それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「スノーホワイト」

2012-06-27 | 映画
子供から大人まで多くのファンを持つ名作グリム童話の「白雪姫」を基に、これまでの白雪姫のイメージを一新させたアクション・アドベンチャー大作。監督を務めるのは、人気ゲーム「Halo 3: Believe」のCMでカンヌ広告祭のグランプリの受賞経験もある、CMディレクター ルパート・サンダース。主人公スノーホワイトには、「トワイライト・サーガ」シリーズで絶大な人気を誇るクリステン・スチュワート。また悪魔の女王には、オスカー女優のシャーリーズ・セロン。このほか、『マイティ・ソー』で主人公ソーを演じたクリス・ヘムズワース、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』のサム・クラフリンという若手俳優たちが顔を揃える。(作品資料より)

予告編を見て面白そうだったので、かなり期待していきました。
童話の白雪姫をベースにしているとはいえ、「姫は戦闘系である」ということは
事前情報より理解していたんですが、

もう少しファンタジックだと思ってたんだけど、がっつりアクション系でした…
この白雪姫は、かろうじてパフスリーブのお衣装をお召しになっていますが、
爪は真っ黒、髪はゴワゴワ、ドレスの裾を短く破り、森を駆け巡る。いやあオトコマエ!
幼馴染で途中の王子様や、冒険の途中で出会う狩人が弱そうに見えます。
七人の小人なんて胡散臭いオヤジだし、白雪姫と取引までするし、
結構ブラックな味付け。

でもドキドキワクワクしないのは何故だろう。
それはきっと…大きな声では言えませんが
…このお姫様がそれほど「美人」じゃないだよね。
対する魔女になった女王様の美しさたるや。
なのでなぜ女王様がそれほどまでに白雪姫の心臓に執着するのか、
ピンとこなかったです。

女王様は物語の進行に合わせ、老けたりまた若返ったり。
シャーリーズ・セロンの素顔はどっちなんだ!というほどよくできていました。
私の顔のシワもCGで消してほしい(笑)
迷いこむ黒い森のおどろおどろしさは狙ったのでしょうがコワかった。
むしろ、小舟が浮かぶ湖を覆う霧や、水際を駆け抜ける馬の群れなどの風景の美しさの方が印象的でした。

もちろんストーリーは「めでたしめでたし」で終わるのですが、
女王様が息絶える寸前の、哀れで物悲しく、
でもどこか「成敗されるのを待っていた」という表情が
いつまでも目の奥に残って、複雑な気持ちになりました。
いろんな意味でちょっとずつ残念だったな。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「シレンとラギ」 6/19 マチネ

2012-06-21 | 舞台
劇団☆新感線2012年春興行 いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」
6/19(火)マチネ 青山劇場1階B列上手

【 作 】中島かずき
【演出】いのうえひでのり
【出演】藤原竜也 / 永作博美 / 高橋克実 / 三宅弘城 / 北村有起哉 / 石橋杏奈
  橋本じゅん / 高田聖子 / 粟根まこと / 古田新太 ほか

新感線舞台、やっぱりこのワクワク感は他では味わえない。
幕開けのジューダスと発車ベルを聴くときの高揚感。
クライマックスで主要人物が勢ぞろいするときの充実感。
今回の作品も、テーマパークに来たときのような楽しさがありました。

産みの母と交わり、父親に刃を向ける息子。
作品のテーマ自体は、暗くタブーな領域に踏み込んでいます。
ギリシア悲劇「オイディプス王」に由来する(ということを後から知った)重い主題が柱とになり、
北と南の対立、空から降り注ぐ毒、裏切りと寝返り、
今私たちがいる実世界が抱える問題を透かしているのだと思いますが、
私はそれほど「現世」との繋がりは感じませんでした。
というより、むしろ、いのうえさんの「ドロドロの恋愛劇に挑戦します」との言葉通りの、
狂おしいような愛憎の感情を受け取りました。

途中から「…かも?」という伏線ぽい台詞がある程度の展開を予想させますが、
「決して抱いてはいけない人を抱いてしまった」という真相が、
一幕クライマックスで明かされるとき、私も絶望の淵に立たされました。
もう心は藤原竜也くんと一心同体(笑)
一幕終わりの、ラギが全ての真実を知ったときの絶叫。
そしてラストで「愛は殺し合いだ」とシレンと刀を交えるときの、包み込むような眼差し。
何度もエロい場面が出てきますが、もう胸をかきむしられるようでした。
藤原竜也くん、やはり素晴らしい役者です。

