は朱色1号編成前期仕様をツヌ312F-1へ改め後期仕様はツヌ312F-2とした。
モハ103-754以下8両はツヌ312F-1と共用とし都度クハ103-817,クハ103-824(ツヌ312F-2)を入れ替える。
各々両立しないプロトタイプであり12両体制に留めた。
旧ツヌ322F全車をツヌ312F-2へ異動する方法もあった。
しかし前途の理由もありツヌ316F-1の10両編成化が優先されている。
行先表示類は旧ツヌ322F時代と変わらない[25C 中野]である。
当初は[西船橋]幕への変更を考えていた。
ところがツヌ316F-1組成で陥ったインレタ転写不調からの脱出に注力したため今回は見送っている。
ツヌ312F-2の出場により転入当時から塗装変更が開始される1982年4月までが再現可能になった。
だが前期仕様,後期仕様共にクハ103-817,クハ103-824が塗装変更車で見劣りする点が惜しまれる。


ツヌ314F,ツヌ312F-1 (前期転属編成前期仕様)。

前面小形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーを持つ103系朱色1号編成はKATO製ツヌ314F(Tc213)が在籍する。
ツヌ314Fも12両体制で前期仕様と後期仕様が再現できる。
但し転入後に編成番号が変更されたため前期仕様:ツヌ314F,後期仕様:ツヌ315F-2(Tc213)に区分している。
クハ103-213,クハ103-214(ツヌ314F,ツヌ315F-2)はクハ103-243,クハ103-244(大阪環状線仕様)を種車とした。
二代目クハ103-243,クハ103-244は広幅Hゴムモールド再現前面窓セルの供出名目で導入されている。
狭幅Hゴムモールド前面窓セル化されたクハ103-243,クハ103-244はその措置に困った。
この際プロトタイプの隙間を埋める手法を採ったがツヌ312F-2で再び繰り返されている。
なおクハ103-214(ツヌ314F)は前面[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー貼付位置が低い異端車だった。


ツヌ315F-2,ツヌ312F-1 (前期転属編成後期仕様)。

この他にTOMIX製High-Grade製品ツヌ313F(Tc69)が前期仕様で在籍している。
モハ103-665以下8両が黄色5号へ改められた朱色1号混色編成でツヌ312Fとは外観の雰囲気が全く異なる。
前面誤乗防止ステッカー交換時期と中間車塗装変更時期が被った上に正確な記録を持ち合わせていない。
そのため朱色1号混色編成と小形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーが両立するか判らずイメージ編成の可能性を含む。


ツヌ313F。
※TOMIX製High-Grade製品。

ツヌ312F-2は旧クハ103-819,旧クハ103-826の改番で出場に至った。
外観の変化は側面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー追加しかなく大きな加工をせずに済んでいる。
その代わりクハ103-817,クハ103-824はツヌ322F時代と余り変わり映えがしない。
むしろ前面小形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーとの対比が目立つツヌ312F-1との差が大きくなった。
ツヌ312F-2は消去法での出場であったがそれなりに効果を得られたと思える。




ツヌ312F-2サイドビュー(クハ103-817:旧クハ103-819改番,[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー追加施工車)。


ツヌ312F-1サイドビュー(クハ103-817:塗装変更車)。

行先表示類を変更しなかったためツヌ312F-2は今後の再入場を含む。
出来れば塗装変更車からの脱却も行いたい。
車体更新と同時に行先表示類変更が行えれば理想的である。
しかし現時点ではTOMIX製クハ103形旧製品の車体更新が優先事項である。
当分はツヌ312F-1,ツヌ312F-2とも塗装変更車で推移するだろう。

クハ103-817[ツヌ312F-2] (旧クハ103-819[元ツヌ322F] 改番,側面用誤乗防止ステッカー追加)

2017-04-28 21:53:23 | 国鉄/JR103系
保留車解消。

KATO製103系元ツヌ322Fで最後の保留車だった旧クハ103-819が入場した。
クハ103-817へ改番しツヌ312F朱色1号編成後期仕様(ツヌ312F-2)を組成する。
改番に成功したクハ103-824に続きインレタ転写アレルギー解消も狙った。


国鉄103系旧クハ103-819(元ツヌ322F:塗装変更車)。

クハ103-819も塗装変更車で塗装被膜の状態が悪い。
被膜は薄く埃も混入していた。
この点は今回の施工対象外である。
クハ103-817への改番が先行するため改善されないままでの存置が決定した。


入工中の旧クハ103-819

クハ103-819の車内側には種車の黄色5号が残り一部は車体断面にまで顔を出していた。
何故ここまで雑な施工で終えたのか分からない。
中期塗装変更車で厚塗りからの脱却を狙った可能性がある。
それと引き替えに極端な薄塗りになってしまった。
元ツヌ322Fが全車メーカー塗装車で揃っていればTOMYTECHigh-Grade製品ツヌ322Fは編成単位で増備されなかっただろう。
改番は簡易改番式とし[クハ103-819]までを流用する。
ツヌ312F-2異動に絡む改番は苦手な[4],[7]標記の転写を要する苦しい展開になった。
古インレタの[7]標記は比較的残っておりある程度の失敗は許される。
残数が気になったクハ103-824(ツヌ312F-2)よりは気楽に作業を迎えられた。
その前に不要となる[クハ103-819]を除去する。
爪楊枝で剥離しようとしたが思ったよりインレタの硬度が高かった。
塗装被膜が薄く無理は禁物である。
そこでゴム系接着剤巻き取り用の爪楊枝を持ち出し崩すように[クハ103-819]を取り除いた。
転写糊はインレタごと崩れたようで車体の拭き上げは行っていない。


[クハ103-81[7]]。

シートが剥奪し目安が合わせ難かった古インレタは横方向からライトを当て文字が浮き立つようにした。
直前までシートが光を帯びるため車体へ密着させる直前までインレタの標記を確認できている。
早くからこの方式を採用していればツヌ316F-1異動入場時に位置合わせで難航する事は無かっただろう。
転写目標は[クハ103-819]のずれが少なく水平方向の乱れが酷くなければ合格とする。
しかしインレタの劣化には逆らえない。
[クハ103-817]が欠ける転写が続出し転写は捗らなかった。
両側とも失敗を繰り返したが[7]標記インレタは余裕があり焦りには繋がらない。
集中してやり直しを行い欠けの生じない転写を待った。
その結果無難な標記で纏められている。
これでインレタ転写への抵抗感も弱まったと思う。


貼付済側面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーを集約したクハ103-817(1-3位側)。

続いて全側扉上への[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー貼付に着手した。
クハ103-824同様貼付済の側面用誤乗防止ステッカーを1-3位側へ集中配置している。
なお側面用誤乗防止ステッカー剥離時にも塗装被膜を傷める可能性があった。
幸い1-3位側の誤乗防止ステッカーが一箇所浮いていたため1-3位側へ集約した。
新たに切り出した側面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーは全て2-4位側へ貼付している。


クハ103-817 [25C 中野]。

前面はクハ103-817改番後も変更が無いため何も手を加えていない。
油性ペイントマーカーで再現したステンレス飾り帯は竣工当時の状態を維持していた。
クハ103形高運転台車の塗装変更ではステンレス飾り帯の色挿しが必ず付いて回る。
油性ペイントマーカーは十分な耐性を持つ。
マスキングさえしっかり施せれば大きな壁にはならないだろう。




クハ103-817(ツヌ312F-2:旧クハ103-819 改番,側面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー追加施工)。

最後に窓周りの塗料滓を取り除きクハ103-817(ツヌ312F-2)が竣工した。
クハ103-819時代からの塗装斑は変わらない。
余り体裁は宜しくないが元ツヌ322F全車が復帰した事に意義がある。
運良く当て嵌る編成が在籍し保留車を生じさせずに済んでいる。
但し今後車体更新の可能性は否めない。


クハ103-817,クハ103-817 (ツヌ312F-1,ツヌ312F-2)。

クハ103-817(ツヌ312F-2)もクハ103-817(ツヌ312F-1)とは前面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーの寸法差異しか無い。
しかし小形誤乗防止ステッカーと大形誤乗防止ステッカーでは雰囲気が大きく異なる。
クハ103-819,旧クハ103-826の異動先はツヌ312F-2組成しか手が無かった。
隙間を突いた竣工ながら良い差別化を図れたと思う。


クハ103-817+モハ103-754 (ツヌ312F-2:塗装変更車+メーカー塗装車)。

塗装変更車のクハ103-817,クハ103-824が組成されるのはツヌ312F-1,ツヌ312F-2共通である。
皮肉にもツヌ312Fの先頭車両は何れも低水準で見附が揃った。
優先順位を付けようが無くプロトタイプ順にツヌ312F-1を基準編成としたい。

クハ103-824[ツヌ312F-2] (旧クハ103-826[元ツヌ322F] 改番,側面用誤乗防止ステッカー追加)

2017-04-27 21:28:45 | 国鉄/JR103系
打破。

KATO製103系ツヌ322F(Tc819)はTOMIX製High-Grade製品に代替され編成ごと廃止された。
モハ103-757以下8両はツヌ316F-1(Tc105)へ改番異動させ早々に復帰させた。
一方旧クハ103-819,旧クハ103-826(塗装変更車)は異動先が決まらず宙に浮いたまま休車になっていた。


国鉄103系元ツヌ322F 朱色1号編成(1982/7)。
元ツヌ322F:Tc819-M757-M'2014-T499-M758-M'2015-T500-M759-M'2016-Tc826

