さえ＠まにら
さて、どうしてもお姉さんに会いたい、施設には戻らないと言うアルネール。スタッフのお姉さん探しの始まりです。
お姉さんの引越し先について、あの辺りに住んでいるだとうという情報は得ましたが、具体的な住所までは分かりません。スタッフは、その辺りと聞いた地域にお姉さんを探しに行くことにしました。
聞いていた地域に行きましたが、どうやら違うようです。また人づてに聞いた情報を元に別の地域に行って見ます。バランガイ（町役場）で、住民のデータの中からお姉さんの名前を探します。しかし、中々見つかりません。アルネールにもう一度お姉さんの名前を確認しますが、登録している名前と家族内で使っている名前が違うようです。それでも何とか名前の片端から手がかりを見つけ、そうではないかと思われる人の家を回りました。何時間もぬかるんだ山道を車で走りました。同じような家が山一体に並んでいるため、外部から来た、慣れない私たちは同じ道を何度もぐるぐる走ってしまっているようです。迷いながらも、ついにお姉さんを見つけることが出来ました。見つかったときはすでに日が沈みかけていました。
お姉さんを探している間、イベント会場にいるアルネールは、「まだなの？まだなの？本当にお姉さんは見つかるの？もう、帰る！」と今にもまた逃げて行ってしまいそうな勢いです。なだめながら、バスケットボールに集中させたり、お菓子を与えたり、歌を歌ったり、あの手この手を使いますが、アルネールの辛抱も限界です。
スタッフ「アルネール、お姉さんが見つかったよ！今こっちに向かっているからもう少し待ちましょう」ついに、お姉さんが見つかりました。
お姉さんがイベント会場に到着しました。少し恥ずかしそうな表情でお姉さんを迎えています。お姉さんは、持病がありさらに赤ちゃんの面倒を見ており、アルネールがお姉さんの元に帰りたいと言っても、実際に面倒を見ることは難しい状況です。施設を出ると、以前のように路上に戻ることになってしまうでしょう。しかし、アルネールは、絶対に施設には帰らないと言い張ります。なぜかと聞いても、嫌だからといか言いません。
スタッフ「アルネール、あなたは１年近く、その施設でご飯を食べさせてもらい、きれいな服を着せてもらい、勉強させてもらったよね。嫌だからというだけで、何も言わず逃げるの？ヒドイと思わない？とりあえず、明日施設に行って、話をしましょう。お姉さんも一緒に行ってもらうわ。それでいい？」
２０１０年１０月２９日（金）
翌朝「やっぱり僕ここにいることにする。」こちらが拍子抜けするくらい、落ち着いています。お姉さんに会えたこと、施設のスタッフと話をしたことで、気持ちが落ち着いたのでしょうか。ひとまず施設に戻ることになりました。
２０１０年１１月１０日（水）
施設からアイキャンに電話がありました。
「アルネールが学校の昼休みの時間に、他の小さな子どもを連れて学校の外に出て行ってしまった。他の子どもにまで何かがあれば、学校も施設も責任が取れない。以前にも実は施設から黙って出て行ったことがあった。他の子どもへの影響もあるので、アルネールをもう施設では預かれない。」
【アルネールのお姉さんの家。転校の手続きのため、お姉さんのお家をスタッフが訪問しました。】
【お姉さんに、アイキャンに頂いたご寄付の中から、学校で使える靴を渡しました。】
施設で預かれないと言われてしまったアルネール、お姉さんの元に戻り、転校の手続きを終えたものの、実際に学校に通ったのは３日間だけ。お姉さんの家を出て、やはり路上に戻ってしまいました。この時期のアルネールは、見るからに荒んでいきました。折角施設にいる間にシンナー（ラグビー）をやめていたのに、以前よりもヒドイ使い方をしているようです。スタッフが近づいていっただけで、逃げて行ってしまうような状態。落ち着いて話もできません。この一年が水の泡になってしまったのではないかと、私はとても残念でした。しかし、フィリピン人スタッフは言います。「彼はきっと自分で気が付くわ。待ちましょう。」
私たちは、待つことにしました。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
●東日本大震災の活動
http://www.ican.or.jp/tohoku.html
●平成２２年度外務大臣表彰受賞
http://blogs.yahoo.co.jp/ngo_ican/archive/2010/08/29
●スタッフ・インターン・ボランティア募集
http://www.ican.or.jp/
●「書き損じはがき」を大募集中しています。
感謝を伝えるブログ「いっしょにご飯をたべよう」★
http://blog.goo.ne.jp/atsumeyou
●路上の子どもが幸せに成長できるように、会員になっていただける方を募集しています。
http://www.ican.or.jp/street.html
●ご寄附の受付はこちらとなります。
（認定ＮＰＯのため、２，０００円以上の寄付は税制優遇の対象となります。）
http://www.ican.or.jp/members.html
●その他、アイキャンに関する情報はアイキャンのＨＰへ
http://www.ican.or.jp/
さて、どうしてもお姉さんに会いたい、施設には戻らないと言うアルネール。スタッフのお姉さん探しの始まりです。
お姉さんの引越し先について、あの辺りに住んでいるだとうという情報は得ましたが、具体的な住所までは分かりません。スタッフは、その辺りと聞いた地域にお姉さんを探しに行くことにしました。
聞いていた地域に行きましたが、どうやら違うようです。また人づてに聞いた情報を元に別の地域に行って見ます。バランガイ（町役場）で、住民のデータの中からお姉さんの名前を探します。しかし、中々見つかりません。アルネールにもう一度お姉さんの名前を確認しますが、登録している名前と家族内で使っている名前が違うようです。それでも何とか名前の片端から手がかりを見つけ、そうではないかと思われる人の家を回りました。何時間もぬかるんだ山道を車で走りました。同じような家が山一体に並んでいるため、外部から来た、慣れない私たちは同じ道を何度もぐるぐる走ってしまっているようです。迷いながらも、ついにお姉さんを見つけることが出来ました。見つかったときはすでに日が沈みかけていました。
お姉さんを探している間、イベント会場にいるアルネールは、「まだなの？まだなの？本当にお姉さんは見つかるの？もう、帰る！」と今にもまた逃げて行ってしまいそうな勢いです。なだめながら、バスケットボールに集中させたり、お菓子を与えたり、歌を歌ったり、あの手この手を使いますが、アルネールの辛抱も限界です。
スタッフ「アルネール、お姉さんが見つかったよ！今こっちに向かっているからもう少し待ちましょう」ついに、お姉さんが見つかりました。
お姉さんがイベント会場に到着しました。少し恥ずかしそうな表情でお姉さんを迎えています。お姉さんは、持病がありさらに赤ちゃんの面倒を見ており、アルネールがお姉さんの元に帰りたいと言っても、実際に面倒を見ることは難しい状況です。施設を出ると、以前のように路上に戻ることになってしまうでしょう。しかし、アルネールは、絶対に施設には帰らないと言い張ります。なぜかと聞いても、嫌だからといか言いません。
スタッフ「アルネール、あなたは１年近く、その施設でご飯を食べさせてもらい、きれいな服を着せてもらい、勉強させてもらったよね。嫌だからというだけで、何も言わず逃げるの？ヒドイと思わない？とりあえず、明日施設に行って、話をしましょう。お姉さんも一緒に行ってもらうわ。それでいい？」
２０１０年１０月２９日（金）
翌朝「やっぱり僕ここにいることにする。」こちらが拍子抜けするくらい、落ち着いています。お姉さんに会えたこと、施設のスタッフと話をしたことで、気持ちが落ち着いたのでしょうか。ひとまず施設に戻ることになりました。
２０１０年１１月１０日（水）
施設からアイキャンに電話がありました。
「アルネールが学校の昼休みの時間に、他の小さな子どもを連れて学校の外に出て行ってしまった。他の子どもにまで何かがあれば、学校も施設も責任が取れない。以前にも実は施設から黙って出て行ったことがあった。他の子どもへの影響もあるので、アルネールをもう施設では預かれない。」
【アルネールのお姉さんの家。転校の手続きのため、お姉さんのお家をスタッフが訪問しました。】
【お姉さんに、アイキャンに頂いたご寄付の中から、学校で使える靴を渡しました。】
施設で預かれないと言われてしまったアルネール、お姉さんの元に戻り、転校の手続きを終えたものの、実際に学校に通ったのは３日間だけ。お姉さんの家を出て、やはり路上に戻ってしまいました。この時期のアルネールは、見るからに荒んでいきました。折角施設にいる間にシンナー（ラグビー）をやめていたのに、以前よりもヒドイ使い方をしているようです。スタッフが近づいていっただけで、逃げて行ってしまうような状態。落ち着いて話もできません。この一年が水の泡になってしまったのではないかと、私はとても残念でした。しかし、フィリピン人スタッフは言います。「彼はきっと自分で気が付くわ。待ちましょう。」
私たちは、待つことにしました。
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●東日本大震災の活動
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