受けてたつシレン役の永作さんも、潔く凛としていて、台詞の響きがよかったです。
ただ大阪公演から「回りまわって辿りついた」という感のある役作りなのでしょうが、
「母性」のようなものが感じられなかったのが、私からすると物足りなかったかな。
この役にそれは必要ないという解釈なのかもしれないけれど。
そして特筆すべきは高橋克実(あえて呼び捨て)!
教祖としてカリスマたるところ、無能であるところ、目覚めて悪の権化と化するところ、
その落差のつけ方にもうひれ伏してしまいました…

何層もの「内面」を次々に暴露しては変化する古田さん、今回はあまり暴走しないのかな。
その分、他の劇団員が思い切りオチャラけているのが楽しかった。
劇団員の役割が固定化してきたところ(粟根さん=小悪党、みたいな図式)は
むしろ「冗長な説明が不要」ということで受け取るべきなのでしょうか。

伏線が張り巡らされ、大勢の役に何層もの物語を仕込む脚本なので、
一度観ただけでは、細かいところまでは理解できません。
シレンの目線とラギの目線でそれぞれの物語を観たかったな。(資金力不足)
ゲキシネを期待しよう…


ともかく。
他のエンタメ系芝居が「なんちゃって新感線」と揶揄される理由を、改めて痛感しました。
他の作品が目指しているかいないかに関係なく、やはりここはエンタメ系作品の頂点です。

私たちは毎回高いチケ代を払っている。
代償として3時間余りの舞台を観ても、観終わった後は跡形も残らない。
でも隅々まで「あー面白かった!」と言える魅力を、この劇団は確実に持っています。
衣装の素晴らしさ(豪華という意味ではなくても)、照明や音楽や装置のクオリティ、
アクションと殺陣を交え、3時間の長丁場でひとときも退屈させない芝居運び。
「常連」をいつまでも引きとめる奥の深さ。
最近は、劇団員の高齢化(笑)が進みつつあり「勢い」は弱くなった気もしますが、
それを「スケール」で補い、いつまでも膨らみ続けます。
期待したものを、期待通りに投げてくれるこの確かさ。
次回作もよろしくお願いします!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「テルマエ・ロマエ」

2012-06-15 | 映画
マンガ大賞&手塚治虫文化賞のW受賞を果たした、ヤマザキマリの大ベストセラーコミックを実写映画化。古代ローマで浴場の設計をするルシウスと現代日本の風呂好きたちが、ローマのために闘う。理由は分からないが、とにかく古代ローマから日本にタイムスリップしたルシウス。漫画家志望の真実の恋心に気づいてか気づかないでか、新しい風呂とローマの未来に思い悩む。現代人の真実は、歴史の知識を活かして、ルシウスの力になろうとするが…。出演は、阿部寛、上戸彩、北村一輝、市村正親、宍戸開、笹野高史。日本を代表する顔の濃い役者を集め、原作のイメージを全く崩していないことに拍手。監督を務めるのは、「のだめ」シリーズの武内英樹。


友達がこぞって「面白い」と言っても、私は頑として観に行かなかった。

…だいたい、テレビで宣伝しすぎなのよ。
…新聞の全面広告を占拠して企業とタイアップしてなかった?やだやだ。
…「濃い顔の俳優を集めました」ってことばかり強調して、そういう出オチ的な作品ほど面白くないのよね。

とか何とか文句を言いつつ、
「結構ヒットしてるようだし、溜まったポイントでも使って観るか」と
実は観たくてウズウズしていた自分を誤魔化しながら観賞。

で。
「くっだらねぇぇぇぇぇ!」この一言に尽きます。(もちろん褒め言葉)
「究極のバカバカしさ」に、いい大人が真剣に取り組んでいるのが凄い。
前半はルシウス(阿部寛)が古代ローマから現代の日本へタイムスリップして
その文化のギャップに驚く…というシーケンスを、これでもかと繰り返す。
阿部ちゃん渾身の演技が爆笑モノなんだけど、この絶妙の「間」が絶妙に計算されている。
後半は少し「映画らしく」なっちゃって拍子抜けだったけど、筋が通っているのが見事。

