優厳 × 赤鬼通信

社会参加活動の支援を目指す「なんちゃって社会貢献チーム」の、「優しく厳しい遊び場づくり」の迷走過程を記して行きます。

GW期間中に除染ボランティアをしたいと考えた元知事が、メディアで自治体を非難するのだが・・・

2012年05月04日 | Weblog
 今年のGW連休は、昨年のそれと比べて、「震災復興ボランティアに参加しよう」的な宣伝も掛け声も少なかったように思われる。実際、津波被害の沿岸部に住む人たちに聞いても、同意見であった。もちろん、各地でいろんな支援活動は行われているし、代わりに「観光に行こう」という動きも多く見られている。
 「ボランティア活動に参加することの難しさ」は、それがどのような種類のモノであっても、案外難しかったりする。
 このGW中にボランティアに来てくれた方の中から挙げられた疑問として、「震災支援のボランティアって、『参加費』を取るじゃないですか。あれって、何に使うんですか?」
 うちは、僅かな事業費を主催者が用意し、僅かながら交通費と活動費を参加ボランティアに支給するので、ボランティア活動にそんなに費用が要るわけではない。いろいろやってると、どうしても自己負担する面が無いとは言わないが、それほど金銭的な負荷は掛からないようにやっている。そうした活動が主になっている人たちは、ボランティアに参加するのにどうして「参加費」を自分で出さねばならないのか分からない人もいるわけだ。社会経験を積むと、全ての経費が空から降ってくるわけではなく、事業主体の運営費、そして人件費、移動のための交通費や道具を用意する経費が、それなりに必要となる。どういった種類の物であれ、支援体制を組むのは本当に金が掛かるのだ。

 さて、ニッポン放送で「ザ・ボイス そこまで言うか!」というニュース番組があるのだが、そのpodcastで聞いた5月2日の放送で、ゲストコメンテーターの東国原英夫氏が話したことが、ちょっと気になる。
彼はGW期間中、「東国原英夫男塾」の合宿を東北でやってるそうで、5月6日に福島県内で除染ボランティアをやりたいと思い、環境省が福島市に設置している除染情報プラザに問い合わせたところ、「その日はやっていない」と。
 除染ボランティアの実施が思いのほか少ないのは、確かに事実だとも思う。ただ、瓦礫運びと異なり、やはり方法論や効果にまだまだ課題があるためであり、現実的にマンパワーの問題もあれば、実施の時期によってはその地域の住民に多大な制限を強いることになる。当然だが、除染が進まない現状に対する危機意識を、自治体側が持っていないわけではない。東国原氏にしてもニッポン放送にしても、結局「自治体が仕事をしていない・住民の命を軽んじている」と言って非難してしまえば威勢が良く格好好いと思ってるかのような話しっぷりに対して、正直嫌悪感である。
 「The 役所仕事だからやっていない」と言う東国原氏に対して、太鼓持ちアナウンサーがヨイショ対応しかしないので、「ボランティアをやりたい人の都合に合わせろ、だから役所はダメだ」など、東国原氏は延々と捲し立てるわけである。「次に除染活動を行う日は、自分は仕事が入ってるから行けない。やりたい人の都合に合わせてボランティア活動を実施すべきだ」と不満をメディアを通して言い続ける・・・これってさ、ほとんど自分勝手なボランティア像とまったく同じなんじゃないかな? その段階で、メディア側のニッポン放送がほんの少し配慮できなかったのかな、と。結局メディアを通じてモノを言っている人たちが、自分のやってることを正義のように、しかもメディアを通じて他者の状況を踏まえずに滔々と持論を口にすることって、やはり危険さを感じるのであった。
 まぁ、仕方ないことである。風を吹かせなければ動かないこともある。でも、こちらにいれば分かる・・・「こっちのことを考えてる人」と「そうじゃない人」は、明らかに分かる、と。そんなに大仰しく声高に叫ばなくとも、やるべきことを地道にやることは可能だし、それが本筋だと。すごく多くの人が、そうした様々なものを乗り越えて、自分のできることを可能な範囲で取り組んでいる。
 悪いけど、メディアを通じて、自分のやりたい日にボランティアができないからってギャーギャー騒ぐなんて、本当にみっともないし、本当に頑張っている自治体職員に対して失礼だ。それでも文句を言いたいんなら=役人叩きをして自分のメディア評価を上げたいんなら、自治体で除染活動に携わっている人の現状を、もっと把握してからにしてほしい。(もちろん東国原氏も、いろいろ支援活動を行っている上での意見だろうとは思うのだが、であればもっと配慮してくれれば、自治体職員も過度に叩かれて参らずに済むのだけどね。

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