豊田区から+朱色1号のまま津田沼区へ転属したクハ103形高運転台非ATC車編成は意外に少ない。
都合4編成が転入したがツヌ323F(Tc811)は黄色5号への塗装変更を経た。
そのため朱色1号で運用された編成はツヌ311F(Tc821),ツヌ312F(Tc819),ツヌ322F(Tc817)の3本に留まる。
モハ103-757以下8両のツヌ316F-1異動入場中に旧クハ103-819,旧クハ103-826(元ツヌ322F)の転用先を考えていた。


クハ103-826 (元ツヌ322F)。

ツヌ311F,ツヌ312F,ツヌ322Fは何れも在籍している。
しかしツヌ322FはTOMIX製High-Grade製品化された上に差別化が行えないため組成できない。
ツヌ311Fは朱色1号混色編成でサハ103-772以外は黄色5号を纏う。
加えてプロトタイプ都合によりクハ103-821,クハ103-828(ツヌ311F)を朱色1号には出来ず対象外となった。
所有編成の兼ね合いからで異動先は1編成しか該当せず自動的にツヌ312F-2(Tc817)組成が決定した。
既にツヌ312Fは10両編成化済で異動される旧クハ103-819,旧クハ103-826はバリエーション用となる。


入工中の旧クハ103-826

ツヌ311Fは豊田区からの前期転属編成だった。
後期転属編成のツヌ322Fからツヌ312Fへ異動となり側面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー追加が必要となる。
全側扉上への誤乗防止ステッカー貼付はモハ103-367+モハ102-523(ツヌ316F-1)と同一方式を採用する。
その前に立ちはだかるのは改番だった。
ツヌ316F-1への異動入場では劣化した古インレタに苦しみ転写工程が苦痛になった。
しかし今後も改番を要する機会は巡って来る。
抵抗感の払拭を目指し旧クハ103-826を入場させた。


[クハ103-826]:1-3位側。

クハ103-826クハ103-824へ改番する。
既に[クハ103-826]標記の転写は乱れていた。
今回も位置合わせに苦労するのは間違いない。
そこで多少の段差には目を瞑り[クハ103-826]を流用する節約改番式を採用した。
クハ103-826は塗装変更車でも特に塗装被膜が薄く[クハ103-826]の除去は慎重に行った。
それでも塗装被膜には擦過痕を生じさせている。
この箇所は新たに転写する[クハ103-824]で隠せると期待した。


[クハ103-82[4]]:1-3位側。

クハ103-826を先発させたのは残数の少ない[4]標記インレタを転写出来るか確認する目的があった。
仮に失敗すれば新インレタ調達かツヌ312F-2組成を断念するかの選択に迫られる。
改番の可否が今後の計画を左右する展開になった。
転写ボーダーは大幅に下げている。
前途の通り[クハ103-826]にはずれが生じ車両標記は乱れていた。
[クハ103-824]の転写位置目安は[クハ103-824]とし[クハ103-824]のずれは気にしない。
塗装変更車のせいか失敗回数は少なく抑えられた。
何れも転写崩壊が原因で思いの外順調に改番を終えている。


全側扉上に[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーが貼付されクハ103-824

続いて側面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーの追加に入った。
後期転属編成の特徴だった隔扉配置の貼付済誤乗防止ステッカーは2-4位側に集約した。
ステッカーサイズは寸法通りで新たに切り出すステッカーもこれに倣っている。
改番で余計な神経を使わなかったため集中力は持続できた。


クハ103-824 [25C 中野]。

クハ103-824(ツヌ312F-2)は改番と側面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー追加だけで竣工した。
そのため前面用大形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーには手を加えていない。
劣化が生じていれば貼り替えが必要だったが文字滲みは見られず継続使用とした。
行先表示類も元ツヌ322F時代を承継しており前面からは入場前との差異が全く無い竣工を迎えている。




クハ103-824(ツヌ312F-2:旧クハ103-826 改番,側面用[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカー追加施工)。

側面見附は[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーが全側扉貼付に改まった。
ベンチレーターはツヌ312F-1がAssyベンチレーター化されている都合で交換していない。
[クハ103-824]標記は引きであれば余り段差を気にしなくても良いと思う。
ここは[クハ103-824]を基準にした効果と言えるだろう。


クハ103-824,クハ103-824 (ツヌ312F-1,ツヌ312F-2)。

クハ103-824(ツヌ312F→ツヌ312F-1)も塗装変更車である。
奇しくも二代目クハ103-824と揃いツヌ312F-1,ツヌ312F-2での共通項となった。
なおクハ103-824(ツヌ312F-1)は前期転属編成の転入当時をプロトタイプにしている。
そのため前面用小形[総武・中央線 各駅停車]誤乗防止ステッカーが貼付されておりクハ103-824(ツヌ312F-2)とは趣が異なる。


モハ102-2013+クハ103-824 (ツヌ312F-2:メーカー塗装車+塗装変更車)。

またクハ103-824にはシルバーシートマークインレタが転写されている。
これほど塗装状態の悪い車両に転写したのは車体印刷再現のシルバーシートマーク透過を誤魔化すためだった。
クハ103-826は中期塗装変更車で印刷標記類を消去しないまま作業に入ってしまった。
これに加え塗装被膜が極端に薄くなり異例のシルバーシートマーク転写を行っている。
現在でも[千ツヌ]電略標記の面影が残るが追加施工する予定は無い。

クハ103-824の竣工で旧クハ103-819の改番に目途が立った。
改番はたまたま上手く行っただけかもしれない。
クハ103-819の改番は難航するかもしれず油断せずに作業に入る。

京成3200形モハ3296[3298F-3] 復活赤電色 動力ユニット再整備(経年対策) ※中期整備施工車

2017-04-26 21:21:21 | 京成線:3200形
余計。

マイクロエース製京成形式の動力ユニット整備は3200形最終編成となる3298F復活赤電色(3298F-3)が入場を迎える。
3298F-3は3298Fリバイバル開運号(二代目)を種車に出場した。
LOTは3298Fグループと同一だが中古製品で導入した点が異なる。


3200形3298F 復活赤電色。
3298F-3:[3298]-[3297]-[3296]-[3295]。

リバイバル開運号の復活赤電色化は号車表示と[指定特急]ステッカー印刷剥離が主工程だった。
モハ3298,モハ3295は種別表示器取付等が加わったがM1車は印刷剥離のみで復活赤電色へ仕様変更を終えた。
本格的に爪楊枝式印刷剥離を採用したものの[指定特急]ステッカーがなかなか崩れなかった印象が強い。
辛抱して[指定特急]ステッカーを剥離しモーンアイボリーの塗装被膜を守った。
現在でも剥離痕は殆ど目立たず数少ない成功例の1つと言える。


モハ3296 復活赤電色 (3298F-3:動力車)。

3298F-3の整備記録を振り返るとモハ3296は前オーナーさんの手入れにより軽微な内容で済まされていた。
この当時はユニットカバーを取り外し導電板状態確認と動力台車の過剰グリス除去に手を付け始めた頃である。
ただモハ3296の詳細な記録は全く残していなかった。
軽微な内容が中途半端に終わっていると痛い目に遭う予感がする。


入工中のモハ3296。

ユニットカバーを撤去すると染みのように酸化した導電板が現れた。
擦過痕は無くクリーナーで拭き上げただけだった。
染み状の酸化は拭き上げが雑でクリーナーが一部残っていたためだと思われる。
事前に予想した中途半端さが露呈した瞬間でもあった。


予想が的中した導電板状態。

導電板は染みのような酸化の他に全体が霞んでいた。
そのため通常整備と同じくラプロス#4000で研磨する。
霞んだ箇所は両端に強く現れていた。
染み状の酸化は中央部に集中している。
クリーナーで拭き上げたと言いながら全体には行き届いていなかったらしい。


研磨中の導電板。

モハ3296リバイバル開運号仕様(3298F-2)とは異なり研磨は順調に進められた。
仕上げ前の綿棒による清掃では先端が真っ黒に変わった。
中期整備施工車ではこの様な例が増えてくると思われる。
その点では良いデータ収集になった。


まずまずの状態だったKS-121動力台車。

KS-121動力台車は夥しいグリスが見られず竣工当時に近かった。
しかし委細に見るとギア山の谷部に純正グリスと思われる残滓が存在した。
特に成田寄動力台車にこの傾向が強く見られ上野寄動力台車と共に分解整備を施す。
ギア類で気になったのはグリスの残滓のみである。
そこでモハ3296(3298F-2)で採用した歯ブラシによる清掃を行う。
劣化したグリスは歯ブラシで容易に除去できた。
最後にクリーナーで拭き上げギアボックスに組み上げた。


グリスを除去したギア類(上野寄)。

ギアボックス内にも多少の純正グリスが残っていた。
こちらはクリーナーを浸した綿棒で掻き出している。
動力台車の清掃は15分/台で終了した。
純正グリスの絶対量が少なかったためクリーナー浸け等の手間を要さなかった。
この点が大きく作用したと思う。


KS-121動力台車とは対照的なスパイラルギア周り(成田寄)。

しかしスパイラルギアは純正グリスが残ったままだった。
それでも動力台車のギア類清掃よりは作業が捗る。
金属製ギアはプラスチック製ギアに比べ神経を遣わなくて済む利点がある。
動力台車がプラスチック製ギアのため摩耗だけは経年で心配される要素と言えよう。
スパイラルギア周りは構造が単純でグリス除去には然程時間を取られなかった。
なおスパイラルギアも歯ブラシで清掃を行った。