観終わった後もさんざん「くっだらねぇぇぇ!」と悪態ついておりましたが、
でも市村さんの過度に誇張された顔芸とか、
笹野さんの平たい顔族代表の表情とか、
一流どころが真剣になっているところに、なんだか邦画の底力までも感じてしまう。
こんな映画にこれほどの資金と情熱をかけられるということ。
ああ、なんて幸せなんだ!
コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「宇宙兄弟」

2012-06-15 | 映画
2011年の講談社マンガ賞と小学館漫画賞を同年にW受賞した小山宙哉のベストセラー・コミックを実写映画化。少年時代に宇宙を目指す約束を交わした兄弟が、人生の紆余曲折を経験しながらも、互いに宇宙を目指して奮闘する姿を描いている。約束を守るためにまっすぐに突き進むムッタとヒビトを演じるのは、若手屈指の実力派人気俳優の小栗旬と岡田将生。夢をひたむきに追いかける兄弟の姿を通し、忘れかけていた熱い思いを蘇らせることができる感動作。NASAケネディ宇宙センターでの大型ロケや、JAXAの全面協力で成し得た壮大なスケール感も見逃せないポイント。コールドプレイが提供した主題歌も聴き逃せない。


私にしては珍しく漫画3巻分、アニメでちょっとだけ予習してから観に行きました。
お目当ては小栗旬でも岡田将生でもなくて、、、、よっしーこと井上芳雄さんです。

とてもよくできていました。
漫画のテンポとエピソードを丁重に掬い取っていますし、
濱田岳くんや麻生久美子、各々の役者さんが「あ~もうなんてピッタリなの!」と
上映中何度もうなるほどのハマリ具合でした。
特にムッタとヒビトの子役が、「よくぞ探してきた!」とこれまた何度も唸りました。
芳雄くんも、頭脳人柄含めて、嫌みのない「デキる奴」を好演。
美味しいシーンもあったしね(笑)

原作が訴える「夢を追うことの素晴らしさ」を、
熱過ぎず冷め過ぎずの絶妙な温度調整で描写していくのが小気味よかったです。
2時間長の映画としてメリハリをつけるために急ぎ過ぎた感もあるけれど、
これは原作が続く限り続編を作ってもいいのでは。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

KAAT(神奈川芸術劇場)コース別バックステージツアー

2012-06-11 | 日記
先週のことになりますが、KAAT(神奈川芸術劇場)のバックステージツアーに参加いたしました。(→これ


写真の使い方を練習したくもあるので、簡単にご報告。



参加したのはスペシャル・コースの方で、事前に「劇場中の階段を上り下りするのでヒールのある靴はご遠慮ください」との注意あり。
その通りスノコ(天井裏)から奈落まで、狭い階段を上ったり下りたりを繰り返して、結構疲れました。

まず最初に案内されたのは舞台の上。舞台から客席を見渡します。


最大客席数は1300席だそうですが、1階最後列までの距離はクリエ(700席)と変わらないとか。
舞台と客席がとても近く、左右のサイド席がななめっていて緊密観があるんですね。
…ただ最前列だと全体がちっとも見えないんだけどね(汗)

客席は可動式で、いろいろな配置にできるとのこと。
バレエのときは舞台を高くし客席の勾配をきつくして、足元がよく見えるようにしたり、歌舞伎公演は両側に花道を作ったり、客席と舞台の境目をなくして舞台上にテントを作ったりすることもあるそうです。

舞台の上から下りてきたのは「バトン」。照明や紗幕などをつりさげます。


そしてこのバトンを吊っている天井を見学するために、舞台奥の階段をひたすら上りました。

ここが天井裏で、足元が簀の子状になっているところから「スノコ」と呼ばれるそうです。


従来の天井裏はもっと天井が低く屈んでしか作業できなかったそうですが、
KAATでは高さを十分取って広さも広くし、スノコも黄色にしているとか。
大道具さんはここで終日作業することも多いので、なるべく居心地良い環境を目指したようです。

