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「CHESS in Concert」青山劇場

2012-02-05 | 舞台
「CHESS in Concert」青山劇場

1/27(金)マチネ 1階A列センター通路
1/28(土)ソワレ 1階L列下手サブセン
1/29(日)マチネ 2階E列下手サイド

【作曲】ベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァース(ABBA)
【原案・作詞】ティム・ライス
【演出・訳詞】荻田浩一
【音楽監督・ピアノ演奏】島 健
【出演】
安蘭けい / 石井一孝 / 浦井健治 / 中川晃教 / AKANE LIV
池谷京子 / 大野幸人 / 角川裕明 / 田村雄一 / ひのあらた / 横関咲


3日間CHESS祭りだった先週末。
これほど満足度の高い作品に「今年出会えるか?」と言うぐらいな
クオリティだったのも確かだけれど、
やっぱ贔屓が褒め倒されるのが、非常に気分良かった。
「水を得た魚」以上の言葉が浮かばないのが口惜しいけれど。


今回のコンサー版、きっとミュージカル版の前哨戦なのだと思います。
アンケート用紙に「ミュージカル化を希望しますか?」という項目があったけれど、
「はい  /  いいえ」
   ↑ この辺にマルつけました。

楽曲が良いので歌を大切に扱ってほしいし、
正直言えばコンサート版のままで定期的に上演してほしいです。
ミュージカル版でガッツリ物語を楽しみたいのはもちろんですが、
台詞のやり取りよりも、全面的に音楽を出してほしい気もする。

でも、今回のコンサート版で残念だったのは、
アナトリー側のセコンドであるモロコフを省略したこと。
ロンドン版DVDだと、
アービター(審判。憂鬱そう)
モロコフ(アナトリーのセコンド。胡散臭そう)
ウォルター(TV局プロデューサー。いい加減そう)
この3人が全員スーツ姿のオッサンで、初めは全然見分けがつきませんでした。
今回はモロコフ役とウォルター役の歌と台詞を、アンサンブル他に振り分けていますが、
それぞれの人物像をちゃんと表現されずにボケてしまうんですよね。

特にモロコフは、主要キャストの中に入れておけば、
チームの対立、試合の裏に隠された陰謀がよりはっきり出ると思うのですが。
あとアービターは「絶対的に中立」な立場を守ってほしいから、
「素晴らしいインタビューだった」とフレディの後押しをしてはならない。
もっと言えば、最後の種明かし(何故アナトリーがそのような選択をしたか)は
フレディにさせてはなりません。

歌詞の日本語訳も、「…」と思うところが無きにしもあらずでした。
私の英語能力レベルが中学生以下なので、DVD版の字幕を追っても大半は解りませんが、
「Anthem」で言いたいのは
「国に国境があっても私の心には国境はない」と理解していましたが…
(herは「祖国」のことだよね?)
あの訳だと、情に流された演歌的な背景を感じてしまいます。
英語詞を日本語に直すと、途端に情報量が落ちるのは仕方がないとしても。

しかしその他のことは本当に文句のつけようがなく…
演出や音楽や演者が、ここまで全て自分の好みにドンピシャな舞台って滅多に出会えない。
いろいろな廻り合わせに感謝します。

周りの評価も、こんなに高評価だと逆に怖くもなってきます。
トークショーも面白かった(1/28ソワレ後)。
あっきーが、この作品について深く考えている故に滔々と話し出すと、
「…あなたの気持ちは解っているけど今日は時間制限もあるし」と
若干ハラハラしてきますが、
「中川くんは天然だけどとても真面目で作品を深く理解している」と
好意的に捉えてもらったのが、すごく安心した(←母親か)
パンフレットのコメントも個人写真も(彼だけが歌っている写真だった)
とても良かった。


そして、あれから時間も経っているのに、まだまだ後遺症は続いています。
全く音源がなければまだしも、ロンドン版のDVDが手元にあると
見ながら脳内再生してしまうんだよね
で、年末に「今年は遠征しない」と固く心に誓ったのに、早くも掟破りですが、
なんと日帰り遠征を決行することに
「もう一度聞きたい」というよりも「大楽に立ち会いたい」という気持ちが強いです。
さて、梅芸の3階席から観たあっきーは、
やっぱりマメツブぐらいの大きさなのでしょうか…

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