整備を終えたKS-121動力台車(成田寄)。

特に気になるモーター駆動音は出ていなかった。
同経年車は同一施工とするためモーター軸受部へ注油している。
何故かフライホイール部への埃侵入が激しくエアーダスターで吹き飛ばした。
なおモーターストッパーはモハ3296(3298F-2)と同じ黒色成形品が用いられていた。
3298F新赤電色を所有しておらず各仕様でどの様な差異があったかは判らない。
ただ3298Fリバイバル開運号だけは黒色成形品だった可能性が高いと思う。


黒色だったモーターストッパー。

動力ユニットを組み立て津川洋行製ホイールクリーナーでの車輪踏面清掃に移る。
通常走行後に必ず使用しているが添加したタミヤ製グリスを馴染ませる目的もあり基本工程に組み込んでいる。
駆動試験では加減速の変化こそ出なかったが駆動音が静かになった。
これはギア周りの整備が関係していると思われタミヤ製グリスの効果だと思う。


全工程を終えた動力ユニット。

モハ3296(3298F-3)は動力ユニット整備を終え竣工した。
これで3200形全編成への施工が終了し一段落を迎えている。
次は最大勢力を誇る3300形が入場対象となる。
3300形はプロトタイプを合致させる目的で動力ユニットの振替えを繰り返した。
その都合で製品リリース時期と動力ユニットのLOTが合わない編成が多数存在する。
車両履歴を追い掛けるより順次入場させた方が効率は高いだろう。
3200形と同じく編成管理番号順に動力ユニット整備を進めたい。

京成3600形3668F 現行色 6両VVVF制御編成 中期仕様 白地種別幕編成 (種別幕交換:後期,現行仕様廃止)

2017-04-25 21:40:00 | 京成線出場
転換。

マイクロエース製京成3600形3668F現行色VVVF制御編成(3668F)は後期・現行仕様から中期仕様へ変更され再出場した。
現行仕様は6両編成の後期仕様からサハ3608-サハ3601を脱車するだけの暫定対応で出場させていた。
今回の中期仕様化により後期,現行仕様が同時に消滅している。




京成3600形3668F 現行色 VVVF制御編成 中期仕様。
3668F-1:3668-3621+3608-3601+3628-3661
※白地種別幕編成。

3668F中期仕様は中間車化改造車を4両組み込む異色の編成である。
元クハ3608,元クハ3601,元クハ3628,元クハ3621は乗務員室が存置され2+2+2編成に見えるのが面白かった。
4両編成化により2+2編成に改まり特色がやや薄れたように感じる。
個人的解釈で[K'SEI]CIマーク貼付後かつ白地種別幕の時期を中期仕様としている。
中期仕様では幕式運行番号表示器とLED式運行番号表示器の2種類が存在した。
幕式運行番号表示器化は中間車化改造車とプリズムケースを入れ替えれば再現できる。
車両番号表示板は富士川車輌工業製ステッカーで改番が可能だった。
この入場ではモハ3668,モハ3661の白地種別幕化が先行したためLED式運行番号表示器のまま存置されている。
なおプロトタイプはLED式運行番号表示器化後の2003年8月頃から色地種別幕化される2010年6月頃までに該当する。
中期仕様化に伴い[B19]と4両編成の組合せが廃された。
4両編成暫定対応から約2箇月で仕様変更に踏み切ったのは運行番号との齟齬に葛藤を抱えていたためである。
当初から[B5X]を採用していれば現行仕様優先で6両編成組成時でも納得できたと思う。
製品仕様はLED式運行番号表示器改造後で表示も[B19]から変更していない。


3658F,3668F。

一方で行先方向幕は[上野]から[千葉中央]へ交換した。
所有する英字併記白地[普通]種別幕編成は上野方面行に偏っていた。
仕様変更と同時に[千葉中央]へ改め上野方面行:千葉中央方面行=8:6まで戻している。
[B19 千葉中央]は当時のダイヤを追跡し確定した。
行先は運行番号から逆引きし[B19]の継続使用を可能にしている。
その代わり3600形系列内では3編成が下り方面行に集中しバランスが崩れた。
3668F-1のプロトタイプは3658F現行色中期仕様(3658F),芝山3600形3618F前期仕様(3618F-1)と重なる。
また色地種別幕を持つ3600形は3618F芝山色(3618F-2:[快速])の1編成だけに減少している。


3618F-2。

3600形系列内ではプロトタイプの偏りが強く出てしまった。
しかし3658F:白地[快特]種別幕,3618F-1:白地[快速]種別幕+上り[高砂]と一癖ある設定にしており変更は考えていない。
3668F現行仕様復活が念頭にありその際は色地[普通]種別幕+[津田沼]を採用する予定である。
そのため3668F現行色中期仕様の編成管理番号は3668F-1とし将来の増備に備えた。
但し3668Fの市場価格は高値で推移しており即導入は難しい。
保管品に廻った色地[普通]種別幕は現行仕様転用が前提で投入が実現すれば再用される。


3500形3540F,3668F。

白地[普通]種別幕は3500形3540F更新車中期仕様(3540F-1)に続いて富士川車輌工業製ステッカーを用いた。
ステンレス車体形式の英字併記白地種別幕編成は少数派で3668Fの中期仕様化を後押ししている。
グリーンマックス製3700形完成品は5次車でストップしており千葉線系統の増強が出来ない。
唯一の幕式表示器とした3818Fは[(飛行機)特急]を採用したため英字併記白地種別幕編成の増強も急務だった。


3700形3818F。

残念ながら3668Fが中期仕様に変更されても運行期間から3818Fとはイメージ離合となる。
不均等に感じるものの3000系列ではマイクロエース製3200形,3300形で同時期のプロトタイプ編成が多数在籍し補完できている。
3668F-1は3540F-1,新3000形3010F(3010F-1,3010F-2)と共に千葉線系統へ彩りを添える存在となる。
千葉線仕様に限っても新京成形式全編成との離合が可能で自由度は比較的高くなった。


3668F-1サイドビュー(モハ3661)。

中期仕様化は前面種別幕交換が主工程だった。
よって側面見附の変化は全く無い。
但し中間車化改造車の旧運転台側をKATOカプラーに交換しており編成全体での雰囲気は大きく変わった。
初入場時にもTNカプラーSPとKATOカプラーのどちらを選択するかで悩んでいる。
静態時の前面見附を考慮しTNカプラーSPを採用したが6両固定編成となったためKATOカプラーへの変更に至った。
3668F後期,現行仕様が復活出来れば旧運転台側にはTNカプラーSPを採用し識別と差別化を両立させる予定である。


モハ3621+サハ3608 (KATOカプラー化)。

3668F後期,現行仕様の廃止は大きな決断だった。
現行仕様暫定対応後は予想通りサハ3608-サハ3601が脱車される4両編成優先の傾向が強く出てしまった。
回着当時の3668Fは現行仕様強化が名目だった。
実車が4両編成化され6両編成(後期仕様)の存在が中途半端になった事も影響したと思う。
今後は2+2+2編成の特徴を十分に活かせるだろう。

京成3600形モハ3628[3668F-1] 現行色 VVVF制御車 中期仕様 元運転台側KATOカプラー化 ※ライトレンズ折損車

2017-04-24 21:08:31 | 京成線:3600形
折損。

マイクロエース製京成3600形3668FVVVF制御編成中期仕様(3668F-1)の中間車化改造車はKATOカプラー化を進めている。
ここまでモハ3621,サハ3608,サハ3601と順調に推移してきた。
しかし最終入場車のモハ3628は他車と事情が少々異なる。


京成3600形モハ3628 現行色 VVVF制御車 中期仕様(3668F-1)。

クハ3658現行色中期仕様(3658F)の種別幕交換入場時にライトレンズを破損させてしまった。
そこでモハ3628とライトレンズを振替え竣工させた。
モハ3628はライトレンズ部周囲へゴム系接着剤を塗布し車体支持に変更した。
この際に亀裂で留まっていたライトレンズは中央部で2分割され完全な折損に至っている。
2分割のままでは心許なく凹部中間に流し込み接着剤を投入し破断し接合を図った。
復旧時は再び分解される機会は無いと考え一安心していた。


入工中のモハ3628。

3668Fの中間車化改造車はKATOカプラー化と並行しアルミテープによる前照灯の反射再現も施工対象に加えた。
折損したライトレンズを持つモハ3628は他車より慎重に取り扱う必要がある。
更にモハ3628はライトレンズ交換時に余計な細工を施し裏目に出た。
簡易的な復旧で留めたため原形復帰を要する。
そのため折損したライトレンズを撤去する羽目になった。
今考えるとゴム系接着剤での固定補助は余計だったかもしれない。


ライトレンズが折損しているモハ3628。

モハ3628はライトレンズ装着時に油性ペイントマーカーで前照灯の銀色化を試行した。
これは完全なる失敗に終わった。
単に塗装しただけになる初歩的な答を予想できなかったらしい。
中間組込を逆手に取り雑な塗料除去で済ませたがアルミテープ貼付の効果を削ぐと予想し出来るだけ剥離する。
ライトレンズを撤去しようとしたところ破断箇所があっさり分離してしまった。
やはり流し込み接着剤では強度を維持できなかった。
結果的に2分割されたライトレンズ各々でペイントマーカーのインク除去を行っている。


塗料が残る前照灯レンズ。

油性ペイントマーカーは所有車両の各所で使用している。
よってある程度の耐性を把握できていた。
ところが球面のライトレンズでは思うように除去が進まない。
側面には蒸着処理が施されておりこれも作業の行く手を阻んでいる。
あれこれ試したが最終的に爪で剥がす強引な手法で落ち着いた。
完全にインクは除去出来ずライトケースとの境には微量の塗料が残ってしまった。
それでも着手前より見映えは向上している。
ライトレンズは一体化せず2分割のまま車体に付着したゴム系接着剤で再固定した。
2分割で残した上に接着力の弱ったゴム系接着剤ならば今後の分解に手こずらなくて済むと思う。
破断箇所は折損当時の断面を残しており左右の段差を生じさせずに済んでいる。
最後に座席部品元運転台側へアルミテープを貼付し組み立てた。




モハ3621 [■■■ ■ ■]:前照灯レンズ修正,前照灯リフレクター簡易再現施工,KATOカプラー化。

前照灯レンズに一部塗料が残ったため仕上がりに不安があった。
しかし一定の効果はあったようで二重瞼の様な前照灯レンズから決別できた。
アルミテープ貼付への影響も殆ど無くサハ3608,サハ3601に近い状態まで戻せている。
モハ3621は今後も破損部品を抱えたままとなる。
ゴム系接着剤で支持したライトレンズは万全な対策とは言い難い。
そのため分解時に注意を要する点は変わらない。


サハ3601,モハ3668 (KATOカプラー化,中期仕様化)。

3668F-1は当初計画とは異なる全車入場を経て再出場となる。
モハ3668,モハ3661中期仕様化竣工まで中間車化改造車のKATOカプラー化は全く構想に無かった。
6両編成で固定化されなければTNカプラーSPのまま存置していたと思われる。




モハ3621+サハ3608 (KATOカプラー化)。




サハ3601+モハ3628 (KATOカプラー化)。


モハ3668+モハ3621。

KATOカプラー化により中間車化改造車の元運転台側連結部はその間隔が広くなった。
これは予め折り込み済でむしろ編成内での連結面間隔が揃うと考えていた。
貫通幌基準では確かに均等化が図れた。
一つ失念していたのは3600形の前面デザインが三平面折妻だったことである。
そのため後退角を有する分だけ切妻連結部との間隔が広がった様に見えてしまう。
少々計算違いが生じたが目立つジャンパホースがKATOカプラー化の恩恵と言えよう。

京成3600形モハ3621,サハ3608,サハ3601[3668F-1] 現行色 中期仕様 中間組込改造車 元運転台側KATOカプラー化

2017-04-23 21:47:07 | 京成線:3600形
急変。

マイクロエース製京成3600形3668F現行色VVVF制御編成はモハ3668,モハ3661の中期仕様(3668F-1)化で出場予定だった。
仕様変更により今後暫定的に4両編成を組む機会は無くなる。
そこで初出場時に採用するか悩んだ中間車化改造車の元運転台側をKATOカプラーへ変更する。


京成3600形モハ3621 現行色 VVVF制御車(3668F-1:動力車)。

元運転台側のKATOカプラー化はモハ3621(動力車)から開始した。
中期仕様への変更には全く関連しない部品変更でモハ3668,モハ3661とは別名目の入場となった。
モハ3621は動力車でカプラーアダプターを動力台車用にしなければならない。
他編成回着整備時に転用を繰り返しており違和感の少ないカプラーアダプターを探すことから始まった。


入工中のモハ3621。

サックスブルーやダークグレー成形のカプラーアダプター保管品は余裕があった。
しかし肝心なライトグレー成形のカプラーアダプターは殆ど見当たらなかった。
恐らくサックスブルー成形KS-121動力台車へライトグレー成形のカプラーアダプターを転用したため不足したと思う。
ようやく見付けたカプラーアダプターはライトグレー成形品ながらFS-562動力台車とは色温度が異なる。
成形色から推測すると3200形発生品の可能性が高い。


KATOカプラー化したFS-562動力台車。

連結時にはカプラーアダプターが目立つ事はない。
よって類似色の3200形用と思われるカプラーアダプターで代用した。
今後動力台車と同系統の色合いを持つ発生品が出た場合には交換対象としたい。
KATOカプラーは保管品を使い切ったため新品を採用した。
グリーンマックス製3400形,3700形のTNカプラーSP化が絡んだため十分な余裕がある。
一方TNカプラーSPはその価格設定から数多くの保管品を押さえられない。
しかし予想外な展開で補充が叶った。




モハ3621 [■■■ ■]:KATOカプラー化。

中間車化改造車の運行番号表示器は[■■■]表示だった。
ステッカー都合でプリズムケース内へプラ板を設置したが全く目立たずに終わっていた。
今入場でモハ3504,モハ3501朱帯色後期仕様と同一手法により運行番号表示変更も考えた。
しかし[■■■]表示は2両分しか手元に無く見送っている。
富士川車輌工業製ステッカーに頼らず自作ステッカーの改訂で対応した方が早いかもしれない。


サハ3608 現行色 中間組込改造車(3668F-1)。

続いてサハ3608が入場した。
サハ3608以降は全車非動力車でモハ3621よりもKATOカプラー化が容易である。
カプラーアダプターはマイクロエース製3500形に付属していた予備品を起用する。
予備品は全てKATOカプラーへ交換済であり作業効率は高くなる。


入工中のサハ3608。

TNカプラーSPを撤去しFS-013AへKATOカプラー付カプラーアダプターを組み込むだけで主工程を終えた。
FS-013A非動力台車とFS-089非動力台車用カプラーアダプターとの色温度差は殆ど無い。
そのためFS-562動力台車に比べスマートな外観となった。
残念ながら連結時にはこの効果は体感できない。


3500形用カプラーアダプターを用いたFS-013A非動力台車。

ここで急遽一手間加える事を思い付いた。
回着した3668Fの中間車化改造車はモハ3621を除きライトレンズ裏面に蒸着処理が施されていなかった。
そのため組み立てると前照灯が真っ黒になる。
編成では全く見えない箇所になるがモハ3621との差を少しでも縮めるための細工を施す。


アルミテープを貼付した座席部品旧運転台側。

既に代打で起用したが中間車化改造車のライトレンズは先頭車用の予備品を兼ねさせている。
直接ライトレンズを塗装すると代替が利かなくなる。
ライトレンズに手を加えずリフレクターの煌めきを演出するためアルミテープを持ち出した。
座席部品の旧運転台側前端立ち上がり部にアルミテープを貼付した。
ライトレンズと座席部品は近接しており前照灯からの導光反射に期待している。




サハ3608 [■■■ ■]:前照灯リフレクター簡易再現施工,KATOカプラー化。

結果は手応えのあるものだった。
蒸着処理のモハ3621には敵わないものの真っ黒だった前照灯は銀味を帯びるようになってくれた。
尾灯レンズは赤マッキーで表面を赤色化している。
この2つの効果でモハ3668,モハ3661を上回る表情になったと思う。
ただTNカプラーSPからKATOカプラーへ変更したため留置時の趣は相殺されている。




サハ3601 [■■■ ■ ■]:前照灯リフレクター簡易再現施工,KATOカプラー化。

サハ3608での好結果を受け中間車化改造車は全て座席部品へのアルミテープ貼付が決定した。
次に入場したサハ3601もサハ3608と同等の措置を施している。
種別表示器が残るサハ3601は狭幅のプラ板で[]幕を再現した。
表示変更の必要性が無く広幅化は行わない。

元運転台側KATOカプラー化最終入場となるモハ3628は自身の失敗が影響し注意点が存在する。
基本的な作業はサハ3608,サハ3601に準ずる。
但し破損部品を抱えるため慎重に作業したい。

京成3600形モハ3661[3668F-1] 現行色 VVVF制御車 中期仕様 (種別幕交換,行先変更) ※白地種別幕車

2017-04-22 21:12:12 | 京成線:3600形
仕様変更。

マイクロエース製京成3600形3668F現行色VVVF制御編成の中期仕様化はモハ3661が入場した。
基本工程は先に竣工したモハ3668に倣う。
糊の除去に苦戦した行先方向幕ステッカー剥離を別方式に改め作業時間の短縮を狙う。


京成3600形モハ3661(3668F-1) 現行色 VVVF制御車。

モハ3661は3668F回着整備第二陣だった。
そのため試作要素が残る点はモハ3668と変わらない。
中間車化改造車のモハ3628,モハ3621,サハ3608,サハ3601は中期仕様化の影響を受けない。
よって車両毎の小さな差異は残る。
しかし外観は統一されており今後も分解を要する入場まではこのまま存置させる方向とした。


入工中のモハ3661。

先ず方式を変更する行先方向幕ステッカー剥離から作業を開始した。
3600形の行先方向幕は前面窓と一体成形されたセルで分解しないとセルがずれ動く傾向が強い。
室内から前面セルを押さえながらステッカースライダーで行先方向幕を左手へスライドさせた。
Hゴムモールド部の凸部を乗り越えると一気にステッカーが横滑りしてくれた。
モハ3661では表面のクリアフィルムも分離することなく綺麗に剥離できている。
行先表示器内には薄い幕状の糊が残った。
これはニチバン製セロハンテープにより一度で除去を終えた。
剥離した[上野]はまだ保管品に余裕がある。
またクリアフィルムの天地が剥離前から痛み始めており再用が難しく破棄となった。


傾斜する種別幕。

色地[普通]種別幕撤去は前面から押し込んで行う。
モハ3661もゴム系接着剤による上下2点止めを採用していた。
押し込まれた種別幕は上部の固定が殆ど機能していなかった。
そのため押し込んだだけで簡単に後傾している。
種別幕ベース下部は車体側へゴム系接着剤を塗布した。
ある程度固定されていたらしく固着度はモハ3668より高かった。
仮にこのままでも脱落はしなかったと思う。
その代わり車体側に残ったゴム系接着剤の除去を要している。