スノコのすき間から舞台を覗くと…コワイッ…


機械類はドイツ製が多い。さすが。


別の場所から舞台を見るとこんな感じ。



続けて照明室へ。メインのスポットライトを操作する部屋に入りました。


ここから舞台上の役者をスポットで追うのですが、暗転中に動く役者さんを追いかけて、照準をどんぴしゃに合わせるやり方が意外にアナログなことを知りました。
照明さんは自前で「マイ照準合わせ装置」を作成したり、勘を働かせたりすることもあるみたい。
このスポットを操作する操作は、新人の照明さんが担当することが多いそうです。
急にピンスポを当てる必要が出たときに「おまえが行ってこい!」と照明室に走らされる「使い走り」をさせられるけれど、照明室からは常に舞台全体を見渡せるので、舞台デザインや照明デザインを正面から確認できてとても勉強になるとのお話でした。

ここからまた階段を使って、今度は下へ降ります。
降りる階段のわきにはこんな案内図が貼ってあったり、通路に沿って誘導灯が光っていたり。
 

今度は舞台の下の奈落へ降りました。
奈落から上を見ると、武骨な柱が舞台板を支えています。


舞台の板は、正方形状の板が何枚も継ぎ合わされている形になっていて、
これを利用して舞台から下に降りる階段を作ったり、お風呂のような水場を作ったりできます。
奈落は本当に暗くて怖かった…

さらに下へ。5階にあたる舞台から1階へ下ります。
降りるときに使ったエレベータは大道具を搬入できるように間口が広い!(ああ写真がわかりにくい)


エレベータ内の案内を見ると、すごい遅いスピードで動くのがわかった。
 

1階の作業場を見せてもらいました。
トラックから直接機材を搬入できるようになっていて、ここでちょっとした装置を作ることもできるそうです。
 


最後に役者さん用の楽屋、楽屋前の廊下(差し入れやケータリングの置き場)も見せてもらいました。
「何故楽屋入口に暖簾(のれん)を飾るのか?」ということも教えてもらいました。よくわかった!
 


以上、予定40分のところ1時間を超える見学ツアーで、とっても面白かったです!
無料だったのでなおさら嬉しかった(え?)

総じて。
私たちが観劇するのはたった1日だけれど、スタッフの方の
「上演することも大事だけれど、作っていく過程はもっと大事」という言葉が印象に残りました。
試行錯誤しアイデアを集結していくこと、作る環境を快適にしていくこと。
私たちが見ることのできるのは舞台の上のみだけれど、
いつもは見えない、舞台を取り巻く作業場がとても広くて大がかりなことにもびっくり。
広くて殺風景な作業場、スタッフの地道な努力、そんな膨大なものを集めた上に成り立っている一部…氷山の一角しかいつも観ていないんだなぁ…と強く思いました。

これから舞台を見るときは、きっとちょっとだけ思い出すだろうな。
今回見た奈落の暗さや、照れながらマイ照準装置を見せてくれた照明さんの横顔を。
素晴らしい作品を支えてくれて、本当にありがとうございます!
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「エリザベート」 6/5 マチネ

2012-06-07 | 舞台
「エリザベート」 6/5(火)マチネ 帝国劇場 2階L列上手

【演出・訳詞】小池修一郎
【出演】春野寿美礼 / マテ・カマラス / 嶋政宏 / 石川禅 / 寿ひずる / 古川雄大 ほか

大好きな作品なんですが、でも1シーズンに1回しか観ない「エリザ」。
本来はWキャストの見比べとか、前回との演出違いとかを楽しむべきなのでしょうが、
毎回マッサラな気持ちで観劇しております(笑)

毎度1回しか観ないので、キャストもいつも「初物」中心で選択。
武田→城田と観てきたので、今回のマテトートは本当に楽しみにしておりました。

で。
もう出の瞬間から頭の中が「カッコいい~!」で一杯になった(笑)
ロング金髪がこんなに似合う人がいるなんて!(当たり前だ、ガイジンさんなんだから)
背景に「ガオーッ」って書き文字が見えるぐらいのワイルドさ。
引きで見るよりかお顔が見たいので、ずーっと双眼鏡を駆使いたしました。
歌も最初は「あれ?」と思ったところもあったけど、「最後のダンス」の自由さに惚れぼれ。

