因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

ハイリンドvol.4『幽霊はここにいる』

2007-08-06 | 舞台
*安倍公房作 西沢栄治演出 公式サイトはこちら 新宿シアタートップス 公演は5日で終了
 旗揚げ公演以来ずっとみているカンパニーだ(1,2,3)。戯曲をしっかり吟味し、演出家に心からの信頼をおく姿勢はとても好ましい。公演のたびに「え、今度はこれをやるの?」と驚かされるし、どんな舞台になるのか安易に想像させない。少し心配な気持ちでみにいくと、それをぶっとばすようなイキのいい舞台を体験できて、「見に来てよかった」と心底嬉しくなる。冒険心に富んで力強い新鮮な舞台を見せてくれるカンパニーとして、ハイリンドは自分にとって大切な存在になった。それにしてもシアタートップス進出の作品が安倍公房とは。自分の不勉強ひしひし。

 50年近く前に書かれた戯曲なのに、ネタばれの内容を書くことを憚られる現代性と新鮮さというのだろうか。休憩無しの2時間ぶっちぎりの勢いに猛暑の疲れも忘れた。西沢栄治の演出は演劇の可能性を再確認させてくれる。演劇はこんなこともできるのだ。カーテンコールでハイリンドのメンバー4人の晴れやかな笑顔にこちらまで嬉しく、元気が出てくる。こんなにイキのいい舞台を作る人たちがいることを、まるで自分のことのように友達に自慢したくなるのである。とはいえ、みたことを受けとめるところまでで今夜の自分はいっぱいいっぱい。ああ、これも夏の宿題ですね。感謝。

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