[千葉中央]:マイクロエース製ステッカー。

種別幕取付前に行先方向幕貼付を行った。
ステッカーは京成3600形系列共通のマイクロエース製3300形1stLOT付属品である。
3300形1stLOT付属ステッカーも転用がかなり進んだ。
特に[千葉中央]は残り1編成分まで減少している。
クリアフィルムの耐性を考え[千葉中央]に限り予備用へ転換する。
なおモハ3668に合わせ若干切り出し天地を詰めた。
モハ3661では行先表示器内へ平行にステッカーを落とせた。
しかし左右のずれが生じ微調整を行っている。
垂直方向の修正とは異なり中央合わせは無難に終えられた。


再製作した白地[普通]種別幕。

モハ3661の種別幕ベースは3200形,3300形以来の狭幅だった。
ステッカー左右に余裕が無く上下2点止めにするしか固定方法が見い出せなかった。
今回の入場で広幅に変更し標準化される。
接着が左右2点止めへ変わるため安定度は飛躍的に向上するだろう。
取付はゴム系接着剤を使用した。
種別幕再交換の可能性は低いものの塗布量は微量に留めている。
接着剤の幕を張る程度とし従来通り撤去は前面から押し込むだけで可能とした。




白地[普通]種別化されたモハ3661。

白地種別幕は色地種別幕に比べ外周の境が判断し難い。
やや平行合わせに労したが違和感の無い取付に至った。
3600形は太字の旧種別幕時代を含めると白地種別幕だった期間の方が長くなる。
白地[普通]種別幕に変わったが見慣れた表情になったと言える。
この感覚は3658Fを中期仕様で出場させたのも影響したと思う。
点灯試験も問題無く合格しモハ3661も中期仕様化を終えた。


モハ3661 点灯試験[B19 普通 千葉中央]:白地[普通]種別幕化。

モハ3661竣工までの所要時間は30分程度だった。
まだ日付変更線を跨ぐには余裕がある。
そこで然程時間を要さないと思われるモハ3668の行先方向幕修正に着手した。
歪んだ[千葉中央]は剥がさずにステッカースライダーで平行合わせを行う。
これはクリアフィルム保護のためである。
3300形1stLOT付属ステッカーの[千葉中央]は緊急予備で出来るだけ温存したい。
傾きや歪みを少しずつ矯正しどうにか継続使用可能な状態まで持ち込んだ。




行先方向幕の歪みを修正したモハ3668。

Hゴムモールド内で位置変更を行ったためステッカー周囲のクリアフィルムが少し浮いてしまった。
これもステッカースライダーで押し込みスケールでは目立たなくしている。
種別幕交換より行先方向幕交換に手こずったもののモハ3668とモハ3661で見附を揃えられた。
中期仕様化の肝だった白地[普通]種別幕化が無事に完了し新3668F-1の出場を迎える。

京成3600形モハ3668[3668F-1] 現行色 VVVF制御車 中期仕様 (種別幕交換,行先変更) ※白地種別幕車

2017-04-21 21:21:21 | 京成線:3600形
決断。

マイクロエース製京成3600形3668F現行色VVVF制御編成は後期仕様(3668F-1)と現行仕様(3668F-2)を兼ねている。
初出場時は実車がまだ6両編成で当時のダイヤを追い行先表示類は[B19 普通 上野]を採用した。
その後サハ3608-サハ3608を脱車し暫定的に4両編成対応を図り現行仕様増強対策とした。


京成3600形3668F 現行色 VVVF制御編成。
3668F-1:3668-3621+3608-3601+3628-3661:後期仕様。
3668F-2:(3668-3621)+(3628-3661):現行仕様。

4両編成暫定対応時から運行番号の[B19]がしっくり来なかった。
マイクロエース製京成形式は3600形から運行番号表示器も点灯するようになりそれが仇となってしまった。
運行番号表示器はLED式改造後のため富士川車輌工業製ステッカー採用と相俟って[B19]が強烈な存在感を放つ。
やはり4両編成は[B5X]でないと違和感を持つ。
運行番号表示器プリズムを減光から遮光へ変更する事も考えた。
しかしせっかくの点灯機構を殺すのは癪に障る。
そこで根本的に考えを転換し仕様変更を行う。


入工中のモハ3668。

一旦後期・現行仕様は廃止する。
更に色地[普通]幕では4両編成仕様への未練が残るため白地[普通]幕に改める。
3668Fはプロトタイプを遡らせ6両編成で固定し[B19]との適合を守ることにした。
作業はモハ3668から開始した。
省力化のため分解は見送りセルは全て残したまま細工を行う。
プロトタイプ変更と同時に行先変更も実施する。
しかし分解を避けた事がいきなり裏目に出た。


糊が激しく残る行先表示器。

3600形系列は全編成ともマイクロエース製3300形1stLOT付属の行先方向幕ステッカーを採用していた。
このステッカーは何故か表面のクリアフィルムが剥がれ易い弱点を持っている。
セル再現のHゴムモールドを傷めない様にステッカーを剥離しようとした。
ところが先に剥がれたのはクリアフィルムでステッカー本体は行先表示器内に残ってしまった。
こうなると掻き出すしか手が無くなる。
どうにかステッカーを取り除いたが行先表示器セルには夥しいステッカーの糊が残った。
糊の除去に多くの時間は割けずひとまず先へ進む。


撤去した色地[普通]種別幕。

3668Fはマイクロエース製京成3600形系列で最初に出場した編成で試行錯誤を繰り返した。
後に外観の標準化を施したが種別幕は出場時のまま手を着けて来なかった。
種別幕ベースこそ広幅仕様だったもののゴム系接着剤による上下2点止めのまま残っている。
上部の接着固定はスペースの都合で貫通扉窓セルの断面に頼るしかなかった。
交換される色地[普通]種別幕を前面から押し込んだところ下部を支点にあっさりと斜めになった。
実質下部1点止めに等しくライトレンズによる抑えが無ければ脱落していたと思う。
この弱点は3668Fだけに存在し今回の白地種別幕化で固定の不安は廃される。


左右2点止めに変更された種別幕固定。

取り外した色地[普通]種別幕は保管品へ廻した。
まだ富士川車輌工業製ステッカーの補充を行っておらず色地[普通]種別幕が手元に無い。
そのため再用の確率はかなり高いだろう。
新たに取り付ける種別幕は英字併記[普通]幕とした。
マイクロエース製3500形3540F中期仕様(3540F-1)に続く富士川車輌工業製英字併記白地[普通]種別幕採用となった。
3668Fの中期仕様化は富士川車輌工業製種別幕ステッカーの残数も絡んでいる。




[千葉中央]に歪みが残るモハ3668。

行先方向幕は再びマイクロエース製3300形1stLOT付属ステッカーを用いた。
なお行先表示器セルに付着した糊は比較的粘着力の弱いニチバン製セロハンテープで除去している。
凹部への密着は爪楊枝で行いセロハンテープが満遍なく密着するようにした。
これを数回繰り返し糊の残滓は無くなっている。
肝心のステッカー切り出しは天地がやや狭くなり貼付時に傾いてしまった。
小手先で戻そうとしたものの逆に歪みを招く結果になった。
3668F再出場までには修正を図る。


モハ3668 点灯試験[B19 普通 千葉中央]:白地[普通]種別幕化。


3500形3540 点灯比較[B55 普通 高砂]。

種別表示が色地[普通]幕から白地[普通]幕に変わり前面の雰囲気が大幅に変化した。
[普通]が浮き立っていた幕点灯も種別表示器全体が光るため3658F中期仕様に近くなっている。
記録では[普通]が飛んでいるが実際にははっきりと視認できる。
この点は既に3540F-1で起用しており結果は心配していなかった。


モハ3661,モハ3668 (後期仕様,中期仕様化)。

3668F中期仕様化に向けて先ずモハ3668が竣工した。
反省点は行先方向幕ステッカー剥離方式である。
結果的に除去へ至ったものの無駄な時間を使ってしまった。
モハ3661ではステッカースライダーで滑らせながら剥離し少しでも糊の付着を抑えたい。

京成3500形モハ3591,モハ3590[3592F-2] 6次車 現行色 晩年仕様 優先席マーク転写 (モハ3590 ウエイト黒色化)

2017-04-20 21:28:03 | 京成線:3500形
統一完了。

TOMYTEC製京成3500形3592F現行色晩年仕様(3592F-2)はM1車の整備に着手した。
基本的には優先席マーク転写が主工程となる。
モハ3589で手を出さなければ回って来ない作業のはずだった。


モハ3590 6次車 現行色 晩年仕様(3592F-2)。

TOMYTEC製3500形3592Fは優先席マークが製品付属シール依存で車体印刷ではない。
またマイクロエース製3500形3504Fは登場時がプロトタイプとされ優先席自体が存在しない時代だった。
そのため3500形未更新車は全3編成とも優先席マークが無い状態が続いていた。
優先席マーク転写はマイクロエース製3504F朱帯色後期仕様(3504F)が先陣を切った。
その後3592F現行色後期仕様(3592F-1)がTNカプラー廃止時に優先席マークを転写している。
3592F-2もそれに続く予定だった。
ところが京成3500形3540F更新車出場,新3000形3051Fパンタグラフ交換,芝山3500形3540F出場で先送りされている。
この間に運悪くインレタ転写アレルギーに見舞われた。
しかしモハ3592,モハ3589の車体不等沈下解消が優先席マーク転写への切っ掛けになった。


入工中のモハ3590。

先に入場させたのはモハ3590(動力車)とした。
優先席マーク転写の他にTOMYTEC製動力ユニットのウエイト黒色化を施工する。
然程時間を要する工程ではないが手数が増えるため先発させた。
モハ3590は竣工当時のまま推移してきた。
ウエイト黒色化はモハ3591(3592F-1)で先行したがこれは3592F-2との識別が目的で採用した。
その後外観からウエイトを目立たなくさせるため標準化項目に変わりモハ3590もその対象になっている。
3592F-1との識別は側面行先表示器の表示が異なる他に号車を変更しており容易である。


ウエイトを撤去した動力ユニット。

竣工後動力ユニットは特に手を加えてこなかった。
しっかり磨いて装着したはずのウエイトはやや霞み掛かった状態に変わっていた。
これは経年で生じたものだと思われる。
ダイキャスト自体の自然劣化は否めない。
ウエイト黒色化はマッキーで塗り潰すだけだがダイキャスト表面を保護してくれる。
劣化の進行を遅らせる手段にはなるだろう。
但し被膜が薄い上に強度も低く定期的に確認若しくは上塗りした方が無難だと思う。


黒色化を終えたダイキャスト。

ダイキャストは爪嵌合で着脱は容易である。
どうしても塗り斑が出てしまうが外観から目立なければ問題ない。
黒色化したウエイトを装着する際に早速角のマッキーが剥がれた。
再度塗り潰すと共に天面も二度塗りとし被膜を強化した。
TOMYTEC製動力ユニットは黒色のモーターカバーで覆われている。
ウエイトを黒色化すると全体的に締まって見えるのが面白い。


モハ3590+モハ3589 (モハ3590優先席マーク転写)。

最低でも4枚は残したいジオマトリックス製優先席マークは一発転写で終えられた。
転写位置がモハ3592,モハ3589とも異なるのはご愛嬌である。
歪み無く転写できたためインレタ残数を優先し作業終了とした。
これでモハ3591で失敗を繰り返さない限り3556F朱帯色用の優先席マークを確保できる見通しが立った。




モハ3590(動力ユニットウエイト黒色化)。

全工程を終えモハ3590が竣工した。
動力ユニットのウエイト黒色化は順次進行中で結果は判っていた。
やはり室内に見えるダイキャストが埋没する効果は高いと思える。
3556F朱帯色の回着整備でも当然採用する。
ウエイトの黒色化はマッキー頼みが弱点ではある。
プライマー+黒色塗装が理想的だが技量を考えると背伸びしない方が安全だろう。


モハ3591+モハ3592 (山側:モハ3591優先席マーク転写)。

そして最終入場車のモハ3591を迎えた。
ややシートからずれた優先席マークがありこれを最初に転写した。
答は予想通りの失敗で再転写を行っている。
2回目で成功し優先席マークは残6で踏み留まった。
3556F朱帯色で許される失敗は2回である。
回着する頃までにはインレタ転写アレルギーを解消させたい。




3592F-2 (行先方向幕交換,モハ3592,モハ3589車体不等沈下対策施工)。


3592F-1 (車体不等沈下対策車)。

モハ3591の竣工を以て3592F-2が再出場した。
TOMYTEC製3500形3592Fは2編成での仕様統一に至っている。
加工前のM2車に比べ車体裾とFS-089との間隔が狭まり運転台側の浮き上がりは解消された。




3592F-2サイドビュー(モハ3589:車体不等沈下対策施工)。

前面行先方向幕は両編成とも富士川車輌工業製ステッカーだが前面用と側面用の違いがある。
しかし色地種別幕と青地種別幕の醸し出す雰囲気が異なり違和感は生じていない。
3556F朱帯色は英字無併記方向幕のため表示変更を伴う場合には前面用を起用する予定である。
全ては製品印刷の種別,行先次第だが千葉線仕様でリリースしてくれると有り難い。

京成3500形モハ3592[3592F-2] 6次車 現行色 晩年仕様 種別・行先表示交換,運転台側台枠整形:車体不等沈下対策

2017-04-19 21:38:23 | 京成線:3500形
連続。

TOMYTEC製京成3500形3592F現行色晩年仕様(3592F-2)の仕様統一はモハ3592を第二陣とした。
モハ3589に続くM2車を入場させ運転台側台枠整形の感覚が残るうちに作業へ入る。
台枠整形さえ終えれば車両に致命的な破損を生じさせずに済むためM1車は先送りとした。


モハ3592 6次車 現行色 晩年仕様(3592F-2)。

所有するTOMYTEC製車両は将来の変形防止を狙い全車座席部品と台枠を一体化している。
固定は流し込み接着剤による溶着で剥離に労する事はない。
再一体化も同一手法が採用出来る。
しかしプラスチックへの負荷を考えると出来るだけ分離回数を減らしたい。
運転台側台枠の一部を欠き取るだけながら作業は慎重に行う必要があった。


入工中のモハ3592。

座席部品と台枠の固定は前後2点止めを採用している。
溶着とは言え斜め方向からの入力には弱い傾向がある。
台枠の切除箇所はモハ3589同様ダミーカプラー取付ボス枠直近で細工しなければならない。
ここが座席部品と台枠の溶着部で負荷を極力減らすよう努めた。
罫書き後はクラフトナイフで当該部を削る。
この際は必ず座席部品と台枠を挟み床板が撓まないようにした。
TOMYTEC製台枠はやや薄めの軟質プラスチックで加工が容易なのは助かる。
その代わり経年で両端が下垂する個体に出会す事が多く座席部品との一体化でこれを予防していた。
初竣工時に貫通扉との支障を掴めていれば余計な神経を使わずに済んでいたのが惜しまれる。


整形した運転台側台枠。

整形済の台枠にTNカプラーSPを取り付けるとカバー切除部の確認に都合が良い。
凹形に加工した台枠部に張り出す箇所が貫通扉に当たる。
この箇所を予めマッキーで塗り潰し切除はTNカプラーSPカバー単体で行った。
台枠,TNカプラーSPカバー共に強引な開削だった3592F-1に比べてかなり丁寧な方法へ変わった。
まだTOMYTEC製18m級台枠の保管品があるため交換,再施工を考えて良いかもしれない。


車体裾と平行に嵌合された床板。

製品状態では構造都合で運転台側が押し出される。
これに釣られ連結面側の傾斜を招く原因になっていた。
貫通扉との競合が廃されほぼ車体裾に揃うよう改められた。
なお3592F-1はモハ3591のTNカプラーが不調に陥り全車TNカプラーSPへ交換した。
今の所3592F-2で不具合は生じておらず運転台側を除きTNカプラーは継続して使用する。




運転台側車体裾が下がったモハ3592。

台車とTNカプラーSPへの加工で車体不等沈下はほぼ収まった。
車体裾と連結器の間隔は個人差で相応しいと思える幅があると思う。
自分でもどちらがスケールらしいか判断できない。
あくまで不等沈下対策がもたらした付帯効果である。
他社製京成形式スカート未装着車は施工後の位置に近い。
マイクロエース製3200形,3300形,グリーンマックス製3150形ではほぼ揃っている。
形態の近いマイクロエース製3500形朱帯色後期仕様は黒色連結器時代で間隔そのものが分かり難く参考にならなかった。


3300形モハ3304現行色中期仕様(3304F-4)。

前面種別・行先方向幕は富士川車輌工業製ステッカーへ交換した。
行先は従来の[(千葉) ちはら台]を踏襲している。
貼付済のマイクロエース製ステッカーは狭隘な粘着面積も影響し剥離に苦戦した。
モハ3589で富士川車輌工業製ステッカーへの切替えが確定しておりニードルで角を折り曲げ撤去している。
この際ニードルがHゴムモールドに触れないよう捌いたため思ったより時間を要した。
種別・行先方向幕は左右幅に余裕の無い側面用を転用しており四隅の貼付が思うように進まない。
最後はステッカースライダーで押し込みセルに密着させた。


モハ3592+モハ3591 (モハ3592優先席マーク転写)。

残る工程は優先席マーク転写である。
3556F朱帯色用に最低でも4枚は残さなければならない。
ただモハ3589を転写欠けを残したまま竣工させたため気分的には楽だった。
モハ3592もコルゲート板モールド保持を最優先としたため正規位置より低くなっている。
同じ様に転写したつもりだったがモハ3589より位置が上がった。
位置の違いよりも一発転写で終えられた事が収穫になった。




モハ3592(車体不等沈下対策施工)。

モハ3592も滞りなく整備を終え竣工した。
3592F-2で残る未入場車はM1車だけになった。
優先席マーク転写の他にモハ3590に搭載される動力ユニットのウエイト黒色化が工程となる。
この内容であれば久し振りに2両同日竣工を迎えられるだろう。

京成3500形モハ3589[3592F-2] 6次車 現行色 晩年仕様 種別・行先表示交換,運転台側台枠整形:車体不等沈下対策

2017-04-18 21:43:54 | 京成線:3500形
追随。

TOMYTEC製京成3500形3592F現行色は後期仕様(3592F-1)と晩年仕様(3592F-2)の2編成が在籍する。
先に3592F-1は優先席マーク転写やM2車で生じる車体不等沈下対策を施していた。
それから約2箇月遅れたが3592F-2を入場させTOMYTEC製3500形の仕様統一を図る。


京成3500形3592F 6次車 現行色 晩年仕様。
3592F-2:3592-3591-3590-3589

TOMYTECからは3592F現行色に続き3556F朱帯色のリリースが確定している。
まだ発売が間近に迫ったわけではない。
最近は作業時間が次第に圧縮されつつある。
3592F-2の入場を先延ばしすると3556F朱帯色回着と被る事態も考えられた。
そこでこのタイミングで仕様統一を図り3556Fとの重複を回避する。


モハ3589 6次車 現行色 晩年仕様(3592F-2)。

3592F-2は所有する京成形式で唯一側面行先表示器に種別表示を残している。
晩年仕様で[普通]以外に適用出来る種別は[回],[試],[臨]に限られる。
今後も千葉線系統から変更する予定は無く敢えて製品印刷を残し出場させた。
マイクロエース製3000系列は青地基準幕化を推進したが新3000形系列は手を加えていない。
グリーンマックス製京成形式も同様で多少のばらつきがあっても許容の範囲内と考えている。
今入場でも分解を要する側面行先表示器基準幕化は行わず種別表示は維持される。