さすがに台詞部分は日本語の発音にちょっとガクッとなるところがあったけど
(特にドクトルになりすますところ…脱いだらムキムキだったのもあって笑えた…)
他は違和感は全くなくて、素晴らしかったです。

ルドルフは古川くん。顔が小さくて手足のバランスがよくて、でも限りなくヘタレ(笑)
ちょっと浦井ルドを思い出しました。
春野さんの張りのある歌声や、禅さんの若造り(褒めてます)もよかったけれど、
鉄壁のアンサンブル、わざと個性を消したトートダンサー、捨て曲のない音楽。
やっぱり「間違いない」作品です。永遠に。

そうそう、今回は2階席を女子高校生が大量に占拠しておりました。
開演前のロビーは「世界史苦手なんだけど」などの話題で大賑わい。
「あたし出演者誰も知らないんだけど~。あー高島兄だけわかるぅ!」
…なるほど。そのためにルキーニはずっと同じキャストなのね。
ただこの作品は少し際どい表現も出てくるですよね。
初夜開けのベッドを確認される場面、皇帝が娼館に行ってからシシィの体調が悪くなる場面、
解説が必要なオクテの子もいるのでは…と余計な心配が先立ってしまいました。
でも彼女らの中で、今日の経験がずっと残っていく子もいるんでしょうね。




でね。
マテさんがロックっぽく歌うもんだから、ときどきトートをあっきーに脳内変換して見てました。
福岡のエリザ特番に出演もし、エリザの曲を何度か歌ったそうだから距離的には近いと思うんだよね。
(そう言ったらお友達に身長問題を指摘されましたが…)
馬車に乗ってるとことか指揮棒振るうとことか、楽しめそうなんだけど。(歌じゃなくてそっちか?)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ミッドナイト・イン・パリ」

2012-06-01 | 映画
イギリスに拠点を移してからも絶好調のウディ・アレン。今回はその舞台をアレンが愛してやまないパリにして、この町へのオマージュともいえる作品を作り上げた。物質主義や俗物主義にまみれた現代の生活に嫌気が差しかけている主人公が、憧れの1920年代のパリへ毎夜タイムトリップする。そのころのパリのカフェやサロンは、ヘミングウェイやフィッツジェラルド、コール・ポーターといったアメリカの作家や作曲家たちが暮らし、またピカソやダリ、マティスといった“新人”画家が新しい表現を模索している場所でもあった。次から次へと現れる著名人たちのそっくりぶりは、この時代の風俗や文化を知っているほど、楽しめるだろう。


僭越ながら、ウディ・アレン監督の作品は殆ど観たことがありません。
パリを訪問したこともないし、欧州の芸術家たちに詳しいわけでもありません。

まず、冒頭の絵葉書のような観光風景の描写が長い。
それはそれは素敵なパリなんだろうけど、なんか仕掛けがあるの?と疑いかかった辺りで
ようやく本題に入ります。

主人公の小説家は婚約者と価値観が合わず悩んでいるが、
旅行先のパリで、突然1920年代にタイムスリップする。
そこで出逢うのが、ヘミングウェイやらピカソやらマン・レイやら、著名な芸術家たち。
…でも名前と代表作しか知らない私は、「へー」と言うしかない。
ダリぐらいだったら、「ソックリ」と思えるんだけど。
時代考証的に彼らが一堂に会したことがあって然るべきなのかも解らない。

でも何が素敵って、それがとてもファンタジックに描写されていること。
タイムスリップするときの鐘の音、迎えにくるクラッシクカー、人々のゴージャスな衣装。
こういう設定にありがちな「わー歴史が変わってしまう!」というオタオタしたところや、
「どうやったら元の時代に戻れるのか!」という焦りなどは皆無です。
主人公は自由に現代と1920年代を行き来し、そこからさらにベルエポックの時代に遡り、
そこでも「わー有名人だ~!」って、はしゃぎ過ぎですから!

洒脱で皮肉を含む会話が多いのも、この監督らしい…ということなんだろうな。
私には少し敷居が高い印象でしたが、
ロマンチックな雰囲気、台詞の巧妙さ、お洒落な音楽、
観ていてほんのりと幸せな気分になりました。
この季節に、ふらりと映画館に入って観るのにピッタリでした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする