安倍政治がもたらした敗北
2024年10月30日
衆院選で自民党が歴史的な大敗を喫し、立憲民主党、国民民主党が躍進し、自公政権が過半数割れをしました。メディアには「安倍政治の負の遺産」(政治学者・牧原出氏の指摘)が自民の敗北を招いたという視点が不足しています。政局舞台裏の情報ばかりが溢れ、長期的な分析が足りないように思います。
メデ . . . 本文を読む
政府万能論を担ぐ首相ら
2024年10月18日
衆院選が始まり、世論調査では、早くも自民過半数割れか、自公は過半数維持かなどの予想が報道されています。新聞紙面1㌻を埋め尽くす主要政党の選挙公約を読んでみると、政府が何から何まで手をだす、さらに政府ができないことまで背負いこみ、失敗しているようにみえます。
ノーベル経済学賞などは、細かな課題より、大きくなりすぎた政府が . . . 本文を読む
薬効なく急性肺炎、厚労省も「効かない」
2024年10月11日
(写真は、よく効くと医者が言ったゾコーバの錠剤)
私は5月にコロナに感染し、高熱を発し、近所の医院で診察を受けました。医師は「コロナにかかり、喉がやられている。よく効く薬が開発されている。1週間飲んでください」と、処方されたのが塩野義製薬が開発した新薬(22年11月)のゾコーバでした。1錠が7000円以上、10錠分、払っ . . . 本文を読む
2024年10月6日
金融財政の正常化を嫌う市場
石破茂氏が新首相に選ばれ4日、国会で所信表明演説を行いました。新聞の見出しを拾うと、「生産性を上げ賃金増」、「成長経済目指し投資に力点」、「防災庁へ準備」などです。所信表明演説は新政権の願望に過ぎず、公約でもなく、簡単に実現できそうにない多くの項目が並んでいます。
政治家、特に首相の演説、発言は注意して聞く必要があり . . . 本文を読む
高市氏では新たな混乱の始まり
2024年9月28日
自民党総裁選の決選投票で、石破茂氏(67)が高市早苗氏(63)を破り、10月1日召集の臨時国会で首相に選出されます。一回目投票で高市氏が議員票、党員票でトップにつけ、決選投票でも勝つのではないかとのムードを感じた人もいははずです。
それが石破氏の議員票が初回(46票)より130票近く増え、逆転勝利となりました。私は . . . 本文を読む
日本はぐらかし野球はを止めよ
24年9月22日
米大リーグ・ドジャーズの大谷翔平(30)がやりました。メジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」の快挙です。仕上げは3連続本塁打ですから、米国の野球ファンは狂喜しました。日本ハム出身ですから、日本でもメディアは、新聞紙上、いまだかつてない大展開で沸きあがりました。
テレビ、新聞を見ていて、スポーツメディア、球界関係者は大 . . . 本文を読む
政策論争を避けるな
2024年9月14日
自民党総裁選は12日に告示され、過去最多の9人が立候補し、上位2人の決選投票にもつれ込むと、予想されています。これまでの決選投票では、派閥の領袖らの密室の駆け引きが行われ、順位の逆転もあった。閣僚、党の主要ポストは論功行賞のような形で配分された。
派閥解消が進んだ今回は、どのような形で決選投票が行われるのだろうか。改革派と保 . . . 本文を読む
大統領選という最悪のタイミング
2024年9月8日
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画について、バイデン大統領が中止命令を出す方向だと、報じられています。すでにトランプ氏は「日本に買わせてはいけない。我々の製造業の遺産を取り戻す」と断言し、ハリス副大統領(民主党大統領候補)も「米国が所有し、米国が運用する企業であり続けるべきだ」と、述べています、日鉄による買収計画の破綻は必 . . . 本文を読む
真っ向勝負を逃げる
2024年9月1日
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平(30)がメジャー史上初の「43本塁打、43盗塁」を達成しました。全国紙が一面トップの扱いをした快挙です。この調子が続くと、ベーブ・ルースをしのぐメジャー史上最高の選手という歴史的な格付けを得ることになりそうです。
大谷の並はずれた身体能力、緻密なデータ分析を生かす明晰な頭脳の結果でしょう。米メ . . . 本文を読む
市場にサプライズするのは日銀
2024年8月24日
植田・日銀総裁は23日、国会の閉会中審査に出席し、「市場は引き続き不安定な状況で、極めて高い緊張感を持って注視する」と述べました。「高い緊張感」は言わずもがなの表現で、ほとんど意味がない。日銀は常時「高い緊張感」を持っていてくれなければ困るのです。日銀は異次元緩和の「負の遺産」で身動きが取れず、そうでもいうしかないのでしょう。
&n . . . 本文を読む
次世代にはピンとこない
2024年8月16日
天皇、皇后両陛下、岸田首相らは15日、全国戦没者追悼式に参列し、310万人の犠牲者を悼みました。新聞、テレビはみな「79回目の終戦の日となった15日」、「終戦から79年を迎えた15日」など、「終戦」という呼び方をしています。
「終戦」というと、戦争に勝ったのか負けたのかが分かりません。「国民の9割が戦後生まれとなり、衆院においても . . . 本文を読む
市場機能を封印してきたつけ
2024年8月11日
7月末の日銀の利上げ、植田・日銀総裁の「さらなる利上げ」示唆、それが契機になったような株価の大暴落、慌てた内田・副総裁の火消し発言と、続きました。日銀史上、まれにみる「日銀執行部の動揺」です。黒田・前総裁の時は、相次ぐサプライズで市場をきりきり舞いさせました。
今度は、日銀が市場にきりきり舞いさせられ . . . 本文を読む
日銀が最大の株主の異常
2024年8月6日
史上最大の暴落となった株価は、6日に若干戻したものの、しばらく方向感覚が定まらないでしょう。欧米の株価の下落幅(2-3%)に対し、日本株の下落は12%、先月の最高値からは25%という大幅な下げです。日本が突出しており、日本固有の原因がありそうです。
日本株は世界市場で最も「仮装相場」の色彩が強いと、私は思ってきました。20 . . . 本文を読む
グランドデザインを書き直せ
2024年7月26日
日銀は30、31日に金融政策会合を開きます。日経新聞は「追加利上げを会合は支持する。政策金利の0・25%上げが有力」と強気な書き方をしています。読売新聞は「そうした見方がある一方、賃金や個人消費の動向の見極めが必要との声もある」と、曖昧で自信のない表現をとっています。
7月の利上げは、日銀がやりたくても、先送りされる . . . 本文を読む
候補者自ら危機を呼び込む
2024年7月15日
米大統領選の最中、共和党のトランプ氏が銃撃を受け、「民主主義の根幹を揺るがす暴挙であり、断じて容認できない」、「民主主義の土台を支える選挙が暴力で脅かされている状況を深く憂慮する」という声一色です。異論はありません。
岸田首相は「民主主義に挑戦する暴力には毅然と立ち向かわなければならない」との談話を発表しま . . . 本文を読む