入工中のモハ3589。

3592F-2の仕様統一はM2車から進める。
先ずモハ3589を入場させた。
工程は車体不等沈下を招く運転台側台枠の短縮措置である。
TOMYTEC製3500形M2車は別部品化された貫通扉が台枠とTNカプラーSPに支障する弱点がある。


凹形に切除した運転台側台枠。

既に加工を終えた3592F-1では自身の失敗も重なり台枠前端を全て切り落とした。
外観からは見えない箇所だが余り体裁が宜しくない。
3592F-2で再度整形に挑み粗雑さを解消させる。
3592F-1でも運転台側台枠の切り欠きを貫通扉幅だけに留めるつもりだったが失敗した。
予め欠き取り幅を罫書き貫通扉に支障しない台枠の存置を目指す。


貫通扉と支障しない運転台側台枠。

前回の失敗を反省し罫書いた後に深めの溝を彫った。
そして切り欠き両端を前面側から貫通させ余計な箇所までナイフが進まない措置を採っている。
長手方向はダミーカプラー取付ボス枠までを削り無事に凹形の逃げを設けられた。
これで第一段階は終了となる。
台枠整形だけでは不等沈下を防げない。
この状態では貫通扉がTNカプラーSPのカバーに載ってしまい運転台側車体の浮き上がりが残る。


台枠整形部に合わせ部分切除したTNカプラーSPカバー。

これを防ぐためTNカプラーSPのカバーも貫通扉幅に合わせ凹形に整形した。
京成3600形用TNカプラーSPに近い形状だがジャンパ栓連結器を残す点が異なる。
部分切除はTNカプラーSPを台枠に取付けマーキングを施し必要最低限に留めている。
これで車体不等沈下対策は終了となった。


急遽転写した優先席マーク:ジオマトリックス製。

本来は車体不等沈下対策のみで打ち切る予定だった。
しかし更なる仕様統一を進めるため優先席マーク転写も工程に加えている。
コルゲート板モールドの変形を嫌い実車より低い位置とした。
ここは3592F-1,マイクロエース製3500形3504F朱帯色後期仕様から徹底している。
ただ3504F,3592F-1に比べ更に位置が下がってしまった。
まだインレタ転写アレルギーは解消されていないらしい。
優先席マークも一部に欠けが存在する。
幸い晩年仕様のため褪色と考えれば良いだろう。




富士川車輌工業製種別・行先方向幕に交換したモハ3589。

3592F-2は前面種別・行先方向幕にマイクロエース製側面行先表示器用ステッカーを採用した。
富士川車輌工業製ステッカーを採用した3592F-1とは視認性に大きな差がある。
しかし現状では特に不満は抱いていなかった。
京成形式の側面行先表示器基準幕化は青マッキーを用いておりおりマイクロエース製ステッカーには十分な余裕がある。
そこで富士川車輌工業製ステッカーの貼付を試行した。
手持ち都合で富士川車輌工業製ステッカーも側面行先表示器用を転用している。
側面行先表示器用ステッカーは全幅が僅かに長く印刷のR部から内側だけを切り出した。
結果は良好で彩度が高く非常に見易い。
3592F-2も富士川車輌工業製ステッカーへの変更が決定した。


モハ3592,モハ3589 (マイクロエース製ステッカー,富士川車輌工業製ステッカー)。

未入場のモハ3592(3592F-2)とは幕間の雰囲気が変わった。
マイクロエース製ステッカーは種別幕と幕間が同化し[普通]表示が偏位している様に見えていた。
富士川車輌工業製ステッカーも文字配置に大きな違いは無い。
彩度の高さはもちろんだが幕間の再現が一番の効果を得られた箇所だと思う。
なお主工程だった車体不等沈下対策は成功した。
モハ3589は連結器と車体裾との間隔が狭まりTNカプラーSPカバーも顔を覗かせていない。
この点は3556F朱帯色で修正されるか気になるところである。
仮に同一構造でも今回の施工で対応出来るため不安視はしていない。




モハ3589現行色晩年仕様(車体不等沈下対策施工)。

モハ3589は所期の目的を達成し竣工した。
優先席マーク転写,行先方向幕交換は予定外だったが良い方向に転じたと思う。
台枠整形も自分にしてはスマートに仕上がり及第点を与えても良いだろう。


モハ3590+モハ3589(車体不等沈下対策施工)。

構造上傾斜を完全に廃するのは今の技量だと手の打ちようが無い。
それでも入場前より格段に見附が向上しており現時点では無難な妥協点だと思う。
当初3592F-2はモハ3589,モハ3592の入場で当日中に再出場させる計画だった。
しかし優先席マーク転写で全車入場に変更される。
限られた時間を有効に使い早期出場を目指したい。

京成3200形モハ3296[3298F-2] リバイバル開運号仕様 動力ユニット整備(経年対策)

2017-04-17 21:40:00 | 京成線:3200形
超過。

マイクロエース製京成形式の動力ユニット整備は3200形3298Fリバイバル開運号(3298F-2)を迎えた。
3編成が在籍する3298Fグループはマイクロエース製京成3000系列でも古参製品に入りつつある。
その中でも走行機会の多い3298F-2が入場となった。


京成3200形3298F リバイバル開運号。
3298F-2:[3298]-[3297]-[3296]-[3295]。

3298F-2はモハ3298,モハ3295の入場回数が多い。
共に[特急 開運]ヘッドマークへ細工を施した。
実車のヘッドマークはモハ3298:ステッカー式,モハ3295:行燈式だったが製品は作り分けがなされなかった。
モハ3298の光らない行燈式ヘッドマークは撤去し自作の[特急 開運]ヘッドマークステッカーを貼付した。
フォントの小さかったモハ3295の行燈式ヘッドマークも印刷を消去し自作ステッカーを上貼りしている。
その後ヘッドマークは耐水紙ラベル劣化による入場も加わり2度の交換を経ている。
更にモハ3295では通過標識灯点灯化にも挑んだ。
試行錯誤を繰り返し4次に渡って入場し完成系に辿り着いた。


通過標識灯が点灯するモハ3295。

一方M1車のモハ3297,モハ3296はTNカプラーSP化で入場した以外特に措置を施していない。
3298Fグループではリバイバル開運号だけ側面行先表示器が基準幕化されており追加施工を要さなかった。
動力ユニットもマイクロエース製3000系列では一番の走行距離を稼ぎながら順調に推移していた。
ところが最近になりモーター駆動音が低音を奏でるようになり気になる症状が出始めた。
動力ユニット整備時期を大幅に超過していたがようやく入場機会が巡ってきたと言える。


モハ3296 リバイバル開運号仕様(3298F-2)。

3298F-2は走行方向に偏りがある。
全てはモハ3295の通過標識灯点灯化が原因となった。
光源を行先表示器用チップに頼っているため後退時にも通過標識灯が点灯する。
製品仕様も成田方面行が基準だったがモハ3295の加工により宗吾検車区への回送さえ許さなくなってしまった。
成田方面への一方通行が原則で上野方面行への走行はモハ3295の加工後から激減した。
走行過多と一方通行の影響がどの程度あるのか不安を抱きながら作業を開始した。


入工中のモハ3296。

前途の通り3298F-2はTNカプラーSP化を施している。
そのためカプラーポケットが撤去されたKS-121動力台車には違和感を持つ。
ユニットカバーに取り付けられたTNカプラーSPは念のため分解時に撤去した。
3298Fグループは同一LOTのはずだがモハ3296は嵌合爪の柔軟性が余り無かった。
破損を防ぐため1箇所ずつ慎重に台枠から浮かせユニットカバーを取り外している。


予想より状態が良かった導電板。

経年が高くそれなりの劣化を覚悟していた。
ところが思いの外導電板の酸化が進んでいない。
この状態なら手早く研磨できると考えたが大間違いだった。
最初にクリーナーで拭き上げた後にラプロス#6000で導電板磨きに入った。
しかし全く輝く気配を見せない。
極端な酸化は進んでいなかった代わりに強固な被膜で覆われた様な感じである。
ラプロス#6000に戻したのは導電板の状態から判断したためだった。
#6000では全く歯が立たず途中で#4000に番手を下げている。
それでも全てが輝くようになるまでかなりの時間を割かれた。


研磨を終えた導電板。

ラプロス#4000でも変色部が消しきれず一部は力頼みになった。
そのためやや粗い仕上がりになったがその分クリーナーで丁寧に拭き上げている。
続いてKS-121動力台車の清掃に移った。
回着時から全くメンテナンスを行っていないためグリスの状態が気になった。
ただ起動の重さや加速の悪さは感じられず山盛りグリスではないと読んだ。


ほぼグリスが乾燥していたKS-121動力台車(上野寄)。

スパイラルギアカバーを取り外すと予想通りの結果が待っていた。
塊こそ無いもののグリスは乾燥状態に近く殆ど機能していない。
それでも走行距離を考えればましな方だと思える。
KS-121動力台車を分解しグリス除去に取り掛かった。
何時もなら爪楊枝で簡単に剥がれる乾燥グリスだがモハ3296に限ってはそれを許してくれなかった。
特にギアボックス内は綿棒でも取り除けずクリーナー漬けを選択している。


グリスが除去されたギアボックス(上野寄)。

ギア類のクリーナー漬けは行ってきたがギアボックスの投入は初となった。
乾燥グリスはギアボックス内部の段差付近に集中して残っていた。
進まない作業に痺れを切らし採った措置だったがお陰で全てのグリスを除去できた。
こびり付いたグリスはギア類も同様だった。
ギアボックスで懲りたため最初からクリーナーに浸している。
それでもギア山の谷にグリスが残ってしまった。
ここで新兵器の歯ブラシを持ち出し拭き取れなかったグリスを掻き出し対処した。
歯ブラシは今後も強力な戦力になると思われる。


歯ブラシで清掃したギア類(上野寄)。

グリスの状態は上野寄,成田寄とも変わらなかった。
2台目の清掃となった成田寄KS-121動力台車もグリス除去方式を踏襲している。
両台車の清掃に約60分を要した。
今までこれ程時間を要した事は無い。
もしかすると走行過多の影響かもしれない。


清掃を終えたKS-121動力台車(成田寄)。

ようやくモーターへの整備に移行した。
低い唸り音が目立っていたため注油を施す。
なおモハ3296のモーターストッパーは黒色で珍しい部類に入ると思われる。
モハ3296現行色はグレーの成形品で何が理由で変更されたのか不思議に思う。
単なる個体差の可能性も否定できない。


珍しい黒色のモーターストッパー。

一通りの工程を済ませ動力ユニットの整備を終えた。
後は踏面清掃を残す所まで来た時点でまさかのフィーダー不具合に襲われた。
駆動試験も行えず整備の結果が判らない。
ここで作業は脇道に逸れフィーダー修繕に取り掛かった。
フィーダーの構造は単純で原因は直ぐに判明した。
端子に半田付けされた導線がささくれ立っていた。
これが接触し短絡したと思われる。


整備を終えた動力ユニット。

応急措置として導線が剥き出しになった箇所をセロハンテープで巻き絶縁している。
しかしテープを巻き付けた分の幅が広がってしまいフィーダーカバーが装着出来なくなった。
何度か巻き直しを行い20分後に復旧した。
これでようやく踏面清掃が行える。
津川洋行製ホイールクリーナーで駆動させたところ既にモーターの低音は治まっていた。
車体を載せても変化はなく走行過多の不安は一掃されている。


フィーダー復旧を待つ動力ユニット。

竣工直前にTNカプラーSPの装着忘れに気付いた。
中間車はKATO製カプラーが主力で動力ユニット組立時にTNカプラーSP取付けが完全に抜け落ちていた。
幸い容易に取り付けられる構造であり直ぐに修正を図っている。


慌ててTNカプラーSPを取り付けたモハ3296。

最後の最後で飛んだ間抜けな事をやらかしたがモハ3296は無事竣工を迎えた。
フィーダー短絡という不運も重なり作業は都合2時間半近くに及んでいる。
台車整備で60分も割かれており作業効率が悪過ぎた。
やはり走行過多が絡んでいるのだろう。
日付を跨いでの作業になったが動力ユニットは快調さを取り戻し多少は救われた気がする。

JR101系習志野電車区106F [Mc191] 4+6編成 (行先変更,前面用JRマーク再転写) ※旧製品

2017-04-16 21:15:40 | 国鉄/JR101系出場:総武・中央線
連鎖。

KATO製JR101系ラシ106F(Mc191:旧製品)と同じ[三鷹]幕を採用しラシ105F(Mc148:再生産品+旧製品)を出場させた。
5編成が在籍する101系習志野区仕様内での重複を避けるべく初期計画に従いラシ106Fの行先表示変更へと着手した。
行先方向幕部品はツヌ105F-2(Mc148→ラシ105F)が入場中に切り出されながらも使用には至らなかった[御茶ノ水]幕を再用する。




JR101系ラシ106F (1988/4)。
[ラシ106F]:Mc191-M'248-T249-T'c61+Tc69-M212-M'206-T284-M232-M'c171
※旧製品。
◆クモハ101-191,クモハ100-171 行先変更,前面用JRマーク再転写。

現時点で増備予定が組まれていない習志野区仕様のうちラシ106Fは唯一の全車旧製品編成で希少な存在となっている。
しかし他4編成が新金型車体編成で揃っているため前面見附に抱く違和感は解消されていない。
これまで[三鷹]幕としていたが早朝,深夜帯に見られた[御茶ノ水]幕へ改め少しでも特徴を持たせる。
行先方向幕部品交換だけの軽作業のはずが思わぬ事態に見舞われJRマークインレタ転写まで加わる結果となった。


入工中のクモハ100-171(ラシ106F)。
※旧製品。

作業は中野方先頭車両のクモハ100-171(ラシ106F:旧製品)から開始した。
以前は屋根板を取り外して部品交換を行っていたがトタ5F(Tc14)に端を発した前照灯用プリズム折損対策の名残だった。
途中から車体内側から押し出す方式に変更し現在ではプリズムケースを含めた床板の撤去だけに留めている。
旧製品車両は適度な運行番号,行先方向幕部品の嵌合精度を持ち取り外し,嵌め込み共に行い易い。
クモハ100-171で使用していた[三鷹]幕は周囲が捲れる事もなく押し出せそのまま保管品に廻している。


[三鷹]幕を撤去したクモハ100-171。

装着する[御茶ノ水]幕はツヌ105F-2からラシ105Fへプロトタイプを改めた際に再用前提で区分し保管していた。
そのため101系メイクアップパーツ2(11-511)独自の部品ながら保管品を探る時間は全く掛かっていない。
ただ一度クモハ100-160(ツヌ105F-2:再生産品→ラシ105F)へ取り付けた[御茶ノ水]幕は嵌合に不安があった。
幸いにして着脱時の変形は防げた模様で不都合無くクモハ100-171への組み込みを終えた。




クモハ100-171 [13C 御茶ノ水]:行先変更施工。
※旧製品。

クモハ100-171に取り付けた[御茶ノ水]幕は表示が若干内側にずれた癖のある部品だった。
既にクモハ100-160(ツヌ105F-2)へ装着した時点でこの印刷ずれには気付いていた。
だが多少のずれは如何にも布幕らしい点であり残数も限りがあるため敢えて再用している。
これでクモハ100-171(ラシ106F)は竣工のはずだったがクモハ101-191(ラシ106F:旧製品)の影響で再入場に迫られる。


入工中のクモハ101-191(ラシ106F)。
※旧製品。

続くクモハ101-191の行先方向幕交換を以てラシ106Fは再出場する予定だったがこの作業後暗転する。
[三鷹]幕から[御茶ノ水]幕への変更は分解の手間を要さないだけあり瞬時に終えられた。
行先方向幕部品の嵌合精度もクモハ100-171と同様全く差し支えなかったが折り返しの作業で異変に気付いた。
何時の間にかクモハ101-191に転写されていたはずの前面用JRマークが無くなっていた。


前面用JRマークが消えたクモハ101-191。

車体には[JR]マーク転写跡さえ残っておらず予想以上に転写糊の劣化が進んでいた模様である。
ラシ106Fでは経年の高いKATO製JRマークインレタを採用しており取扱いには気を払っていた。
今回前面への作業が中心であり何かが触れた拍子に丸ごと持って行かれたのかもしれない。
ここで予定外の前面用JRマーク転写が工程に加わったがKATO製JRマークインレタは使い切っている。
代替にはTOMIX製旧JRマークインレタを起用し習志野区仕様への復旧に取り掛かった。
インレタ転写に対する抵抗感が残る中での作業だったが一度で前面用JRマークを復活させられた。




クモハ101-191 [13C 御茶ノ水]:行先変更,JRマーク再転写施工。
※旧製品。

部品中央に表示された[御茶ノ水]幕はクモハ101-148(ツヌ105F-2:再生産品→ラシ105F)からの再用品である。
これでラシ106Fは編成前後で前照灯の他に行先方向幕の表示ずれと言う細かな差異が加わった。
なお錯覚効果を高める策として再転写した前面用JRマークは従前よりもやや低い位置に変更している。
尾灯との間隔が詰まり多少は腰板の広さを感じさせなくなったように見えなくもない気がする。
だがクモハ101-191とクモハ100-171では前面様JRマークの色温度差が生じる結果にも繋がった。
余り余裕の無いTOMIX製旧JRマークインレタだがKATO製よりも色が濃く思ったより差が大きい。
クモハ101-191では転写糊が車体に残らないほど劣化していたためクモハ100-171も前面用JRマーク再転写へ踏み切った。




クモハ100-171 [13C 御茶ノ水]:JRマーク再転写施工。
※旧製品。

再入場させたクモハ100-171用KATO製前面用JRマークはセロハンテープにて剥離した。
こちらも転写糊は全く残らず何処にJRマークがあったのかさえ全く判らない状態だった。
何かの弾みで剥がれても不思議ではなくTOMIX製旧JRマークインレタへの変更は間違っていなかったと思う。
しかし代わりのTOMIX製旧インレタもかなり時間が経過しており安心は出来ず引き続き取扱いには注意したい。
なおクモハ101-191に揃えクモハ100-171も前面用JRマーク転写位置を車体裾寄へ変更した。
またLP411前照灯車でもあり前面見附の違和感はクモハ101-191よりも緩和されたように思える。


ラシ105F,ラシ106F。
※再生産品,旧製品。

結果的に行先変更ではなく前面用JRマーク再転写へ作業の軸が移ったもののラシ106F(旧製品)は無事再出場となった。
位置を下げた前面用JRマークだがクモハ101-191,クモハ100-171単独ではそれなりの前面見附改善効果が得られたと感じていた。
しかし根本的に設計が異なる再生産品車両と比べてしまうと所詮は錯覚でしかない事実を思い知らされる。
習志野区仕様ではラシ106Fが唯一の旧製品編成であり少しでも[御茶ノ水]幕変更による存在感向上に期待する。